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2012年9月13日 (木)

(842) メメント

【監督】クリストファー・ノーラン
【出演】ガイ・ピアース、ジョー・パントリアーノ、キャリー=アン・モス
【制作】2000年、アメリカ

10分間しか記憶を維持できない男が殺された妻の復讐を企む。時間をさかのぼるように物語が展開する超難解作品。

10分間しか記憶を維持できないという障害を持つレナード(ガイ・ピアース)。彼は、妻をレイプして殺した犯人に復讐を遂げることを生きる糧としていた。記憶に頼ることのできない彼は、自分に当てたメッセージを体に刻みつけ、ポラロイド写真の余白に書き込みをしていた。
彼はしだいに、自分につきまとっている刑事のテディ(ジョー・パントリアーノ)がレイプ犯だという結論に達し、彼を殺害する。映画はその場面から始まり、過去を少しずつたどっていく。
その過程で、彼がなぜテディをレイプ犯だと確信したかが描かれていく。しかし、その記憶をさかのぼるにつれ、テディが信用できない男であるということ自体、レナード自身が自らに思い込ませていたことが明らかになる。
レナードの妻を殺したのは、記憶障害を起こしたレナード自身だった。妻は、レナードの記憶障害が本当なのか演技なのか見分けがつかず、レナードに芝居を打つ。それは、大量の投与が危険なインシュリンを、自分に打たせてみるというものだった。彼女はレナードにインシュリンを注射させ、それが終わるとまた、インシュリンの時間が来たと言って、彼に注射を打たせた。結局、彼の記憶障害は本物で、妻はインシュリンの大量投与により昏睡し、死亡してしまう。レナードはそのショックから、自分が妻を殺したという記憶を消し去り、その事件は自分がかつて保険会社の調査員時代の顧客だった男のしわざにすり替え、妻を殺害したレイプ犯を追うという使命を自らに与えるため、テディは嘘つきであるといった情報を自ら作り出していたのだった。

超難解映画なので、上のあらすじが的確である保証はまったくない。二度、三度、見ると面白い作品だろうとは思うが、そこまで時間のない人には、「せっかく見たのに訳が分からなかった」で終わってしまうだろう。
とは言え、同じような記憶障害を扱った「博士の愛した数式」が、80分しか記憶の維持できないという極めて特異な人物を扱っている割に、あまりその特徴を生かした話になっていないように思えるのに比べると、本作では、その特性を最大限に活用しており、楽しい。過去に遡ってつじつまが合う快感というのは、実は「スターウォーズ」のエピソード1~3の楽しみにも通じたりする。
思えば同じクリストファー・ノーラン監督の「インセプション」も、クセが強く分かりづらい作品であったし、「インソムニア」も不眠症の男の意識に焦点が当たっていた。あまたある映画の中には、こういったクセの強い作品があるのも悪いことではない。

【5段階評価】4

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