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2012年7月

2012年7月28日 (土)

(818) 相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜

【監督】和泉聖治
【出演】水谷豊、及川光博、小西真奈美、小澤征悦、國村隼、岸部一徳
【制作】2010年、日本

テレビドラマ、「相棒」の劇場版第2作。「相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン」の続編に当たるが、ストーリーとしての連続性はない。

警視庁に元警官の八重樫(小澤征悦)が拳銃を持って乱入。会議中の警視庁幹部12人を人質に取る。しかし彼は突撃部隊の突入直前、人質ともみ合いになり、銃で胸を撃たれて命を落とす。発砲は混乱時の銃の暴発として処理され、被疑者の目的もよくわからないまま事件はうやむやとなる。しかし、八重樫の行動に疑問を持った杉下右京(水谷豊)は、相棒の神戸尊(及川光博)とともに捜査に乗り出す。八重樫は、幹部の会議室の突入の直前、総務部の朝比奈圭子(小西真奈美)とともにいた。朝比奈は八重樫の同期だった。エレベータに二人が乗っている現場を見ていた神戸は、退職した八重樫が朝比奈を脅して庁舎内に入り込んだと思われていたが、捜査の結果、二人は共謀していたことが明らかになる。朝比奈は、同僚の婚約者、磯村(葛山信吾)を、テロ組織の捜査中の爆発事故で失っていた。八重樫と朝比奈は、磯村の死亡した事件の裏に、警視庁内の影の管理官による陰謀があったと疑い、独自の捜査をしていた。杉下は、影の管理官が情報屋として雇っていた男を抹消するため、捜査官の犠牲を承知の上で、爆破事故を仕組んでいたことを突き止める。
影の管理官は、副総監の長谷川(國村隼)だった。彼は警視庁公安部の権力失墜を憂慮し、テロ対策の必要性を世に示すため、一連の事件を起こしていたのだった。八重樫の突入の際、彼は貧乏揺すりのふりをして足でモールス信号を発し、セーリング部の仲間である通信部長の松下(名高達男)らに八重樫殺害の指示を出していたのだった。
杉下は、会議室の盗聴録音をもとに、長谷川に罪を認めさせるが、盗聴したものは証拠とは認められず、彼らは不起訴となる。
この機に自らの政治的野望のため、幹部の粛正をもくろんだ小野田官房長(岸部一徳)は、懲戒免職となったことに逆上したノンキャリアの星、三宅生活安全部長(石倉三郎)によって刺し殺されてしまう。現場にいた杉下の「官房長ー!」という叫びが切なく胸に響いた。
小野田の死を悼む杉下ではあったが、自身の信念は曲げず、もはや警視庁への義理立ての必要もなくなった三宅を尋問することで、長谷川らの犯行を立証しようとするのだった。

八重樫が朝比奈を脅して事件を企んでいたと思いきや、実は八重樫と朝比奈が共謀しており、エレベータでの二人のやりとりも、八重樫が朝比奈を引きずり回そうとしていたのではなく、八重樫が朝比奈を事件に巻き込むまいとして、エレベータに押しとどめようとしていたことが明らかとなり、それを知った朝比奈が杉下の前で号泣する、というのが、本作の感動シーン。しかし、個人的には前作の西田敏行演じる父親の独白のほうがはるかに胸を打った。
また、幹部の一人として名高達男が出演しており、いつ見せ場が来るのかと思って期待していたら、殆ど台詞がなく終わってしまった。観客のミスリーディングを狙ったのかもしれないが、ちょっと意味が分からなかった。

【5段階評価】2

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2012年7月27日 (金)

(817) 阪急電車 片道15分の奇跡

【監督】三宅喜重
【出演】中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南果歩、谷村美月、有村架純
【制作】2011年、日本。

有川浩原作小説の映画化作品。片道15分の阪急電車今津線で偶然乗り合わせた人々の交流を描く。

登場するのは、後輩社員(安めぐみ)に恋人(鈴木亮平)を寝取られたOL(中谷美紀)。今時の人々の非常識に憤慨する老婦人(宮本信子)。志望大学への受験に悩む女子高生(有村架純)。彼氏(小柳友)のDVに悩む女子大生(戸田恵梨香)。5,000円もするような豪華な昼食に無理矢理付き合わされることに悩む主婦(南果歩)。パンクファッションで軍事オタクのため、同級生からバカにされている大学生(勝地涼)。権田原という名字や野草にこだわる変わった趣味から友達になじめない女子大生(谷村美月)。友達からいじめを受けている小学生(高須瑠香)。
彼らが、電車での出会いから少しずつ、それぞれの悩みを解きほぐしていく。

しかし、何ともタイトル倒れというか、奇跡というからには、最初は無関係だった人々が、不思議な縁でつながり、最後に何かすばらしい奇跡を起こすとか、とんでもない災難を逃れるとか、そういう想像も付かなかったような物語の収束を期待するわけだが、本作は、そういう高いハードルのサブタイトルをつけておきながら、実際には、登場人物の関わりはせいぜい2~3人ずつで、奇跡と呼ぶにはあまりにもおこがましい、偶然の、いや、ある意味当然の産物のような話の寄せ集め。まあ原作もオムニバスみたいな短編集なので、原作に忠実と言えば忠実なのかもしれないが。

まあ何にせよ、「相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン」だの、「交渉人 THE MOVIE タイムリミット高度10,000mの頭脳戦」だの、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」だの、最近の邦画の作品名にくっつく、大仰で長ったらしいサブタイトルは、何とかならんもんかねぇ。
制作者が、映画を後世に語り継ぐ名作にする気などさらさらなく、とにかく今売れればいい、と考えているのがありありで、本来、芸術作品でもあるはずの映画をあまりにも軽視していることに嫌悪感が走るし、しかも本作に関しては、「で、奇跡まだ~?」みたいな裏切りも感じた。

もう1点、気になったのは、宮本信子演じるおばあさん。説教っぷりの度がすぎていて、犬の手綱を引きたいという無邪気な孫(芦田愛菜)の願いすら、安全を優先するあまり、あなたには無理とはねつける。これは分別があるというよりは、融通が利かないという表現のほうがふさわしく、ちょっと共感しがたい性格だった。そのせいで、電車で騒ぐ関西のオバハン連中の我慢ならない様子に、この老婦人が啖呵を切るシーンも、本来なら快哉を叫ぶところであるはずが、「まあ、このおばあちゃんもちょっとな・・・」みたいな感情が邪魔してしまって、今ひとつカタルシスを感じることができなかった。

一方、関西人のタレントを多く起用しており、関西弁にあまり違和感がないのはよかった。戸田恵梨香、芦田愛菜、谷村美月、相武紗季、玉山鉄二など、へぇ、この人関西の人なんだ、みたいな発見は面白かった。主題歌もaiko。
谷村美月と勝地涼のカップルが、相手の何気ない一言にズキューンとなって戦闘機が飛んだり花が咲いたりしたシーンはかなりウケた。

【5段階評価】3

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2012年7月26日 (木)

(816) トイ・ストーリー

【監督】ジョン・ラセター
【出演】トム・ハンクス(声)、ティム・アレン(声)
【制作】1995年、アメリカ

ピクサーとディズニーの手がけたCGアニメ。子どものおもちゃの大活躍を描いた作品。

少年アンディ(ジョン・モリス、市村浩佑)は、カウボーイ人形のウッディ(トム・ハンクス、唐沢寿明)が大のお気に入り。ウッディはおもちゃだったが、実はおもちゃは意志を持っていて、自分たちで動くことができるのだった。アンディの誕生パーティの日、ウッディをはじめとするアンディのおもちゃたちは、新たなライバル出現の可能性に戦々恐々。果たして、誕生日プレゼントの中には、ハイテク機能を備えたスペースレンジャー人形、バズ・ライトイヤー(ティム・アレン、所ジョージ)があった。アンディはバズに夢中になり、ウッディは完全に自分の立場をバズに取られてしまう。
バズは自分が本当のスペースレンジャーだと信じており、アンディのおもちゃたちも彼の魅力にとりつかれる。しかしウッディはバズに嫉妬し、ラジコンカーを使ってバズを机の隙間に突き落とそうとする。しかし、調子が狂い、バズは家の窓から外に落ちてしまう。
家族でピザ・プラネットに行くことになったアンディはバズを探すが見つけられず、仕方なくウッディを持って出る。バズはそれを追いかけ、ウッディとバズはピザ・プラネットに到着。しかし彼らはアンディの隣の家に住む少年、シド(エリック・フォン・デットン、堀裕昌)に捕まってしまう。シドはおもちゃを乱暴に扱って壊してしまう少年で、ウッディはバズを連れてアンディの家に戻ろうとするが、バズはたまたまシドの家のテレビを見て、自分が実は子ども向けのおもちゃだったことを知り、すっかりやる気をなくしてしまう。バズはロケット花火をくくりつけられ、庭に連れて行かれる。ウッディはシドの部屋にいるおもちゃを仲間にして部屋から脱出し、シドにおもちゃを乱暴に扱ってはいけないと脅しを入れ、バズとともにアンディの家に向かう。
アンディの家は引越しを終えて新居に向かうところだったため、ウッディとバズは必死にそれを追いかける。最後はバズにくくりつけられたロケット花火のおかげで、アンディのおもちゃ箱の中へ飛び込むことに成功するのだった。

主に子どもの家とピザ屋さんぐらいしか登場しない狭い世界で、悪ガキから逃れてもとの少年のところに戻るというだけの話なのだが、壮大で興奮する作品に仕上がっている。おもちゃに意志があって自ら動くというのは、ありがちな設定のようだが、実在するおもちゃも採り入れることで、どきどきわくわく感がアップしている。この映画のおかげで関連するおもちゃがバカ売れしたというのも頷ける。この映画に出資したアップルのスティーブ・ジョブズ氏が大もうけしたというのも有名な話。

【5段階評価】4

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2012年7月25日 (水)

(815) ウォーリー

【監督】アンドリュー・スタントン
【出演】ベン・バート(声)、エリサ・ナイト(声)
【制作】2008年、アメリカ

ピクサーとディズニーが手がけたCGアニメ作品。

舞台は29世紀の地球。人の気配はなく、WALL・E(ベンバート、横堀悦夫)というゴミ処理ロボットが黙々と作業をしている。彼はあるとき、靴の中に育った草木の苗を見つけ、それを自分のすみかにしまい込む。
あるとき、地球に巨大な宇宙船が飛来し、一体のロボットを放つ。ロボットはイブ(エリサ・ナイト、園崎未恵)といい、不審なものには、すさまじい破壊力の銃で容赦なく攻撃する機能を持っていた。
ウォーリーは次第に彼女と打ち解ける。ウォーリーがイブの気を引こうと、見つけた苗木を見せると、イブは突然、それを体内に取り込み、動作を停止する。ウォーリーは動かなくなったイブの世話を献身的に続ける。
やがて、再びあの巨大な宇宙船が地球に到着し、イブを連れ去る。イブは地球の植物を採取するためのロボットだったのだ。ウォーリーはイブを必死で追いかけ、宇宙船にしがみつく。宇宙船の目的地は、地球を離れた人類が居住する巨大な宇宙船だった。
宇宙船にすむ人類は、移動式の椅子に座ったままで何でもロボットに世話してもらえるため、歩くこともできないほど肥満化していた。艦長(ジェフ・ガーリン、草刈正雄)は植物が再生し始めた地球に戻ろうとするが、宇宙船を実質的に支配しているロボット達は、それに逆らい、艦長を幽閉する。ウォーリーとイブは宇宙船のロボットから植物を奪い返し、艦長もロボットを手動に切り替えることに成功。宇宙船は地球に降り立つのだった。

ストーリーは単純すぎず複雑すぎずで面白く、CGアニメもスピード感にあふれ、何より美しい。宇宙船や地球上のロボットや様々な装置のデザインも洗練されていて、それをみているだけでもほれぼれとする。これを劇場で観た人は、素直に「ああ、面白かった」と思うのではないだろうか。
個人的には、ウォーリーの相棒がゴキブリというのがどうにも受け付けず、宇宙船暮らしを何百年も続けていた人類が地球に降り立った感動の瞬間も、「ああ、ゴキブリのいる惑星に来ちゃったか」と素直に喜べなかったりした。
洋画には、ゴキブリが登場する映画がいくつかある(「ジョーズ・アパートメント」とか「メン・イン・ブラック」とか)が、不潔や生理的嫌悪感をもたらすものの象徴のように描かれるばかりかと思いきや、本作のように愛らしいキャラクターとして扱う場合がときどきあるように思う。しかし、日本人でゴキブリをかわいいと思う人はそうとう珍しいはずで、主人公の相棒としてゴキブリを選択するのは、日本にはない感覚だな、と思った。

【5段階評価】4

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2012年7月24日 (火)

(814) セックスと嘘とビデオテープ

【監督】スティーブン・ソダーバーグ
【出演】アンディ・マクダウェル、ジェームズ・スペイダー、ピーター・ギャラガー、ローラ・サン・ジャコモ
【制作】1989年、アメリカ

愛の冷めた夫婦をとりまく男女関係を描いた作品。原題通りのドキッとするタイトルが目を引く。

アン(アンディ・マクダウェル)は、弁護士の夫、ジョン(ピーター・ギャラガー)と二人暮らし。子どもはおらず、セックスレスに陥っていた。ジョンはアンの妹で性に奔放なシンシア(ローラ・サン・ジャコモ)と不倫をしていた。
ジョンはあるとき、大学時代の旧友、グレアム(ジェームズ・スペイダー)を家に招く。アンは、彼の家探しを手伝ううち、彼の不思議な魅力に惹かれる。彼は自分がインポテンツであることを正直に告げ、昔は虚言癖があったが、今は嘘をつかないのだと吐露する。
彼の家には大量のビデオテープがあった。それは、グレアムが女性に性的なインタビューをした映像の記録だった。アンはそのことを嫌悪するが、シンシアはグレアムに興味を持ち、彼の家を訪ね、インタビューを受ける。彼女はビデオの前で自慰を行い、アンをあきれさせるのだった。
次第にジョンの浮気を疑うようになったアンは、ついに寝室でシンシアのイヤリングをみつけ、疑惑が確信に変わる。彼女はグレアムの家を訪ね、彼のビデオの前で自分のことを話す。離婚を決心したアンは、ジョンにそのことを告げるが、激怒したジョンはグレアムの家に殴り込み、妻の出たビデオを見る。ジョンはかつて、自分がグレアムの付き合っていた女性と関係を持ったことを告げる。嘘をつかないことが人を苦しめることもあることに気付いたグレアムは、これまで保管していたビデオテープをたたき壊し、家から投げ捨てる。それはこれまでの生き方への決別を意味していた。
ジョンは負け惜しみを言いながら弁護士事務所で仕事をするが、順調だった彼の仕事に変曲点が訪れていた。グレアムはアンと新たな生活を始めようとしていた。

映画は会話中心に展開。低予算映画ではよくあるパターン。だが、個人的には緩慢で退屈だった。
グレアム役のジェームズ・スペイダーの端正で物静かな顔立ちがとても印象的。思わず引き込まれる魅力がある。「セクレタリー」では、主人公の秘書を調教するゆがんだ弁護士を演じている。

【5段階評価】2

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2012年7月20日 (金)

(813) アクシデンタル・スパイ

【監督】テディ・チャン
【出演】ジャッキー・チェン、ビビアン・スー、ウー・シングォ、エリック・ツァン
【制作】2001年、香港

ジャッキー・チェン主演のアクション映画。

フィットネス用具店で働くバック(ジャッキー・チェン)はあるとき、予知能力により、銀行強盗事件の発生を予想。得意のカンフーで強盗事件を防ぐ。
英雄となった彼のもとに、リウ(エリック・ツァン)という私立探偵が現れる。彼はバックが孤児院出身であることを知っており、ある韓国の資産家に会ってほしいと告げる。
韓国に向かったバックは、病室で余命幾ばくもない老人に会う。老人はバックに「かくれんぼ(ハイド・アンド・シーク)をしよう」と告げ、息を引き取る。バックは老人から受け取った遺品と、墓に残されたメッセージ「WAIT FOR ME」の謎を解き、イスタンブール銀行の貸金庫に残された多額の紙幣を手にする。しかし、その直後から、彼は謎の集団に襲われるようになる。
実は息を引き取った老人は、細菌兵器を入手したスパイで、闇の組織がそれを狙っていた。組織のボス、ゼン(ウー・シングォ)は、ヨン(ビビアン・スー)という美少女をバックに接近させる。ヨンはゼンによって麻薬中毒にされていた。バックはヨンを救うため、入手した細菌兵器を彼に渡すが、ヨンはすでに麻薬に体をむしばまれており、新天地に向かおうとしたイスタンブール駅で息を引き取ってしまう。
CIA捜査官のカルメン(キム・ミン)からゼンが空港にいるという知らせを受けたバックは、彼の乗った小型飛行機にバイクごと突っ込んで離陸を妨害。車で逃走するゼンをスクーターで追いかける。ゼンの乗った車は燃料を積んだトレーラーに追突。爆発の衝撃でゼンは吹き飛ばされ、警察に捕らえられる。
トレーラーを止めると引火して大爆発が起きるため、バックはトレーラーに乗った運転手とその家族を救い出すと、陸橋から落下するトレーラーの運転席を抜け出し、決死の脱出を成功させる。
辛くも脱出したバックのもとに、リウが現れ、彼の取り戻した細菌兵器を奪い取り、立ち去っていく。彼を韓国、トルコに向かわせたのは、リウの策略だった。バックもまた、リウと同様、闇のスパイとして活躍するようになったことを暗示して映画は終わる。

本作で印象に残るのは、イスタンブール駅でバックがヨンと過ごす短いシーン。自由を手に入れたことを喜ぶバックと、体の変調が治まらず、みるみる病んでいくヨンとの対比が、何とも切ない。
その一方で、トルコの浴場でゼンの一味に襲われ、腰に巻いていたタオルが取れてフルチン状態で市場で格闘を繰り広げるコミカルなシーンもあったりする。確かによくできていて楽しいシーンなのだが、この辺りは、久々の香港映画に張り切りすぎて、てんこ盛りにしたような感が否めない。
また、序盤でバックの見せた予知能力が、後半では全く登場しないのも完全な消化不良で、何かこう、バラバラの作品をつなげて作ったような作品だった。この作品を観るのは3度目ぐらいだが、いまだに、「アクシデンタル・スパイ」と聞いたときに蘇る記憶というか、作品の世界観があいまいで、例えば、オープニングの取材クルーが研究者のなりをした集団に機関銃で殺害されるシーンも、「ああ、これこの作品だったのか」などと気付いたりして。
世界の複数の都市を股にかけて展開する作品はいろいろあるが、根底にある演出のポリシーみたいなものを統一しておかないと、こういう、あまり人の記憶に残らない作品になってしまうのだった。

【5段階評価】3

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2012年7月19日 (木)

(812) 八日目の蝉

【監督】成島出
【出演】永作博美、井上真央、小池栄子、森口瑤子
【制作】2011年、日本

角田光代原作小説の映画化作品。日本アカデミー賞10冠。

野々宮希和子(永作博美)は、不倫相手に子供を降ろすよう言われ、中絶の結果、子供を産めないからだとなる。不倫相手に子どもができたことを知った彼女は、赤ちゃんを見ようと家に忍び込み、見つけた赤ん坊を思わず略奪してしまう。
彼女は子どもに、薫と名付け、逃亡の旅に出る。エンゼル(余貴美子)と名乗る女性が主催するカルト教団施設に入ったり、友人の親が営む製麺所に住み込んだりするが、地元の行事の一コマを撮影した写真が新聞に掲載されたのがきっかけとなり、彼女は逮捕される。子どもは4歳だった。
子どもは本当の両親の元に戻され、本来の名前、恵理菜として育てられる。しかし母親の恵津子(森口瑤子)は、希和子を母親だと思い込んでいる娘とうまく接することができず、情緒不安定な状態となる。父親も誘拐犯と不倫をした男というレッテルを貼られ、家族は崩壊状態となってしまう。
成長した恵理菜(井上真央)もまた、妻子のいる男(劇団ひとり)と不倫の関係となっていた。そんな恵理菜のところに、彼女のことを本に書こうというフリーライター、安藤千種(小池栄子)が現れる。恵理菜は不倫相手の子を身ごもるが、男と別れ、産むことを決意する。恵理菜は、千種とともに、幼少時代の恵理菜の足跡を追う旅に出る。恵理菜はやがて、自分が希和子から愛情を受けて育てられたことを知るのだった。

ロードムービー風の展開で、中だるみのない作品。大泣きするような作品ではなかったが、面白かった。
感動したのは、実は小池栄子の演技。乳がでかいというだけでタレントになり、女優を気取ると揶揄される典型のような存在だが、本作ではいい芝居をしている。ライターという職に就いていながら、歩き方はどこかぎくしゃくしている。そして何よりも、会話のテンポがちょっとずれていて、少し頭が足りないような軽薄な話し方。しかし、この話し方は巧みに演出されていて、実は彼女が、恵理菜と同じ、エンゼルホームという、特殊な教団施設で育てられたのだ、ということが後で分かる。
施設の教祖、余貴美子の怪演も光った。「椿山課長の七日間」では、恋に不器用な中年デパート店員を好演していた。本当に器用な役者さんだ。

【5段階評価】3

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2012年7月18日 (水)

(811) ヒート

【監督】マイケル・マン
【出演】ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョン・ボイト
【制作】1995年、アメリカ

犯罪組織のボスと刑事の戦いを描いたハードボイルド・アクション。

ニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)は、仲間のクリス(バル・キルマー)、マイケル(トム・サイズモア)、トレヨ(ダニー・トレホ)、ウェイングロー(ケビン・ゲイジ)とともに、現金輸送車から有価証券を強奪。しかし、新入りのウェイングローは、計画に従わず、警備員を射殺してしまう。ニールはやむなく、警備員全員を射殺する。
強奪には成功したものの、怒ったニールはカフェの駐車場でウェイングローを殺そうとする。しかし、巡回のパトカーが現れて躊躇した隙に、ウェイングローは逃亡してしまう。
現場に到着した刑事のビンセント・ハナ(アル・パチーノ)は、事件が完全なプロの仕業であると見抜き、過去の同種の事件を洗うよう指示する。
ビンセントは結婚していたが、仕事に没頭するあまり、妻との関係はうまくいっていなかった。ニールは仕事の邪魔になるからと家族は持たないようにしていたが、とあるバーで知り合った若い女性、イーディ(エイミー・ブレネマン)と急速に親しくなる。
ビンセントはついにニールのしっぽをつかみ、車で移動中のニールと対面する。二人はバーで杯を交わすが、互いに次に会ったときは躊躇なくお前を殺すと言い合うのだった。
ニールは最後の銀行強盗を機に、イーディと高飛びして足を洗おうと決める。しかし、ウェイングローはニールへの復讐心から、マネー・ロンダリングを生業とするバン・ザント(ウィリアム・フィクナー)に取り入る。ウェイングローの仕業によって、銀行襲撃のたれ込みが警察に入り、強盗を終えて銀行を出たニールらは、警察に包囲される。
警察に気付いたクリスの発砲を機に、市街地ですさまじい銃撃戦が勃発。マイケルは子どもを人質にとって逃げようとするが、ビンセントの銃撃により命を落とす。
クリスも撃たれて重傷を負うが、ニールは何とか彼を連れて逃亡に成功。直前に参加をキャンセルしたトレヨの家に向かうが、彼は何者かに襲われていた。トレヨの口から、ウェイングローの裏にバン・ザントがいると知ったニールは、自宅でくつろぐバン・ザントの家に押し入る。しらばっくれるバン・ザントを問答無用に撃ち殺した彼は、イーディとともに高飛びをしようとするが、その直前、ニールは、信用する情報屋のネイト(ジョン・ボイト)からウェイングローの居場所を聞かされ、彼の潜伏するホテルに向かう。ホテルの従業員になりすましてウェイングローを殺害するニールだったが、そこにビンセントが到着。ニールは車の中で彼を待ち続けているイーディを置き去りにするしかなかった。暗闇の中、空港近くのヤードで息を潜めてビンセントの動きを探ろうとするニールだったが、飛び交う飛行機の照明によって伸びた一瞬の人影を見逃さなかったビンセントの銃が火を噴き、ニールは倒れる。

クライマックスの白昼の銃撃戦と、ニールがウェイングローへの復讐のため、ホテルに潜入するシーンは迫力があったが、前半の登場人物の描写が長すぎで退屈きわまりなかった。
この退屈の理由を、映画を見直しながら考えてみた。映画は通常、いくつかのエピソード(シーン)の連なりによってできあがっている。この一つ一つのシーンを大まかに分解すると、次のような感じになるだろう。

(1) 新たな場面の開始。遠景で車が走っている(誰が乗っているのかは分からない)とか、ビル街の風景とか、そういうもので、この時点では観客はこれから何のシーンが始まるのか分からない。
(2) 映像や登場人物の台詞などにより、このシーンが何のシーンかが判明する。ああ、前のシーンで言ってた情報屋と会う場面だな、とか、登場人物と妻との関係がぎくしゃくしていることを言おうとしているのか、とか。
(3) 何のシーンであるのかが判明した状態で、物語の展開を楽しむ。

で、どういうときに退屈かというと、以下のようなパターンがある。

一つは、当たり前だが、(3)がつまらない、抑揚がない場合。本作だと、ビンセントと妻の会話のシーンなんかがこれに当たる。緊迫しているようで、どことなく緩慢だった。

二つ目は、これが本作の特徴だと思うが、(1)のシーンが長い、つまり、新たな場面に転じたときに、「これは何のシーンだろうか」というのがよくわからないまま映画が進行する時間が長いのだ。そうすると、観る側は興味を保つことができず、話に入り込めなくなってしまう。また、(2)自体が判然としないのもかなりたちが悪く、そうなると観客は(3)の状態に行くことができず、ただただ一連のシーンを、ずっと意味不明なまま見続けることになる。

もう一つ、この手のサスペンスものだと、(2)で起こる状況判明の瞬間、「でもこの展開には裏があるのかもしれない」と勘ぐる必要が出てくる。本作でいうと、ジョン・ボイト演じるネイトの存在は最後まで非常に怪しくて、彼が本当に主人公のニールの味方なのか、真の黒幕なのか、読みきれなかったりする。そうなると、(3)のシーンを純粋に楽しめない。
もちろん、見る側の予想の裏切りがストーリーの楽しみを産む場合もあるのだが、あまりにも勘ぐらなければならない箇所が多すぎると、結果として、「何がどうなっているのかよく分からない」という状態になってしまう。

本作は後半がよかっただけに、この前半の退屈さはもったいなかった。

【5段階評価】3

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2012年7月15日 (日)

(810) ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

【監督】ヘンリー・セリック
【出演】クリス・サランドン(声)、キャサリン・オハラ(声)
【制作】1993年、アメリカ

ハロウィン・タウンの住人の一人、ジャック(クリス・サランドン、市村正親)が、クリスマスに憧れ、町でクリスマスを祝おうとする。彼はサンタクロースを拉致して自分がサンタになろうとするが、ハロウィン・タウンの住人の作ったプレゼントはどれも悪趣味なものばかりで、クリスマス・タウンの人々は恐怖する。自分のしたことの過ちに気付いたジャックは、サンタクロースを解放するのだった。

序盤から、なんとなく趣味の悪いモンスターが登場。最後まで楽しいシーンのないまま終わった。個性的なキャラクターの造形は楽しいが、好き、という類のものでもなかった。
ヒロインのサリー(キャサリン・オハラ、土居裕子)も簡単に手足がもげたり、裂けた口を縫っていたり、キモかわいいというには、ちょっとキモさが気になった。
それより何より、ストーリーとしての面白さが感じられず、「ストップモーションアニメにしてはよくできてるな」というところを一生懸命探して興味を保とうとしていた。観る側が見所を探すのに精一杯というのは、やはり腑に落ちない。

【5段階評価】2

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2012年7月14日 (土)

(809) きな子~見習い警察犬の物語~

【監督】小林義則
【出演】夏帆、寺脇康文、戸田菜穂、山本裕典
【制作】2010年、日本

実在の見習い警察犬を題材に描いた、警察犬訓練士を目指す若い女性の物語。

舞台は四国。警察犬訓練士の父親(遠藤憲一)を持つ杏子(夏帆)は、見習訓練士として、父親の後輩の晴二郞(寺脇康文)の訓練所に住み込みで働くことになる。
訓練士の生活は過酷で、朝早くから夜遅くまで、重労働の繰り返しだったが、杏子は一匹のひ弱そうなラブラドールレトリーバーの子犬、きな子を警察犬に育てようと決心する。
しかし、きな子の訓練はうまく行かず、そのズッコケぶりがテレビで取り扱われて、おかしな形で有名になってしまう。杏子はとうとう、いくら努力してもだめな人の気持ちなんか所長には分からない、と捨て台詞を吐いて、訓練所を去ってしまう。
杏子がいなくなった後も、きな子は人気者としてイベントにかり出されていたが、その姿はどこか悲しそうだった。晴二郞の娘、新奈(にいな)(大野百花)は、杏子がいなくなったことで、きな子も家族も気落ちしていると感じ、きな子を連れて杏子を探しに出る。しかし、途中の山道で崖から落ち、動けなくなってしまう。
新奈がいなくなったとの知らせを受けた杏子は、新奈を探そうと家を飛び出す。そこで杏子はきな子と再会。杏子はきな子に「探せ」と命じ、新奈を見つけ出す。杏子は再び訓練士としての道を進む決意をするのだった。

ベタな話と言えばベタな話だが、なかなか面白かった。新奈のツンデレっぷりには評価が分かれるかもしれない。私ならひっぱたいてそうだが。
印象に残ったのは、杏子がうまくハードルを超えさせられなかったシェパードを、晴二郞がそのまま引き継いでジャンプさせるシーン。ノーカットで撮られており、撮影の努力が伺われた。こういうところで手を抜かないのは素晴らしい。

【5段階評価】4

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2012年7月13日 (金)

(808) デッドコースター

【監督】デビッド・リチャード・エリス
【出演】A・J・クック、マイケル・ランデス、アリ・ラーター
【制作】2003年、アメリカ

予知夢により死を逃れた人々が、再び死の運命に巻き込まれるさまを描いたホラー・アクション。「ファイナル・デスティネーション」の続編。
おどろおどろしい恐怖というよりも、理不尽な死をショッキングな映像で描いた、スピード感のある作風である。

キンバリー(A・J・クック)は、友人とのドライブの際、自分たちが悲惨な交通事故に巻き込まれることを予知し、高速道路への侵入を回避。その結果、彼女を含め、後続車に乗っていた人たちも死を逃れることになる。
ところが、死を逃れた人々が、次々と不可解な死を遂げていく。最初の犠牲者は宝くじの当たった幸運な男。ガスコンロと電子レンジで自分の食事の用意を始めるが、冷蔵庫のマグネットが落ちて食べ物の中に入り、そのままレンジに行き、途中で暴発する。驚いた彼は、高価な指輪を流し台の中に落としてしまい、それを拾おうと流し口の中に手を突っ込むが、腕時計がじゃまで手が抜けなくなってしまう。その間にガスコンロのフライパンが炎を上げ始め、それを消そうとして焦った彼は、タオルを使ってフライパンを床にたたき落とすが、こんどはそれがごみ箱に引火し、火の海になってしまう。ようやく手を引き抜いた彼は、ガラスを破って外の非常はしごを使って1階に降りるが、自分が外に捨てたスパゲッティで足を滑らし、はしごの下で転倒する。そこにはしごが落下し、目を直撃して命を落とす。
そのニュースを知ったキンバリーは、かつて180便の航空機事故から逃れた高校生達が次々と死んでいった事件が、再び現実のものとなろうとしていることを知る。
彼女は、180便事件の生き残り、クレア(アリ・ラーター)に相談に行き、クレアも彼女たちの死との戦いに協力することになる。
しかし、続いて、交通事故を逃れた親子が犠牲となる。子どもは地面にいた鳩をふざけて脅かしたため、鳩に驚いた建設工事の作業員がクレーンの操作レバーにぶつかり、クレーンが吊っていた巨大なガラス板が少年の上に落下して圧死。母親は、エレベーターから慌てて降りようとして、首だけがエレベーターに残ってしまい、そのままエレベーターが動き出して首が切断されて死亡。
キャリア・ウーマンのキャットは、運転する車で事故を起こし、救出作業中にエアバッグが突如作動してしまい、そのはずみで座席のヘッドレストに刺さっていたパイプが頭を貫通して死亡。彼女の煙草の吸い殻が、別の車から漏れていたガソリンに引火し、車が爆発。それが原因で吹っ飛んだ有刺鉄線が体を直撃し、薬物中毒の男も命を落とす。
バイク乗りだった黒人は、運び込まれた病室で密室状態になり、それを開けたクレアとともに爆死。
死を逃れるカギは、新たな命にあることを知ったキンバリーは、同じ交通事故の生き残りである警官、トーマス・パーク(マイケル・ランデス)とともに、交通事故に巻き込まれた妊婦が無事に子どもを出産できるよう奔走。なんとか子どもは生まれるが、実は妊婦は交通事故で死ぬ予定ではなかったため、この新たな命の誕生は、死の連鎖を止めることには無関係だった。
キンバリーは、自分の予知に基づき、自分がわざと死に、医者の力によって蘇生することが、新たな命のカギであることに気付く。彼女は医者の力で蘇生し、死の連鎖はストップしたかに見えた。
しかし、車に轢かれそうになったところを薬物中毒の男に助けられた少年が、事件の落着後に爆死。死の連鎖は終わっていないことを暗示するのだった。

コンセプトは面白い。最初の犠牲者の男の調理の仕方が粗雑で、いかにも死と隣り合わせで危なっかしかったり、歯医者の治療を受ける少年とその母親にも、つぎつぎと死を予感させるできごとが起きたり、人々をハラハラさせる演出がなかなか楽しい。それを運良く逃れつつも、最後は壮絶な死が訪れる、というあたりの見せ方もよかった。
しかしながら、テレビ放映、しかも午後のロードショーでは、肝心な死のシーンのカットが激しすぎて、楽しさは半減だった。
期せずして、本ブログの公開は13日の金曜日。思わぬホラーつながりだ。

【5段階評価】4

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2012年7月10日 (火)

(807) かいじゅうたちのいるところ

【監督】スパイク・ジョーンズ
【出演】マックス・レコーズ、キャサリン・キーナー、ジェームズ・ガンドルフィーニ(声)
【制作】2009年、アメリカ

有名な絵本の実写化作品。

絵本の登場人物はとてもよく再現されていて、主人公の少年、マックス(マックス・レコーズ)のおおかみのきぐるみや、かいじゅうたちの造形は絵本のまんまという感じ。特にかいじゅうたちの表情が、ただのきぐるみでは表現できない豊かさで、ラストシーンで船に乗って帰ろうとするマックスを見つめるキャロル(ジェームズ・ガンドルフィーニ)の悲しそうな顔はよくできていた。

ただ、映画全体は、子ども向けと言うには退屈で、大人が見るにしては陰鬱。メリハリのない作品だった。

【5段階評価】2

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2012年7月 8日 (日)

(806) リロ・アンド・スティッチ

【監督】クリス・サンダース、ディーン・デュボア
【出演】デイビー・チェイス(声)、クリス・サンダース(声)、ティア・カレル(声)
【制作】2002年、アメリカ

宇宙人とハワイの少女の友情を描いたディズニー・アニメ。

とある宇宙の星で、科学者のジャンバ・ジュキーバ博士が破壊欲望のみのモンスターを創る。政府はこのモンスターを銀河系から追放することにするが、途中で脱走し、地球のカウアイ島に落下する。しかし、モンスターはいきなり車にひかれ、動物保護センターに保護される。
友達のほしかった少女、リロ(デイビー・チェイス)は、姉のナニ(ティア・カレル)に頼んで、犬を買ってもらうことにする。二人は保護センターに向かい、そのモンスターに出会う。リロはそれを犬だと思い込み、スティッチと名付けて飼うことにする。
はじめはなんでも壊そうとするスティッチだったが、リロと行動をともにするうち、スティッチの中に、いつしか家族を大事にする心が芽生え始める。
スティッチを銀河系から追放しようとしていたエイリアンたちは、スティッチを捕獲するが、スティッチの心が優しくなったのをみて、リロと一緒に暮らすことを認めるのだった。

銀河系を追放されるほどのとんでもない生物だというわりに、意外とおとなしいというよくわからない設定と、リロにしてもスティッチにしても、お姉さんのナニにしても、あまりかわいくないのとで、まあ、変化球としてはアリかもしれないが、本流の作品とはいいづらいなぁ、というのが正直なところ。

【5段階評価】2

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2012年7月 7日 (土)

(805) 椿山課長の七日間

【監督】河野圭太
【出演】西田敏行、伊東美咲、志田未来、成宮寛貴、余貴美子
【制作】2006年、日本

浅田次郎原作小説の映画化作品。

デパート勤めだった椿山和昭(西田敏行)は、仕事中に急逝。天国に旅立つ手前の中陰役所で、案内係のマヤ(和久井映見)に、現世にやり残したことのある人は、初七日が終わるまでの間、現世に「逆送」できると聞かされる。
椿山は逆送を希望。逆送が認められたのは、彼の他にやくざの親分、武田(綿引勝彦)と少年の雄一(伊藤大翔)だった。逆送の際、椿山はマヤに「あなたは重大な事実を知らないままなくなった」と聞かされ、その謎を解くことになる。武田は子分達の抗争を止めるため、また、雄一は自分の本当の両親に会うことを望んで現世に戻っていた。
椿山が目覚めると、若い女性(伊東美咲)の姿になっていた。同じく少女の姿(志田未来)となった雄一とともに、二人は行動を開始。椿山はやがて、ボケていたと思っていた自分の父親(桂小金治)が、実はボケたふりをしているだけで、椿山の息子と電子メールのやりとりをしていたこと、妻の由紀(渡辺典子)が自分の後輩の嶋田(沢村一樹)と不倫していたことを知る。さらには息子の陽介(須賀健太)が、実は自分の子どもではなく、嶋田の子であったことを陽介から聞かされる。
武田は若い男(成宮寛貴)として現世に戻り、武田の息子と名乗って、子分の純一(松田悟志)に会い、仇討ちをしないよう諭すが、もう一人の子分の卓人は、武田の弟分の市川(國村隼)への復讐を誓って行方知れずになっていた。武田は市川を守るため、市川と行動をともにする。
雄一は、自分が孤児として暮らしていた施設を訪れ、自分の両親の本名を聞き出す。彼の父親は市川だった。それを知った武田は、市川夫妻に雄一を引き合わせる。雄一は少女の姿となっていたため、雄一は仲良くなった陽介に雄一のふりをするように頼み、彼の口を通して「生んでくれてありがとう」という感謝の言葉を両親に伝える。
そのとき突然、建物のガラスを突き破って卓人(青木崇高)が殴り込み、市川に銃を向ける。武田はとっさに市川をかばい、胸に銃弾を受けるが、そのまま卓人に手紙を託し、この世から消滅する。
市川は再び陽介を抱きしめるが、それを見つめる少女を見て、母親の静子(市毛良枝)は、彼女こそが雄一の真の姿だと悟り、彼女を抱きしめる。雄一は泣きながら礼を述べ、武田と同様に姿を消す。
椿山は陽介を家に返し、由紀と嶋田に幸せになるよう告げて、立ち去る。嶋田はもう由紀とは会わないことにし、自分を嫌っていた陽介に「もう来ないからさ」と言って立ち去ろうとするが、陽介はそんな嶋田に「いつでも来て、お父さん」と微笑みかける。嶋田は思わず嗚咽を漏らし、陽介を抱きしめるのだった。
中陰役所に戻った武田、椿山、雄一の3人は、その日に亡くなった椿山の父親とともに、天国への階段を上っていくのだった。

めちゃくちゃ泣ける映画だった。原作は昔に読んでいて、ほのぼのとしたコメディのような印象を持っていたが、ここまでの感動作に仕上げた監督や俳優陣の力量に感服。
特に、母親に抱きしめられて涙が止まらない雄一(志田未来)に、こちらももらい泣きしまくり。陽介が嶋田にお父さんと呼びかけるシーンも非常によかった(沢村一樹の演技は少々クサかったが)。
オープニングも、いきなり死んで目覚めるシーンから始まり、展開がスピーディ。よくあるパターンとしては、まずは凡庸な中年課長の日常が描かれ、家庭が描かれ、その後にようやく死が訪れて本題が始まる、となるのだが、これだと序盤のいわば状況説明のためのシーンが退屈で眠くなってしまう。本作ではこの序盤がなく、家族との関係や、彼がどのように亡くなったのかは、中盤で語っていくという構成にしているので、退屈することなく物語に入り込める。3人のドラマが絡み合い、登場人物も多めでけっこう複雑なのだが、無駄を省いた分かりやすい構成で、無理なく話を理解できるあたりもよかった。

【5段階評価】5

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2012年7月 6日 (金)

(804) 燃えよドラゴン

【監督】ロバート・クローズ
【出演】ブルース・リー、ジョン・サクソン、ジム・ケリー、シー・キエン
【制作】1973年、香港・アメリカ

少林寺の誇りと家族を殺されたことに対する復讐心を胸に、悪の組織と戦うカンフーの達人を描いた作品。ブルース・リーの主演映画で最も有名な作品だろう。

少林寺拳法の達人、リー(ブルース・リー)は、少林寺の教えに背いて悪事に手を染めるハン(シー・キエン)を倒すため、ハンの主催する武術大会に出場することにする。ハンの手下であるオハラ(ボブ・ウォール)は、かつて、リーの妹(姉という説もあり)を襲い、逃げ場を失った彼女は落ちていたガラスの破片で自害していた。そのことを知ったリーは、オハラにも強い復讐の念を抱く。
リーは、ハンの屋敷で悪事の証拠をつかもうと地下工場に忍び込む。何者かが詮索していると知ったハンは、警備を破られるという失態を犯した部下を、見せしめとして腹心のボロ(ヤン・スエ)に殺させる。ハンのやり方に反発したアフロヘアーのウィリアム(ジム・ケリー)は、ハンにけんかを売るが、逆にハンの鋼鉄の拳による攻撃で命を落とす。
同じく大会の出場者だったローパー(ジョン・サクソン)は、麻薬密売に荷担するよう打診されるが、親友のウィリアムを殺したハンに反発し、それを断る。
リーは、再び地下工場に潜入し、本土にモールス信号で連絡するが、ハンに捕らえられる。
翌朝の試合会場で、ハンはローパーにリーと戦うよう命じるが、ローパーはそれを断る。ローパーはボロと対決し、ボロを倒す。会場は、リーとローパーの二人とハンの組織との大乱闘になる。リーはハンを追い、鋼鉄の手を鉄の爪につけかえたハンと死闘を演じる。
鏡の部屋で一時は不利な体制となるリーだったが、幻影を倒すことが相手を倒すことになるという師の教えを思い出し、見事にハンを倒すのだった。

悪の親玉が、最初は主人公に寛容な態度で接するが、次第に余裕をなくし、最後に本性を現すという、非常に典型的な展開を見せる。銃を使えない孤島での戦いという設定もうまく採り入れられている。
冒頭ではサモ・ハン・キンポー、中盤ではジャッキー・チェンやユン・ピョウもちょい役で登場しており、それを探すのも楽しい。
クライマックスの鏡の部屋での戦いは、戦闘自体はどうなっているのかわかりづらいが、映像としては斬新で印象的。本作の一番の名場面と言えるだろう。
ジャーン、ジャジャン、ホァーッ、という、コロッケの沸騰ヤカンネタでも有名な曲は、この映画のテーマ曲である。

【5段階評価】4

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2012年7月 5日 (木)

(803) マイティ・ハート/愛と絆

【監督】マイケル・ウィンターボトム
【出演】アンジェリーナ・ジョリー、ダン・ファターマン、イルファール・カーン
【制作】2007年、アメリカ

夫をテロ組織に殺害された女性、マリアンヌ・パールの手記を原作とした作品。

ジャーナリストのマリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)は、同業のダニエル・パール(ダン・ファターマン)と結婚。二人は仕事でパキスタンに滞在していた。
彼女が妊娠6ヶ月を迎えた頃、悲劇が訪れる。夫がテロ組織に誘拐されてしまったのだ。
テロ組織は、同胞の待遇改善やジェット機を求め、さもなくばダニエルを殺害すると脅迫してくる。
パキスタンのテロ対策部門のリーダー、ハビブ(イルファール・カーン)をはじめとしたスタッフは、懸命の捜索を続けるが、1ヶ月後に彼らが入手したのは、刃物で首を掻き切られたダニエル殺害の映像だった。
その知らせを受けたマリアンヌは慟哭するが、気丈にもテレビに出演し、悲しみと対峙する。その後、生まれた男児に、夫が決めていた名前、アダムを与え、二人で暮らしていくのだった。

ドキュメンタリー・タッチの写実的な映像で、パキスタンという喧騒にまみれた町の中で翻弄される夫婦の姿を克明に描いている。
作中、夫の無事を祈るマリアンヌが、「南無妙法蓮華経~」とお題目を唱えるシーンがある。唱え方がなんとも日本語的で、日本の宗教にはまっているということのようだが、必要なシーンだったのか、ちょっと気になった。

【5段階評価】3

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2012年7月 4日 (水)

(802) タイタンの戦い

【監督】ルイ・レテリエ
【出演】サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、ジェマ・アータートン
【制作】2010年、アメリカ・イギリス

神話を題材に、人類と神の戦いを描いた作品。

海で漁師(ピート・ポスルスウェイト)に拾われたペルセウス(サム・ワーシントン)は、漁師として立派に成長する。ある日、彼らが家族で漁をしていると、兵士たちが巨大なゼウスの像を破壊しているところを目撃する。すると海からハデス(レイフ・ファインズ)が現れ、兵士たちをなぎ倒す。ハデスはペルセウスの乗った船にも襲いかかり、彼の家族が犠牲となる。
兵士に救助されたペルセウスは、王国内に連れて行かれる。宮殿内で、人間の時代が来た、と豪語するケフェウス王(ビンセント・リーガン)。王妃カシオペア(ポリー・ウォーカー)もまた、娘のアンドロメダ(アレクサ・ダバロス)は美の女神アフロディーテより美しい、我々が神になったのだ、と叫ぶ。「それは言い過ぎだ」と突っ込む王。いやいや突っ込む資格ないからあんた。
そこに再びハデスが現れる。人々の傲慢に怒った神、ゼウス(リーアム・ニーソン)が、神々の会議の場で、増長した人間を懲らしめよとの命を兄のハデス(レイフ・ファインズ)に与え、人間界に送り込んだのだ。ハデスは日食の日にアンドロメダを生け贄に捧げなければ、魔獣クラーケンを放ってアルゴスの街を滅ぼすと宣告。そして去り際に、ペルセウスがゼウスの息子であると告げる。ペルセウスは、ゼウスと人間の間に産まれた子だった。
ペルセウスは、王の部隊とともに神との戦いに挑む。ペルセウスの守護者イオ(ジェマ・アータートン)は、ペルセウスをクラーケン討伐に導く。ペルセウスは王国の兵士たちとともに街を出る。彼らはクラーケンを倒す手がかりを得るため、グライアイの魔女の住む山を目指す。
一方ハデスは、ゼウスに妻を寝取られたかつての王、カリボス(ジェイソン・フレミング)に、ゼウスの子、ペルセウスを倒すようそそのかし、彼に魔力を与える。カリボスは旅の途中にあったペルセウスに襲いかかるが、兵士の一人が彼の手首を切り落とし、カリボスは逃走。その血のしたたった地中から巨大なスコーピオンが現れる。スコーピオン相手に死闘を繰り広げるペルセウスたちだったが、巨大なスコーピオン3体に囲まれる。万事休すというときに、砂漠の民ジンが現れる。ジンはスコーピオンの扱いに長けていた。ジンの長(イアン・ホワイト)は彼らと手を組むことを決め、ともにグライアイの魔女のすみかを目指す。グライアイの魔女は、目のあった者の姿を石に変えるメデューサの力が必要だと彼らに告げる。
ペルセウスたちはメデューサの討伐に向かう。仲間が次々と石に変えられていく中、ペルセウスはメデューサの首を手に入れ、洞窟を抜け出る。外で待っていたイオはペルセウスの帰還を喜ぶが、突如、そこにカリボスが現れ、イオに剣を突き立てる。ペルセウスはゼウスに与えられた剣でカリボスを倒すと、イオの言葉に従い、ペガサスに乗ってアルゴスに向かう。そこでは、生け贄にされたアンドロメダが、クラーケンの餌食になろうとしていた。ペルセウスはメデューサの首の力でクラーケンを石に変え、アルゴスの街とアンドロメダを救う。そこに怒りに満ちたハデスが現れるが、ペルセウスはハデスに剣を投げつけ、その勢いでハデスは冥界に送り込まれる。
ゼウスはペルセウスに神の座につくよう説くが、ペルセウスは固辞する。ゼウスはペルセウスの伴侶に、とイオを蘇らせるのだった。

伝説の剣とスコーピオンの盾を手に入れ、魔女に会ってフラグを立ててメデューサを倒す。ペガサスに乗って街にワープし、クラーケンとハデスを倒す。次々と冒険の目的が小出しにされて飽きずに観ることができるのだが、サブクエストをクリアしながらエンディングを目指す一本道RPGのような展開だなあと感じた。とはいえ映像はすばらしく、CGくささもなくてよくできていた。巨大なスコーピオンとの戦いも、迫力がすさまじかった。ただ、デカい生物の動きが早すぎて、何がどうなってるのやら、というのは、「トランスフォーマー」と同じだった。
イオを演じたジェマ・アータートンと、アンドロメダ王女を演じたアレクサ・ダバロス。どちらも美人だが、落ち着いた印象のジェマのほうが、かわいさをたたえたアレクサより4つも年下というのは意外だった。
ジェマ・アータートンは「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」で王女の役を演じているが、同一人物とは思えないぐらい印象が違った。
レイフ・ファインズは、「ハリー・ポッター」シリーズの悪の親玉ボルデモートを演じた俳優だが、本作でも冥界の神、ハデス役。「イングリッシュ・ペイシェント」でも顔面大やけどの主人公を演じている。超絶メイク俳優ナンバーワンの称号を与えたい。
監督のルイ・レテリエは、「トランスポーター」や「トランスポーター2」を手がけている。
主演のサム・ワーシントンは、「アバター」の主役も演じており、乗りに乗ってる俳優というところだろう。

【5段階評価】4

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2012年7月 3日 (火)

(801) ブラザーズ・グリム

【監督】テリー・ギリアム
【出演】マット・デイモン、ヒース・レジャー、レナ・ヘディ
【制作】2005年、イギリス

白雪姫や赤ずきんなどの童話をモチーフとして、魔女と戦うグリム兄弟の活躍を描いたダークファンタジー。

兄のウィル(マット・デイモン)と弟のジェイコブ(ヒース・レジャー)は、魔物退治をなりわいとするグリム兄弟として活動していた。しかし実際は、おかかえのスタッフを使って機械仕掛けの魔女を操り、さも魔女を退治したように見せかけていた。彼らはペテン師として将軍に捕まり、とある村で起きている、少女の連続失踪事件の謎を解くよう命じられる。
村人から説明を受けた二人は、村に住む独り者の狩人の女性、アンジェリカ(レナ・ヘディ)と村に入り込む。そこでは虫が大量に発生したり、木が意思を持って動き出したりと、とても彼らの行う機械仕掛けのトリックでは説明のできない現象が起きる。森の中にある入り口のない塔にいる魔(モニカ・ベルッチ)が、永遠の美貌を手にするため、オオカミ男(トマス・ハネク)を使って12人の少女を集めていた。
現実主義者のウィルは、森から逃げだそうとするが、ジェイコブは、ようやく作り物ではない本当の魔物に興奮。兄を奮い立たせて魔女を倒す。

赤ずきんやヘンゼルとグレーテル、白雪姫などの童話の要素がちりばめられているが、全体的な話にそれほどからんでくるわけではなく、あくまでも味付けとして使われている程度。童話の登場人物を一緒くたにして登場させるという手口は、「シュレック3」なんかでも使われている。
陰湿な村や森の描写は、「スリーピー・ホロウ」と非常によく似た雰囲気。馬がクモにたかられて魔物になってしまったり、腹ボテの馬が疾走するあたりの映像はよくできていて、おそらくCGなんだろうけれど、「どうやって馬にこんな演技をさせているんだろう」と不思議だった。
それにしても、フランスとドイツの話なのに、登場人物はみんな英語を話すんだなぁ、と、この作品でも気になってしまった。

【5段階評価】3

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2012年7月 2日 (月)

(800) ハムナプトラ2/黄金のピラミッド

【監督】スティーブン・ソマーズ
【出演】ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、アーノルド・ボスルー、ザ・ロック
【制作】2001年、アメリカ

ハムナプトラ」シリーズ第2作。夫婦となった前作の主人公とヒロインが、古代エジプトの神官と再戦する。

古代から蘇ったイムホテップを死の世界に送り込んだリック・オコンネル(ブレンダン・フレイザー)とエブリン(レイチェル・ワイズ)は結婚。息子のアレックス(フレディ・ボース)とともに古代遺跡を探索していたエブリンの頭の中に、なぜか古代エジプトの映像が浮かび上がる。それを頼りに封印された扉を開いたエブリンとリックは、古代の勇士、スコーピオン・キング(ザ・ロック)のはめていたアヌビスの腕輪を発見する。
大英博物館長のハフェズ(アラン・アームストロング)とミラ(パトリシア・ベラスケス)は、手下を使ってエブリンを誘拐し、イムホテップ(アーノルド・ボスルー)の復活の儀式を行う。ミラは、イムホテップのかつての恋人、アナクスナムンの生まれ変わりだった。
儀式の場に乗り込んだリックは、エブリンを救い出し、エブリンの兄、ジョナサン(ジョン・ハナー)の運転する二階建てバスで逃走するが、アレックスを誘拐されてしまう。彼らは、イジー(ショーン・パークス)の飛行船で息子を追う。
しかし、息子を追ってたどり着いたカルナック神殿で、エブリンはミラに刺し殺されてしまう。エブリンは、かつてアナクスナムンとライバルだったネフェルティティの生まれ変わりだったのだ。
ハフェズはスコーピオン・キングを復活させる。イムホテップはスコーピオン・キングに忠誠を誓うふりをして、リックに差し向けるが、リックは伝説の槍で彼を葬り去る。
リックの死闘のさなか、アレックスは、ジョナサンとともに、死者の書を使ってエブリンの復活に成功。リックとイムホテップは、亡者のうごめく地の裂け目に引きずり込まれそうになる。リックは自分にかまわず逃げろ、とエブリンに叫ぶが、エブリンは危険を顧みずリックのもとに駆け寄り、彼を救い出す。それを見ていたイムホテップは、ミラに自分を助けろ、と命ずるが、ミラは彼を見捨てて逃げ去ってしまう。絶望に沈んだイムホテップは、そのまま亡者の海の中に落下し、逃げ去ったミラもまた、肉食昆虫スカラベの波に飲まれてしまう。
リック達は、イジーの飛行船に飛び乗り、なんとか神殿から脱出するのだった。

1作目同様、おどろおどろしいミイラが登場し、残酷なシーンがありつつも、コミカルな演出が施され、楽しめる作品。
1作目で、エブリンが、図書館の本棚を将棋倒ししてしまうシーンがあるが、本作では、遺跡の中の支柱をアレックスが倒してしまい、「I can explain this(訳は話すよ)」と言う台詞がある。1作目を観ていると、「だってお母さんの子どもなんだもん」なんて言いそうで、ちょっと楽しい。

【5段階評価】4

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2012年7月 1日 (日)

(799) ハムナプトラ/失われた砂漠の都

【監督】スティーブン・ソマーズ
【出演】ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、アーノルド・ボスルー
【制作】1999年、アメリカ

ミイラからよみがえった古代エジプトの神官と探検家との戦いをCGをふんだんに使って描いたアクション。原題は「The Mummy」、つまり、「ミイラ」というシンプルなタイトルで、過去にも何度か映画化されている。

エジプト文明の時代、神官のイムホテップ(アーノルド・ボスルー)は、王の愛人、アナクスナムン(パトリシア・ベラスケス)と恋に落ち、それを見とがめた王を殺害してしまう。イムホテップは、アナクスナムンに死から復活させると約束して逃亡し、アナクスナムンは自害する。イムホテップは死者の都、ハムナプトラで復活の儀式を行うが、王の部隊が儀式の場に侵入し、復活の儀式は失敗。イムホテップは禁断の極刑、ホムダイにかけられる。
時は変わり、1923年。探検家のリック・オコンネル(ブレンダン・フレイザー)は、カイロで死刑に処されるところを、古代語が読める博物館職員のエブリン(レイチェル・ワイズ)に助けられる。エブリンはオコンネルの情報をもとに、ハムナプトラを探索。そこで見つけた死者の書をエブリンが読み上げてしまったため、イムホテップがよみがえってしまう。彼は人間の精気を吸い取って復活すると、エブリンを生け贄として捉え、再びアナクスナムンを復活させようとする。
オコンネルはハムナプトラの守り手、アーデス・ベイ(オーディド・フェール)や、エブリンの兄、ジョナサン(ジョン・ハナ)とともにエブリンを助け、イムホテップを死の世界へ送り込む。

本作は、とにかく特撮が楽しい。ミイラが登場したり、肉食昆虫スカラベが体内に入り込んで人間を食い荒らしたり、といったホラー的な要素があるのだが、うまくコミカルに表現している。オコンネルがミイラの神官と大立ち回りを演じるところも、撮影では、ブレンダン・フレイザーが一人で演じ、そこにCG合成でミイラが重ねられているわけだが、アイディア満載の手抜きのない凝りようで、思わずにやっとしてしまう。
残念なのは、ブレンダン・フレイザーの天性のB級感だろうか。とは言え、彼の代表作であることは間違いない。

【5段階評価】4

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