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2012年8月 1日 (水)

(819) ドゥ・ザ・ライト・シング

【監督】スパイク・リー
【出演】スパイク・リー、ダニー・アイエロ、ビル・ナン
【制作】1989年、アメリカ

「マルコムX」でも知られるスパイク・リー監督による、黒人差別の問題を扱った作品。

ニューヨークのブルックリンでピザ屋を営むイタリア系のサル(ダニー・アイエロ)。その店で働く黒人のムーキー(スパイク・リー)は、サルの息子、ピノ(ジョン・タトゥーロ)から黒人蔑視の発言を受けていた。サルは負けず嫌いの男で、バギナウト(ジャンカルロ・エスポジート)から、店の壁に黒人の写真も貼れといわれても断固として拒否し、大きなラジカセを鳴らして歩くレディオ・ラヒーム(ビル・ナン)にも迷惑だから店を出て行け、と容赦なかった。しかし、彼は黒人中心のこの町を愛しており、ピノが別の町に行こうと言っても聞き入れなかった。
しかし、バギナウトはサルの店のボイコットを決行。レディオを連れて店に乗り込むが、サルはレディオのラジカセをバットでたたき壊す。レディオとサルはとっくみあいのけんかを始める。レディオはサルにのしかかるが、乗り込んできた警察がレディオを羽交い締めにし、勢い余ってそのまま絞め殺してしまう。
警官達はあわててレディオをパトカーに乗せて走り去るが、それを見ていた黒人達は、冷たい目線でサル親子をにらみつける。市長というあだ名の老人(オジー・デイビス)は暴動を阻止しようと群衆をなだめるが、ムーキーがゴミバケツをサルの店の窓ガラスに投げ込んだのを機に暴動が起こり、店は炎上。サルたちはなすすべなくそれを見つめるしかなかった。
明くる日、ムーキーは、焼失した店にへたり込むサルに、容赦なく給料を要求。サルはドル紙幣をムーキーに投げつけ、ムーキーもまた、もらいすぎたと言ってドル紙幣を投げ返す。怒りが頂点に達した二人だったが、このやりとりのあとは何かが氷解したようにおだやかになり、サルはムーキーの今後を心配し、ムーキーは落ちた紙幣を拾って、静かにサルのもとを立ち去るのだった。

小さなブースで熱いメッセージを送るDJ(サミュエル・L・ジャクソン)、巨大なラジカセを持つ男、どもりながらキング牧師とマルコムXの写真を売る男、道ばたでたわいない話に興じる3人組、昼間から酒を飲む老人、窓辺から道行く人に声を掛ける老婦人(ルビー・ディー)、白人に因縁を付ける青年達など、特徴ある人物が多数登場し、彼らの一見奇妙な行動を描きつつ、黒人街の日常を描写している。オープニングの「Fight the Power」を連呼する曲も耳に残る。
一方で、人種差別問題を扱っているものの、「ミシシッピー・バーニング」のような痛烈な描き方ではなく、どちらかというと、黒人の側が言われもしないうちから人種にこだわる発言をしており、黒人が完全な被害者、という描き方ではない。むしろ、抑圧された黒人が集団となり、少数派であるイタリア系や韓国系に襲いかかるというのが本作の構図であり、本作は暴力で抑圧を解放することのむなしさを説いているとも言える。

【5段階評価】3

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