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2012年6月18日 (月)

(786) シコふんじゃった。

【監督】周防正行
【出演】本木雅弘、竹中直人、柄本明、清水美沙、田口浩正
【制作】1992年、日本

大学の弱小相撲部の活躍を描いたコメディ。

教立大学の軽薄な大学生だった山本秋平(本木雅弘)は、単位ほしさに、穴山教授(柄本明)の依頼で相撲部の助っ人になる。部員は青木富夫(竹中直人)一人だけの弱小部で、太っているだけの田中豊作(田口浩正)と、秋平の弟でやせぎすの春雄(宝井誠明)を引き入れ、試合に出るが、結果は惨敗。OBに罵倒され、秋平は次は絶対勝ってやる、と反発してしまう。富夫と秋平は、外国人のスマイリー(ロバート・ホフマン)を勧誘し、猛特訓に挑む。
そして大会の日。春雄と豊作が勝ち、まわしの下にスパッツを履いたスマイリーが不戦敗で富夫が惨敗、しかし秋平が敵の大将に勝って3-2で勝利する、という展開が続く。最終戦はライバルの北東学院大学。勢いに乗りたかった秋平たちだが、初戦、春雄が腕を骨折して敗退。続く豊作も目をつぶって突進したため、いなされて敗れてしまう。残るは、ここまで一度も土俵に上がっていないスマイリーと、全く相手に歯の立っていない富夫。そして秋平の相手は、相撲二段の実力者(宮坂ひろし)。万事休すに思えたそのとき、ついにスマイリーがスパッツを破り捨てて土俵に上がり、会心の勝利。しかし富夫は、緊張の余り、いつもの下痢の症状が出てしまう。とても勝てそうにないと思われたが、立ち会いの瞬間、尻に緊張の走った富夫が思わずのけぞると、富夫の頭が相手のあごに直撃。相手の腰砕けで富夫が勝ってしまう。続く大将戦では、こらえにこらえた秋平が、最後は相手の左足を取って土俵の外に寄り切り、秋平たちは三部リーグで見事に優勝する。
そして二部との入れ替え戦。春雄が骨折していたため、7人制の入れ替え戦では人数不足となり、出場が危ぶまれたが、春雄に憧れてマネージャーになった間宮正子(梅本律子)が、代わりに試合に出たいと宣言。秋平の友人、アメフト部の達雄(松田勝)も加わり、6人で試合に臨む。初戦、正子は胸を隠すサポーターをつけて土俵に上がる。白熱した善戦もむなしく、力尽きた正子は土俵下に転落。しかし、正子の奮闘を見て、教立大学の部員たちの心に熱いものが走る。続くスマイリーは快勝。達雄は敗れるが、豊作が神に祈りを捧げ、目を見開いて相手に突進。電車道で相手を土俵際に追い込むと、がむしゃらながぶりよりで勝利。そして、富夫までが、落ち着いた仕切りから、猫だましで相手の懐に潜り込むと、相手の力を利用して内無双を決めるという、小兵力士のお手本のような見事な相撲で巨漢の相手を倒す。そして大将戦。秋平も熱戦を繰り広げ、最後は相手とほぼ同時に倒れ込む。それまで秋平にかみつかれてばかりいた審判(片岡五郎)だったが、秋平にニヤッと気っぷのいいほほえみを投げかけると、秋平に勝ち名乗りを上げる。教立大学の二部昇格が決まった。
しかし、各部員たちはそれぞれの道を歩んでいく。一人、残された秋平がシコを踏んでいると、穴山教授の研究室の院生、マネージャーの川村夏子(清水美沙)が部室を訪れる。二人で仲良くシコを踏むシーンで映画は終わる。

細かいところまで演出の行き届いた、非常に完成度の高い作品。数え上げるときりがないが、上でも書いた、さんざんいがみあったにもかかわらず、秋平の努力を認め、公平に判定を告げる審判や、一度も勝ったことがないのに内無双が得意技だと言う、口だけが達者の富夫が、最後に猫だましから内無双という決め技を見せるシーン。いいガタイをしていながら、急遽、助っ人で入ったアメフト部の達雄がなすすべなく敗れるのも、練習を積み重ねたものだけが勝利を手に入れることができる、ということを雄弁に物語っている。
周防監督は、「Shall we ダンス? 」でも竹中直人や田口浩正を個性的な脇役として起用。柄本明も重要な役所で出演しており、共通点が多い。本木雅弘や清水美沙、宮坂ひろしも、ちょっとした役で出演している。

【5段階評価】5

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