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2012年5月

2012年5月31日 (木)

(768) 闇の手品

【監督】鈴木重吉
【出演】相澤鋓三、三田村次郎、高森正二郎
【制作】1927年、日本

昭和2年の無声映画。

貧しい家庭の少年が、雨降る夜、謎の男に大金を預かり、帰宅する。しかし、家に借金取りが来たため、彼はその中から三十圓を抜き取ってしまう。そこに警官が泥棒とともに現れ、その金は泥棒が盗んだ金だったことが分かる。
そこで少年は我に返る。全ては頭の中での出来事だった。少年は金の包みを警官に預ける。
翌日、警官が少年の家を訪れ、被害者からのお礼だと言って金一封を置いていく。

35分と短い作品。冒頭の「闇(くらやみ)は手品を使ひます どんな手品を使ふでせうか・・・・・・・恐ろしい」という文章が、「恐怖のナポリタン」のようでもあり、背筋がぞくっとする。実際は子どもの道徳教育用の作品らしいのだが。

【5段階評価】2

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2012年5月30日 (水)

(767) エンド・オブ・デイズ

【監督】ピーター・ハイアムズ
【出演】アーノルド・シュワルツェエネッガー、ロビン・タニー、ガブリエル・バーン
【制作】1999年、アメリカ

世紀末の悪魔の復活を題材にしたサイコ・サスペンスと思いきやドンパチ・アクション。

オープニング・クレジットはサイコ・サスペンス調で、悪魔の復活というテーマからしても、主演がアーノルド・シュワルツェエネッガーである必要があるのかな、と思ってみていると、終盤、悪魔の乗り移った男(ガブリエル・バーン)に重火器バリバリで立ち向かうので、「だからシュワちゃんなのか」と気づく。
人間の運命を思うままに操り、銃も炎も聞かない悪魔相手に、機関銃やロケットランチャーで対抗するわ、瀕死の重傷を受けながら翌日はピンピンしているわ、意味深長な序盤の展開から、一転して大味な展開。
最後は巨大な悪魔が姿を現し、主人公のジェリコ(アーノルド・シュワルツェエネッガー)に乗り移ると、悪魔の子を身ごもる運命を背負わされたクリスティン(ロビン・タニー)に襲いかかる。しかし、ジェリコの良心が悪魔に打ち勝ち、クリスティンを解放すると、自ら彫像の剣に体を預け、胸を貫いて絶命する。大晦日の23時から0時の間に結ばれる必要のあった悪魔の野望は打ち砕かれ、悪魔は地底に吸い込まれるのだった。

まさかの時間切れ狙いという驚きの結末だが、悪魔だししょうがないか。

【5段階評価】3

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2012年5月29日 (火)

(766) 地雷を踏んだらサヨウナラ

【監督】五十嵐匠
【出演】浅野忠信、市毛良枝
【制作】1999年、日本

戦場カメラマンの人生を描いた作品。

戦場カメラマンの一ノ瀬泰造(浅野忠信)は、撮影の才能に乏しく、いかに危険を顧みず被写体に迫るかを信条としていた。
現地の人々と親交を深める中で、幼い子の死、親友の結婚、戦友との死別、現地女性との恋といった経験を経て、彼はカンボジアのアンコールワットへの思いを募らせていく。アンコールワットは過激派勢力クメール・ルージュの支配下にあったが、彼は無謀にも現地に入り込む。そして写真を撮らせてくれという懇願もむなしく、彼は命を落とす。

浅野忠信が現地語と英語中心の台詞を覚えた努力はすごいと感じるが、めざましい名演技があるわけでもなければ、戦地のシーンに迫力があるわけでもなく、全般的に物足りない作品である。
TAIZO」を観たときにも感じたが、死ぬべくして死んだという感じなので、共感も難しかった。

【5段階評価】2

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2012年5月28日 (月)

(765) 紅の豚

【監督】宮崎駿
【出演】森山周一郎(声)、岡村明美(声)、加藤登紀子(声)
【制作】1992年、日本

スタジオジブリのアニメ作品。

豚の姿をした飛行艇パイロット、ポルコ(森山周一郎)は、ライバルのカーティス(大塚明夫)に艇を破壊される。なじみの修理屋、ピッコロ(桂三枝)に修理を頼むと、ピッコロは修理を孫娘のフィオ(岡村明美)に任せる。
修理は完了し、ポルコは再びカーティスと決闘に挑む。飛行艇では決着がつかず、最後は殴り合いとなり、ポルコが勝つ。

フィオが宮崎アニメの定番的なヒロイン(かわいくて行動的で曲がったことが嫌い)として描かれる一方、大人の女性であるジーナ(加藤登紀子)とポルコの不器用なすれ違いが主題となっており、やや大人向けの作品である。何と言っても森山周一郎の渋いだみ声が本作最大の魅力だろう。

【5段階評価】4

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2012年5月27日 (日)

(764) 名探偵コナン 沈黙の15分

【監督】静野孔文
【出演】高山みなみ(声)、山崎和佳奈(声)
【制作】2011年、日本

劇場版「名探偵コナン」シリーズ第15作。

都知事を狙った爆破テロ。ダム湖に沈んだ村の小学校の同窓生5人が関わるひき逃げ。そして子供の転落事故。これらの真犯人と動機をコナン(高山みなみ)が解き明かす。

クライマックスは犯人の仕掛けた爆弾でダムが破壊され、下流の村を飲み込もうとする濁流を食い止めるため、コナンがわざと雪崩を起こす場面。雪崩により村の被害は食い止められるが、コナンは雪崩によって生き埋めになってしまう。命が助かる救出時間の15分まで1分を切るという絶望的な状況の中、毛利蘭(山崎和佳奈)が工藤新一にかけた携帯の振動により、コナンは意識を取り戻し、ベルトからサッカーボールを発射。居場所を知らせることに成功する。

推理は比較的まともで、細かい突っ込みは置いといて、そこそこ感動もあり、けっこう面白かった。

【5段階評価】3

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2012年5月26日 (土)

(763) ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

【監督】ダニエル・アルフレッドソン
【出演】ミカエル・ニクビスト、ノオミ・ラパス
【制作】2009年、スウェーデン・デンマーク・ドイツ

ミレニアム」シリーズ第3作。リスベットの復讐劇を描いた作品。

自分を殺そうとした父親(ゲオルギー・ステイコフ)と同じ病院に担ぎ込まれたリスベット(ノオミ・ラパス)は、頭部からの弾丸摘出手術を終え、医師の適切な処置により、快方に向かっていた。
彼女は父親が死んでいないことを悔しがっていたが、父親は彼の関わっていた組織の老人に撃ち殺される。その老人は、リスベットも殺そうとするが、たまたま病室にいたブルムクビスト(ミカエル・ニクビスト)の妹で弁護士のアニカ(アニカ・ハリン)が扉をふさいで入れなくしたため、諦めた老人は自分の喉を撃って自殺する。
退院したリスベットはそのまま父親の殺人未遂容疑で収監される。彼女の精神鑑定を担当するのは、かつて12歳だったリスベットを偽の精神鑑定により精神病院に封じ込めていたテレポリアン(アンデシュ・アルボム・ローゼンタール)だった。彼はまたしても偽の鑑定書を作り、彼女の供述は全て妄想であるという筋書きを用意し、裁判に臨もうとしていた。
ブルムクビストは彼女の無実を明らかにするため、雑誌社の仲間と奮闘するが、闇の組織の脅しの手は彼らにも及ぶようになる。
リスベットは、仲間の天才ハッカー、プレイグ(トーマス・ケーラー)にテレポリアンのパソコンへの侵入を依頼。彼はついにテレポリアンの文書偽造と少女淫行の動かぬ証拠を入手し、ブルムクビストに届ける。
裁判では、ビュルマン弁護士(ピーター・アンダーソン)のレイプ映像が、リスベットの証言の信憑性を裏付ける動かぬ証拠となり、リスベットは裁判に圧勝。彼女を虐げていた闇の組織は一網打尽にされ、テレポリアンも逮捕される。リスベットは釈放され、密かに購入した自宅に戻る。
彼女の腹違いの兄、ニーダーマン(ミカエル・スプレイツ)は、父親の所有していた煉瓦工場に潜んでいたが、リスベットは彼を発見。彼に捕まりそうになるが、釘打ち機をニーダーマンの足に撃ち込んで動きを封じると、ニーダーマンに強い恨みを持つグループにニーダーマンの居場所を告げ、さらに警察にも通報。ニーダーマンは殺され、ニーダーマンを殺した連中も警察に逮捕される。
ブルムクビストは自由を手に入れた彼女の家を訪れ、祝福の言葉をかけると、再会を期してその場を去るのだった。

リスベットの過去の謎が明らかになり、その復讐も遂げる大団円の内容。1作目が猟奇的殺人、2作目はバイオレンスアクション、3作目は法廷サスペンスの色合いも取り入れ、変化に富んだシリーズとなっている。
もっとも、法廷に関しては、レイプ現場の映像の証拠能力が強すぎで検察側の供述が飜されるのが丸わかりなので、展開にはらはらどきどきと言うよりは、水戸黄門の印籠の登場を安心して待つような感じだが、それまでのリスベットの言われようがひどいので、胸のすく展開は快感だった。続編をにおわせるような下品な伏線がなく、スッキリ終わるのもよい。

【5段階評価】4

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2012年5月25日 (金)

(762) ミレニアム2 火と戯れる女

【監督】ダニエル・アルフレッドソン
【出演】ミカエル・ニクビスト、ノオミ・ラパス
【制作】2009年、スウェーデン・デンマーク・ドイツ

ミレニアム」シリーズ第2作。本作ではヒロイン、リスベットの過去に焦点が当たる。

政府要人を巻き込む少女売春組織を追っていた、雑誌ミレニアムの編集者たち。臨時の編集者と、その恋人で事件を題材にした本を執筆した女性が殺される。
使われた銃は、リスベット(ノオミ・ラパス)をレイプしたビュルマン弁護士(ピーター・アンダーソン)のもので、リスベットの指紋がついていた。リスベットは、ビュルマンが自分の後見を解くという約束を守っているか確認するため、一度、ビュルマンの家に潜入しており、彼を脅すために彼の拳銃に触れていたのだった。
リスベットは無実の罪に問われることになるが、彼女の無実を信じるブルムクビスト(ミカエル・ニクビスト)は、事件の解明に挑む。
リスベットとブルムクビストは別々に行動を開始。二人はやがて事件の背後にザラという人物がいることを突き止める。
ザラとは、かつてリスベットがガソリンをかけて火を放ったことのある彼女の実父、アレクサンデル・ザラチェンコ(ゲオルギー・ステイコフ)だった。彼はリスベットの母親を虐待し、その結果、母親は精神を患い、病院で生涯を閉じていた。父親に復讐を果たすため、彼の居宅に忍び込むリスベットだったが、用心棒的存在のニーダーマン(ミカエル・スプレイツ)に捕らえられてしまう。彼は先天的に痛覚のない特殊な格闘家だった。
ザラチェンコはニーダーマンを使ってリスベットを生き埋めにするが、銃弾を3発受けたにもかかわらず、彼女は土の中から這い出し、翌日、物音に気付いたザラチェンコに斧で渾身の一撃を食らわせる。ニーダーマンがそれに気付くが、彼女を救うためにブルムクビストが車で駆けつけたため、ニーダーマンは逃走。瀕死のザラチェンコとリスベットは病院に搬送される。

リスベットが父親に強い恨みを持つようになり、精神病院に入れられた過去の謎について語られ、本シリーズの核心に至る序章的な作品である。そのため、話としては少々中途半端ではあるが、映像の迫力は前作同様すばらしい。第3作が楽しみになるできばえであった。

【5段階評価】4

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2012年5月24日 (木)

(761) ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

【監督】ニールス・アルデン・オプレブ
【出演】ミカエル・ニクビスト、ノオミ・ラパス
【制作】2009年、スウェーデン・デンマーク・ドイツ

ゴシップを扱う雑誌社の記者と、優秀な調査能力と不幸な過去を持つ若い女が挑む連続殺人を描いたサスペンス・スリラー。

雑誌「ミレニアム」の記者、ブルムクビスト(ミカエル・ニクビスト)は、名誉毀損の濡れ衣により、有罪となる。収監までの半年間、富豪のヘンリック(スベン・バーティル・タウベ)の依頼により、40年前に失踪した女性の行方を調査する。その女性とは、ヘンリックの弟、ゴットフリード(チャード・フランク)の娘で、当時16歳のハリエット。ゴットフリードは彼女が失踪する1年前に水死していた。
一方、ブルムクビストの素行調査を依頼されていたリスベット(ノオミ・ラパス)は、彼のパソコンに侵入し、彼の追っている事件を知る。
リスベットは精神病院の退院後、後見人のビュルマン弁護士(ピーター・アンダーソン)からひどい陵辱を受けるが、現場を隠し撮りし、優位に立つ。
リスベットとブルムクビストの二人は協力して調査を進め、事件の裏に女性の猟奇的連続殺人があることを突き止める。
真犯人は、ハリエットの父親と兄だった。
リスベットは、過去の事件現場付近に彼らが宿泊している事実を領収書を調べて暴き出し、ゴットフリードとその息子のマルティン(ペーテル・ハベル)が事件に関わっていることを確信。急いでブルムクビストのところへ戻る。しかし、真犯人を知らないブルムクビストはマルティンに捕らえられ、彼に殺されそうになる。そこに間一髪でリスベットが現れ、ブルムクビストを救う。マルティンは車で逃走するが、運転を誤り、車は横転。マルティンは動けなくなり、リスベットに助けを求める。エンジンから火が出て車は爆発寸前だったが、リスベットはそれを冷たく見下ろすだけだった。彼女の脳裏に、父親に油をかけて火を放った少女時代の記憶がよみがえる。炎上する車とマルティンの絶叫を背に、彼女はブルムクビストのもとに戻る。
ハリエット(エバ・フレーリング)は生きていた。いとこのアニタの手引きでオーストラリアに逃げていたのだった。ブルムクビストは彼女をヘンリックに引き合わせる。ハリエットは事件について語り始める。
ハリエットの父親はナチスドイツの信奉者で、ユダヤ人女性の殺害に抵抗を持たなかった。兄もまた、父親の手ほどきを受け、命乞いする女性に情けをかけず殺すことを悦びとする異常者だった。二人はハリエットにも暴行を繰り返すようになっていた。ある日、彼女は、逃げ出した自分を追ってきた酔った父親を湖に沈めて殺害。それを目撃した兄から逃れるため、行方をくらました。そのため、ヘンリックにも連絡をしていなかったのだった。

事件を追いながら手がかりが出て捜査が進展し、次第に調査の網が絞られていく。リアルな事件の描写も迫真性に富み、話に強く引き込まれる。謎の解明も、この手の作品にありがちな意味深長な終わり方ではなく、殺人の動機から失踪の理由に至るまで、本人の述懐により、迷いなく理解することができ、分かりやすい。
ビュルマン弁護士の脇が甘すぎるのがちょっとな、とは思ったが、一級のサスペンスである。

【5段階評価】4

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2012年5月23日 (水)

(760) クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦

【監督】増井壮一
【出演】矢島晶子(声)、愛河里花子(声)、玄田哲章(声)
【制作】2011年、日本

劇場版クレヨンしんちゃん第19作。

しんのすけ(矢島晶子)は、スカシペスタン共和国のスパイである7歳の少女、レモン(愛河里花子)とともに、ヘーデルナ王国に侵入し、メガヘルデルIIという物質を奪い取る。
スカシペスタン共和国では、ナーラオ女王(井上喜久子)とヨースル女王(川浪葉子)が、おならの力で軍事大国にのし上がろうとする計画を立てていた。メガヘルデルIIは、人に膨大なおならをさせる物質だったのだ。
レモンは計画に反対し、しんのすけとともにメガヘルデルIIを奪い返すと、それをほとんど食べ尽くし、残りを二人の女王の口に押し込む。女王二人の野望は霧散ならぬ屁散するのだった。

子供向けの罪のないばかげた話だが、しんのすけが、レモンちゃんにだまされたと知りつつも、彼女を助けに戻るところは、ちょっとした感動があった。

【5段階評価】3

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2012年5月22日 (火)

(759) トゥルーマンショー

【監督】ピーター・ウィアー
【出演】ジム・キャリー、エド・ハリス、ナターシャ・マケルホーン、ローラ・リニー
【制作】1998年、アメリカ

日常生活をそのままテレビ番組にされている男の冒険を描いた作品。

保険会社に勤めるトゥルーマン(ジム・キャリー)は、巨大なドーム型セットの中で多数の俳優・エキストラに囲まれて暮らしていた。彼の行動は5,000あまりの隠しカメラで24時間ライブ放映されているが、本人だけはそのことを知らされていなかった。
彼は幼い頃、海で遭難し、父親を失っていたが、浮浪者の役で登場した彼にトゥルーマンが気付いてしまう。その後も不可解なことに気づき始めた彼は、番組制作者の裏をかいて家を抜け出し、海に出る。制作者の嵐攻撃にもめげず、彼はついに、海の果ての壁面にたどり着く。
制作者の責任者、クリストフ(エド・ハリス)は、中の方が安全だぞ、と忠告するが、彼はドームの外へ偉大な一歩を踏み出す。視聴者も彼の決断に喝采をあげるのだった。

トゥルーマンの妻(ローラ・リニー)や友人などがさりげなく商品の宣伝をしていたりするのが楽しいが、基本的に設定に無理がありすぎて、ちょっと感情移入の難しい作品だった。だって、人間である以上、鼻くそもほじくればうんこもする。妻との性生活もあれば自慰だってするだろうし、全てをテレビ放映、しかもライブなど、はなからありえない。まあ、あまり深く考えてはいけない作品であるが、それゆえ奥の深さは感じられなかった。

【5段階評価】3

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2012年5月21日 (月)

(758) ジャングル大帝

【監督】竹内啓雄
【出演】津嘉山正種(声)、富田耕生(声)、柊美冬(声)
【制作】1997年、日本

手塚治虫原作漫画の劇場版。

ジャングルの王、レオ(津嘉山正種)に、待望の子が誕生。オスのルネ(柊美冬)とメスのルキオ(椎名へきる)はすくすく育つ。
一方、強欲な探検家のハム・エッグ(立川談志)が、人類にとって貴重なエネルギーとしての可能性を秘めた月光石を求め、レオの住むジャングルにやってくる。彼らは木を切り倒し、動物を容赦なく殺し始めたため、同行していたヒゲオヤジ(富田耕生)はラムネ(松本保典)とともに別行動に出る。
ヒゲオヤジは動物たちが死斑病に苦しんでいるのを知り、その治療に当たる。妻のライヤ(倍賞千恵子)に死なれ、娘のルキオの発病にもなすすべのなかったレオは、治療してくれたヒゲオヤジを信頼し、彼らの月光石探しに協力する。
ハム・エッグはその後をつけ、月光石を奪おうとする。ラムネが凶弾に倒れるが、レオはハム・エッグに襲いかかり、ハム・エッグは絶命する。
猛吹雪の中、ヒゲオヤジとレオは下山する体力を失ってしまうが、レオは自らの命を投げ出し、自分の肉と毛皮で下山するようヒゲオヤジに伝える。
無事、山を下りたヒゲオヤジはルネと再会し、父親の勇敢な最期を語って聞かせるのだった。

原作では、ルネが洪水に流され、サーカス団に売られるという流れになっているが、テレビ放映では、天災をイメージさせるということで、人間の世界に興味を持ったルネが自ら冒険に出るような流れに変更されている。
ルネがオルゴールを気に入る話やサーカスでの活躍などが、大筋と関係のないエピソードになっており、展開の細切れ感が全体的な印象をこぢんまりとさせてしまっており、残念な気がした。

【5段階評価】2

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2012年5月20日 (日)

(757) キリング・ミー・ソフトリー

【監督】チェン・カイコー
【出演】ヘザー・グラハム、ジョセフ・ファインズ、ナターシャ・マケルホーン
【制作】2002年、アメリカ・イギリス

有名登山家との激しい恋に落ちた女性が、その奥に潜む犯罪に巻き込まれるサスペンス。過激な性描写が盛り込まれている。

通勤途中の横断歩道で登山家のアダム(ジョセフ・ファインズ)と電撃的な出会いをしたアリス(ヘザー・グラハム)は、恋人と別れ、彼と結婚する。しかし、彼女のもとに、アダムはレイプ魔だという匿名の手紙が届く。不安になった彼女はアダムの過去を調べるうち、彼が過去につきあった女性を、独占欲の強さの余り、殺害しているのではないか、という疑いを持つ。彼女はアダムから逃げ出し、警察に駆け込むが、何の証拠もない、と取り合ってもらえない。
アリスはアダムの姉、デボラ(ナターシャ・マケルホーン)に相談に行く。デボラはアリスの身を案じ、アダムの犯罪の証拠をつかむため、女性が埋められていると思われる場所に向かう。アダムもそれに気づき、後を追う。
アリスはデボラと地面を掘り、ついに人骨を見つける。それは、アリスがデボラにもらったのと同じネックレスをしていた。女性を殺害したのはデボラだったのだ。独占欲が強いのはアダムではなくデボラで、彼女は若い頃のアダムとの近親相姦の味が忘れられず、アダムに近づく女性を殺していたのだった。アリスに襲いかかるデボラ。そこにアダムが現れ、アリスを救う。アリスは信号弾をデボラの腹に撃ち、アダムを救う。
しかしアリスはアダムと別れ、別々の人生を歩むのだった。

サスペンスとしてはなかなかだったが、終盤でなんとなく、これは姉が真犯人かな、と読めてしまうのと、それが判明するのが同じデザインのネックレスというのがパンチが弱く、あまりぞっとする感じがない。また、だとしたら姉がアリスに襲いかかるのが遅すぎで、少々不満の残るクライマックスだった。
出会った直後の激しいセックス・シーンは、ヘザー・グラハムの豊満な胸をジョセフ・ファインズが激しく揉みしだくハードな映像。ここまでする必要があるのかはよく分からないが、観ておいて損はない貴重なシーンである。放映したIMAGICA BSに拍手。

【5段階評価】3

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2012年5月19日 (土)

(756) 大阪外道

【監督】石原貴洋
【出演】木村涼介、河本政則、大宮将司
【制作】2011年、日本

第22回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオフシアター・コンペティション部門でグランプリに輝いた作品。

母親が入院中でとび職の父親(水野祐介)と二人暮らしの中一の少年、マサシ(木村涼介)は、小学生達のボス的存在の不良だったが、高校生のカツアゲには屈していた。町では高校生はチンピラに、そしてチンピラはやくざにやられるという強弱関係があった。
ある日、マサシの父親が作業現場の事故で入院してしまい、親戚からも面倒を見ることを拒否されたため、何人かの子供達を世話しているという男の家に世話になる。男は杉村(大宮将司)といい、店からみかじめ料を脅し取る極悪人で、外道と呼ばれてヤクザからも一目置かれていたが、子供には優しかった。
一方、地元ヤクザの息子、飛髙(河本政則)は、非道と呼ばれ、からんでくるチンピラをプラスドライバーで刺し殺す傍若無人ぶり。ヤクザはヒットマンを送り込むが、返り討ちに遭い、怒った彼は父親を含め、事務所のヤクザを皆殺しにしてしまう。
飛髙の息子のテツオ(河本龍明)はひどい虐待を受け続けており、杉村の家に逃げ込んでいたが、見つかってしまう。息子を連れ戻す飛髙を杉村とマサシが追いかけるが、彼は杉浦も殺してしまう。そこに通りかかったマサシの父は、息子を守ろうと飛髙に飛びかかるが、とてもかなわなず、その場から逃げ去る。しかし、彼は車で戻ってきて飛髙をはね飛ばすと、マサシを連れ帰る。
マサシは近所の高校生にカツアゲされるが、今度は彼らに殴りかかるのだった。

さすがに映像はビデオ撮影っぽいし、歩き方はぎこちないし、最初の子供の会話から学芸会のようなので、「おいおい大丈夫か」という感じではあるのだが、途中で出てくるチンピラなんかは、本職ですか、と聞いてしまいそうなほどリアルで、話にはぐいぐいと引き込まれた。
暴力は輪廻するというような救いようのない話ではあるが、面白かったか、と聞かれれば素直に面白かったと言える作品だった。

【5段階評価】3

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2012年5月18日 (金)

(755) ノルウェイの森

【監督】トラン・アン・ユン
【出演】松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子
【制作】2010年、日本

村上春樹原作小説の映画化作品。若い男女の恋愛をシリアスに描いている。

ワタナベ(松山ケンイチ)は17歳の時、友人にキズキ(高良健吾)を自殺で亡くす。東京の大学に進んだ彼は、キズキの恋人だった直子(菊地凛子)と再会。直子の20歳の誕生日に初めて愛し合う。処女だった彼女に思わず、なんでキズキと寝なかったの、と聞いたことで彼女はふさぎ込んでしまい、精神を病んで京都の山奥の療養施設に入る。
大学で一人、食事をしているワタナベに、緑(水原希子)が興味を持ち、接近してくる。二人は口づけを交わすが、深入りはしなかった。
ワタナベは直子を愛し、彼女のいる施設にも通い、好意を寄せてくる緑とは距離を置いていたが、直子の病状は回復せず、とうとう彼女は自殺してしまう。
直子と施設で同部屋だった女性、レイコ(霧島れいか)が彼の部屋を訪れ、レイコの願いで二人は体を重ねる。レイコを見送ったワタナベは、緑に電話するのだった。

小説自体が、霧に包まれた森林のような、朝露に濡れそぼった草原のような湿った印象のある物語で、本作はそうした質感を、美しい自然景観により、うまく表現していると感じた。
菊地凛子は、「バベル」でも常軌を逸した女性を演じていたが、本作の直子役にも、鬼気迫る迫力があった。
ただ、何となくテーマが重すぎて、観た後に「ああ、面白かった」というような快感はなかった。

【5段階評価】3

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2012年5月17日 (木)

(754) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

【監督】セルジオ・レオーネ
【出演】ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガバン
【制作】1984年、アメリカ・イタリア

禁酒法時代から現代までを生き抜いた男の生涯を描いた作品。インターミッションのある4時間近い大作。

不良少年のヌードルス(スコット・ティラー)は、3人の仲間と酔っ払いにスリを働こうとしたところ、マックス(ラスティ・ジェイコブズ)に先を越される。それがきっかけでマックスはヌードルスの仲間となる。二人は地元を取り仕切る不良のバグジー(ジェームズ・ルッソ)に目をつけられ、リンチに合うが、それにもめげず、非合法の酒の運搬で金を稼ぐ。意気揚々と帰途につく彼らだったが、バグジーと鉢合わせになり、慌てて逃走するが、一番幼かったドミニクがバグジーに撃ち殺されてしまう。
ヌードルスはナイフでバグジーの腹をめった差しにし、止めに入った警官の腹も刺してしまう。仲間の見守る中、彼は警察署に連行される。
刑期を終えたヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)を、マックス(ジェームズ・ウッズ)が出迎える。彼は成人した仲間達、そして恋心を抱いていたデボラ(エリザベス・マクガバン)とも再会を果たす。もう刑務所はまっぴらだと思っていたヌードルスだったが、彼のいない間に、マックスたちはフランキー(ジョー・ペシ)の命令で動くギャングとなっており、彼もダイヤモンドの強奪と仲介者の皆殺しという凶悪犯罪に手を染める。禁酒法の終了後は、労働組合の裏の実行部隊として活動していたが、マックスは連邦準備銀行に強盗に入るという計画を実行しようと提案。それに反対するヌードルスは、マックスの情婦のキャロル(チューズデイ・ウェルド)に、彼が殺されないようにするには、警察に密告して事件を未然に防ぐしかないと言われ、迷った挙げ句、密告を実行。しかし、マックスは仲間とともに焼死してしまう。
時がたち、老人となったヌードルスは、身に覚えのないベイラー財団からのパーティ招待状を受け取り、再び地元に戻る。ヌードルスがマックスらの墓を訪れると、そこに、かつて彼らが稼いだ金を隠していたコインロッカーの鍵を見つける。中の金が誰かに持ち去られたことを知っている彼だったが、中を開けると、そこには大金が入っていた。
彼は、かつて恋をしたデボラに会いに行き、招待者が誰か訪ねるが、彼女は知らない方がいい、と言って答えを拒む。しかし、彼女のもとに来ていたベイラーの息子は、マックスにそっくりだった。
果たして、ベイラーの正体はマックスだった。マックスは警察と共謀して自分が焼死したと見せかけ、政財界でのし上がっていたのだ。しかしマックスは、これまでヌードルスをだまし続け、彼の人生を奪ったことを悔いており、自分を殺せ、とヌードルスに告げる。ヌードルスはそれを断り、彼の屋敷を出る。
すると、屋敷の前に止まっていたゴミ収集車が動き出し、それを追うようにマックスが屋敷から出てくる。収集車は、ゴミを粉砕する巨大なカッターの回転音を響かせながら、ヌードルスの横を通り過ぎていく。そこにマックスの姿はなかった。

数十年の時を紡いだ大作。ロバート・デ・ニーロの代表作の1つである。確かによい作品だが、一つ一つのシーンの時間が長く、たとえば序盤のデボラ(ジェニファー・コネリー)のバレエのシーンも角度を変えながらけっこう長く続く。そういう意味では贅沢な作品である。

【5段階評価】3

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2012年5月16日 (水)

(753) A.I.

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】ハーレイ・ジョエル・オスメント、フランシス・オコナー、ジュード・ロウ
【制作】2001年、アメリカ

人を愛する機能を持った人工知能ロボットを描いた作品。

半植物状態になった息子を持つモニカ(フランシス・オコナー)は、夫(サム・ロバーズ)の勤める会社から提供されたロボットを受け入れる。それは、母親を愛し続ける少年型ロボット、デビッド(ハーレイ・ジョエル・オスメント)だった。
しかし、真の息子が奇跡的に回復し、デビッドは嫉妬心を持つようになる。廃棄されることを忍びなく思ったモニカは、デビッドを山中に置き去りにしてしまう。デビッドは他のロボットの助けを得ながら、最後に人間になったピノキオの話に登場する青い妖精を探す。しかし、彼の夢は叶うことなく、地球に氷河期が訪れ、人類は滅亡してしまう。
そして2000年後。デビッドを目覚めさせたのは高度に進化したロボットだった。彼らはデビッドの記憶を読み取り、モニカの髪の毛から、一日しか生きられないクローンを再生し、デビッドの夢を叶えるのだった。

コミカルさやほほえましい要素のない、終始、悲しみに包まれた作品になっている。モニカがデビッドを置き去りにしようとして、デビッドが置いていかないでと懇願するシーンなどは、痛々しくて見ていられないほど。ラストも、母親型ロボットを作ってもらって仲良く暮らしました、ならまだよかったが、一日だけの幸せではあまり救いになっているとも思えず、何とも救いどころのない、少々後味の悪い作品である。特撮はよくできているし、ジュード・ロウのジゴロ・ロボットもそれっぽくてよかったが。

【5段階評価】4

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2012年5月15日 (火)

(752) ジョー・ブラックをよろしく

【監督】マーティン・ブレスト、アラン・スミシー
【出演】ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、クレア・フォーラニ
【制作】1998年、アメリカ

65歳の誕生日を迎えようとしている富豪と、青年の体を借りてこの世に姿を現した死に神との交流を描いた作品。

ビル(アンソニー・ホプキンス)は、豪邸に暮らす会社社長。娘のアリソン(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は、彼のために盛大な65歳の誕生パーティを企画中。もう一人の娘、スーザン(クレア・フォーラニ)は、ビルの会社の若き幹部のドリュー(ジェイク・ウェバー)と交際中。そんな恵まれた暮らしをする彼だったが、あるときから何者かのささやき声に悩まされるようになる。
彼のもとに、声の主が現れる。それは、スーザンが偶然コーヒーショップで知り合った男(ブラッド・ピット)だった。男はスーザンと別れた直後に車にはね飛ばされたはずだったが、声の主がその体を借りていたのだ。声の主の正体は、人に死を与える存在、つまりは死に神だった。死に神は、ビルと行動をともにすると一方的に告げる。
ビルは彼をジョー・ブラックだと家族に紹介。ドリューとのつきあいに今ひとつ本気になれなかったスーザンだったが、純粋なジョーに次第に心を引かれていく。
ジョーもまたスーザンに恋をし、二人は体を重ねる。
誕生パーティの日、ジョーはスーザンを連れて行くとビルに訴えるが、ビルの説得に合い、二人は別れを決意。ジョーはビルと共同でドリューの会社売却の陰謀をねじふせると、パーティの終わりを見届け、ビルをあの世へと誘う。
会場から遠ざかる二人の後を追ったスーザンのもとに、ジョーが戻ってくる。しかしそれは、死に神に乗り移られる前の、コーヒーショップの青年だった。

一風変わったラブストーリーで、世の中を知り尽くしているはずの死に神が、ピーナッツバター好きでテーブルマナーも知らない純粋な青年というのが、何とも理解に苦しむところである。それより理解に苦しんだのは、序盤の交通事故の演出。そこまでする必要があるのかと言うほど派手にはじき飛ばされる過激映像で、ギャグ映画かと思ってしまうほど。その衝撃で次のシーンの会話がしばらく頭に入らなかった。

【5段階評価】3

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2012年5月14日 (月)

(751) 未知との遭遇

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】リチャード・ドレイファス、フランソワーズ・トリュフォー、メリンダ・ディロン
【制作】1977年、アメリカ

宇宙人との遭遇を描いたSFの金字塔的作品。

過去に失踪した戦闘機や戦艦が、突如、砂漠に出現するという怪事件が起きる。町では、電化製品が暴走し、強烈な光とともに、何かが人々に共通する印象を残す。
インドでは空から降りてきたという5音の旋律を人々が合唱。アメリカに住む4人家族の父親、ロイ(リチャード・ドレイファス)は、何人かの人々とUFOを目撃。山のような印象が頭から離れず、それがワイオミングにあるデビルスタワーであることに気付く。幼い子供をUFOにさらわれたジリアン(メリンダ・ディロン)とともに、デビルスタワーに向かったロイは、そこで人類が宇宙人と接触する場面を目撃。彼は研究者に乞われ、他の代表団の一人としてUFOに乗り込むのだった。

ストーリーは比較的シンプルだが、UFOや宇宙人の映像が新鮮。5音階の旋律も印象的。

【5段階評価】3

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2012年5月13日 (日)

(750) タイタニック

【監督】ジェームズ・キャメロン
【出演】レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼイン
【制作】1997年、アメリカ

豪華客船タイタニック号に乗り合わせた若い男女の悲恋を描いた作品。第70回アカデミー賞作品賞受賞作品。

話はタイタニックとともに沈んだとされるブルーダイヤモンド、「ハート・オブ・ジ・オーシャン」を狙う男(ビル・パクストン)が、引き上げた金庫から1枚の絵を見つけることから始まる。その絵のモデルとなった老女(グロリア・スチュアート)が、回想する形で映画は進行する。
貴族の娘、ローズ(ケイト・ウィンスレット)は、キャルドン・ホックリー(ビリー・ゼイン)と望まぬ婚約をさせられ、人生に絶望していた。彼女は乗り込んだタイタニックの船尾から身投げしようとするが、たまたまその場に居合わせた貧乏絵描きのジャック・ドーソン(レオナルド・ディカプリオ)は彼女を助ける。ローズは次第に彼に惹かれていく。
二人がホックリーの執事(デビッド・ワーナー)の追跡をかわして、倉庫にある車の中で熱い夜を過ごした直後、タイタニック号は氷山に衝突。船は沈没することになる。
救命艇には乗客の半数しか乗れないため、船上は次第にパニックとなっていく。ジャックはローズを救命艇に乗せるが、彼女はジャックと運命をともにする道を選び、海面に降下中の救命艇から本船に飛び移ってしまう。二人はタイタニックの沈没とともに海に投げ出されるが、ジャックはローズを海面に浮かんでいた扉の残骸の上に上げ、彼女を救うと、自らは帰らぬ人となる。ローズはジャックの「どんなことをしても生き残れ」という最後の言葉を胸に、生存者の救出に来た救命艇に向かって、かじかんで声が出ない中、船員の死体がくわえていた笛を必死で吹き鳴らし、助け出される。

感動的なラブロマンスと、パニック映画としての圧倒的な迫力とリアリティ。両者が絶妙のバランスでミックスされ、3時間超という長編にもかかわらず、中身の濃い魅力的な作品になっている。個人的には、沈没時に船尾から落下した人が、プロペラにぶつかってくるくる回って落ちていくシーン。こういう細かい演出にこだわって映像に変化を持たせているところに感動する。沈没する中で演奏を続ける楽団員、万雷の拍手を受けて口づけをするラストなど、思わず胸が熱くなるシーンが目白押し。文句なしの5つ星評価である。

【5段階評価】5

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2012年5月12日 (土)

(749) 病院へ行こう

【監督】滝田洋二郎
【出演】真田広之、薬師丸ひろ子、大地康雄
【制作】1990年、日本

階段から落ちて大けがした男が入院した病院を舞台にしたコメディ。

広告代理店に勤める新谷公平(真田広之)は、忙しさの余り、妻の春子(斉藤慶子)からの電話にもまともに応じず、夜中に帰宅すると、妻は見知らぬ男(大地康雄)を家に連れ込み、野球拳に興じていた。
逃げる男を追う公平はもみ合いになり、階段を転げ落ちて二人とも大けがを負う。
公平の処置をしたのは研修医の吉川みどり(薬師丸ひろ子)。注射もまともに打てない彼女に公平は苦しめられ、入院した大部屋の病室では、隣のベッドに、妻と野球拳をしていた男がいた。
公平はストレスから胃潰瘍を患い、隣の男、如月には肺がんの疑いがあった。担当医となったみどりは、如月に結核の検査を施し、結果を待つ。如月はみどりに恋心を抱き、それを知った公平も緑に接近。彼女との行為にいたり、悦に入る。しかし、如月が実は女性との交際経験がなく、春子ともその日知り合ったばかりで何もしていないと聞かされ、彼を応援しようという気持ちに変わっていく。
如月の肺を切開しようと主張する医師に反対していたみどりは、ようやく手にした検査結果から、如月のがんの疑いが晴れたことを知って狂喜し、屋上にいた公平に抱きついてキスをしてしまう。しかしそこには如月がいた。如月を傷つけたくないあまり、公平は思わず、別に彼女が好きだった訳じゃない、と言ってしまう。
退院の日、公平はみどりに挨拶をしに行く。みどりは公平に、私も誰でもよかったんだ、と強がりを言い、二人は別れる。外には春子の姿があった。

病院の内幕をつぶさに描くというよりは、公平、如月、みどりの3人を中心に展開する、比較的こじんまりしたラブコメディだった。まだ無名の大杉漣がちょい役(なくなった少女の父親役)で出演している。

【5段階評価】3

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2012年5月11日 (金)

(748) UDON

【監督】本広克行
【出演】ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本、鈴木京香
【制作】2006年、日本

タウン誌を通じてうどんブームに火をつける製麺所の息子と、それを取り巻く人々を描く。

松井香助(ユースケ・サンタマリア)は、コメディアンを目指してニューヨーク入りするも、全く芽が出ず実家のうどん製麺所に戻る。父親の拓富(木場勝己)は厳しく香助を突き放す。
地元の広告代理店に勤める庄介(トータス松本)の紹介で、タウン誌の出版社のアルバイトとなった香助は、地元の人しか知らないようなディープなうどん屋情報をコラム形式で掲載するというアイディアを生み出し、これが大成功を収める。
これがきっかけで香川は一大うどんブームに沸くが、ブームが去るのもまた早かった。
タウン誌は廃刊となり、庄介は家業の農業を継ぐ。香助は父親の家業を継ぐことを決意し、仕事場にいる父親に向かってそのことを告げるが、父親は心筋梗塞で倒れており、帰らぬ人となっていた。
香助は父親のうどんを楽しみにしている人が大勢いることを知り、製麺所でのうどん作りを再開。姉の万里(鈴木京香)は簡単に父親の味など出せないと彼に厳しく当たるが、同僚の宮川恭子(小西真奈美)や万里の亭主(小日向文世)、さらには多くの仲間の応援で、製麺所の復活に成功。
しかし彼は、再び自分の夢に向かうことを決め、地元から去っていく。機上の香助の眼下には、松井製麺所の復活を待ち望んでいた人々が大挙して押し寄せるさまが広がっていた。

おいしそうなうどんの映像もよいが、ところどころに泣けるシーンがあり、なかなか感動的な作品だった。
ユースケ・サンタマリアの演技は、TV番組などで見かける独特の濃さのままなので、あれが嫌いな人はキツいかもしれない。
香助が地元民の割に関西弁じゃなかったり、最初は香川弁だった恭子もいつの間にか東京弁になっていたり、といった演出の不徹底はちょっと残念だった。

【5段階評価】4

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2012年5月10日 (木)

(747) 毎日かあさん

【監督】小林聖太郎
【出演】小泉今日子、永瀬正敏、古田新太、矢部光祐、小西舞優、田畑智子
【制作】2011年、日本

西原理恵子原作漫画の映画化作品。

漫画の映画化なので、子供向きかというと、重度のアルコール中毒にやられた夫(永瀬正敏)との関係や死別の様子が描かれ、けっこうシリアスな作品である。

西原理恵子役は小泉今日子が演じ、元夫との共演が話題となった。芸能界というのは容赦ない。

「まあじゃんほうろうき」を全巻持っている私としては、西原理恵子の身を削るような独特な作風には尊敬の念を抱くが、その裏にはこのような壮絶な人生があるのだなあ、と感慨深かった。

【5段階評価】3

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2012年5月 9日 (水)

(746) 青の炎

【監督】蜷川幸雄
【出演】二宮和也、松浦亜弥、山本寛斎、秋吉久美子、鈴木杏
【制作】2003年、日本

貴志祐介原作小説の映画化作品。粗暴な元養父の殺害を企てた高校生の悲劇を描く。

高校生の櫛森秀一(二宮和也)は、母の友子(秋吉久美子)と妹の遙香(鈴木杏)と暮らしていた。父親は交通事故でなくなり、母親は曾根隆司(山本寛斎)という男と再婚したが、男は酒におぼれ、家族に暴力をふるうようになったため、すでに離婚。しかし、その曾根が家に戻ってきてしまったのだ。秀一は、曾根を家から追い出さない母親に怒りをぶつけるが、それには理由があった。遙香は曾根の連れ子だったのだ。曾根を追い出すと遙香の親権を主張される恐れがあったため、遙香が自らの意志で友子の養子になるまで耐えようとしていたのだった。
しかし、曾根が母親を手込めにしているのを知り、秀一は殺害を決意。美術の時間に授業を抜け出し、自転車を飛ばして家に戻ると、あらかじめ薬を混入した酒を飲ませて泥酔している父親を感電死させ、学校に急いで戻る。
彼が校庭で絵を描いていたという嘘は、同級生の福原紀子(松浦亜弥)に見抜かれるが、彼女はそのことを秘密にしていた。父親の死因は心臓麻痺と診断され、秀一の完全犯罪は成功したかに思えた。
しかし、コンビニでバイトをしている秀一のもとに、クラスメートの悪友、石岡(川村陽介)が現れ、父親殺しをばらされたくなければ、30万貸せ、と秀一を脅す。彼は、秀一が自転車を飛ばして自宅に戻り、また出て行くところを目撃していたのだ。秀一は、石岡に狂言のコンビニ強盗をけしかけ、もみあったふりをして彼を刺し殺す。
捜査に当たった刑事の山本(中村梅雀)は、コンビニの防犯カメラの映像に不審な点をいくつも見出し、柔和な印象とは裏腹に、秀一を追い詰めていく。
秀一は白状する前に一日だけ欲しいと山本に頼むと、紀子を学校に呼び出して別れを告げ、帰り道、自転車で走行中の大型トラックに突っ込むのだった。

ただのアイドル映画かと思ったが、二宮和也の演技が光るよい作品だった。あややのしゃべり方はやっぱりあややっぽかったりしたが。山本寛斎の鬼気迫る演技もなかなかのものだった。
ただ、秀一の犯行はかなりずさんで、とても完全犯罪が成立するとは思えなかったので、展開の意外性はあまりなかったかも。

【5段階評価】3

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2012年5月 8日 (火)

(745) レオン

【監督】リュック・ベッソン
【出演】ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン
【制作】1994年、フランス・アメリカ

殺し屋と身寄りのない少女との交流を描いた作品。

子供に暴力をふるう父親を含む家族3人を殺された少女、マチルダは、隣に住む殺し屋、レオン(ジャン・レノ)にかくまわれる。
幼い弟を殺されたマチルダは復讐を誓い、レオンから暗殺の技術を学ぶ。彼女は、犯人の麻薬捜査官、スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)に接近するが、あえなく捕らえられてしまう。レオンは彼女を救い出すが、SWATに囲まれる。レオンは何とかマチルダを建物から逃走させ、SWATの服に着替えて建物を出ようとするが、スタンスフィールドに気付かれ、背後から銃撃される。しかしレオンは手榴弾の安全ピンを外し、スタンスフィールドを巻き添え死させる。
マチルダは一人残されるが、レオンと同じ道を歩むことを決意するのだった。

一流の殺し屋でありながら木訥で不器用な男をジャン・レノが好演。退廃した雰囲気の中ではぐくまれるレオンとマチルダの純愛が切なく胸に響く。
麻薬取締局にいながら麻薬の常習者である狂人、スタンスフィールドを演じるゲイリー・オールドマンもハマリ役。

【5段階評価】5

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2012年5月 7日 (月)

(744) 十二人の怒れる男

【監督】シドニー・ルメット
【出演】ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、ジャック・ウォーデン
【制作】1957年、アメリカ

12人の陪審員が、父親殺しの嫌疑をかけられた少年を裁く。ほぼ全編を通して陪審員の控え室が舞台となるワン・シチュエーションものだが、陪審員の白熱した議論が緩急をつけて繰り広げられ、目を離せない秀作である。

映画はいきなり、裁判の陳述や尋問が終わり、陪審員に裁定がゆだねられたところから始まる。観客はまだ、事件の内容はわからない。事件の全容は陪審員どうしのやりとりを通じて明らかになっていく。状況説明的な退屈な場面を設けずに状況を観客に伝える無駄のない展開である。
最初の陪審員の投票では、8番の陪審員(ヘンリー・フォンダ)を除く全員が少年を有罪と判定する。8番も、無罪と言うよりは、有罪とするには疑いがあるという立場であるが、彼が証言者の証言の矛盾点を付き、最終的には全員一致で無罪となる。
ラストは裁判所から陪審員達が立ち去り、散り散りとなるところで終わる。

残念だったのは、結局、少年がやったという証言に疑いがあることは明らかになったものの、真相がなんだったのか、本当に少年は無実なのかは最後まで明かされないという点。そこがあった方が楽しめたと思う。

【5段階評価】3

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2012年5月 6日 (日)

(743) ローグ アサシン

【監督】フィリップ・G・アトウェル
【出演】ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、石橋凌
【制作】2007年、アメリカ

日本のヤクザと中国マフィアの抗争の中で暗躍する謎の暗殺者と、それを追うFBI捜査官を描いた作品。

FBI捜査官のジョン・クロフォード(ジェイソン・ステイサム)は、何者かに同僚のトム(テリー・チェン)とその妻子が殺された事件の謎を追う。現場に残されていた薬莢から、彼は犯人を伝説の暗殺者、ローグだと確信する。
一方、中国マフィアと日本のヤクザとの抗争の中で、両方から依頼を受け、敵側の暗殺を請け負う男(ジェット・リー)が現れる。彼はビクター・ショウと名乗っていた。ジョンは彼こそがローグだと確信するが、証拠がなく、手を出せずにいた。
ビクターは次々とやくざとマフィアを殲滅していく。彼は、日本のヤクザのボス、ヤナガワシロー(石橋凌)の娘、キラ(デボン青木)から、香港マフィアのボスと、その妻子の殺害の命を受けるが、それまで非情の限りを尽くしてきた彼が、ボスを倒すも、妻子の逃亡を手助けする。
それを知ったシローは彼を取り調べようとするが、彼は次々とシローの手下を倒し、シローとの一騎打ちに臨む。彼は暗殺者ローグではなく、殺されたと思われていたトムだった。彼はローグに襲われたとき、隙を突いてローグを倒すと、ローグになりすまして顔を整形し、妻子を殺す命令を下したシローへの復讐の機をうかがっていたのだった。
トムは、シローから、自分と通じていたのはジョンだったと告白される。トムはジョンを呼びつけ、なぜ自分の家族を皆殺しにしたのか、と理由を問いただす。相手の目を見て、彼がトムだと知ったジョンは、ただの脅しだと思った、皆殺しにするとは思わなかった、と告げる。
トムはジョンに銃口を向けるが、彼の胸に、ジョンの同僚のゴイ(サン・カン)の狙撃銃から伸びる赤いレーザーが光る。それを見て、ジョンはとっさにトムをかばおうとする。銃声が響き、男が一人倒れる。
そして、ビクターは再び、愛車に乗り、町を走り続けるのだった。

最後に画面に映るビクターが、ジョンを殺したトムなのか、死んだトムに変わってローグとして生きることを決めたジョンなのかは、観る者の想像に任せるという、エンディングになっている。
カンフーアクションが売りのジェット・リーだが、本作ではあまり派手なカンフーアクションはなく、銃撃戦と大味なとっくみあいがあるだけなので、ファンとしては物足りない。
それより楽しいのは、この手の作品によくある、トンデモ日本描写。日本人ヤクザの店の壁の絵には「主人」の文字。自動車ディーラーの垂れ幕には「治にいて乱を忘れず」、「俯仰天地に愧じず」。日本料理屋の玄関には、「馬鹿ほど怖いものはない」、「柳雪折れなし」という謎の言葉。店内の掛け軸には、「弱肉強食」、「掃き溜めに鶴」、「下手の横好き」、「疑心暗鬼を生ず」。もうめちゃくちゃ。アクションシーンでも掛け軸に目が行っちゃって集中できないっていう。
ジェイソン・ステイサムの日本語もイカしてて、ヤクザ街のデカなら日本語ぐらい覚えろ、と刑事をなじったあと、「バカナラショウガナイケドナ」と、聞き取りづらいカタコトの日本語ですごみ、血まみれで倒れている現場の証人に「ケイサツダ、ナニガアッタンダ。デカイガイニ、オレノシュミシッテルカ。オイシャサンゴッコダ。コノダンガンノヌカナイトカノスルゼ。ヌケタカ。イヤ、イヤイヤ、ホネダッタ。ゴメン。オレガデカノホウガイイカ。ナラキョウリョクシロ! 」。すごんでる割にかわいく謝ったりして、ネタでやってるとしか思えない。
外国人にとってはアジアンテイストのバイオレンスアクションなのだが、日本人には突っ込みどころ満載のコミカルアクション。それでも最後のどんでん返しはなかなかよかった。

【5段階評価】3

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2012年5月 5日 (土)

(742) キッド

【監督】ジョン・タートルトーブ
【出演】ブルース・ウィリス、エミリー・モーティマー、スペンサー・ブレスリン
【制作】2000年、アメリカ

父親を疎んじ、自己中心的な仕事のしかたを続けてきた40歳目前の独身男に起こる奇跡を描いたファンタジー。

イメージ・コンサルタントのラスティ(ブルース・ウィリス)は、強引で毒舌な仕事っぷりで、同僚の後輩女性、エイミー(エミリー・モーティマー)もいらだたせる日々。父親がたまには帰省でもしないか、とオフィスまで頼みに来ても、会議があるふりをして追い返していた。
ある日、ラスティは、家の玄関に、子供時代に自分が持っていたブリキの飛行機のおもちゃが置かれているのを見つける。父親の仕業だと思っていると、家の中に8歳ぐらいの太った子供(スペンサー・ブレスリン)が入り込んでいるのを発見。その子はあざや傷跡の位置がラスティと同じ。何と彼は子供時代の自分だったのだ。
ラスティは彼をキッドと呼び、帰る場所のない彼と奇妙な共同生活を始める。キッドは、大人になったらパイロットになり、チェスターという名の犬を飼うことを夢見ていたが、実際のラスティが、結婚もできず、犬も飼っていないことを知り、自分は負け犬だと嘆く。
ラスティは、キッドがなぜ自分のところに来たのか不思議だったが、偶然知り合った女性キャスターから、彼は子供時代のことを忘れてしまったラスティに、子供時代を思い出してもらいたいのじゃないか、と告げる。それまでキッドを疎んじていたラスティは、キッドとの対話を続けることにする。そして二人でドライブをしているとき、ラスティはようやく子供時代に自分がいじめられていたことを思い出し始める。すると突然、彼らはキッドの時代にタイムスリップする。キッドはラスティの励ましを受け、いじめっ子を撃退。二人が店で食事をしていると、突然、誰かの飼い犬が席に割り込んでくる。飼い主が、犬を「チェスター! 」と呼んだのを聞いた二人は、慌てて店を飛び出す。そこには家族とともにセスナ機に乗り込む、30年後のラスティの姿があった。
年老いたラスティが二人のもとにやってくる。ラスティの家の玄関に飛行機のおもちゃを置いたのは彼だった。彼は仕事に埋没していたラスティに、子供時代の夢を思い出させ、セスナで飛び去っていった。自分たちは負け犬じゃなかった、と二人は狂喜乱舞する。気づくと、キッドはいなくなっていた。
だいじなものに気づいたラスティは、改めてエイミーのもとを訪ねるのだった。

ディズニー映画らしい、さわやかなファンタジー。当時20代のエミリー・モーティマーは、若い頃のデミ・ムーアにちょっと似ている気がした。

【5段階評価】3

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2012年5月 4日 (金)

(741) Shall We Dance?

【監督】ピーター・チェルソム
【出演】リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス、スーザン・サランドン
【制作】2004年、アメリカ

邦画「Shall we ダンス?」のリメイク。

遺言作成を仕事とするジョン・クラーク(リチャード・ギア)が、ダンス教室のポリーナ(ジェニファー・ロペス)に惹かれ、ダンス教室に通いつつ、最後は妻のビバリー(スーザン・サランドン)との夫婦愛を深める。

展開はオリジナルの邦画に極めて忠実で、主人公の家族に長男がいること(オリジナルは娘だけ)ぐらいしか違いがない。
そう思って観ているとラストシーン。オリジナルでは、妻は帰りが遅くなるからパーティに出なさいと夫を促し、お別れパーティに行くことをためらっていた主人公が、会場に遅れて到着し、ヒロインと最後のダンスを踊る。本作も、主人公がお別れパーティへの出席をためらうところまでは同じ。しかし、ダンス教室に「踊りませんか、クラークさん! 」と書かれた横断幕があるのを見つけた彼は、家に戻ると、妻のプレゼントしたダンスシューズと用意したタキシードを身につけ、露天で一輪のバラを買う。これで感動のダンス会場かと思ったら、彼が向かったのは、仲間と残業している妻の元だった。エスカレーターに乗り、バラを手に恥ずかしそうに向かってくる主人公。そして妻との慣れないダンス。これにはやられた。オリジナルも泣いたが、こっちのほうがもっと泣けてしまった。リメイクでこれだけ感動できたのは、あまりないかもしれない。

【5段階評価】5

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2012年5月 3日 (木)

(740) ツインズ・エフェクト

【監督】ダンテ・ラム
【出演】シャーリーン・チョイ、ジリアン・チョン、エディソン・チャン、イーキン・チェン
【制作】2003年、香港

香港のアイドル、ツインズが主演のアイドル映画。吸血鬼と吸血鬼ハンターの戦いを描いている。

吸血鬼ハンターのリーブ(イーキン・チェン)は、ジプシー(ジリアン・チョン)と組んで、吸血鬼のデコテス伯爵を狙っていた。デコテス伯爵は世界征服のため、吸血鬼の王子、カザフの血(というか、口からはき出す宝玉のような物体)を必要としていた。
リーブの妹、ヘレン(シャーリーン・チョイ)はカザフと知り合い、吸血鬼と知りながら彼を好きになる。
リーブはデコテスを倒そうと単身で彼に挑むが、逆に吸血鬼にされてしまい、助けに来たヘレンとジプシーに襲いかかる。ジプシーは泣く泣くリーブを倒し、デコテスに挑む。
デコテスはカザフの血を奪って強大な力を得ようとしていたが、ジプシーは、その力を奪い取って自らの体内に取り込み、吸血鬼の力を手にすると、ヘレンと協力してデコテスの抹殺に成功する。

アクションシーンはそこそこ派手で、アイドルにしては棒術なんかもけっこうちゃんと演じている。ただまあ、全体的には陳腐な展開で、目を見張るような興奮のないまま終わる。
花都大戦 ツインズ・エフェクトII」を観ていたので、前作となる本作も観てみたが、やっぱりつまんなかったか、という感じ。ジャッキー・チェンも出演しているんだけど。
シャーリーン・チョイは、高島彩をもう少し平坦で丸顔にしたような感じ。ジリアン・チョンは、山口もえをもっとシャープにしたような印象。イーキン・チェンは、藤木直人っぽいイケメン。

【5段階評価】2

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2012年5月 2日 (水)

(739) 幸福な食卓

【監督】小松隆志
【出演】北乃きい、勝地涼、平岡祐太、石田ゆり子
【制作】2007年、日本

瀬尾まい子原作小説の映画化作品。

朝の食卓で、いきなり「父親をやめる」と言い出す父(羽場裕一)。父親は自殺未遂を起こしたことがあり、母親(石田ゆり子)も別居中。長男の直(なお)(平岡祐太)は、家で鶏を飼い始め、小林ヨシコ(さくら)という怪しげな女とつきあい始める。
中学生の佐和子(北乃きい)は平静を装いつつも、多感な年頃らしく、不安を隠せない。そんな彼女が通う学校で、席の隣に大浦勉学(勝地涼)という転校生が座ることになる。二人は親しくなり、同じ高校に進む。ファーストキスを経験し、クリスマス・イブをともに過ごす約束を交わす。

さてこの家庭に訪れるのは、幸せな結末なのだろうか、それとも、とんでもない破滅か。

大浦は、佐和子へのプレゼントを自分の稼いだ金で買うため、あえて早朝の新聞配達という道を選ぶ。しかし、車にはねられ、死んでしまう。
魂の抜けたようになった佐和子を励ましたのは、どこか無遠慮で、無神経に見えたヨシコだった。佐和子は自分の編んだマフラーを大浦勉学の母親に渡す。彼女はそれを弟にあげることにする。「こんなのいらないか」と謙遜する佐和子だったが、弟は殊勝に礼を言い、帰途につく佐和子を、大きすぎるマフラーを巻いて追いかけ、「大きくなるから」と佐和子に約束する。佐和子は優しくマフラーを巻き直してあげると、生きる決意を新たにするように歩き出すのだった。

邦画っぽい邦画。時折映る夜の住宅街の遠景が、郷愁を誘う。まあ、やっぱり人が死ぬのか、というのは感じてしまったけれども。

【5段階評価】3

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2012年5月 1日 (火)

(738) アバター

【監督】ジェームズ・キャメロン
【出演】サム・ワーシントン、シガニー・ウィーバー、スティーブン・ラング、ゾーイ・サルダナ
【制作】2009年、アメリカ

3Dによる圧倒的な映像美が話題となったSF作品。

舞台は未来。地球人は、自然破壊の進んだ地球から、鉱物資源を求めてパンドラという星に入り込む。
彼らは意識の力で動かすことのできるアバターを開発し、パンドラの先住民、ナビィとの交流を試みていた。
ナビィの集落が豊かな鉱物資源上にあることを知った地球人は、アバターを扱うジェイク(サム・ワーシントン)らを使って、先住民に移動するよう説得を試みる。ジェイクは集落の長の娘、ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と親しくなり、先住民との絆を深めていく。
ジェイクらの説得が奏効しないことに業を煮やしたマイルズ・クオリッチ(スティーブン・ラング)らは、先住民集落を強襲。圧倒的な火力で先住民を蹴散らすと、先住民の崇拝の対象となっているエイワの中心、魂の木を爆撃しようとする。
人間の横暴に強い疑念を抱くようになったジェイクは、グレイス(シガニー・ウィーバー)ら少数の仲間とともに先住民の側に着くことを決断。ジェイクは先住民達を説得して回り、連合軍を結成し、最後の反撃に出る。
一度は地球人側の兵力の前に撤退を余儀なくされるが、エイワへの祈りが通じ、森の中の猛獣たちが戦闘に参加。地球人側の軍隊を退ける。
ジェイクはエイワの力により、ナビィとして生きていくのだった。

序盤は少々退屈で、劇場で3Dで観ていれば、体験したことのないような映像美の衝撃と興奮で持つのだろうが、テレビで観ると、映像はCGバリバリすぎてPCゲームのプロローグ映像みたいだし、前評判の割には陳腐だな、なんて思った。
さすがに後半の、地球人の軍隊と先住民との戦闘シーンは、大迫力で見応えがある。
ただ最後まで、スティーブン・ラングはCGキャラっぽかった。

【5段階評価】4

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