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2012年5月 6日 (日)

(743) ローグ アサシン

【監督】フィリップ・G・アトウェル
【出演】ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、石橋凌
【制作】2007年、アメリカ

日本のヤクザと中国マフィアの抗争の中で暗躍する謎の暗殺者と、それを追うFBI捜査官を描いた作品。

FBI捜査官のジョン・クロフォード(ジェイソン・ステイサム)は、何者かに同僚のトム(テリー・チェン)とその妻子が殺された事件の謎を追う。現場に残されていた薬莢から、彼は犯人を伝説の暗殺者、ローグだと確信する。一方、中国マフィアと日本のヤクザとの抗争の中で、両方から依頼を受け、敵側の暗殺を請け負う男(ジェット・リー)が現れる。彼はビクター・ショウと名乗っていた。ジョンは彼こそがローグだと確信するが、証拠がなく、手を出せずにいた。
ビクターは次々とやくざとマフィアを殲滅していく。彼は、日本のヤクザのボス、ヤナガワシロー(石橋凌)の娘、キラ(デボン青木)から、香港マフィアのボスと、その妻子の殺害の命を受けるが、それまで非情の限りを尽くしてきた彼が、ボスを倒すも、妻子の逃亡を手助けする。
それを知ったシローは彼を取り調べようとするが、彼は次々とシローの手下を倒し、シローとの一騎打ちに臨む。彼は暗殺者ローグではなく、殺されたと思われていたトムだった。彼はローグに襲われたとき、隙を突いてローグを倒すと、ローグになりすまして顔を整形し、妻子を殺す命令を下したシローへの復讐の機をうかがっていたのだった。
トムは、シローから、自分と通じていたのはジョンだったと告白される。トムはジョンを呼びつけ、なぜ自分の家族を皆殺しにしたのかを問いただす。相手の目を見て、彼がトムだと知ったジョンは、ただの脅しだと思った、皆殺しにするとは思わなかった、と告げる。トムはジョンに銃口を向けるが、彼の胸に、ジョンの同僚のゴイ(サン・カン)の狙撃銃から伸びる赤いレーザーが光る。それを見て、ジョンはとっさにトムをかばおうとする。銃声が響き、男が一人倒れる。そして、ビクターは再び、愛車に乗り、町を走り続けるのだった。

最後に画面に映るビクターが、ジョンを殺したトムなのか、死んだトムに変わってローグとして生きることを決めたジョンなのかは、観る者の想像に任せるという、エンディングになっている。カンフーアクションが売りのジェット・リーだが、本作ではあまり派手なカンフーアクションはなく、銃撃戦と大味なとっくみあいがあるだけなので、ファンとしては物足りない。
それより楽しいのは、この手の作品によくある、トンデモ日本描写。日本人ヤクザの店の壁の絵には「主人」の文字。自動車ディーラーの垂れ幕には「治にいて乱を忘れず」、「俯仰天地に愧じず」。日本料理屋の玄関には、「馬鹿ほど怖いものはない」、「柳雪折れなし」という謎の言葉。店内の掛け軸には、「弱肉強食」、「掃き溜めに鶴」、「下手の横好き」、「疑心暗鬼を生ず」。もうめちゃくちゃ。アクションシーンでも掛け軸に目が行っちゃって集中できないっていう。
ジェイソン・ステイサムの日本語もイカしてて、ヤクザ街のデカなら日本語ぐらい覚えろ、と刑事をなじったあと、「バカナラショウガナイケドナ」と、聞き取りづらいカタコトの日本語ですごみ、血まみれで倒れている現場の証人に「ケイサツダ、ナニガアッタンダ。デカイガイニ、オレノシュミシッテルカ。オイシャサンゴッコダ。コノダンガンノヌカナイトカノスルゼ。ヌケタカ。イヤ、イヤイヤ、ホネダッタ。ゴメン。オレガデカノホウガイイカ。ナラキョウリョクシロ! 」。すごんでる割にかわいく謝ったりして、ネタでやってるとしか思えない。
外国人にとってはアジアンテイストのバイオレンスアクションなのだが、日本人には突っ込みどころ満載のコミカルアクション。それでも最後のどんでん返しはなかなかよかった。

【5段階評価】3

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