(734) モンローのような女
【監督】渋谷実
【出演】真理明美、佐田啓二、森光子、笠智衆
【制作】1964年、日本
恵まれない家族を持つ17歳の娘がヌード写真に挑む様を描いた作品。
17歳の高校生、島いち子(真理明美)は、酒飲みの父(笠智衆)と精神病患者の母を持ち、家計は苦しかった。小料理屋を営むお鈴(森光子)や、近所のまさ枝(千之赫子)にそそのかされ、水口(佐田啓二)という写真家の水着モデルとなる。お鈴の息子の孝太郎(山本圭)は、そんないち子を責め、いち子はヌードにはならないと約束する。
お鈴の亭主(加藤武)は、いち子を手込めにしようとするが、いち子は家に逃げ帰る。父親はいち子がふしだらなことをしていると決めつけ、お鈴の亭主に殴り込みに行く。そこに精神病院を抜け出した母親が現れ、刃物でお鈴の亭主の腹を突いてしまう。また、踏み切り警手をしている父親は、不注意で作業を怠り、踏切で列車と自動車が衝突する事故を起こしてしまう。全てに絶望したいち子は、水口のもとを訪れ、ヌードになることを決意し、衣服を全て脱ぎ捨て、カメラの前に立つのだった。
ヌードになる・ならない、をテーマにした、青春ものと言うよりは悲劇的な内容である。真理明美を主役に据えたアイドルものといった趣もあるが、痴漢に胸をまさぐられたり、加藤武にはお尻を抱きかかえられたり、と、清純派とはほど遠い扱いを受ける。裸体は晒さないが、そこそこの体当たり演技である。
若い頃の森光子が見られるのも面白い。昔の俳優さんは、台詞が立て板に水で、本当にプロだなあと思う。
【5段階評価】2
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