(732) 28週後...
【監督】ファン・カルロス・フレスナディージョ
【出演】ロバート・カーライル、キャサリン・マコーマック、イモージェン・ブーツ
【制作】2007年、イギリス
レイジ・ウィルスの感染を描いた「28日後...」の続編。ただし、設定は1作目と共通であるものの、登場人物は異なり、別の話として描かれている。
ドン(ロバート・カーライル)は、妻のアリス(キャサリン・マコーマック)とともに、人を凶暴にするレイジ・ウィルスの感染者の襲撃を逃れるため、郊外の民家に何人かの人々と隠れていた。しかし、感染者に気づかれてしまい、中にいた人たちが次々と感染していく。必死に逃げるドンは、取り残されてしまった妻を置き去りにして逃走してしまう。28週が過ぎ、感染者が全て餓死したロンドンでは、NATO軍による復興計画が進められる。
ロンドンを離れていたドンの長女、タミー(イモージェン・ブーツ)と、その弟アンディ(マッキントッシュ・マッグルトン)は、父親と再会し、母が死んだと聞かされる。二人は思い出となる母親の写真を自宅に取り行こうと、封鎖された市街に忍び込む。タミーと自宅に戻ったアンディは、薄暗い部屋の中に潜む母親を発見する。
軍の女性兵士、スカーレット(ローズ・バーン)は、母親は何らかの理由でウィルスが発症しない保菌者であることをつきとめる。ドンはそうとは知らず、見殺しにした妻にわびるため、彼女が隔離されている病室に侵入し、妻と口づけを交わす。そのとたん、ドンはあっという間にレイジ・ウィルスに冒され、凶暴化。妻の喉を引き裂いて殺してしまうと、病室を飛び出し、兵士を襲い始める。
軍は住民を隔離しようとするが、感染は瞬く間に人々に広がっていく。感染の拡大を止められないと考えた軍部は、狙撃手に非感染者もろとも射殺するよう命じ、さらに上空から焼夷弾を投下し、町ごと焼き払うことを決定する。狙撃手のドイル(ジェレミー・レナー)は、命令に従うことができず、スカーレットやタミー、アンディらを連れて町を脱出する。町は猛火に包まれるが、ドイルらのみならず、多くの感染者も火災を逃れ、ドイルらのいる市街に入り込む。ドイルは仲間でヘリ操縦士のフリン(ハロルド・ペリノー・Jr.)と連絡を取り、海峡を渡るため、待ち合わせ場所の公園に向かう。しかし、ヘリの到着とほぼ同時に、大量の感染者がドイルらのいる場所に駆け込んできたため、ドイルらはヘリへの搭乗を断念。スタジアムに集合場所を移す。市街では、軍による掃討作戦が展開されており、ドイルは軍の火炎放射によって殺されてしまう。
残ったスカーレットは、タミーとアンディを連れてスタジアムに向かうが、真っ暗な地下鉄通路の中で感染したドンに襲われ、命を落とす。姉とはぐれたアンディは姉の名を連呼するが、そこにドンが現れ、アンディに襲いかかる。タミーはそんな父親を射殺する。アンディは感染したが、母親同様、耐性を持っており、凶暴化しなかった。タミーはアンディを連れてスタジアムを訪れ、フリンに救出される。しかし、さらに28日後、感染は海を越え、パリに広がっているのだった。
前作同様、猛然と走る感染者に追われる映像は極めて鮮烈。誰もいないロンドン橋などの映像も、イギリス人には「どうやって撮ったのだろう」と印象に残るだろう。
通常、この手の作品では、感染者となっても、一片の人間的感情が残っていて、家族の襲撃を躊躇したりするような描写があったりするが、本作はそれがなく、情け容赦なく家族に襲いかかる。それを名優、ロバート・カーライルが演じているところが、悲劇の迫真性を高めることに一役買っているように思える。ホラー映画の名作といえよう。
【5段階評価】5
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