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2012年4月10日 (火)

(718) マッチ・ポイント

【監督】ウッディ・アレン
【出演】ジョナサン・リース・マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン、エミリー・モーティマー
【制作】2005年、イギリス・アメリカ・ルクセンブルグ

裕福な家庭の長女と結婚した元テニスプレイヤーが、浮気相手を妊娠させてしまったことで起こる事件を描いたサスペンス。

元テニスプレイヤーのクリス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)は、テニス・コーチと趣味のオペラをきっかけに、一流企業を経営するヒューイット家と親しくなり、長女のクロエ(エミリー・モーティマー)と結婚する。しかし彼は、長男のトム(マシュー・グッド)の婚約者のノラ(スカーレット・ヨハンソン)の官能的な魅力の虜となり、偶然の再会を機に、彼女との浮気を繰り返し、彼女を妊娠させてしまう。
すでに2回も中絶していたノラは、今度は産むと主張し、クリスの責任を追及。すでにヒューイット家の企業で重役の地位にいたクリスは、ノラの住むアパートの部屋の向かいに住む老女を猟銃で殺害。麻薬中毒者による物取りの犯行と見せかけると、帰宅したノラも殺し、逃亡する。彼の思惑通り、警察は、犯人が老女を殺害し、たまたま帰宅したノラは巻き添えで殺されたものと判断した。
クリスは犯行に使った猟銃を元に戻し、奪った宝飾品を街中で川に投げ込む。しかし、老女から抜き取った指輪は、まるでテニスのボールがネットに当たったように、川とこちらを隔てるフェンスに当たって宙を舞うと、川のほうではなく、手前に落下する。
ノラが日記を残していたため、クリスの浮気と殺害の動機は警察に伝わってしまう。担当の刑事は就寝中、ノラこそが犯人の狙っていた相手で、むしろ老女が理由なく殺されたのだとひらめく。
翌朝、彼は同僚に自分の推理を興奮して語るが、同僚は取り合わず、別の殺人事件が起こったと告げる。殺されたのは麻薬常習者だというのだ。刑事が、そいつが死ぬ前に老女殺しを白状したとでも言うのか、と聞くと、同僚は、そうではないが、ポケットに老女の指輪が入っていたから彼が犯人で間違いないと言うのだった。
こうして事件は決着し、クリスは偶然を味方にして、幸せな結婚生活を続けるのだった。

オープニングは、テニスボールがネットの上を飛び交う映像で、ネットに当たったボールが向こうに落ちたら勝ちだが、手前に落ちたら負けになる、という、偶然が運命を左右するという説明が入る。この印象があるので、終盤、クリスの投げた指輪がフェンスに当たって手前に落ちたとき、誰もがクリスに敗北が訪れることを確信し、指輪が彼の運命のほころびにどうかかわるのか、という目で続きを見るので、これがまさかクリスにとって幸運をもたらすとは、というどんでん返しが非常に印象的である。
序盤、トムと知り合ったクリスがとんとん拍子にクロエと親しくなって恋仲に発展したり、クリスがとても素直にヒューイット家の経営する企業に就職したりするので、ヒューイット家側かクリスの側に、何か別のたくらみがあるのかと思ったら、これが何の裏もない典型的な出会いとサクセスストーリーなので、逆に予想外だった。ノラが浮気を受け入れたり拒んだりするのにも、裏の真意はなく、普通にクリスの離婚を望んでいるので、このあたりの人物描写は、そこらのありきたりな推理小説のようなステレオタイプっぷりだった。
もう一点、気になったのは、殺害直前のノラは、クリスの電話を店で受け、それを見ていた職場仲間の女性から「彼から? 」と聞かれて「そうだ」と答えている。警察はこのやりとりを証言として取れたはず。結局、被疑者死亡と断定されたために、捜査の手が及ばなかったという僥倖が彼に訪れた、と解釈するしかないわけだが、それにしても使った猟銃も見つからないまま捜査が終わるほど、捜査はずさんなのかね、というのも気になった。とはいえ、どんでん返しが非常によかったので、評価は高めの4。

【5段階評価】4

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