(714) ユージュアル・サスペクツ
【監督】ブライアン・シンガー
【出演】ガブリエル・バーン、ケビン・スペイシー、チャズ・パルミンテリ
【制作】1995年、アメリカ
複雑なプロットで描かれたクライム・サスペンス。
船の爆破により大量の死者が発生する事件が起きる。警察は、大やけどをして生き残った一人を取り調べる。その男は、カイザー・ソゼという伝説の冷酷非道な男がやってきたと告げる。警察は彼の証言をもとに似顔絵を作ろうとする。クイヤン捜査官(チャズ・パルミンテリ)は、犯行現場から唯一無傷で生き残った、足に障害を持つ男、バーバル・キント(ケビン・スペイシー)を尋問。映画は彼の供述を追う形で進行する。
彼は、銃の強奪容疑で誤認逮捕され、そこでキートン(ガブリエル・バーン)、マクナマス(スティーブン・ボールドウィン)、ホックニー(ケビン・ポラック)、フェンスター(ベニチオ・デル・トロ)といったならず者と一緒になる。彼らは釈放後、レッドフットという仲介屋との取引を通じて、伝説の悪人、カイザー・ソゼの秘書的存在、コバヤシ(ピート・ポスルスウェイト)から、宝石商の取引現場となる船を襲撃して宝石を強奪し、宝石商の持つ9,100万ドルの金を手にするよう指示される。
しかし、事件の現場にカイザー・ソゼが現れ、彼らを皆殺しにしていく。キントは、カイザー・ソゼがキートンも撃ち殺したと告げるが、クイヤンは、キートンこそがカイザー・ソゼだと確信し、キントを帰す。
しかし、尋問を終えて部屋で一息つくと、壁には、彼の話に登場したレッドフットなどの名前の書かれた捜査資料が貼られていた。思わず手に持っていたコーヒーカップを落とすクイヤン。割れたカップの底には「コバヤシ」というメーカー名が書かれていた。キントの供述は、全てその場のでっち上げだったのだ。できあがった似顔絵は、キントの顔そっくりだった。
警察署から立ち去るキント。引きずるように歩いている彼の足が、しだいに普通の歩き方になり、コバヤシの運転する車に乗り込み、彼は走り去る。警察署を飛び出したクイヤンは、途方に暮れて立ち尽くすのだった。
緻密なプロットの後の大どんでん返しが本作の妙味となっており、これを「してやられた」と思うか、「え、意味わかんない」となるかが、本作の評価を分けることになるだろう。
個人的には、前者の作品が大好きではありつつ、本作に関しては後者の印象を持ってしまった。2回観れば楽しめる作品であるとは思うが、2回観ないと楽しめない作品は、よい作品とは言えない。
【5段階評価】2
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