(706) 踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!
【監督】本広克行
【出演】織田裕二、小泉今日子、小栗旬、伊藤淳史、深津絵里
【制作】2010年、日本
「踊る大捜査線」シリーズ第3作。「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」シリーズが続くにつれてつまらなくなっていくという、連作ものの典型的な展開を見せており、凋落ぶりが痛々しい作品。
湾岸署の引越の際、拳銃が引越業者のアルバイトに盗まれる。この雑なプロットがすごいが、この展開にもかかわらず実名で登場する日通もすごい。それはいいとして、この拳銃を使った殺人事件が起き始める。犯人はMMORPGで知り合った若者達だった。これまた、当時流行の社会現象に関わる人を犯罪者集団に仕立てるという、これまで通りの設定。犯行グループは、青島(織田裕二)がこれまで逮捕した犯罪者の釈放を要求。その中には、第1作で登場した日向真奈美(小泉今日子)が含まれていた。
犯行グループは、伝説的犯罪者、日向真奈美に傾倒しており、彼女に半ば操られていた、というのが事件の真相。青島(織田裕二)は旧湾岸署に仕掛けられた時限爆弾によって死のうとする日向を助け出すと、改めて彼女を逮捕する。
映画の中では、本店と所轄をとりもつ鳥飼(小栗旬)が登場して暴走を始めたり、青島が余命幾ばくもないと誤診されたり、湾岸署がジャックされて署員が閉じ込められたり、といったプロットもあるのだが、あまり本筋とからまない。
犯行グループがネトゲ廃人という設定も、前作のリストラ社員のように、世の中に虐げられた弱者が復讐に走るというような、社会の不条理に気付かされる設定ではなく、ただネット上で人が集まるきっかけとして用いられているだけで、ネトゲ廃人という社会の病巣をえぐるような描写がないので、観る者として共鳴するところがない。
結局、日向真奈美をはじめとする過去の個性的キャラを再登場させることが、本作の唯一の売りになってしまっているが、何年も前の作品のキャラを再登場させても、観ている側がそんな都合よく記憶している訳もでもなく、内輪受けに堕した印象がぬぐえなかった。
【5段階評価】2
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