(700) レイダース 失われた聖櫃
【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】ハリソン・フォード、カレン・アレン、ポール・フリーマン
【制作】1981年、アメリカ
トレジャー・ハンター、インディアナ・ジョーンズの活躍を描いたアクション・アドベンチャー。
序盤のトレジャー・ハンティングからスリル満点。背中にたかるタランチュラや、光に手をかざすと飛び出す槍、足下のスイッチで起動する矢。これらをインディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は巧みにかわし、お宝を手に入れる。うまくいったと思った瞬間、別の罠が起動。転がってくる球状の巨大な岩石に追われるシーンも非常に印象的。逃げおおせたと思いきや、ライバルのベロック(ポール・フリーマン)にお宝を奪われてしまう。この辺り、盛り上げつつ主人公やライバルのキャラクターをうまく説明していて、非常に巧み。
アメリカに戻り、教鞭を取っている彼のもとに、ブロディ(デンホルム・エリオット)が訪れ、ナチスドイツに先駆けて、強大な力を持つアーク(聖櫃)を手に入れてほしいというアメリカ政府の依頼を告げる。
インディは、発掘の鍵となる杖飾りのメダルを持つ、かつての恋人、マリオン(カレン・アレン)を訪ね、ネパールへ飛ぶ。そこにナチスドイツ側の男、アーノルド・エルンスト・トート(ロナルド・レイシー)が登場。彼は火にあぶられたメダルに手を伸ばし、手のひらに大やけどを負う。インディはメダルを持つマリオンとともにエジプトに向かう。
友人のサラー(ジョン・リス=デイビス)とともに、ナチスドイツに先駆けてメダルの謎を解いたインディは、石室の中の大量のヘビを蹴散らし、見事にアークの発掘に成功。しかし、すんでのところでナチスドイツ側に気づかれ、またもベロックにお宝を奪われてしまう。
インディは、マリオンとともに閉じ込められた石室から脱出。激しいカーチェイスの末、アークを奪い返すインディだったが、それをイギリスに運ぼうとする船旅で、ふたたびナチス側にアークを奪い取られる。
インディはドイツ軍の潜水艦に乗り移り、アークを運ぶナチス軍の隊列の前に登場。マリオンを渡さなければアークをロケットランチャーで破壊すると脅すが、ベロックはインディの性格を見抜き、「中身を見たいはずだ。撃てるか。」と開き直る。インディはためらい、結局、捉えられてしまう。
ナチスドイツ軍はついにアークの中身を暴くが、中には砂が入っているだけだった。失望するベロックだったが、突如、白い霊が宙を飛び交い、ドイツ軍は謎の力の前に全滅してしまう。将校の顔はやせこけ、トートの顔は溶け、ベロックの顔は木っ端みじんに飛び散る。CGを使えない時代のこの特撮もみごと。
目を閉じ続けることで、死から逃れたインディとマリオンは、アークをふたたび奪い返すが、結局アメリカ政府は、それをただ、巨大な倉庫のなかにしまい込むだけ、というオチで映画は終わる。
インディの敵となる相手が、飛行機のプロペラに巻き込まれたり、ジープにひかれたり、というむごい死に方をするのだが、それを血しぶきだけとか、けいれんするように上に伸びる手足で表現する辺りは、007とも通じる部分がある。
エジプトでインディが追われるシーンでは、ハリソン・フォードが高熱だったため、曲刀を振り回す相手を、ムチを使わず拳銃一発で片づけてしまうことにしたというエピソードは有名。こんなハプニングも、次作ではパロディにしてしまう(剣を振り回す二人組に銃を突きつけようとするが、銃がないことに気づいて苦笑いするシーンがある)あたりも、シリーズで見ていると楽しい。
「インディ・ジョーンズ」でも書いたが、ハラハラドキドキという言葉がふさわしい不朽の名作と言えよう。
【5段階評価】5
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