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2012年3月10日 (土)

(697) お葬式

【監督】伊丹十三
【出演】山崎努、宮本信子、菅井きん、財津一郎
【制作】1984年、日本

伊丹十三の初監督作品。伝説的な名作、怪作である。

とある俳優夫妻が主人公。妻方の父親が急死し、葬儀をあげることになる。その顛末を描いているのだが、日本人にとって、なじみがあるようでないような、この不思議な儀式を、ときに厳かに、ときにおかしく描いていて、深い感銘を与える。

監督のサービス精神は、実はお笑いでいう「あるある」に発揮される。
いわく、正座で足がしびれたり、読経中に子供がじっとしていなかったり、人がまじめに話しているときに、複雑な構造のめがねをかちゃかちゃいじられると、ついついそっちに気がいったり。そういった「あるある」を丹念に描くことで、観客は、この作品に深く深く没入するのである。
正座している足のストッキングになんとなく埃がくっついて見苦しかったり、主人公の井上侘助(山崎努)の浮気相手(高瀬春奈)が素っ頓狂な声で身もだえると同時に、彼女の無防備な脇毛が垣間見えたり、こういったところを丁寧に、リアルに映像化しているところが、本作のすさまじい迫力に転化している。

この映画は2時間ちょっとあって、けっこう長いのだが、それを全く感じさせない。非常に密度が濃い。その後も伊丹十三氏は、監督として「マルサの女」や「タンポポ」、「ミンボーの女」など、独特な邦画を手がけているが、本作は処女作にして、彼の異才が遺憾なく発揮された名作だと言える。

【5段階評価】5

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