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2012年2月

2012年2月28日 (火)

(689) リーサル・ウェポン3

【監督】リチャード・ドナー
【出演】メル・ギブソン、ダニー・グローバー、レネ・ルッソ、スチュアート・ウィルソン
【制作】1992年、アメリカ

リーサル・ウェポン」第3作。

本作で悪役となるのは、押収武器の横流しをする元刑事。横流しされた武器が不良少年らの手に渡り、マータフ(ダニー・グローバー)は銃撃戦の結果、自分の息子の友人である少年を射殺してしまう。横流しした武器の中には、警官が身につける防弾チョッキをも貫通する銃弾、「コップ・キラー(警官殺し)」も含まれていた。
リッグス(メル・ギブソン)は、警察の警察と言われる調査部の女性刑事、コール(レネ・ルッソ)と、最初は反目するものの、徐々に惹かれ合うようになる。
コールは、黒幕のトラビス(スチュアート・ウィルソン)の逮捕に単身で乗り込むが、逆にトラビスに倒されてしまう。リッグスはマータフとともに彼女を救い出し、ブルドーザーでリッグスを襲おうとするトラビスを、ブルドーザーごと、コップ・キラーで撃ち抜き、「エクスコップ・キラー(元警官殺し)だな」とつぶやく。
コールとリッグスが結ばれたことを暗示して映画は終わる。

オープニングは、建物内の駐車場に停められた車に仕掛けられた爆弾をリッグスが無理矢理解除しようとして爆破させてしまうというシーン。エンドロールの後にもまた、リッグスが爆弾の仕掛けられた現場に性懲りもなく向かい、建物の中に入る前に爆破がおき、慌てて逃げるというシーンが用意されている。まあさすがにちょっとリッグスの無謀ぶりには共感しきれないという感じでもあった。

【5段階評価】3

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2012年2月23日 (木)

(688) リーサル・ウェポン2/炎の約束

【監督】リチャード・ドナー
【出演】メル・ギブソン、ダニー・グローバー、ジョー・ペシ
【制作】1989年、アメリカ

リーサル・ウェポン」シリーズ第2作。

ロス市警のリッグス(メル・ギブソン)とマータフ(ダニー・グローバー)が、南アフリカの外交官がからむ麻薬密売組織に立ち向かう。黒幕のラッド(ジョス・アクランド)は、外交特権があるため、リッグスもマータフも彼に手を出せない。気の収まらないリッグスは、大使館に忍び込んで彼を挑発するが、ラッドは手下を使って警官殺しを始める。マータフはトイレに爆弾を仕掛けられるが、リッグスの命がけの協力により、一命を取り留める。
今度はリッグスが、自宅でラッドの秘書をしていたリカ(パッツィ・ケンジット)と二人でいるところを、ヘリコプターから銃撃される。
二人は何とか脱出し、リカの家にたどり着くが、リッグスがリカの家を立ち去ろうとしたとき、ラッドの部下に襲われ、拉致される。彼らは二人に拘束服を着せ、海中に沈める。リッグスは関節を外す得意技で脱出に成功するが、先に沈められていたリカは帰らぬ人となる。ラッドの手下から、彼らがかつて、麻薬捜査官時代のリッグスを暗殺しようとして、誤って彼の妻を殺害したことを聞かされたリッグスは、怒りが頂点に達し、彼らのアジトに乗り込む。いつもはたしなめ役のマータフも彼に協力。彼らを一網打尽にする。

リッグスとマータフが護衛することになるレオ・ゲッツ(ジョー・ペシ)という小悪党の、「オケ、オケ」と調子のいい口ぶりが印象的。若干いじめられすぎでかわいそうだったので、最後に何か一つでも大活躍してほしかった。現職刑事が人を殺しすぎ、とか、ツッコミどころはあるものの、権力をかさに着た相手に対する、妻や恋人の弔い戦は痛快で、胸のすく作品になっている。

【5段階評価】4

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2012年2月18日 (土)

(687) エイリアン4

【監督】ジャン・ピエール・ジュネ
【出演】シガニー・ウィーバー、ウィノナ・ライダー
【制作】1997年、アメリカ

エイリアン」シリーズ第4作。

本作のリプリー(シガニー・ウィーバー)は、「エイリアン3」で溶鉱炉に身を投げたリプリーの血液から蘇生されたクローン。エイリアンを宿したことから、血液が強酸性で強靱な身体能力を持つ、ミュータント的な存在となっている。
軍の科学者は、エイリアンを生物兵器として利用しようとし、蘇生したリプリーからエイリアンの幼生を摘出し、育成を始める。リプリーはエイリアンの宿主としての役割を終えていたが、科学者は彼女にも興味を示したため、彼女も宇宙船の中で科学者達と暮らし始める。彼女はみるみるうちに語学を習得し、エイリアンに対する記憶も蘇生されていた。
科学者たちはエイリアンの増殖を始めるが、エイリアンはその中の一体の体を引き裂き、その強酸性の血液で床を溶かして飼育室を脱走。科学者達の殺戮を始める。
宇宙船に乗り込んでいた貨物船ベティのクルー達も、エイリアンの餌食となり始める。その中の一人、コール(ウィノナ・ライダー)はアンドロイドで、科学者のレン(J・E・フリーマン)が宇宙船にエイリアンを乗せて地球に行こうとしているのを知り、リプリーとともにそれを阻止する。
エイリアンは人間との融合による進化で、宿主への寄生ではなく、妊娠・出産という手段を獲得。人間と似た新たなエイリアンが誕生する。リプリーを母親と感じて甘えるが、自分を生んだ母体エイリアンや周囲の人間に対する凶暴性はすさまじく、リプリーはこのエイリアンの抹殺を決意。このエイリアンが自分たちの乗る脱出艇にまぎれこんだことを知ったリプリーは、わざと脱出艇の窓に自らの血液で穴を空ける。すさまじい勢いで艇内の空気が外に吸い出されると、エイリアンはその穴に吸い付けられてしまい、体の組織が徐々に船外に流出し、姿を消す。エイリアンを乗せた宇宙船は地球に激突して爆発。リプリーとコール、生き残った二人のクルーは生存を喜び合うのだった。

特撮はよくできていて、全編を通して楽しめる作品。
母と慕った相手に裏切られ、吸い込まれていくエイリアンの悲しそうな表情が印象的だが、それに匹敵するほど印象に残るのは、「猿の惑星」の特殊メイクでもしているのかと思ってしまうロン・パールマンの顔であったりする。

【5段階評価】4

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2012年2月15日 (水)

(686) エイリアン3

【監督】デビッド・フィンチャー
【出演】シガニー・ウィーバー、チャールズ・ダンス
【制作】1992年、アメリカ

エイリアン」シリーズ第3作。

前作「エイリアン2」で生き残ったリプリー(シガニー・ウィーバー)達だったが、宇宙船に謎の事故が発生し、YY染色体異常の犯罪者の収監された労働惑星に落下。リプリー以外の乗船者は死亡していたが、その中にはフェイス・ハガー(カブトガニのような形態で顔に張り付き、卵を産み付けるエイリアン)が潜んでいた。フェイス・ハガーは犬に寄生し、四つ足歩行のエイリアンが誕生する。
性犯罪者が収監され、男ばかりの環境に放り込まれる形となったリプリーだったが、医師を務めるクレメンス(チャールズ・ダンス)と理解を深め合う。しかし、エイリアンは次々と人を襲っては成長を遂げていき、ついにクレメンスも犠牲となる。その場にいたリプリーは絶体絶命となるが、なぜかエイリアンはリプリーを襲わず、そのまま立ち去る。リプリーには、エイリアンの母体が寄生していたのだ。
リプリーは、男達とともに、エイリアンを溶鉱炉に誘い込み、鉛を流し込んで倒すという作戦に打って出る。仲間達が次々と犠牲になるが、囚人のリーダー的存在、ディロン(チャールズ・S・ダットン)が、最後にエイリアンとともに溶鉱炉の底に残り、大量の融解した鉛がエイリアンに降りかかる。エイリアンはすさまじい生命力でその中から飛び出し、リプリーに襲いかかるが、彼女がスプリンクラーを起動させ、溶けた鉛を浴びたエイリアンに水をかけると、急激な凝固作用に伴い、エイリアンは砕け散る。
そこに、ユタニ社の研究者、ビショップ(ランス・ヘンリクセン)が登場。リプリーを連れ帰ろうとするが、リプリーは、会社がエイリアンを生物兵器として利用しようとしていることに気付いており、腹からつきだした幼生とともに、溶鉱炉の中に身を投げる。

惑星の監獄というすさんだ雰囲気が映像化され、閉鎖的な環境で人々が謎のエイリアンに次々と襲われていくという構図は、「惑星からの物体X」とも似ている。
途中、自分の乗っていた宇宙船で起きた事故の内容をフライトレコーダーから読み取るため、リプリーがアンドロイドのビショップの残骸を廃棄物置き場から拾い出し、再起動させるシーンがある。解読した情報を伝えたアンドロイドは、自分の機能を停止するようリプリーに頼み、リプリーは了承する。機能停止の瞬間、アンドロイドは、機械の空気音とも人間のため息ともつかないような断末魔の摩擦音と、痙攣のような動きを残す。アンドロイドという架空の存在が、この作品にリアリティを与えた隠れた名シーンだなぁ、と個人的に気に入っている。

【5段階評価】4

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2012年2月13日 (月)

(685) ロボコップ2

【監督】アービン・カーシュナー
【出演】ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、ダニエル・オハーリー、トム・ヌーナン
【制作】1990年、アメリカ

ロボコップ」第2作。

前作ではロボコップ(ピーター・ウェラー)の味方の側だったオムニ社の社長(ダニエル・オハーリー)が、市政の乗っ取りという欲望に目がくらみ、美人研究者のファックス(ベリンダ・バウアー)にロボコップ2の開発を命じる。彼女は、ロボコップに逮捕された際に重傷を負った凶悪麻薬商人のケイン(トム・ヌーナン)の医療装置を止めて彼の遺体を入手し、ロボコップ2を完成させる。しかし、ケインが製造していた麻薬、「ヌーク」をエネルギーとしていたロボコップ2は麻薬ほしさに記者会見の場で暴走を始める。そこに登場したロボコップが、ロボコップ2に戦いを挑む。最後は、相棒のアン(ナンシー・アレン)がヌークでロボコップ2の興味を引いている隙に、ロボコップが背後からとびかかり、彼の脳髄を抜き取ってたたき壊し、ロボコップ2を破壊する。

衝撃の1作目に比べればおとなしい感じではあるが、普通に楽しめる作品。悪役の中に子供がいて、ロボコップが子供は攻撃しないことをいいことに、ロボコップをとらえてバラバラにしたり、ケインがとらえられても助けようとせず、ヌークの力で女性を手なずけたりと、悪行の限りを尽くすが、最後は暴走したロボコップ2のせいで死んでしまう。
子供がロボコップの正義に触れて改心するのかと思いきや、死ぬという筋書きはちょっと珍しいかもしれない。

【5段階評価】4

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2012年2月12日 (日)

(684) ロボコップ

【監督】ポール・バーホーベン
【出演】ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、カートウッド・スミス
【制作】1987年、アメリカ

サイボーグとなった刑事の活躍と苦悩を描く近未来SF。

警察機能が民営化され、それを請け負ったオムニ社は、麻薬密売人のクラレンス一味に惨殺された刑事、マーフィー(ピーター・ウェラー)の遺体を改造し、ロボコップを作成する。
彼は危険を顧みず悪者を次々と逮捕し、町の治安改善に貢献。マーフィーの同僚だったアン・ルイス(ナンシー・アレン)は、ロボコップの正体がマーフィだと気づく。
ロボコップも、自分がマーフィーだったことに気づき、クラレンスを追い、黒幕がオムニ社の重役、ジョーンズ(ロニー・コックス)であることを知る。ロボコップはジョーンズの逮捕に向かうが、ロボコップは重役には手出しができないようプログラムされていた。ジョーンズはロボコップの回収を命じ、警官隊がロボコップに一斉射撃を浴びせるが、アンがロボコップを救い出す。
ジョーンズはクラレンスにロボコップの抹殺を命じ、かつてマーフィーがクラレンスに惨殺された廃工場で、ロボコップとクラレンス一味の死闘が始まる。クラレンスの手下がクレーンからロボコップめがけて廃材を落とし、動けなくなったところにクラレンスが鋼鉄の棒を突き刺そうとするが、ロボコップは情報端末操作用の針をクラレンスの首筋に突き刺し、彼を葬る。
ロボコップはふたたびジョーンズの逮捕に向かう。ジョーンズは社長を人質にして逃げようとし、ロボコップはプログラムのせいでジョーンズに手出しができない。すると社長がジョーンズに向かって「おまえは首だ」と叫ぶ。
その瞬間、プログラムの制約から放たれたロボコップは、ジョーンズめがけて銃撃を浴びせ、彼を倒す。

B級映画っぽいスプラッターな特撮をまぜつつ、ぐっとくるストーリーで引き込まれる。
序盤、ジョーンズが自身の手がけた警備ロボットを重役会議で披露するシーン。彼は重役の一人に、ロボットに銃を向けてみてくれ、と頼む。彼が銃を向けると、ロボットが起動し、「20秒以内に銃を置きなさい」と警告する。銃を向けた男はあわてて銃を床に投げるが、ロボットのカウントダウンの声はやまない。男は他の重役達のいる方に逃げようとするが、突き飛ばされてしまい、カウントダウンの終了とともに、ロボットのマシンガンの一斉射撃を受け、絶命する。このむごたらしい事故が、序盤で観る者をぐっと引きつける。
そして、主人公のマーフィーが、犯罪者クラレンスを追って廃工場に潜入。しかし、彼らに包囲され、捕まってしまう。普通の映画だと、ここに仲間が来て助かったりするのだが、彼はまず、右腕をショットガンで吹き飛ばされると、クラレンス一味から蜂の巣にされ、殺されてしまう。このシーンも言葉を失うほど衝撃的で、目を背けたくなるが、その後のストーリーにぐっと入り込ませる力がある。
ロボコップの復讐劇では、クラレンス一味の一人が、工場廃液につっこんで身体が溶けてしまい、車にひかれて飛び散る。これも当時の特撮っぽい印象的なシーン。
無敵のヒーローの活躍を描くだけではなく、過去の自分を知ろうとする主人公の苦悩がストーリーをひきしめ、見応えのある作品である。

【5段階評価】5

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2012年2月10日 (金)

(683) BECK

【監督】堤幸彦
【出演】佐藤健、水嶋ヒロ、桐谷健太、向井理、忽那汐里
【制作】2010年、日本

ハロルド作石原作漫画の映画化作品。

帰国子女の南竜介(水嶋ヒロ)は、天才ベーシストの平(向井理)やラップ・ボーカリストの千葉(桐谷健太)らとバンドを組み、飼い犬の名を取ってバンド名をBECKとする。
そこに、高校生のコユキ(佐藤健)とサク(中村蒼)が加わり、音楽活動を開始。自主製作のCDも売れ出し、ロックフェス「グレイトフル・サウンド」への出演が決まる。
コユキのボーカリストとしての才能にいち早く気付いた竜介の妹の真帆(忽那汐里)は、コユキにほのかな恋心を抱くようになる。
盗み取った伝説のギターが原因で、竜介が黒人フィクサーから追われたり、ライバルバンド側の妨害工作に遭ったり、といった障害にもめげず、彼らはグレイトフル・サウンドの第3ステージで演奏を開始。大雨の中、大物バンドが演奏を中断する中、ライブを継続したBECKに万雷の拍手がわき起こるのだった。

コユキの天性のボーカルの素質が、本作の主題であるのだが、作品中ではその歌声はいっさい消音されていて聞くことができない。観る側の想像に任せるということだが、ここは評価の分かれるところだろう。個人的には、途中まではいいとしても、最後はボーカルを爆発させてほしかった。そこはやはり、素直に残念。
それ以外については、黒人とのゴタゴタは多少くだらない感はあるものの、仲間とのつながりなどはうまく描かれていて、想像以上にいい作品だった。
水嶋ヒロと忽那汐里は、感情が高ぶると英語が出る帰国子女という設定だが、役者本人が二人ともリアルに帰国子女なので、英語の発音などもあまり違和感がなく、よかった。向井理の寡黙なベーシストとしての動きなんかも、けっこうそれっぽくてサマになっていた。
そう考えると、やっぱ、コユキのボーカルを無音にしたのは痛恨。「天使にラブソングを・・・」なんかを引き合いに出すまでもなく、歌には涙ぐむ程の感動を与える力があるのに、音を聞かせないという選択をしたのは、何とももったいない。

【5段階評価】3

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2012年2月 9日 (木)

(682) ホワット・ライズ・ビニース

【監督】ロバート・ゼメキス
【出演】ミシェル・ファイファー、ハリソン・フォード
【制作】2000年、アメリカ

サスペンスの要素を採り入れたホラー作品。

研究者のノーマン(ハリソン・フォード)は、妻のクレア(ミシェル・ファイファー)と仲むつまじく暮らしていたが、クレアは家の中の心霊現象に悩まされるようになる。
クレアは、夫婦げんかの絶えない隣人の妻が夫に殺され、その霊が自分に何かを伝えようとしているのかと考えたが、隣人の妻は健在だった。やがてクレアは、その霊が、ノーマンの教え子のマディソン・エリザベス・フランク(アンバー・バレッタ)であることを突き止める。行方不明の彼女の家を訪れたクレアは、家の横にある湖の底に沈んでいる木箱がマディソンのものであると気づき、その箱を引き上げる。家の中でその箱を調べると、中にはマディソンの遺品が収まっていた。顔を上げると、そこにはノーマンの姿があった。彼はマディソンと不倫の関係となり、マディソンが家に来て自殺を遂げたので、仕方なく車ごと湖に沈めた、と白状する。過去の過ちを許してほしいと懇願するノーマンだったが、クレアは、車を引き上げるようノーマンに指示。ノーマンは警察に電話する。
クレアはノーマンがシャワーを用意しにいたすきに電話機のリダイヤルを確認するが、彼がかけたのは警察ではなく、自動音声案内に話しかけていただけだった。それに気付いた瞬間、クレアの背後からノーマンが襲いかかり、薬品でクレアの自由を奪ってしまう。ノーマンはクレアを抱え、バスタブに横たえると、中に湯をたたえ始めた。
体を動かせないクレアに、ノーマンは、出世の邪魔になったマディソンを同じ方法で殺害したことを語り始める。湯の中に顔が沈みそうになるクレアの首に、何かがかかっているのを認めたノーマンは、クレアを抱き起こし、背中に回ったペンダントのトップを確認する。それはマディソンのペンダントだった。はっとするノーマンが再度クレアを抱き起こすと、その顔はマディソンの死に顔になっていた。驚いて後ろに倒れ込んだノーマンは、洗面台に頭を打ち付け、卒倒する。薬の切れてきたクレアは、足の指を使ってバスタブの栓を抜き、バスタブから這い上がる。ノーマンは階段の下で伸びていた。ノーマンがコードレスホンをズボンのポケットに入れたままとなっていたため、クレアはノーマンの携帯電話と車の鍵をつかむと、車に乗り込む。家から町に向かう橋の上からでないと、電話が通じないのだ。
ところが、車の鍵は自家用車の鍵ではなく、ボートを牽引した車のほうだった。彼女はやむなく車を乗り換えるが、意識を取り戻したノーマンがボートに乗り込んでおり、橋の上でクレアに襲いかかる。クレアは、橋の上に立つマディソンの霊を避けようとしてハンドルを切ると、車はそのまま橋の下の湖に落下してしまう。
車の中に水が浸入し、クレアは外に出ようともがくが、ノーマンが彼女をとらえて放さない。すると、彼らの車の下に沈んでいた別の自動車の中から、マディソンの朽ちた死体が浮かび上がってくる。その死体は、生きていたときのマディソンに姿を変えると、クレアを逃し、ノーマンを水中に引き留め、そのまま水中を漂うのだった。
救出されたクレアが、マディソンの墓参りをするところで映画は終わる。

一般的にはサスペンスに分類されているが、個人的には品のよいホラー作品だと捉えている。ただただ霊が出てきてぎょっとするというだけでなく、その霊がなにものか、という謎を解く形で話が展開していくのは、なかなかよかった。
隣人夫婦が全く事件と関係ない存在だったり、何だろな、というところもあるが、自分は気にならなかった。見るのは何回目かだが、今回のTV放映(午後のロードショー)はちょっとシーンのカットが多すぎたのが残念。

【5段階評価】4

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2012年2月 8日 (水)

(681) 悪人

【監督】李相日
【出演】妻夫木聡、深津絵里、柄本明、樹木希林、満島ひかり
【制作】2010年、日本

吉田修一原作小説の映画化作品。

建物解体業の肉体労働をしている清水祐一(妻夫木聡)は、出会い系サイトを通じて知り合った石橋佳乃(満島ひかり)に冷酷な扱いを受けた上に暴言を吐かれ、勢い余って彼女を殺害してしまう。
スーツ量販店の店員、馬込光代(深津絵里)もサイトを通じて清水と会い、いきなり肉体関係を結ぶが、互いの寂しさが響き合い、深い愛情に発展していく。
清水は自分が殺人犯であることを告白し、警察に自首しようとするが、光代は二人での逃避行を決断。無人の灯台に潜伏するが、ある日、光代が電話しているところを警官に発見される。
光代は派出所を抜け出して清水の潜む灯台に戻るが、警察の手が伸びる直前、清水は自分は光代が思っているような男じゃない、と告げると、光代の首に手を掛ける。そこに警察隊が突入し、清水は逮捕される。

はっきりとは語られないが、清水の最後の殺人未遂行為は、光代を、逃亡を幇助した共犯者ではなく、清水に拉致されていた被害者だと警察に思わせるための行為であったことは明白で、このやるせない行為こそが、本作のクライマックスであろう。

老人を食い物にする悪徳業者。ナンパした女性を車から蹴り出した話を得意げに吹聴する若者。自尊心を守りたいだけの理由で男に罵声を浴びせる女性。容疑者の母親に群がるマスコミ。作品全体を通して、人間の負の部分をこれでもか、と描いており、「やるせなさ」の残る作品。
このシリアスな演技をした妻夫木聡と深津絵里のコンビが、「ザ・マジックアワー」では、本作とはうってかわってきわめてコミカルなドタバタコメディを演じているのも、なんとも面白い。

【5段階評価】3

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2012年2月 7日 (火)

(680) イベント・ホライゾン

【監督】ポール・アンダーソン
【出演】ローレンス・フィッシュバーン、サム・ニール
【制作】1997年、アメリカ

宇宙船を舞台に起こる惨劇を描いたSFホラー。

ウェラー博士(サム・ニール)の構築した新理論により、時空を越えた航法が可能となったイベント・ホライゾン号が、謎の失踪後、海王星付近に現れる。
ルイス&クラーク号の船長、ミラー(ローレンス・フィッシュバーン)は、ウェラー博士を乗せ、クルーとともに、イベント・ホライゾン号の探索に出る。
イベント・ホライゾン号のクルーは死に絶えているものの、なぜか船全体から生体反応がある。乗組員達は、自分の過去の負の体験の幻影に悩まされるようになる。
イベント・ホライゾン号は、時空を越える航海の結果、地獄の果てで邪悪な存在に乗っ取られてしまい、乗組員達は凄惨な殺し合いをしていたのだった。その存在が、今度はルイス&クラーク号の乗組員と、ウェラー博士に取り憑こうとしていた。
若い乗組員のジャスティン(ジャック・ノーズワージー)は、イベント・ホライゾン号の推進装置に飲み込まれ、廃人と化してしまう。その後、起き上がると、己の中の闇の増幅に耐えられず、宇宙服を着けずに減圧室に入り込み、宇宙空間に飛びだそうとする。船外作業中だったミラーが、何とか彼を抱えて救いだすが、ミラー自身、彼がかつての作戦で見殺しにした部下の幻影に悩まされていた。また、ピーターズ(キャスリーン・クインライン)も事故で両脚を失った息子の幻影に、そしてウェラー博士は自殺した妻の幻影に、それぞれがさいなまれていた。
破損した艦の修復を終えたミラーは、イベント・ホライゾン号から離脱し、この邪悪な船をミサイルで爆破しようとするが、狂気に取り憑かれたウェラー博士が、クルーを惨殺し始める。ミラーは生き残ったクルーを脱出させると、ウェラー博士とともにイベント・ホライゾン号に残り、船の爆破スイッチを押すのだった。

SFというよりはホラーに分類すべき内容で、絶対的な悪の憑依や、自分の過去の負の体験との対峙など、過去のホラー作品で取り上げられてきたテーマが盛り込まれている。映像の所々(無重力空間に浮かぶ缶や液体など)がCGぽかったりする面もあったが、最後のウェラー博士の傷だらけの顔なんかはわりとよくできていた。
最終的に生き残ったスターク(ジョエリー・リチャードソン)が、助けてくれた隊員の顔を見ると、それが傷だらけのウェラー博士で、ふたたび「ギャーッ」とかいう、ホラーのお約束もあったりする。

ローレンス・フィッシュバーンは、「マトリックス」や「理由」などでも好演している。

【5段階評価】3

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2012年2月 3日 (金)

(679) アビス

【監督】ジェームズ・キャメロン
【出演】エド・ハリス、メアリー・エリザベス・マストラントニオ
【制作】1989年、アメリカ

深海でのエイリアンとの遭遇を描いた作品。

石油採掘クルーのバッド・ブリッグマン(エド・ハリス)は、謎の沈没事故を起こした原子力潜水艦の生存者確認を軍に依頼され、採掘基地ディープ・コアとともに現場に向かう。そのディープコアに、バッドの妻でディープ・コアの設計者であるリンジー(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)と、海軍のコフィ大尉(マイケル・ビーン)が乗り込んでくる。
バッドとリンジーは離婚寸前の状態で、火花を散らしながらも作戦を進める。
ところが、嵐の影響で海上クレーンが落下、ディープコアは海溝に滑落寸前の状態となり、海上との音信が途絶えてしまう。
復旧作業をするリンジーは、海中に美しい生命体が存在するのを目撃。基地に戻ってそのことを伝えるが、精神的に追い詰められていたコフィは、それをソ連の兵器だと思い込み、原子力潜水艦から回収した核弾頭で攻撃しようという暴挙に出る。
リンジーとバッドは、潜水艇でそれを阻止するが、核弾頭は海溝の奥深くに沈み込んでしまう。バッドは液体呼吸装置を使って海溝に潜り、核弾頭の無力化に成功するが、再び基地に戻る酸素は残っていなかった。
片道切符は覚悟の上だ、と基地のリンジーに伝え、安らかに海底に横たわるバッドの前に、彼すら半信半疑だった光り輝く生命体が登場。その生命体は彼の手を取ると、自らの基地に導く。
彼らは地球人が戦争を繰り返し、地球を破滅させようとしていると指摘。水を自由に操る技術を持つ彼らは、地上に大災害を起こして地球人を滅亡させようとしていた。しかし、バッドがリンジーに送った「LOVE YOU」という交信に人類の可能性を感じた彼らは、人類を許すことにし、海底に取り残されたバッドとディープ・コアのクルーを、海上で待つ部隊のもとに送り届ける。

途中まで宇宙人は登場せず、海洋パニックものの様相だが、最終的には宇宙人の姿がはっきりと映像化されている。若干、古めかしい合成画像のようなシーンもあるが、水が巨大なミミズのような形でクルーに近づき、その先端に人間の表情が現れ、リンジーやバッドとコミュニケーションをとる場面などは、CG全盛時代以前の映像としては出色のでき。現実の水の動きをCG映像化しているのではなく、水が人間の顔のように変形するという、不自然なことをCGで表現しているので、逆にそれが不自然さを感じさせないという結果を生み出している。
スケールの大きい作品なのだが、ほとんどが海中のシーンであるため、全体的には陰鬱で、人間の行動も制約が多く、派手なアクションという意味では物足りないのが、少々残念なところ。

【5段階評価】4

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