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2012年1月

2012年1月31日 (火)

(678) HACHI 約束の犬

【監督】ラッセ・ハルストレム
【出演】リチャード・ギア、ジョアン・アレン
【制作】2008年、アメリカ

日本人なら誰でも知っている、忠犬ハチ公の話を、舞台を海外に移して描いた作品。

大学教授のパーカー(リチャード・ギア)はある日、駅で迷子になっている子犬の秋田犬を拾い、落とし主か飼い主が見つかるまで、その犬を預かることにする。妻のケイト(ジョアン・アレン)は飼うことに反対するが、パーカーが相好を崩して犬と戯れる姿にほだされ、飼うことを認める。
パーカーは、日系の友人、ケン(ケリー・ヒロユキ・タガワ)から、子犬が首に付けているタグに、漢字の「八」の字が刻まれていること、そして、エサやボール遊びなどに媚びない誇り高い犬であることを教わる。子犬は「ハチ」と名付けられ、パーカーの愛情を受けて成長する。やがてハチは、パーカーの出勤時は駅までお供をし、17時には、駅の前でパーカーの帰りを待つようになる。
娘のアンディ(サラ・ローマー)の結婚、出産と、おめでたいことが続き、パーカーにとって幸せな日々がハチとともに過ぎていく。そんなある日、いつものようにパーカーが出社しようとすると、付いてくるはずのハチが庭から出ようとしない。パーカーは諦めて一人で駅に向かうが、ハチは、それまでパーカーがボール遊びをさせようとしても見向きもしなかったボールをくわえて、その後を追う。
ハチは駅でパーカーに追いつく。パーカーはハチがボールをくわえていることに気づき、「そうだよ、これがやりたかったんだよ」と言いながら、ボールを放り投げて取ってこさせるという遊びをする。しかし、仕事があるため、ハチに別れを告げて電車に乗り込む。ハチは、黙ってそれを見送るしかなかった。
その日のパーカーの講義。いつものように冗談を交えながら生徒達に話しかける教授は、その話の途中、急に生徒達の席に近づくと、どっかりと腰を下ろす。そして、どうしたのかな、というような力のない苦笑いを浮かべると、そのまま床に倒れ込んでしまう。パーカーの最期だった。
ハチは、その日もずっと駅でパーカーを待っていたが、当然のことながらパーカーは現れず、アンディの夫のマイケル(ロビー・コリアー・サブレット)が車で家に連れて行く。
夫のことを思い出すのがつらいケイトは、家を手放すことにし、ハチは、アンディの家で飼われることになる。しかし、ハチはスキを見て家を飛び出し、駅の前のいつもの位置で、パーカーを待つのだった。
パーカーとハチの仲のよさを知っていた町の人たちも、ハチにパーカーの身に起きた不幸を伝えるすべはなく、悲しくも温かく見守るしかなかった。一度はハチを連れて帰ったアンディ夫婦だったが、アンディはハチのやりたいようにさせようと、庭の扉を開け放つ。
ハチはそれから、操車場で寝泊まりし、夕方からはパーカーの帰りを待つという暮らしを送るようになる。そしてある冬の夜、ハチはパーカーとの楽しかった思い出とともに、静かに眠りに就く。まるで、パーカーが、ようやくハチを迎えに来てくれたかのようであった。

全編を通して、静かに物語は展開する。序盤から流れる、少し場違いな悲しげなBGMが、この先の不幸を暗示し、ハチが知恵を絞ってパーカーを引き留めようとするけなげな行動が観る者の胸を打つ。いい映画だった。

【5段階評価】4

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2012年1月28日 (土)

(677) ザ・マジックアワー

【監督】三谷幸喜
【出演】佐藤浩市、妻夫木聡、西田敏行
【制作】2008年、日本

架空の町、守加護(すかご)で繰り広げられる、三谷幸喜監督らしいドタバタコメディ。国内で脂の乗った俳優(唐沢寿明、鈴木京香、谷原章介、中井貴一など)がちょい役で出ているので豪華な感じがある。

レストランの支配人、備後(妻夫木聡)は、地元のギャングのボス、天塩(西田敏行)の情婦、高千穂マリ(深津絵里)に手を出し、現場を天塩の手下に押さえられる。
伝説の殺し屋、デラ冨樫を5日以内に見つけないと命はないと言われ、落ち目の俳優、村田大樹(佐藤浩市)に殺し屋のふりをさせることにする。
備後から映画の撮影だと聞かされた村田は、それを信じて殺し屋になりきる。それゆえの大胆不敵な行動に、天塩や側近の黒川(寺島進)もだまされ、天塩は村田を自分の組織に引き入れてしまう。
そんな天塩の組織に査察が入ることとなり、天塩は裏帳簿を知る経理係の暗殺を村田に命じる。備後は何とかそれを未然に防ぐが、ついに天塩に狂言だと感づかれてしまう。
村田は映画仲間を呼びつけ、映画の特撮技術を使って備後を救おうとする。そこに本物のデラ富樫が登場し、本人を騙る村田を消そうとするが、村田達が仕込んだ特撮トリックが炸裂。デラ富樫は腰を抜かして逃げてしまう。天塩の優しさに触れたマリは、真実の愛を見いだし、天塩とともに生きていくことを決意する。

村田が危ない男をベタに演じようとしてペーパーナイフをべろべろなめるなど、思わず吹き出してしまうシーンは楽しかった。村田が天塩に海に沈められようと脚をセメントで固められたりして、ようやく「これ、どうやら映画じゃねぇなぁ」と気付いたところでは、「今頃かよっ! 」とツッコンでしまったりして。
ただ、終盤のあたりは話の収拾がつかなくなって、とにかく終わらせました、みたいになってしまっている気はした。

【5段階評価】3

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2012年1月27日 (金)

(676) X-MEN2

【監督】ブライアン・シンガー
【出演】ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン
【制作】2003年、アメリカ

アメコミ原作映画、「X-メン」の続編。

人類と、超能力をもった突然変異種が共存する世界。大統領執務室に、とあるミュータントが入り込む事件が起き、人類のミュータントに対する敵視が強まる。
かつてミュータント同士で戦いをくりひろげたエグゼビア(パトリック・スチュワート)とマグニートー(イアン・マッケラン)が手を組み、ミュータントを抹殺しようとする人類の作戦に対抗する。

ウルバリン(ヒュー・ジャックマン)の体に埋め込まれたアダマンチウム製のかぎ爪や高い治癒能力をはじめ、多くの特殊能力がCG映像で、これでもか、と展開する。あまりにすごくて何でもありなので、こいつら絶対死なないんじゃないの、と思っていると、最後の最後、決壊しようとするダムから仲間を脱出させるため、ジーン(ファムケ・ヤンセン)が犠牲となる。
しかし、なんで死ななければならなかったのか理解不能で、みんなの特殊能力を使えば、どうとでも脱出できたんじゃないの、とか、そもそも水をかぶったぐらいじゃ誰も死なないんじゃないの、とか、なんか、展開をドラマティックにするために、無理矢理、人気キャラを殺したような印象があった。
かつての敵が仲間となって、強大な敵に立ち向かうというドラゴンボール的な展開は、ベタだがわかりやすく、変身能力を持つミスティーク(レベッカ・ローミン=ステイモス)のような、強力な敵が味方に付くというのは、素直に楽しい。
ウルバリンのライバルとして登場するユリコ(ケリー・ヒュー)をはじめ、美男美女ばかりが登場するのも、何とも映画的な作品だった。「ファンタスティック・フォー」の岩石男(マイケル・チクリス)の気持ちも考えてあげてほしいものである。

【5段階評価】3

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2012年1月26日 (木)

(675) DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?

【監督】寒竹ゆり
【出演】AKB48
【制作】2010年、日本

秋元康プロデュースのアイドル、AKB48のドキュメンタリー。

主に主要メンバーのインタビューで構成されているので、ヒット曲を楽しめるという感じではない。しかし、彼女たちの生の声や、けっこう激しいレッスンシーンなどが描かれていて、楽しそうにテレビに出ている彼女たちも、当然のことながら、いろいろなことを考え、苦しんでいるのだな、ということが分かる。

もっとも、映画なのかなこれは、という気はしなくもない。

【5段階評価】3

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2012年1月25日 (水)

(674) 失楽園

【監督】森田芳光
【出演】役所広司、黒木瞳、寺尾聰、柴俊夫、星野知子
【制作】1997年、日本

中年男女の不倫の行く末を描いた作品。日経新聞に連載された渡辺淳一の小説が原作。

亡くなった方のことを言うのは多少気が引けるものの、森田芳光監督の作品については、「家族ゲーム」や「模倣犯」など、あまりよい印象を持っていなかったのだが、この作品はぐいぐいと引き込まれた。
テーマは不倫で、決して美的には描かれていない。自らを、そして周囲を不幸に陥れ、最後も悲劇である。ただ、こういう感情を抑えられない、というのも、なんとなく理解できる。だからこそ、誰かを不幸にせずにはおかない不倫は、しちゃいけないのだな、と思う。
主人公の久木祥一郎(役所広司)と松原凛子(黒木瞳)は、最後、局所がつながった状態のまま、毒入りワインをあおって同時に亡くなる。映画の最後は、二人の安らかな死に顔である。しかしおそらく、本当に毒で死んだら、こんな眠るような死に顔にはならない。目を血走らせた苦悶の表情を浮かべ、顔に斑紋でもできたような状態で絶命しているにちがいない。
不倫を美化していない作品だとは書いたが、最後だけはきれいに収めていた。本作の最大の不実かもしれない。

【5段階評価】4

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2012年1月24日 (火)

(673) 梟の城

【監督】篠田正浩
【出演】中井貴一、鶴田真由、上川隆也
【制作】1999年、日本

司馬遼太郎原作歴史小説の映画化作品。

けっこうどっしりとした作風を予想していたが、どうもテレビ番組のような印象だった。
序盤で、伊賀忍者の村が織田信長によって全滅させられるというシーンがあるのだが、村人の首がはねられて画面をくるくる飛ぶところなんか、「フラッシュ動画かよ! 」とツッコんでしまった。笑いをとろうとしているのだろうか。その後も、屋根伝いに飛んだり、空中で回転して着地したり、なんていうシーンが、いかにもそれとわかるCGで、動きに現実味がない。

大物作家の重厚な歴史小説の映画化ということでは、「壬生義子伝」でも、なんとなくチープな印象を受けたのだが、偶然なのか、どちらも主演が中井貴一。別に嫌いな俳優さんではないのだけども、妙な共通点が気になってしまった。

【5段階評価】3

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2012年1月20日 (金)

(672) ザ・インターネット

【監督】アーウィン・ウィンクラー
【出演】サンドラ・ブロック、ジェレミー・ノーザム、デニス・ミラー
【制作】1995年、アメリカ

陰謀に巻き込まれたコンピュータ・エンジニアの女性の戦いを描いた作品。

在宅勤務でコンピュータ・ソフトのデバッグをしているアンジェラ・ベネットは、知人から政府の機密情報にアクセスできるフロッピーディスク(FD)を入手。知人は謎の飛行機事故で死亡する。
予定していた海外旅行に出たアンジェラは、現地でジャック(ジェレミー・ノーザム)という若い男に出会い、親しくなるが、彼はアンジェラの持つFDを狙っていた。夜の海で彼女を殺害しようとするジャックだったが、アンジェラはワインボトルで頭を殴ってジャックを昏倒させ、そのすきにモーター付きゴムボートで脱出する。
しかし、アンジェラが滞在先のホテルに戻ると、すでにチェックアウトしていると言われてしまう。パスポートをなくしていたため、大使館でビザを再発行しようとするが、自分の戸籍情報が違う名前に変更されており、戻った自宅は、中がからっぽで売りに出されていた。何者かがコンピュータに保管されている彼女の個人情報を書き換えているのだ。犯罪履歴まで付与され、警察に追われることになる。
彼女は、数少ない知人である精神科医のアラン(デニス・ミラー)に助けを求める。彼女がかつて通院し、不倫の関係に落ちた相手だ。しかし彼は途中で体調を崩し、入院先で何者かに投与すべき薬をすり替えられ、命を落とす。
ジャックはコンピュータ会社の社長とともに、セキュリティに穴のある「ゲートキーパー」という名のセキュリティシステムを政府に導入させ、政府の情報を自由に改ざんすることを狙っていた。FDはその証拠となるものだった。アンジェラはコンピュータの見本市会場に入り込むと、FBIにそのファイルをメールで送信し、彼らの野望を阻止。アンジェラはジャックに追われ、建物の屋上に逃げ込む。最後はジャックを消火器で殴りつけ、ジャックは転落死する。

モデムでネットに接続するなど、技術的には多少古めかしいが、全ての情報がコンピュータで管理された社会の危なさは、現在にも通用するテーマである。本人になりすまして別人が会社で働くとか、ちょっと無理のある展開もあるものの、自分を証明する手段をたたれた絶望的な状態から這い上がっていくさまは、面白く描かれていた。

【5段階評価】3

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2012年1月19日 (木)

(671) インシテミル 7日間のデス・ゲーム

【監督】中田秀夫
【出演】藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、北大路欣也
【制作】2010年、日本

米澤穂信原作小説の映画化作品。邦画としては豪華な若手俳優が集められた作品と言える。

時給11万2,000円という破格の値段に釣られた10人が、実験と称して閉ざされた施設内に入り、7日間の共同生活を送ることになる。だが、ほどなく中で殺人が起き、一人、また一人と命が奪われていく。
最初に命を落としたのは、西野宗広(石井正則)。何者かに銃で撃たれていた。残された9人の中に殺人犯がいると知り、みんなが疑心暗鬼となる中、大迫雄大(阿部力)は探偵役となって岩井荘助(武田真治)を犯人と決めつけ、彼を監獄に送る。次の犠牲者は渕佐和子(片平なぎさ)だった。関水美夜(石原さとみ)がネイルガンで頭を打ち抜いたのだ。
その後、棺のある部屋にいた大迫が、降下してきた天井に押しつぶされて死亡。大迫の恋人、橘若菜(平山あや)は、天井を操作するリモコンを手にしていた真木雪人(大野拓朗)を犯人だと思い込み、脳天に斧を打ち付けて殺害すると、その斧を自分の首筋に突きつけ、自殺する。
須和名祥子(綾瀬はるか)にコンビニで声を掛けられたことがきっかけで、このゲームに参加することになった結城理久彦(藤原竜也)は、渕を殺したのが美夜だと見抜くが、美夜は難病の息子の手術代を手にするために何が何でも生き残ろうとし、理久彦にネイルガンを向ける。しかし、夜は部屋を出てはいけないというルールを破ってしまったため、廊下を監視している「ガード」ロボットに銃殺されてしまう。このとき理久彦は、最初の犠牲者、西野を殺害したのも、このガードロボットであると悟る。
残されたのは、理久彦と、理性的な行動をしていた年配者、安東吉也(北大路欣也)、そして祥子となった。3人は各自の部屋に用意された凶器を手放し、ともに生き残ろうとするが、何者かがその凶器を奪い取る。
翌朝、凶器がないことに気付いた理久彦が、監獄から続く血痕をたどると、棺の部屋に胸から血を流して棺の中に横たわっている安東を発見する。驚く理久彦に背後から襲いかかったのは、安東の持っていたアイスピックを手にした岩井だった。いつの間にか監獄の扉が開き、脱出したのだった。天井を操作して大迫を殺したのは、自分を犯人だと決めつけたことを恨んだ岩井だった。彼は、逃走中の連続殺人犯だったのだ。
脚をアイスピックで刺されながらも、何とか岩井から逃走する理久彦だったが、岩井に捕まってしまう。そのとき、岩井に銃を向けたのが祥子だった。毅然とした態度で岩井に対峙する祥子だったが、岩井に銃を奪われてしまう。そして岩井が銃を撃とうとしたとき、銃が暴発し、岩井は命を落とす。
生存者が2名となった時点でゲームが終了、というルールにのっとり、理久彦は勝者として、多額の金を受け取る。もう一人の生存者は祥子だったが、なぜか金を受け取らない。不思議がる理久彦に、祥子は告げた。自分はこのゲームを主催する組織の人間であることを。このゲームは全世界に有料でネット配信されており、彼女はゲームの盛り上げ役としてゲームに入り込んでいたのだ。岩井を脱出させたのも彼女だった。
施設を出て歩き出す理久彦を追ってきたのが安東だった。彼は死んだふりをして棺に横たわっていたのだ。結末のやるせなさに嫌気のさした理久彦は、大金の入ったバッグを放り投げるのだった。

推理ものとしては、そこそこ納得のいくストーリーではあったが、この「暗鬼館」の存在と、中でのルールがあまりにも非現実的すぎて、「ライアーゲーム」のような設定の漫画っぽさが鼻についてしまった。登場人物が、結局は作者にとって都合のいい記号的存在になってしまっており、パズルとしてはよくできているが、感情移入はなかなかできなかった。本格推理ものに文句を言う批評家みたいな発言だが。

【5段階評価】3

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2012年1月18日 (水)

(670) 猿ロック THE MOVIE

【監督】前田哲
【出演】市原隼人、比嘉愛未、高岡蒼甫、小西真奈美
【制作】2010年、日本

芹沢直樹原作漫画の映画化作品。

カギ屋のサルこと猿丸耶太郞(市原隼人)が、彼を頼ってきた清楚な女性、マユミ(比嘉愛未)に言われるがまま、警察の裏金作りの証拠となるUSBメモリの入ったトランクを盗む片棒を担ぐことになり、犯罪組織に負われる。
マユミを純粋に信じていたサルだったが、彼女は犯罪組織の一味だった。それでもサルは彼女を信じることをやめず、車ごと海に沈められたマユミを決死の覚悟で救い出す。
彼女は彼のもとを去るが、途上国の子ども達に文字を教えるという夢に向かって進み出す。それを知って、サルは泣いて喜ぶのだった。

市原隼人の演技力は、「虹の女神 Rainbow Song」ではいかんなく発揮されていると感じたが、本作は、あまりにもテレビドラマ的なコメディ色が強く、映画としては物足りなさがまさった。評価2にしそうになったが、一応飽きずに見られたので、評価は3。

【5段階評価】3

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2012年1月17日 (火)

(669) 007 ロシアより愛を込めて

【監督】テレンス・ヤング
【出演】ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ
【制作】1963年、イギリス

007シリーズ第2作。昔は「007 危機一発」だったらしい。

スペクターという犯罪組織が、ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)を消すため、組織の美女、タチアナ(ダニエラ・ビアンキ)を差し向ける。ボンドは罠だとは知りつつも、暗号解読器、レクターの入手のため、タチアナに接近する。
二人はレクターを入手し、夫婦を装ってオリエント急行に乗り込む。そこに、スペクターの殺し屋、グラント(ロバート・ショウ)が乗り込んでくるが、グラントは、秘密兵器のボンドのカバンを不用意に開けたために催涙ガスを浴びてしまい、ボンドに倒される。
ホテルに着いた二人を待ち受けていたのは、タチアナを送り込んだ女性士官、クレッブ(ロッテ・レーニャ)だった。彼女は靴の先に仕込んだナイフでボンドを倒そうとするが、ボンドに惹かれていたタチアナはクレッブを裏切り、彼女の落とした銃を奪って彼女を倒す。

昔のアクション映画であり、主人公はなかなか殺されないし、敵の殺害方法はいまいち緩慢だし、で、ちょっと退屈。それをいちばん感じたのは、スペクター一味がヘリコプターでボンドを狙うシーン。ヘリが上空からボンドに接近するが、特に何もせずにそのまま遠ざかるだけで、結局、最後はボンドが秘密兵器の銃を組み立ててヘリを撃ち落としてしまうという、何がしたいの? という攻撃の仕方だったりして。ただ、秘密兵器の罠に敵がまんまと引っかかるシーンは、単純に痛快だったりはする。

【5段階評価】3

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2012年1月16日 (月)

(668) 007 カジノ・ロワイヤル

【監督】マーティン・キャンベル
【出演】ダニエル・クレイグ、エバ・グリーン、マッツ・ミケルセン
【制作】2006年、イギリス・チェコ・ドイツ・アメリカ

007シリーズ21作目。とは言っても、これまでの作品とは打って変わって、ユーモラスな描写を押さえたハードボイルドかつシリアスな作風となっている。また、007が殺しのライセンスを得るという、007誕生の過程を描いており、この辺りは、シリアスな作風で主人公の生誕秘話を描いた「バットマン ビギンズ」とも共通している。

2人の暗殺任務をこなしたジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、殺しのライセンスを意味する「00」(ダブルオー)の称号を手にする。無茶な行動をM(ジュディ・デンチ)に非難されながらも、彼はイギリス諜報機関MI6が追っていたル・シッフル(マッツ・ミケルセン)の情報を入手する。
ル・シッフルは、テロ組織の資金を、自らの天才的な数学センスで運用し、テロ組織に資金を流す大物だった。彼は航空会社の株価操作のため、鳴り物入りで導入された大型航空機の爆破テロを企むが、007に阻止され、1億ドルの損害を被る。
ル・シッフルは、モンテネグロで開かれる巨額の掛け金が動くポーカーで損失を挽回しようとするが、Mはその阻止のため、007を送り込む。007のお目付役として、財務省からベスパー・リンダ(エバ・グリーン)が派遣される。
007は、ル・シッフルのブラフをかけるときの癖を見抜くが、それを逆用され、ル・シッフルに大敗を喫する。このあたりは、福本伸行の漫画「天」か「アカギ」にも似たようなエピソードがあった気がする。
傲慢な彼のやり方に反発していたリンダは、さらなる資金投入に難色を示すが、ポーカーのテーブルをともにしていた一人が、実はCIA捜査官で、彼が残りの資金を007に託す。
007は最後の大勝負でル・シッフルに競り勝ち、ル・シッフルの野望を打ち砕く。
焦ったル・シッフルは、リンダを誘拐し、それを追ってきた007を拉致すると、007を拷問に掛け、資金のある口座の暗証番号を聞き出そうとする。しかし、その場所にテロ組織のボスが登場し、資金運用に失敗したル・シッフルを粛正する。
リンダを愛するようになったボンドは、諜報員から足を洗うことを決意し、リンダとの甘い生活を送るが、リンダは、ポーカーで得た1億5,000万ドルを横領し、逃走する。彼女は、恋人をテロ組織に人質に取られていたのだった。
資金の受け渡し現場に乗り込んだ007は、テロリスト達を葬り去るが、リンダは007に対する裏切りを償うため、水中に沈みゆく鉄檻の中に自らを閉じ込め、命を絶つ。彼女を脅迫していた黒幕を突き止めた007は、復讐を遂げる。

序盤の爆弾魔のパルクールを採り入れた逃走シーンは圧巻。それを追うボンドの、決して英国紳士的な洗練されたアクションではない荒削りな行動が目を惹く。その後も、女性相手にきざなジョークを飛ばすような洒脱なシーンはなく、シリアスに物語が展開する。
終盤の、先を固く結んだ綱引きに用いるような太い縄で睾丸を打ち付けるという拷問も印象的。
ただ、クライマックスで、リンダを救おうとボンドの乗り込んだ建物が水中に沈んでいくシーンは、派手な映像を追求するあまり、必然性のよく分からない建物崩壊となってしまった感があり、ちょっと残念な気がした。

【5段階評価】4

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2012年1月15日 (日)

(667) クロコダイル・ダンディー2

【監督】ジョン・コーネル
【出演】ポール・ホーガン、リンダ・コズラウスキー
【制作】1988年、オーストラリア

クロコダイル・ダンディー」の続編。

クロコダイル・ダンディーの異名を持つミック(ポール・ホーガン)は、ニューヨークでスー(リンダ・コズラウスキー)と暮らしていた。かつてのスーの婚約者、ボブ(デニス・ボウトシカリス)は、南米で麻薬密売組織のボス、リコ(ヘクター・アーバリー)の殺人現場を写真に納め、スーのもとにフィルムを送るが、組織の手により殺されてしまう。
リコは、腹心のミゲル(ジュアン・フェルナンデス)を差し向けてスーを誘拐し、フィルムを奪い取ろうとするが、ミックは彼の部下を手玉に取ると、ニューヨークの酒場にたむろする若者達を味方に付け、リコの屋敷に乗り込み、スーを救出する。
ニューヨークでは身の安全を図れないと考えたミックは、スーとともに生まれ育ったオーストラリアに戻る。彼を追ってきたリコだったが、オーストラリアの大自然を味方に付けたミックにはかなわず、ミックに捉えられてしまう。最後はミックの服を着せられてミゲルの視界に出たところをミゲルに撃たれ、命を落とす。ミゲルもまた、スーの銃に仕留められる。

いかにも映画的な大団円。コウモリの好むにおいを敵につけてコウモリに襲わせたり、現地人を味方にして敵の手下を捉えたりと、いろいろな仕掛けが登場。痛快な娯楽作品として楽しめる。ラストシーンは、少々凝り過ぎというか、別に服を脱がせて入れ替わる必要はないだろう、というところもあるが、親友の老人、ウォルター(ジョン・マイロン)を、助けるためとは言え、わざと銃撃したことの罪滅ぼしのため、今度はミック自身がリコのかっこうをしてウォルターに自分を撃たせるようにした、という解釈なのだろう。

【5段階評価】4

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2012年1月14日 (土)

(666) クロコダイル・ダンディー

【監督】ピーター・フェイマン
【出演】ポール・ホーガン、リンダ・コズラウスキー
【制作】1986年、オーストラリア

オーストラリアの自然を熟知した男とニューヨークの女性新聞記者との恋を描いた作品。

ワニに襲われ、足を食いちぎられながらも生き延びたという伝説の男、クロコダイル・ダンディーの取材のため、ニューヨークの女性新聞記者、スー(リンダ・コズラウスキー)はオーストラリアを訪れる。スーの前に現れた男、ミック(ポール・ホーガン)は、足に噛まれた傷はあるものの、足が食いちぎられたわけではなく、話にはそうとう尾ひれが付いていた。
彼がワニに襲われた現場を取材するため、スーはマイケルに道案内を頼み、その道中でワニに襲われたところを彼に助けられる。二人は次第に親密な仲となり、スーはマイケルをニューヨークに呼び寄せる。
スーは新聞社の社長令嬢で、すでに許婚の男性がいたが、誰とでも仲良くなるマイケルの純朴な人柄に惹かれ、婚約を破棄して彼の元に走る。

ラストシーンは、混雑した地下鉄駅のホーム。滞在先のホテルを出て、地下鉄を待つマイケルを、スーがヒールを脱ぎ捨て、裸足で追いかける。ホームは大混雑のため、スーはマイケルに近寄れず、大声でマイケルに話しかけても、その声はマイケルに届かない。しかし、スーの言葉を、間に立つ男2人が、伝言ゲームのように仲介し、最後はマイケルが雑踏の人々の上をわたって歩き、スーの元にたどり着く。
いかにも映画らしい印象的なシーンで、ラストシーンだけで評価が1点上がった。
ちょっとよく分からなかったのは、スーと野宿をしているミックが、普通の安全カミソリでひげを剃っているのだが、スーが近寄ったとたん、それを隠して大ぶりのナイフでひげをそっているふりをする、というシーン。女には見栄っ張り、という演出なのかもしれないが、素でダンディなのか、ダンディに見せようとしている男なのか、どちらの設定にしているのか、ちょっと真意が分からなかった。前者であるなら、このシーンは不要な気がした。

【5段階評価】4

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2012年1月13日 (金)

(665) ゾディアック

【監督】デビッド・フィンチャー
【出演】ジェイク・ギレンホール、ロバート・ダウニー・Jr.、ジョン・キャロル・リンチ
【制作】2007年、アメリカ

アメリカでは有名な未解決連続殺人事件を扱った作品。

1968年。人気のないところに車を止めた男女が、何者かに問答無用に銃を乱射されて殺されるという事件が起きる。女性は死亡するが、男性は助かる。犯人が警察に自ら通報する劇場型殺人で、ほどなく、「ゾディアック」と名乗る犯行声明が新聞社等に届き、連続殺人事件に発展する。
大胆な犯行にも関わらず、犯人の特定は難航。新聞社の漫画家をしていたロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)は、仲間の新聞記者のポール・エイブリー(ロバート・ダウニー・Jr.)が酒におぼれて事件追究から脱落する中、仕事をなげうって事件の解決に挑み、真犯人はアーサー・リー・アレン(ジョン・キャロル・リンチ)だと断言する。最初の犯行で生き残った男性も、男の顔写真が並べられた中から、迷わずリーの写真を選び出した。
しかし、起訴の準備中にリーは死亡。しかも、DNA鑑定等の結果、リーはシロと判明し、捜査は迷宮入りしてしまうのだった。

普通の謎解きサスペンスだと思いながら見ていると、結局、犯人は分からずじまいで終わるので、何とも消化不良な作品。捜査進展の過程や、捜査陣のいらだちの描写はみごたえがあり、さすがデビッド・フィンチャー監督、といったところだが、160分近くあり、ちょっと長かった。
主人公役のジェイク・ギレンホールは、「デイ・アフター・トゥモロー」で高校生の息子を演じている。

【5段階評価】3

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2012年1月11日 (水)

(664) チャタレイ夫人の恋人

【監督】ジュスト・ジャカン
【出演】シルビア・クリステル、ニコラス・クレイ、シェーン・ブライアント
【制作】1981年、イギリス・フランス

過激な性描写で話題となった、D・H・ローレンス原作小説の映画化作品。
主演は、「エマニエル夫人」のシルビア・クリステル。相手役は、「地中海殺人事件」で犯人を演じたニコラス・クレイである。

コニー(シルビア・クリステル)は、貴族のチャタレイ・クリフォード(シェーン・ブライアント)と結婚するが、クリフォードはほどなく出征し、下半身不随となって戻ってくる。クリフォードは、妻が恋人を持ち、子を産むことを認める。自分の世継ぎとするためだった。
しかしコニーが惹かれたのは、チャタレイ家の使用人で森番のメラーズ(ニコラス・クレイ)だった。二人は愛し合い、コニーは身ごもるが、クリフォードは、相手が卑しい身分のメラーズだと知り、失望する。メラーズもまた、身分の違いと、コニーが自分を性の対象としてしか見ていないと感じたことから、コニーを突き放すが、コニーの哀願を聞き入れ、ともに暮らしていくことを決意する。

公開当時29歳のシルビア・クリステルの美しい裸体がみどころ。英国庭園の様子なども美しく描かれていて、ただのピンク映画ではない格調高い作品になっている。とは言え、やはり扱っている内容は低俗であり、不朽の名作というよりは、かつて世間を賑わせた問題作というほうが当たっているだろう。

【5段階評価】3

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2012年1月10日 (火)

(663) ブラック・マスク<黒侠>

【監督】ダニエル・リー
【出演】ジェット・リー、ラウ・チンワン、カレン・モク、フランソワーズ・イップ
【制作】1996年、香港

ジェット・リー主演のアクション映画。

痛感神経を抜かれた戦闘部隊が、政府の方針転換で抹殺されることになるが、部隊の教官(ジェット・リー)は、仲間とともに抹殺を逃れる。教官はチョイという名の図書館職員として実社会に紛れ込む。彼は、香港警察のシェク警部(ラウ・チンワン)と親友となる。シェクは、犯罪組織のボスの暗殺事件を追っていたが、捜査中、不死身の集団に襲われる。そこにブラック・マスクが登場し、シェクを救う。ブラック・マスクの正体はチョイだった。チョイは、犯罪組織の中に、教え子の女性兵士、ユーラン(フランソワーズ・イップ)がいることを知る。組織のボスは、戦闘部隊の隊長(パトリック・ロン)で、香港警察のネットワークに不正アクセスし、麻薬組織に関する情報を収集して、密売ルートを独占することを企んでいた。
ユーランは、自分たちの仲間になるよう教官を説得するが、拒否されたため、ボスの命令により教官を抹殺しようとする。しかしユーランは、かつて命を助けてもらった教官の殺害を一瞬、躊躇する。それを見ていたボスは、容赦なくユーランを銃で殺害。その場を逃れた教官は、シェクとともにボスのアジトに乗り込み、激闘の末、ボスを倒す。

アクションシーンは、さすがジェット・リーという迫力に満ちているが、全体的にはB級アクション映画っぽいチープな派手さが目立ち、ちょっとハズレ感のある作品だった。
ちょい役と思われた図書館の女性、トレーシー(カレン・モク)が、チョイを助けるヒロインになるところは、なかなかよかった。

【5段階評価】3

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2012年1月 9日 (月)

(662) シザーハンズ

【監督】ティム・バートン
【出演】ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー、ダイアン・ウィースト
【制作】1990年、アメリカ

ティム・バートン監督とジョニー・デップが組んだ作品の代表作。「スリーピー・ホロウ」や「チャーリーとチョコレート工場」、「アリス・イン・ワンダーランド」など、一風変わった寓話的作品が目立つが、本作はその中でももっとも寓話的要素に満ちた作品といえるだろう。

とある新興住宅街の一角に立つ丘の上の屋敷に、両手がはさみになっている人造人間、エドワード(ジョニー・デップ)が住んでいた。化粧品のセールスをしているペグ(ダイアン・ウィースト)は、彼を自宅に連れ帰り、一緒に暮らすことにする。
エドワードは植栽の刈り込みやペットのトリミング、ヘアカットなどにたぐいまれな才能を見せ、町の人気者となる。彼は、ペグの長女、キム(ウィノナ・ライダー)に恋心を寄せるが、キムには乱暴者の恋人、ジム(アンソニー・マイケル・ホール)がいた。彼は、エドワードがはさみの先で器用にドアの鍵を開けることに目をつけ、キムをそそのかして、父親の部屋から金目のものを盗む際の開錠役をエドワードに押しつける。しかし、部屋のセキュリティが作動し、エドワードのみが犯人として扱われてしまう。キムは、エドワードを見殺しにしたジムに愛想を尽かすが、ジムはそれを逆恨みするようになる。
クリスマスパーティの日、雪のような白い粉が舞っているのを見たキムが庭に出ると、そこには氷の彫刻を作り上げているエドワードがいた。雪に見えたのは、エドワードが削った氷のくずだったのだ。それを見たキムはあまりの美しさに踊り出すが、エドワードは、弾みで近寄ったキムの手のひらを傷つけてしまう。それを見ていたジムは、ここぞとばかりにエドワードを責め、エドワードを町から追い出そうとする。町の人たちもエドワードに恐怖を感じ始め、彼を責め立てるようになったため、エドワードは元いた屋敷に逃げ込み、警察官もそれで事態を収束させようとする。
エドワードを心配したキムは、屋敷に入り込み、エドワードの無事を知って安心するが、そこに銃を持ったジムが乗り込み、エドワードに発砲する。ジムは、エドワードを助けようとするキムをも投げ飛ばしたため、それに逆上したエドワードは、ついに自らのはさみをジムの腹に突き刺すと、そのまま屋敷の上からジムを地面にたたき落とす。
エドワードの後を追ってきた近所の人たちは、ジムの死体を見つけるが、キムは、ジムとエドワードは相打ちになったと嘘をつくのだった。

この一連の話を、年老いたキムが孫娘の「なぜ雪は降るの」という問いに語って聞かせるという形で描いている。観る前は、抽象的な表現の多い、退屈な作品かと思っていたのだが、想像していたよりは変化に富んだ話で楽しかった。
舞台となっているパステル調の家がならぶ町並は、実際の住宅地であるらしい。

【5段階評価】3

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2012年1月 8日 (日)

(661) アウトブレイク

【監督】ウォルフガング・ペーターゼン
【出演】ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ
【制作】1995年、アメリカ

致死性のウィルスに挑む軍医の活躍を描いた作品。

軍医のダニエルズ(ダスティン・ホフマン)は、致死性のモターバウィルスが、アメリカの住民に感染しはじめていることを知り、その被害を食い止めようとする。
マクリントック少将(ドナルド・サザーランド)は、ウィルスの存在をすでに知っており、血清まで作成していたが、その事実を隠蔽していた。彼の上司であるフォード准将(モーガン・フリーマン)は、彼をモターバウィルスの担当から外す。
ダニエルズは、命令を無視して、被害の発生した町、シーダークリークに向かい、そこで別れた妻で医者のロビー(レネ・ルッソ)とともに、解決策を模索する。しかし、ロビーは、注射の針を誤って自分の指に刺してしまい、彼女自身も感染してしまう。
ダニエルズは指名手配される中、同僚のソールト(キューバ・グッディング・ジュニア)の助けを得て、宿主を運んだ船に乗り込み、宿主が小型のサルであることを突き止めると、TV局に押し入って情報提供を呼びかけ、ついに宿主の確保に成功する。
宿主から抗血清を作り出すことに成功したダニエルズは、シーダークリークを町ごと爆破しようとする爆撃機の進路をヘリコプターで阻み、町を救うと、快復したロビーと、もう一度やり直すことを決めるのだった。

軍医として奔走するダニエルズを、どちらかというと優男のダスティン・ホフマンが演じており、一見、意外性があるが、ロビーへの無償の愛を表現する役柄として、よい配役であると思えた。ウィルスによる被害の映像だけでなく、ヘリや爆撃機の映像などもなかなかの迫力。

【5段階評価】4

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2012年1月 7日 (土)

(660) ローズマリーの赤ちゃん

【監督】ロマン・ポランスキー
【出演】ミア・ファロー、ジョン・カサベテス、ルース・ゴードン
【制作】1968年、アメリカ

悪魔をテーマとしたサスペンス・ホラーの古典的作品。

俳優のガイ(ジョン・カサベテス)とローズマリー(ミア・ファロー)の夫婦がニューヨークのアパートに引っ越す。アパートで知り合った女性が謎の投身自殺を行ったことをきっかけに、ローズマリーは、隣人の老婦人ミニー・カスタベット(ルース・ゴードン)と知り合い、望まないながらも関係を深めていく。
ミニーの差し入れたデザートを食べたローズマリーは気分が悪くなり、その夜、おおぜいの人々に囲まれ、赤い目の悪魔に犯される夢を見る。
ローズマリーは無事に妊娠するが、彼女の周囲では、夫の芝居のライバルだった男性が失明したり、育ての親が死亡したりと、不可解な事件が起き始め、彼女は次第に、自分の子供が悪魔の儀式の生け贄にされようとしていると考え始める。
信用していた産婦人科医にも裏切られ、彼女は結局、自宅で子を産むことになる。しかし、産婦人科医と夫は、彼女に死産だったと告げる。信用できない彼女は、物置部屋の壁を通ってカスタベット家に入り込むと、そこには目の赤い悪魔の赤ちゃんと、それを取り囲むカスタベット夫妻をはじめとする人々がいた。夫のガイは、出世と引き替えに、妻に悪魔の子を身ごもらせることを承知したのだった。
いったんは絶望の淵に沈むローズマリーだったが、悪魔の子を育てるという道を選ぶような余韻を残しつつ、映画は終わる。

ホラー映画ではあるが、あまりショッキングなシーンはない。悪魔を題材としている点は、「オーメン」シリーズとも似ており、同様の雰囲気がある。また、曲調は、「サイコ」と若干似ている。
やせ細るローズマリーをミア・ファローがうまく演じている。

【5段階評価】3

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2012年1月 6日 (金)

(659) 天空の城ラピュタ

【監督】宮崎駿
【出演】田中真弓(声)、横沢啓子(声)
【制作】1986年、日本

スタジオジブリのアニメ作品。「風の谷のナウシカ」と並び、何度もテレビ放映されている、スタジオジブリの不朽の名作といえるだろう。

採掘で栄えた町で暮らす少年、パズー(田中真弓)が、飛行石を受け継いだ少女、シータ(横沢啓子)と出会い、伝説の天空の城、ラピュタを目指す。
飛行石を狙ってシータを襲う政府機関のムスカ大佐(寺田農)や海賊のドーラ(初井言榮)から、二人は逃げるが、ついにムスカにとらえられてしまう。
パズーはドーラの仲間となってシータを救い出し、飛行石の指し示した光を頼りにラピュタを目指す。竜の巣と呼ばれる巨大な竜巻の中にラピュタはあった。到達を喜ぶパズーとシータだったが、ムスカもまた、巨大な戦艦を使ってラピュタに上陸していた。
ムスカはラピュタの城塞としての能力を我がものとし、この世の支配者として君臨しようとしていた。「見ろ、人がゴミのようだ! 」は、このときの名台詞。
シータは、再び飛行石をムスカから取り返すと、パズーとともに、「バルス」と叫ぶ。禁断の滅びの言葉により、ラピュタは崩壊をはじめるが、残されたラピュタの一部は飛行石の力により、さらに上昇を始める。パズーとシータは木の根に引っかかって助かり、残っていたカイトで脱出すると、ドーラと仲間達に別れを告げ、飛び去っていくのだった。

ラピュタの造形やその地を守るロボット兵などは、FFXIのトゥーリアの設定に酷似している。空に浮かびつつ、水や緑が豊かで鳥が舞う情景や、壁に埋め込まれたロボット兵など、改めてその共通点に見入った。これは盗作ではなく、オマージュと呼ぶべきだろう。

【5段階評価】4

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2012年1月 5日 (木)

(658) ワイルド・スピード MAX

【監督】ジャスティン・リン
【出演】ビン・ディーゼル、ポール・ウォーカー
【制作】2009年、アメリカ

「ワイルド・スピード」シリーズ第4作。前作の「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」が、高校生が主人公で、街中の立体駐車場や山道など、スケール感の小さなドリフト主体の走りだったのに比べると、本作はFBI捜査官や麻薬密売のボスが登場し、砂漠での疾走シーンなどもあり、スケール感が大きい。

ガソリン運搬車を狙う窃盗団のボス、ドミニク(ビン・ディーゼル)は、恋人のレティ(ミシェル・ロドリゲス)をフェニックス(ラズ・アロンソ)という運び屋に殺され、その復讐を誓う。
彼は運び屋としてフェニックスの所属する麻薬密売組織に入り込む。ドミニクの妹、ミア(ジョーダナ・ブリュースター)の元恋人でFBI捜査官のブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)もまた、密売組織のボス、ブラガ(ジョン・オーティス)を追って、潜入捜査をしていた。
二人は独立して行動していたが、最後は協力してブラガを逮捕し、フェニックスは大破したブライアンの車と、そこに突っ込んだドミニクの車との間に挟まれ、死亡する。
ブラガの逮捕に貢献したドミニクだったが、裁判では終身刑となる。護送車でドミニクが運ばれているところに、かつてのドミニクの窃盗団の仲間とミア、そして、リーダーとしてブライアンが現れたところで映画は終わる。

街中での過激なカーレースなどの迫力があり、楽しい作品。オープニングのタンクローリー強奪シーンから目が離せない映像が繰り広げられるので、個人的には、このような飽きさせない展開は非常にうれしい。日本車が数多く登場するのもよかった。

【5段階評価】4

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2012年1月 3日 (火)

(657) ラスト・アクション・ヒーロー

【監督】ジョン・マクティアナン
【出演】アーノルド・シュワルツェネッガー、オースティン・オブライエン、チャールズ・ダンス
【制作】1993年、アメリカ

コメディタッチのアクション映画。

映画好きの少年、ダニー(オースティン・オブライエン)が、映画技師のおじいさんから魔法のチケットをもらって、大好きな「ジャック・スレイター」シリーズの新作を見ていると、突如、チケットが光り出し、映画の中に放り込まれる。
映画の登場人物は、自分が映画の中の存在であることを知らず、ダニーが彼らのことをよく知っているのが彼らにとっては不思議、というのが、本作の特徴的な設定。
映画では、ジャック・スレイター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が、ダニーとともに悪役のベネディクト(チャールズ・ダンス)を追うが、ベネディクトはダニーの持っていたチケットを奪い取り、逆に映画の世界から現実の世界に入り込む。ベネディクトは、スレイターを演じているアーノルド・シュワルツェネッガー本人を抹殺することでスレイターを亡き者にしようと企み、映画の中でジャックに倒された殺人鬼のリッパー(トム・ヌーナン)を使ってアーノルド・シュワルツェネッガーを狙うが、ジャックもベネディクトの後を追って現実世界に入り込む。ジャックは弾がなくなったふりをしたベネディクトにだまされ、胸に銃弾を浴びるが、ダニーの活躍で銃を奪い取り、ベネディクトを消し去る。ダニーは、瀕死の重傷を追ったジャックを映画館に連れて行き、映画の中に彼を送り込む。映画の世界では、瀕死の重傷もかすり傷扱いとなり、彼は助かる。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演の名作、「ターミネーター2」をはじめ、「ダイ・ハード」や「氷の微笑」などのネタが作中に登場。映画ファンならニヤリとするシーンが随所にある。
一方で、派手な爆発シーンや主人公のピンチに間一髪で助けが来るといった、映画でのお約束を、パロディ的なおかしさにつなげようという本作の趣旨は理解しつつも、ベタであることに変わりはなかったりもするので、大興奮、大爆笑というよりは、クスリ、ニヤリ程度である、という感じでもあった。

【5段階評価】3

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2012年1月 2日 (月)

(656) 借りぐらしのアリエッティ

【監督】米林宏昌
【出演】志田未来(声)、神木隆之介(声)
【制作】2010年、日本

スタジオジブリのアニメ作品。人の家の床下で暮らすこびとと人間とのふれあいを描いている。

序盤から、こびとのアリエッティ(志田未来)が、父親(三浦友和)とともに、人間の家に忍び込み、角砂糖とティッシュを拝借するシーン。並んで打ち付けられた釘やミシン糸の滑車など、アイディア豊かな小道具を使った潜入シーンは単純にわくわくし、楽しい。
こびとには、人に姿を見られてはいけない、という掟のあるが、アリエッティは、この家に療養に来ていた少年、翔(神木隆之介)に見つかってしまう。
アリエッティの一家は、やむなく引っ越しを決意するが、その直前、この家の家政婦であるハル(樹木希林)に、アリエッティの母親(大竹しのぶ)が捕まってしまう。アリエッティは翔と協力して母親を救い出し、こびとの仲間、スピラー(藤原竜也)と、新天地に旅立つのだった。

アリエッティの髪留めの洗濯ばさみが印象的だが、最後、翔にそれを渡すとき、あきらかに普通の洗濯ばさみより小さいので、「あれ、これ洗濯ばさみじゃないの? 」と考えてしまった。

【5段階評価】3

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2012年1月 1日 (日)

(655) 白夜行

【監督】深川栄洋
【出演】船越英一郎、堀北真希、高良健吾
【制作】2011年、日本

東野圭吾原作小説の映画化作品。

2時間ものの推理サスペンステレビドラマの常連、船越英一郎が刑事役ということで、観る前は、少々、テレビドラマにありがちな非現実的な決め台詞などが出やしないかと心配していたのだが、さすがの演技力。テレビくさい過剰な演出もなく、最後までいい演技を見ることができた。
堀北真希がなかなか登場しないので、「あれ、違う映画だったっけ」などと心配になったりもしたが。

東野圭吾の作品らしく、本作が扱っているテーマは重く、後半で真犯人と動機が明かされるシーンは胸に重く響く。
西本雪穂の母親(山下容莉枝)が殺される理由なんかは、よく分からなかったりするのと、雪穂(堀北真希)を見守り続けていた桐原亮司(高良健吾)が最後の最後で自殺してしまうのは、ちょっと情緒的に過ぎる気がしたが、しっかりと謎解きをしてくれる点は、ミステリーものとしてはストレスがなく、満足できる作品だった。

【5段階評価】4

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