(623) ロッキー5/最後のドラマ
【監督】ジョン・G・アビルドセン
【出演】シルベスター・スタローン、セイジ・スタローン、トミー・モリソン
【制作】1990年、アメリカ
「ロッキー」シリーズ第5作。
ロッキー(シルベスター・スタローン)が目をかけた若い才能、トミー(トミー・モリソン)が、拝金主義のプロモーター、デューク(リチャード・ガント)の甘い言葉に乗ってロッキーとの縁を切る。
ロッキーがなじみのバーで飲んでいると、デュークとともにトミーが現れ、ロッキーにけんかを売る。ポーリー(バート・ヤング)を殴ったトミーにロッキーが切れ、ストリート・ファイト、というか要するに路上のけんかになる。何の気なしにこの殴り合いを見ていたら、実はこれが、一連の作品でいう、対アポロ戦や対クラバー戦、対ドラゴ戦に相当するクライマックス・バトルだっという落ち。
確かに、毎回、最後は試合での感動のノックアウトでフィナーレ、というのは芸がないということで、マンネリ化を避ける意味はあったのだろうが、さすがに、これはちょっと、逆に言えばマンネリ化を避ける意味しかなかった、というところ。
現場に駆けつけた息子(セイジ・スタローン)は、「お父さん、みっともないことはやめて」と叫ぶのかと思いきや、行け~、倒せ~と父親の不法行為をけしかけるし、トミーを殴り倒したロッキーは、怒りにまかせてプロモーターのデュークも殴り飛ばし、この明らかな犯罪行為を成し遂げたロッキー一家が、よかったよかったという感じで現場を後にするのには、さすがに「おいおい」と言いたくなってしまった。
また、トミーが若気の至りから功を焦り、ロッキーのもとを離れてしまうのも、観ている側からすれば、その気持ちも分かるという、一時の気の迷いであり、それを最後は「彼には心がない」と単純な悪役に仕立て上げてしまうのも、人間味に欠ける展開だなと感じた。
それでも、最後に息子にペンダントを渡すシーンでは、じわっと感動させてくれた。
【5段階評価】3
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