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2011年10月 6日 (木)

(580) 0(ゼロ)からの風

【監督】塩屋俊
【出演】田中好子、田口トモロヲ、杉浦太陽
【制作】2007年、日本

我が子を交通事故で失い、危険運転致死傷罪の成立をなしとげた母親の実話に基づく作品。

夫を病で失った茂木圭子(田中好子)は、一人息子の零(杉浦太陽)と暮らしていた。しかし、一浪の末、早稲田大学に入学したばかりの零は、無免許、無車検、飲酒、スピード違反の車にはねられ即死する。圭子は、車で人をひき殺しても、罪は殺人ではなく業務上過失致死となり、もっとも重くて懲役5年であると知り、ショックを受ける。実際、零をひき殺した犯人、野崎(袴田吉彦)の刑期は3年3ヶ月だった。
彼女はテレビ局の報道記者、上杉(田口トモロヲ)の助力も得ながら、交通事故の厳罰化のための活動を始める。同じように身内を交通事故で失った人たちの協力を得て、圭子は37万の署名を集め、ついに「危険運転致死傷罪」を成立させる。彼女はさらに、受験勉強をして早稲田大学に入学する。
そして、野崎が刑期を終え、出所した。彼は圭子の家を保護司とともに訪ね、土下座して涙ながらに罪をわびる。その謝罪は真に迫っていたが、圭子はそれを許さず、本当に罪を償う気があるなら、自分がやっている命のメッセージ展に足を運んでほしいと告げる。嗚咽しながら絶対に行くと誓う野崎だったが、姿を見せることはなかった。やりとりをこっそり録音していた上杉は、圭子にあそこまで攻めなくても、ともらすが、圭子は断固として怒りをぶつける、そうしなければ無謀運転で人の命を奪う行為はなくならない、と言い、メッセージ展の活動を続けるのだった。

田中好子の好演が光る。2011年4月にこの世を去ったのが惜しまれる。袴田吉彦の謝罪のシーンも迫真の演技で涙を誘うが、結局それがうわべだけのものであるという、何ともやるせない展開を見せるのが、逆に現実のむなしさを観る者に伝えている。

【5段階評価】4

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