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2011年8月10日 (水)

(523) イーグル・アイ

【監督】D・J・カルーソー
【出演】シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ビリー・ボブ・ソーントン
【制作】2008年、アメリカ

情報通信技術の進化した現代で、謎の陰謀に巻き込まれる青年と、子を持つ母親の逃走劇を描いた作品。

冒頭、アメリカ政府の要人たちが、アラブのテロ組織の指導者の暗殺の機をうかがっている。政府の情報システムは、成功率は51%にすぎないと判断し、中止勧告を出すが、大統領は暗殺を指示し、ミサイルが撃ち込まれる。
舞台は変わって、貧乏暮らしの青年、ジェリー(シャイア・ラブーフ)。双子の兄が死亡し、葬儀に訪れる。家に帰ると大量の兵器や薬品が送りつけられ、口座には大金が振り込まれている。突如、携帯が鳴り、それに出ると、今すぐそこから逃げろ、という女性の声がする。何が何だか分からないジェリーは、踏み込んできたFBIにあえなく確保されてしまう。
訳の分からないまま捜査官のモーガン(ビリー・ボブ・ソーントン)に尋問され、FBIに拘禁されていると、またしても電話の女性から連絡が届き、今すぐふせろと指示される。その直後、窓の外にあった重機のクレーンが建物に突っ込み、ビルの壁が大破する。ジェリーは指示に従ってそこから飛び降り、駅の線路に落下する。駅の電光掲示板がジェリーの行き先を指示しており、彼はそれに従ってFBIを脱出する。
逃げた先には、同様に息子のサム(キャメロン・ボイス)を人質に取られたシングル・マザー、レイチェル(ミシェル・モナハン)が車を乗り付けていた。彼らは女性の声の指示に従って行動を続ける。二人は、声の指示である男と会う。その男も謎の女の指示に従っていたようだったが、指示に背いてその場から逃げようとする。しかし、頭上にあった高圧線が突如切れ、彼の上に落下し、男は焼け死んでしまう。二人は女性の声に従わざるを得なくなる。
電話の女性はさらに別の者を使って、音波に反応してすさまじい爆発を起こす物質と起爆装置を、ネックレスとトランペットに仕込ませる。
ジェリーの亡くなった兄は、テロリストの一味だったのではないか、という疑いの中、話は進んでいくが、そうではなかった。彼は、アリアという、アメリカ政府の開発した、凶悪事件を未然に防ぐための人工知能システムの運営に携わっていたのだった。アリアは、大統領が、システムのはじいた数値を無視して、テロリスト暗殺を指示した結果、アメリカ人がテロの脅威にさらされたことから、アメリカ国民の安全を守るためには、暗殺を強行した大統領をはじめとする現閣僚を全員、抹殺する必要があると判断したのだった。
ジェリーの兄は、アリアの暴走を食い止めるため、音声によるロックをかけていた。アリアは兄を殺害し、ロックを消去するため、兄と同じ声紋を持つジェリーをペンタゴンに侵入させたのだった。
アリアは、大統領と閣僚の集まる席に、爆発物質のペンダントを付けたレイチェルと、その起爆装置が仕込まれたトランペットを持ったサムを送り込む。サムは、仲間たちとアメリカ国歌の演奏を始める。最後の旋律のところで発生する音波が、起爆のきっかけとなる。ジェリーは銃を持ったまま会場に突入し、天井に向かって銃を乱射して、演奏を中断させる。しかしジェリーは、場内にいた護衛に胸を撃たれて倒れる。いつも助けてもらってばかりいた双子の兄の遺志を、彼が命がけで引き継いだのだった。
彼は一命をとりとめた。アリアの野望の全てを知ったキャリスター国防長官(マイケル・チクリス)は、事件後、真相を大統領に明かし、ジェリーは、父親(ウィリアム・サドラー)とともに勲章を授与される。そしてジェリーとレイチェルの間には、ほのかな愛情が生まれようとしていた。

スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を担った大作であり、映像の迫力はさすが。町中のいたるところにある電光掲示板やサインが、次々と主人公へのメッセージを映し出すところが、計算高い黒幕の計り知れない力を感じさせ、心地よい戦慄を味わうことができる。
コンピュータが暴走して人類に敵対するという設定は、「ターミネーター2」や「アイ, ロボット」など、使い古されたものではあるが、本作は、それを明かさないまま話を展開させることで、設定の陳腐さの印象を薄めている。その一方で、序盤の必死の逃避行が、殺されそうになっているのか守られているのかよく分からず、状況の推理や感情移入がしづらいという面もあり、必ずしも成功したとは言い切れないと感じた。
シャイア・ラブーフは、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」のジョーンズ博士の息子役で注目を浴びた俳優。「穴/HOLES」でも主役を務めている。
アリアから次期大統領に指名されたカリスター長官を演じたマイケル・チクリスは、「ファンタスティック・フォー/超能力ユニット」の岩石男を演じている俳優。
序盤はジェリーを追う悪役側のようでありながら、最後はアリアの野望を食い止めるため非業の死を遂げたFBI捜査官、モーガンを演じたのは、ビリー・ボブ・ソーントン。彼は「シンプル・プラン」で主人公の兄を演じ、アカデミー助演男優賞にノミネートされている。

【5段階評価】4

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