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2011年7月

2011年7月31日 (日)

(513) レインマン

【監督】バリー・レビンソン
【出演】トム・クルーズ、ダスティン・ホフマン、バレリア・ゴリノ
【制作】1988年、アメリカ

親の遺産を当てにする弟と自閉症の兄との交流を描いたロード・ムービー。第61回アカデミー賞作品賞受賞作品。

カウンタック4台を売りさばく算段をしていたチャーリー(トム・クルーズ)は、環境保護庁(EPA)の検査が滞り、資金ショートの危機に瀕していた。そんなおり、父の死の知らせが入るが、彼に遺されたのはクラシックカー1台と野バラ園だけで、300万ドルの遺産は別の者に渡ることになっていた。
その相手は、幼くして別れた兄のレイモンド(ダスティン・ホフマン)だった。自分に兄がいることなど知らなかったチャーリーだったが、資金繰りに苦慮していた彼は、兄を無理矢理、自分の車に乗せ、管財人に150万ドルを要求する。
金の亡者のようにふるまうチャーリーに、恋人のスザンナ(バレリア・ゴリノ)は愛想を尽かし、彼の元を去ってしまう。チャーリーはレイモンドを連れて自分の町に戻ろうとするが、レイモンドが飛行機をいやがったため、車でロスに戻る。
チャーリーは、道中、自分が子供の頃に歌っていた「レインマン」に登場するのが、兄「レイモンド」であることを知る。チャーリーはしだいに、レイモンドと真に心を通わせるようになる。レイモンドは最終的に施設に戻ることになり、チャーリーは電車に乗った兄を静かに見送る。

二人の演技がすばらしく、じっと見入ってしまう作品だった。サバン症候群のレイモンドの数字に関する驚異的な能力を使って、カジノで8万ドルを稼ぐシーンも痛快で、作品の長さを感じさせなかった。
なお、「四日間の奇蹟」でも、驚異的なピアノの才能を見せるサバン症候群の少女が登場する。

【5段階評価】4

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2011年7月30日 (土)

(512) ターミネーター2

【監督】ジェームズ・キャメロン
【出演】アーノルド・シュワルツェエネッガー、リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング
【制作】1991年、アメリカ

ターミネーター」シリーズ第2作。「エイリアン2」同様、ジェームズ・キャメロン監督による第2弾の大ヒット作である。

ターミネーターと死闘を遂げたサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)は、世界滅亡の妄想癖を持った精神病患者として、病院に収監されていた。未来のロボット側は、人間の指導者であるジョン・コナーを子供のうちに葬るため、現代に暗殺用マシン、T-1000(ロバート・パトリック)を送り込む。ジョン・コナーもまた、少年時代の自分を守るため、T-800(アーノルド・シュワルツェエネッガー)を送り込んでくる。
T-1000はジョンの身内を殺してジョンに迫るが、T-800は献身的にジョンを保護する。T-1000の容赦ない襲撃が、収監中の母親に及ぶと察したジョンは、T-800とともに病院に乗り込み、母親を確保する。
彼らはロボット企業、スカイネットの技術者、ダイソン(ジョー・モートン)を説得し、開発中の技術を抹消することにするが、ダイソンは警察に撃たれて瀕死の重傷を負い、爆破装置を起動させる役割を担い、爆死する。
サラとジョンは、執拗なT-1000の追撃をかわし、ついにT-800がT-1000を溶鉱炉に落として倒す。T-800は、自分の頭の中に残してはならないチップがあることを理由に、自ら溶鉱炉に沈む。

液体金属人間の描写がみごとで、CGを活用した映画のエポックメイキングとなった作品である。その一方で、リンダ・ハミルトンや警察病院の太めの警官は、CGではなく双子を使っているなど、アナログなトリックも用いているところが楽しい。「ザザンザンザザン、ザザンザンザザン、チャララーチャーララー」という音楽も印象的。

【5段階評価】5

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2011年7月29日 (金)

(511) 戦国自衛隊1549

【監督】手塚昌明
【出演】江口洋介、鈴木京香、鹿賀丈史、北村一輝
【制作】2005年、日本

1979年の作品、「戦国自衛隊」のリメイク。

陸上自衛隊の部隊が、人口磁場シールドの実験の際、戦国時代に飛ばされてしまう。元自衛官の鹿島(江口洋介)は、実験の責任者、神崎(鈴木京香)と森(生瀬勝久)に説得され、飛ばされた自衛隊員を救出するため、過去にタイムスリップする。
そこでは、飛ばされた部隊の隊長、的場(鹿賀丈史)が、織田信長を図らずも倒しており、彼自信が織田信長となって戦乱の世を統一しようとしていた。鹿島達は的場の暴走を食い止め、現代に戻ってくることに成功する。

1979年のオリジナルに比べると、タイムスリップする理由の説明があるなど、ストーリーとしては明快になっている。しかし、過去に飛ばされた自衛隊員が、理不尽な運命に流されていく悲劇を描いたオリジナルに比べ、本作では精油所を建設したり、富士山を爆破する装置を作り出したり、かなりトンデモ感がただよい、重厚感に欠けるアクション映画になってしまった。
ワイシャツを着ながら武士を演じた北村一輝の演技は素晴らしかったが、中尾明慶の演技は学芸会のようで、見ていてつらかった。

【5段階評価】2

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2011年7月28日 (木)

(510) 魔女の宅急便

【監督】宮崎駿
【出演】高山みなみ(声)、山口勝平(声)
【制作】1989年、日本

宮崎駿監督のスタジオジブリ作品。

魔法使いの掟に従い、13歳で修行の旅に出たキキ(高山みなみ)は、海の見える街を見つけ、パン屋に居候して宅急便屋を開く。一時は魔法の力が弱くなるが、なかよくなった少年、トンボ(山口勝平)の危険を救うため、魔法の力を取り戻して彼を助ける。

原作者が「宅急便」が登録商標であることを知らず、映画化に当たってクロネコヤマトがスポンサーになったのは有名な話。また、画家を目指す少女、ウルスラとキキの両方の声を高山みなみが演じているのも見所かもしれない。

【5段階評価】4

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2011年7月27日 (水)

(509) ハンニバル

【監督】リドリー・スコット
【出演】ジュリアン・ムーア、アンソニー・ホプキンス
【制作】2001年、アメリカ

サイコ・サスペンスの名作、「羊たちの沈黙」の続編。クラリス役は、ジョディ・フォスターからジュリアン・ムーアに代わっている。

皮はぎ連続殺人事件の解決後、行方不明となったハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)。彼の挑発に乗って自らの顔の皮をはいでしまった大富豪のメイスン・バージャー(ゲイリー・オールドマン)は、300万ドルもの懸賞金をかけてレクター博士を追っていた。
クラリス(ジュリアン・ムーア)は、レクター博士がイタリアで復活したことに気づき、懸賞金目当てで動いている現地の刑事、レナルド・パッツィ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)にコンタクトするが、彼はあえなくレクターに殺されてしまう。
レクターはアメリカに舞い戻り、クラリスに接触するが、バージャーの放った傭兵に一度は捉えられてしまう。しかし、バージャーが復讐を遂げようというところにクラリスが乗り込み、レクターを確保する。レクターを惨殺しようとしていたバージャーだったが、レクターに恐れをなした彼の秘書が、体の自由のきかないバージャーを、飢えた豚のいる小屋に突き落とし、バージャーは命を落とす。
バージャー邸で銃弾を受けたクラリスは、レクターの治療により一命をとりとめる。レクターを捕らえるため、警察に電話をし、レクターに襲いかかるクラリスだったが、レクターに勘づかれ、冷蔵庫のドアに髪をはさまれ、身動きがとれなくなる。しかし、隙を突いてレクターと自分の手を手錠でつなぐ。時間がないから鍵をよこせ、と詰め寄るレクターに、彼女は首を縦に振らなかった。レクターは彼女の手首をつかんでブッチャーナイフを振りかざし、「痛いぞ」と言って、振りかざした手を振り下ろす。
しかし、彼女の両手は無事だった。レクターは左腕に包帯の状態で飛行機に乗って移動している。彼は自らの手首を切り落として逃走したのだった。

むごい殺人シーンは名作を踏襲しているようだが、残念ながらテレビではほとんどカットされてしまっている。ゲイリー・オールドマンは、言われても分からないぐらいの特殊メイクで登場。これもなかなかの迫力でよかったが、やはりクラリス役はジョディ・フォスターに演じてほしかった。

【5段階評価】3

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2011年7月26日 (火)

(508) ドラゴン・キングダム

【監督】ロブ・ミンコフ
【出演】マイケル・アンガラノ、ジャッキー・チェン、ジェット・リー
【制作】2008年、アメリカ

ジャッキー・チェンとジェット・リーの共演が話題となった作品。

カンフーオタクのアメリカの高校生、ジェイソン(マイケル・アンガラノ)は、転校先の不良が中国の骨董品店に押し入るのに協力した際、不良のボスが店長(ジャッキー・チェン)を撃ち殺す場面に立ち会ってしまう。いまわの際の店長に、店にあった棍棒を託され、持ち主に返してほしいと告げられる。
不良から逃げ、屋上に向かったジェイソンは、逃げ場を失い、万事休すというときに、時空を越え、古代の中国の農村に飛んでしまう。そこで酔拳の達人、ルー・ヤン(ジャッキー・チェン)に出会い、持っていた如意棒を持ち主に返す旅に出る。途中、家族を悪の将軍(コリン・チョウ)に殺されたゴールデン・スパロウ(リウ・イーフェイ)、如意棒を探し求めていたサイレント・モンク(ジェット・リー)に出会い、ルーとモンクの指導を受けながら旅を続ける。
将軍は、如意棒を手に入れるため、白髪魔女(リー・ビンビン)を差し向け、ルーは彼女の放った矢により、瀕死の重傷を受ける。ジェイソンは師匠のルーを助けるため、不老不死の薬を求め、将軍のもとを訪れる。
将軍の手下、白髪魔女に倒されそうになるジェイソンだったが、そこにサイレント・モンクやスパロウ、そしてルーも訪れ、白髪魔女と将軍の息の根を止める。

二大カンフースターの共演ではあるが、アクションはワイヤーが中心で、よくある作り物めいた作品だった。やはり、ジャッキー・チェンとジェット・リーの二人には、掛け値なしの生身のアクションを期待してしまう。

【5段階評価】3

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2011年7月25日 (月)

(507) エイリアン2

【監督】ジェームズ・キャメロン
【出演】シガニー・ウィーバー、キャリー・ヘン、ランス・ヘンリクセン、ジェニット・ゴールドスタイン
【制作】1986年、アメリカ

エイリアン」の続編。原題は「ALIENS」であり、タイトル通り、大量のエイリアンが人々を襲う。

脱出用シャトルから57年ぶりに救出されたリプリー(シガニー・ウィーバー)。彼女の体験した惨劇は妄想と決めつけられ、ノストロモ号がエイリアンに遭遇した星、LV426には、複数の家族が入植していた。
しかし、星との通信が途切れたため、探査隊が向かうこととなる。毎日、エイリアンの悪夢にさいなまれていたリプリーは、エイリアンを殲滅するという目的で、再び現地に向かう。そこでは入植した人々が宿主にされて大量のエイリアンが発生しており、最初のコンタクトで重装備の兵士達が多数失われてしまう。リプリー達は、エアダクトをふさいで活路を見いだそうとするが、強力なエイリアンの前に、一人、また一人と命を奪われていく。
コロニーの奥には、巨大な卵管を持つマザー・エイリアンが、大量の卵を産んでいた。産卵場所を火炎放射器で焼いたリプリーは、LV426で唯一生き残っていた少女、ニュート(キャリー・ヘン)を助け、アンドロイドのビショップ(ランス・ヘンリクセン)とともに脱出する。
しかし、マザー・エイリアンが脱出艇に忍び込んでおり、ビショップは無残にも体を真っ二つにされてしまう。リプリーはニュートを救うため、運搬作業用のパワーローダーに乗り込み、格闘の末、マザー・エイリアンを船外に放出することに成功する。

本作は、ヒット作の続編は駄作という通説を翻し、大ヒット作となった。ジェームズ・キャメロン監督は、「ターミネーター2」でも続編を大ヒットさせている。
リプリーのほか、男勝りの女性兵士、ジェニット(ジェニット・ゴールドスタイン)も印象的で、作中では非業の最期を遂げるが、本作のフェミニズム説を裏付ける活躍を見せる。

【5段階評価】5

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2011年7月24日 (日)

(506) エイリアン

【監督】リドリー・スコット
【出演】シガニー・ウィーバー、トム・スケリット、イアン・ホルム
【制作】1979年、アメリカ

異星の生物の襲撃を描いたSFパニックホラーの金字塔的作品。

貨物船、ノストロモ号で冷凍睡眠中だった乗組員が、船のマザーコンピュータに起こされる。理由は、生命の存在を暗示するビーコンだった。会社の規則に則り、乗組員が調べに行く。その中の一人、ケイン(ジョン・ハート)は、卵のような物体を見つけ、それに接近する。卵の殻の中で何かが動いているのを目にするやいなや、急にその生命体が卵から飛び出し、彼に襲いかかる。
カブトガニのようなその生命体は、ケインの顔に張り付いたままになる。船長のダラス(トム・スケリット)や科学者のアッシュ(イアン・ホルム)が、それを外そうとするが、血液が強酸性で手を出せない。やがて、顔に張り付いた生命体は死亡し、ケインは回復したかに見えた。
ところが、快復後の食事中、ケインは急に苦しみだす。常軌を逸する悶絶のあと、彼の腹を突き破って、ヘビのような謎の生物が現れ、逃げ去ってしまう。ケインは死亡し、宇宙葬にされる。残された乗組員達は、逃げた生物を探すが、それは強大な力を持ったエイリアンとなり、乗組員を一人、また一人と葬っていく。
しかし、科学者のアッシュは、なぜかリプリー(シガニー・ウィーバー)たちがエイリアンを船外に放出しようとするのを阻止するようになる。マザーコンピュータには、生命体を保護することが乗組員の安全より優先的な指令として登録されており、アッシュはエイリアンを地球に連れ帰る使命を帯びたアンドロイドだったのだ。しかし、アッシュは暴走してしまい、リプリーに襲いかかる。そこに現れたパーカー(ヤフェット・コトー)が、アッシュの顔を殴りつけてアッシュを倒す。アッシュの頭部は、胴体からはずれてしまう。
残された3人は、シャトルで脱出しようとするが、パーカーとランバード(ベロニカ・カートライト)もエイリアンに殺される。只一人、シャトルに乗り込んだリプリーだったが、エイリアンもまた、いつのまにか脱出用シャトルに入り込んでいた。リプリーは恐怖を歌で紛らわせながら、エイリアンを船外に放出することに成功する。

顔にへばりつく、カブトガニのような生命体のリアリティはみごとで、本当にこういう生物が宇宙にいるのではないかと思わせる。人間に寄生し、腹を突き破って誕生する無慈悲さも衝撃的であり、黒光りするエイリアンや、白い液体をまき散らして暴走するアンドロイドの造形も出色のでき。音楽は少々古めかしいが、それを除けば現在でも十分通用する素晴らしい作品である。

【5段階評価】5

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2011年7月23日 (土)

(505) 恍惚の人

【監督】豊田四郎
【出演】森繁久彌、高峰秀子、田村高廣、乙羽信子
【制作】1973年、日本

痴呆老人を題材にした作品。有吉佐和子の小説が原作。

立花茂造(森繁久彌)は、84歳を迎え、雨に打たれたまま街を徘徊するなど、不可解な行動が目立つようになっていた。妻が亡くなったときも「起こしても起きない」と言って妻の死を理解できず、同居する息子の信利(田村高廣)や、別居している娘の京子(乙羽信子)のことも認識できなくなってしまう。
しかし、息子の嫁、昭子(高峰秀子)のことはなぜか覚えており、何かにつけ「昭子さん、昭子さん」と呼びつけるようになる。茂造から何一つ温かい言葉をもらったことのない昭子は、茂造の世話をすることを理不尽に感じるが、彼の中に残された人間性を見いだし、献身的な介護を続ける。
茂造の状態は悪化し、トイレにこもったり、排泄物を障子になすりつけるなど、手に負えなくなる。ついには、風呂でおぼれ、肺炎にかかる。一時は回復するが、ついに帰らぬ人となる。

痴呆を題材にした映画は数多いが、本作はその嚆矢と言える。ラストで昭子が、茂造の飼っていた文鳥に「もしもし・・・」と話しかけて涙するシーンは、極めて印象的。

【5段階評価】4

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2011年7月22日 (金)

(504) 地球が静止する日

【監督】スコット・デリクソン
【出演】キアヌ・リーブス、ジェニファー・コネリー、ジェイデン・スミス
【制作】2008年、アメリカ

地球に飛来した異星人を巡る人類の混乱と戦いを描いた作品。1951年の映画、「地球の静止する日」のリメイクである。

異星生物学者のヘレン(ジェニファー・コネリー)は、国家の要請により、強制的な招集をかけられ、地球に猛スピードで迫る物体の存在を知らされる。ミサイルで応酬するつもりが発射不能となり、軍の兵士はなすすべもなく衝突までの秒読みを開始する。しかし、衝突は起きず、物体は速度を落とし、セントラル・パークに着陸する。
ガス状の球体のような宇宙船から、生命体が降り立つが、命令を取り違えた兵士が銃撃してしまう。近くにいたヘレンは返り血を浴びる。突如、宇宙船から金属でできたような巨大なロボットが現れ、周辺の戦闘用車両や警察車両の動力を停止させ、怪音波で人々の動きを封じる。しかし、ほどなくその攻撃はやむ。
人々は、撃たれた生命体を病院に担ぎ込む。それは胎盤のような膜で覆われており、それが自然に剥離し、中から人間と同じ組織を持った生物が登場する。それは数時間で人間と同じ外見になり、クラトゥ(キアヌ・リーブス)と名乗る。彼の目的は、人類の破壊的行動により、存亡の危機にある地球の生態系を守るため、人類を抹殺することにあった。地球の各地に降り立った球体は、ノアの方舟のように、各種の生物を内部に取り込み、宇宙空間へと飛び立っていく。
ヘレンは、クラトゥをノーベル賞学者のバーンハート教授(ジョン・クリーズ)に会わせる。教授はクラトゥに、「文明は窮地に立つからこそ進化する。我々が進化するチャンスを奪わないでくれ」と告げる。しかし、巨大ロボット、ゴートは、大量の金属製の微少な虫へと変化し、地球上の物質を食い荒らし始める。ヘレンは、再婚した今は亡き夫の連れ子、ジェイコブ(ジェイデン・スミス)と、夫の墓の前で、これまでの確執を忘れ、互いを許し合うように抱き合う。それを見たクラトゥは、人間の変化の可能性を信じ、自らの能力の限りを尽くして、大量の虫の暴走を食い止める。

独特の映像が魅力的な作品。この手の作品で細かいつっこみを入れ出すときりがないが、あまり違和感なく楽しめた。ジェニファー・コネリーは、「フェノミナ」で、虫と交信できる少女を演じている。大量の虫に縁のある女優である。

【5段階評価】3

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2011年7月21日 (木)

(503) リーサル・ウェポン

【監督】リチャード・ドナー
【出演】メル・ギブソン、ダニー・グローバー
【制作】1987年、アメリカ

妻の死を悔やみ、自殺願望を持つ麻薬課の刑事と、50歳になったベテラン刑事のコンビの活躍を描いた作品。シリーズ化された、バディ・ムービーの代表作。

50歳の誕生日を迎えた、ロス市警のロジャー・マータフ刑事(ダニー・グローバー)は、若い女性の飛び降り自殺事件を扱う。その女性は、ベトナム戦争で世話になった男の娘だった。ロジャーのもとに、相棒役の刑事がやってきた。麻薬課から転職してきた刑事、マーティン・リッグス(メル・ギブソン)だった。彼の死をも恐れぬ強引な捜査は、仲間から疎まれていた。飛び降り自殺をしようとしている男に手錠をして一緒に飛び降りるなど、型破りな働きぶりに、安定した刑事生活を臨んでいたロジャーは頭を痛めるが、自分の家庭にマーティンを招き、まともに暮らすことの幸せを伝えていく。
事件の影には麻薬の密輸があった。それを突き止めた二人だったが、密輸組織に狙われる羽目になる。マーティンは町中で銃撃を受け、ロジャーは娘のリアン(トレーシー・ウルフ)を誘拐される。ロジャーは犯人の要求に従い、砂漠に赴くが、そこでマーティンともども拉致されてしまう。知っている情報を吐け、と拷問を受けるが、隙を見てマーティンが拷問係を倒し、リアンとロジャーを連れての脱出に成功する。黒幕の将軍(ミッチェル・ライアン)は、彼らを追おうとして車ごとバスにぶつかり、車に積んでいた手榴弾で爆死。
逆上した将軍の部下、ジョシュア(ゲイリー・ビジー)は、ロジャーの家に乗り込むが、そこにはロジャーとマーティンが待ち構えていた。マーティンは決着を付けようとジョシュアに言い、二人は壮絶な殴り合いをする。殴り合いに勝ち、立ち去ろうとするマーティンに、ジョシュアが警官の銃を奪って発砲しようとしたところ、それに気付いたロジャーとマーティンは、とっさにジョシュアに銃弾をぶち込み、彼を倒す。

常識外れな暴れん坊と、争いごとを好まないベテランという、バディ・ムービーの一つの型が具現化している。「相棒 劇場版」も、まさにそんなコンビだ。

【5段階評価】4

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2011年7月20日 (水)

(502) もののけ姫

【監督】宮崎駿
【出演】松田洋治(声)、石田ゆり子(声)
【制作】1997年、日本

宮崎駿監督のスタジオジブリ作品。

勇敢な少年、アシタカ(松田洋治)は、村を襲おうとしたタタリガミを倒す際、腕に呪いを受けてしまう。呪いをとく術を探るため、アシタカは村を後にする。
旅の途中、アシタカは、山犬とともにくらす少女、サン(石田ゆり子)に出会う。サンは、山の自然を破壊する人間を憎んでおり、タタラ場の中に侵入し、エボシ御前(田中裕子)に闘いを挑むが、アシタカはその闘いに割って入ると、サンを引き取り、タタラ場を後にする。
エボシ御前は、山の神、シシ神を倒すため、大軍勢を率いて山に乗り込み、シシ神の首を手にするが、同時にシシ神の体が森一帯に広がって首を探し始める。アシタカとサンは協力して首を人間から奪い取ると、シシ神にそれを返し、神の怒りを静める。

古来の日本の世界観が素晴らしく、タタリガミやコダマの造形、腕の呪いのせいで絶大な力を持ったアシタカの驚異的な弓の能力など、映像もみごと。宮崎駿監督ならではの作品だな、と思う。

【5段階評価】5

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2011年7月19日 (火)

(501) 青い珊瑚礁

【監督】ランダル・クレイザー
【出演】ブルック・シールズ、クリストファー・アトキンズ
【制作】1980年、アメリカ

南海の孤島に漂着した若い男女を描いた作品。

8歳の少年リチャード(グレン・コーハン)と、7歳の少女エメライン(エルバ・ジョゼフスン)の乗った船が火事になり、2人は料理番のパディ(レオ・マッカーン)と救命ボートで脱出する。やがて3人は島を見つけ、そこで生活を始める。無人島と思われた島だったが、パディは何かを見つけ、決して島の反対側には行かないよう子供達に命じる。パディはリチャードに、魚のさばき方や縄の結び方など、生きる手段を教え、順調に生活を続けていたが、ある日、パディは酔い覚ましに樽を抱えて海に出て、そのまま死んでしまう。
リチャードとエメラインは二人での生活を始める。リチャードはたくましい青年(クリストファー・アトキンズ)となり、エメラインも美しい女性(ブルック・シールズ)へと成長する。エメラインは初潮を経験するが、知識がなく、自らの変化に戸惑う。リチャードは、エメラインとけんかをしながらも、次第に彼女に惹かれはじめ、彼女がカサゴを踏んで熱を出し、それを助けたのを契機に、二人は愛し合うようになる。
ある日の夜、リチャードは、ときおり島から聞こえる太鼓の音の正体を確かめるため、島の奥へと足を運ぶ。そこは、エメラインが発見した、神の顔の形をした巨大な岩のある場所だった。そこでは、腰蓑を着け、棍棒をもった男達が、火を取り囲んで怪しげな踊りを踊っていた。そして体を白く塗られた男が神の顔の岩の上に担ぎ上げられ、生け贄として首をはねられた。驚いてその場から退散したリチャードは、エメラインの悲鳴を聞く。妊娠したエメラインの出産だった。
子供も成長し始めた頃、3人はボートで離れ小島に行くが、ふとした不注意から、オールを失った状態で沖に流されてしまう。もはや助かる道はないと覚悟した2人は、パディから禁じられていた木の実を口にする。
そこに、失った子供達を探し続けていたアーサー(ウィリアム・ダニエルス)の帆船が通りかかり、3人を無事に保護するのだった。

ブルック・シールズの出世作であり、彼女の美しさが際立つ。話としては少々できすぎな感もあるが、思春期の心の揺れが美しく描かれている。

【5段階評価】3

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2011年7月18日 (月)

(500) シルミド

【監督】カン・ウソク
【出演】アン・ソンギ、ソル・ギョング
【制作】2003年、韓国

金日成暗殺のために結成された684特殊部隊を描いた実話に基づく作品。

死刑囚のチェ・ジェヒョン(アン・ソンギ)、カン・インチャン(ソル・ギョング)らは、国家の秘密の任務のため、実尾島(シルミド)に集められる。その目的は、北朝鮮の最高指導者、金日成の暗殺だった。厳しい訓練で命を落とす者も出る中、彼らはそれに耐え、優秀な戦闘部隊となる。
しかし、韓国の指導者が替わり、金日成暗殺計画は無に帰する。そのような計画があったことを表沙汰にしたくない国家は、684部隊全員の抹殺を命令する。それを知ったチェ・ジョヒョンらは、指導者らと死闘の末、島を脱出し、自分たちを殺そうとした国の指導者のもとに向かうことを決意する。しかし、彼らは「共産ゲリラ」と報道され、乗っ取ったバスは軍から激しい銃撃を受ける。彼らは最終的に手榴弾を用いた自決の道を選ぶのだった。

何とも男臭い映画だが、訓練のシーンには迫力があり、出てくる俳優はしぶく、演技もなかなかのもの。細かすぎて伝わらないモノマネ選手権で、みょーちゃん劇団がやっている韓国軍隊ネタは、この映画がもとになっている。

【5段階評価】4

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2011年7月17日 (日)

(499) スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦

【監督】ブライアン・ロビンス
【出演】クリス・エバンス、エリカ・クリステンセン、スカーレット・ヨハンソン
【制作】2004年、アメリカ

大学受験の優劣を決める適性試験、SATの解答を盗もうとする高校生を描いた作品。

建築家を志すカイル(クリス・エバンス)は、大学進学適性試験(SAT)でよい点を取ることを最大の課題としていた。彼は、友人のマティ(ブライアン・グリーンバーグ)とともに、試験の管理機関であるETSから、解答を盗み出そうという作戦を立てる。この作戦に、優等生のアンナ(エリカ・クリステンセン)や、ネットオタクのフランチェスカ(スカーレット・ヨハンソン)、バスケ選手のデズモンド(ダリウス・マイルズ)、ゲームオタクのロイ(レオナルド・ナム)が加わる。
彼らはETSに忍び込むが、解答はなく、彼らは自力で問題を解く。最後にカイルはつかまってしまうが、5人は逃亡に成功する。しかし、結果的に、誰一人、この解答を用いることはなかった。彼らは自力で問題に挑み、それぞれの人生を切り開いていく。

センスのない映画のタイトルにいやな予感はしたが、予想通りの中身の薄い作品だった。ロイ役のレオナルド・ナムは、陣内智則にそっくりだな、というのが収穫だった。クリス・エバンスとスカーレット・ヨハンソンは、「私がクマにキレた理由」でも共演を果たしている。

【5段階評価】2

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2011年7月16日 (土)

(498) スリーピー・ホロウ

【監督】ティム・バートン
【出演】ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ
【制作】1999年、アメリカ

科学の力を信じる捜査官が、アメリカ郊外で起きた連続殺人事件の謎を追う。

いまだに拷問で自白を強要する捜査方法がまかりとおっているニューヨークで、捜査官を務めるイカボッド・クレーン(ジョニー・デップ)は、ハドソン川沿いの村、スリーピー・ホロウで起きている殺人事件を科学の力で解明してみよ、と命じられ、現地に赴く。そこでは、4人の人間が首を切って殺されていた。
イカボッドは地元の名士、バルタス(マイケル・ガンボン)や、判事のフィリップ(リチャード・グリフィス)、公証人のハーデンブルック(マイケル・ガフ)らの話を聞く。彼らは、村で起こっている惨劇は、かつて村で非業の死を遂げた首なし騎士(クリストファー・ウォーケン)の仕業だと信じていた。首なし騎士の話など信用しないイカボッドは、フィリップ判事の「墓は4つだが、死んだのは5人だ」という情報をもとに、埋められた死体を掘り起こして捜査を行う。そして、殺された女性、ウィンシップ夫人が身ごもっていたことを突き止める。
判事は、自分の身に危険が迫るとおびえ、村を逃げ出そうとする。それをイカボッドが問いただしているところに、本当に首なし騎士が馬に乗って登場し、ハーデンブルックの首を刈り、イカボッドの目の前でその首を持ち去る。さすがのイカボッドも、首なし騎士の存在を認めざるを得なくなる。
イカボッドは、父を殺された少年、マスバスを使用人として捜査を続ける。バルタスの美しい娘、カトリーナ(クリスティーナ・リッチ)も彼に同行するようになる。彼らは探索の末、首なし騎士がねじろにしている死人の木を発見する。首なし騎士は、葬られた墓から何者かに自分の首をさらわれ、その者の命令で人々を襲っていたのだ。
イカボッドは捜査を続けるうち、犯人が前村長の遺産を狙っていると確信する。遺産の相続者は、彼の子を身ごもっていたウィンシップ夫人だったが、彼女が殺されたことで、遺産はバルタスに渡ることになる。部屋に戻ったイカボッドは、自分のベッドの下に、魔方陣が描かれていることに気づく。夜ごと悪夢にうなされていたイカボッドは、何者かが自分に呪いをかけていると考える。
その夜、何者かが屋敷から出て行く姿を目撃したイカボッドは、その後を追う。そこでは、バルタスの妻、バン・タッセル夫人(ミランダ・リチャードソン)が、牧師に抱かれていた。彼女はおもむろに剣を取り出し、牧師の背後にかかげる。牧師を殺すのかと思いきや、彼女はそれで自らの手のひらを切りつける。イカボッドは正視に耐えられず、狂気に満ちた情事の現場を後にする。
翌日、草原で花を摘む夫人のもとにバルタスが訪れる。殺された助産婦の葬儀にともに向かうためだったが、突如、夫人の背後に首なし騎士が現れる。それを見たバルタスは、一目散に教会に逃げ込む。首なし騎士がそれを追うが、教会の中に入ることができない。しかし、首なし騎士は、教会の柵の杭を引き抜くと、それを教会に投げ込み、バルタスを串刺しにし、彼の首を刈り取ってしまう。教会には、自分のベッドの下にあったのと同じ魔方陣が描かれ、父の死に気絶したカトリーナの手から、魔方陣を描いたのと同じ色のチョークが転がった。
バルタス夫妻なき今、遺産が渡るのはカトリーナだった。彼女が黒幕だったと悟ったイカボッドは村を去ることを決意する。その馬車の中、イカボッドが何気なく本を開くと、そこに、彼女の描いていた魔方陣が載っていた。それを見て、イカボッドは驚愕する。彼女が呪いのために描いたと思っていたその魔方陣は、実は愛する者を守るためのものであったのだ。
イカボッドは慌てて村に引き返すが、そこでは、死んだと思われていたバン・タッセル夫人がカトリーナをとらえ、首なし騎士がカトリーナを殺すよう、呪いの儀式をしていた。かけつけたイカボッドは、カトリーナとマスバスを助け出し、夫人の持っていた首なし騎士の頭蓋骨を首なし騎士に投げ渡す。本来の頭を取り戻した首なし騎士は、夫人を連れて死人の木の中に消えていった。

首なし騎士の話をどう科学的に解明するのかと思いきや、完全なオカルトだった。グロテスクな映像が多く、受け付けない人もいそうだが、連続殺人事件の動機は人間くさく、様々な伏線もあって、練られた作品だった。
クリスティーナ・リッチは、「モンスター」で、主人公の友人、セルビーを演じた女性。「アダムス・ファミリー」の少女役でもあり、チャーミングな中にも、ちょっとお化けっぽい雰囲気がある。

【5段階評価】3

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2011年7月15日 (金)

(497) ガタカ

【監督】アンドリュー・ニコル
【出演】イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ
【制作】1997年、アメリカ

遺伝子技術の進んだ近未来を舞台に、宇宙飛行士を夢見る青年が巻き起こす事件を描いた作品。

生まれた直後に遺伝子を確認すれば、その人の死因や能力が判別できる時代。人々は優秀に育つことが確実な受精卵を選び、遺伝子を操作して子を産むのが当たり前になっていた。そんな時代の中、遺伝子操作なしで生まれたビンセント(イーサン・ホーク)は、心臓病などの持病をかかえ、30歳で亡くなると予想されていた。遺伝子操作を行って生まれた弟に、背丈も泳ぎも負ける彼であったが、いつの頃からか、宇宙飛行士になることを夢見るようになる。ビンセントは努力の末、ついに、水泳で弟に勝つことに成功する。
しかし、遺伝子検査が頻繁に行われる世界では、適正者と不適正者の差別は露骨で、彼が優秀な遺伝子を持つライバル達を押しのけて宇宙飛行士になることは、ほぼ不可能だった。そこで彼は、優秀な遺伝子を持ちながら、不慮の事故により将来を閉ざされた人物の遺伝子を譲り受けるという裏取引に手を出す。その相手は、将来を嘱望された元水泳選手、ジェローム・ユージーン・モロー(ジュード・ロウ)だった。彼は、海外で事故に遭い、下半身不随になっており、ビンセントはジェロームから血液や尿、毛髪や体の垢などを受け取り、彼になりきって宇宙局「ガタカ」の一員となる。
ビンセント自身の努力と、ジェロームから譲り受けた遺伝子により、ビンセントは見事に、土星の衛星、タイタンの探査に向かう宇宙飛行士に選抜される。しかし、そんなとき、宇宙開発に懐疑的な上司が、何者かに殴殺される事件が起きる。警察がガタカに入り、遺伝子による捜査を開始する。建物内には、図らずもビンセント自身が落としてしまったまつげが残っていた。警察の捜査により、ガタカに、不適正者、ビンセントが入り込んだことが明らかとなる。
ジェロームになりきったビンセントに、警察の捜査の手が及ぶが、執拗な遺伝子検査にも、ビンセントは巧みなトリックで対処し、捜査の手をかわしていく。捜査の手は、ついにビンセントの自宅にまで及ぶが、ビンセントは、自宅に残っていたジェロームに、自分に成り代わるよう指示し、警察の目を欺く。しかし、それにより、警察官に同行した恋人のアイリーン(ユマ・サーマン)にも、自分がジェロームではないことが明らかとなってしまう。その直後、真犯人が捕まる。犯人は、宇宙計画を進めようとしていたジョゼフ局長(ゴア・ビダル)だった。
安心したジェロームだったが、家にまで来た警察官の執着が尋常ではないと感じたビンセントは、警察官に会いに行く。その男は、弟のアントン(ローレン・ディーン)だった。再び弟と水泳の競争をし、勝利するビンセント。弟も、兄の宇宙に賭ける執念を認め、逮捕を断念する。
ビンセントはアイリーンのもとを訪れ、全てを告白する。しかし、アイリーンはビンセントそのものを受け入れるのだった。
そしてビンセントは、ジェロームのふりをするのをやめ、医師の尿検査に臨む。検査の結果、医師の見るモニタに映し出された結果は、もちろんジェロームではなく、ビンセント。しかし、医師は、「左利きは小便の時、コップを左手では持たない」と告げる。彼は最初から、ビンセントがジェローム本人ではないと見抜いていたのだ。しかし、彼はモニタの人物情報をジェロームに入れ替える。アイリーンや医師の応援を得て、ビンセントは宇宙へと飛び立つのだった。

本作はSF映画に分類されるが、SF的設定を用いたヒューマン・ドラマの様相が濃い。入館のたびに指先から血を抜かれるのは、少々非常識な気もするが、遺伝子情報から、その人の病気のかかりやすさや能力が判断でき、その結果、人種差別ならぬ遺伝子差別が起きるというのは、リアリティを感じさせる設定である。
ちなみに、イーサン・ホークとユマ・サーマンは、この映画のあと、実際に結婚している。

【5段階評価】4

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2011年7月14日 (木)

(496) スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー

【監督】ケリー・コンラン
【出演】ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウ、アンジェリーナ・ジョリー
【制作】2004年、アメリカ

人類滅亡を企む科学者の野望を阻止するために戦う男の活躍を描く。

新聞記者のポリー・パーキンス(グウィネス・パルトロウ)は、科学者の連続失踪事件を追っているさなか、ニューヨークの街に巨大ロボットが飛来し、街を襲撃する場面に遭遇。ロボットに踏み殺されそうになるところを、恋人のスカイキャプテン、ジョー・サリバン(ジュード・ロウ)に助けられる。
ポリーは事件を記事にするため、ジョーと行動をともにする。事件の首謀者はドイツ人科学者、トーテンコフだった。二人はフランキー・クック(アンジェリーナ・ジョリー)の協力を得ながら、ニューヨークの高層ビルでの空中戦やチベットの雪山での進軍、海底基地への侵入を経て、トーテンコフに迫る。
しかし、トーテンコフはすでに死亡。ロボットたちは、彼の遺したプログラムに沿って、人類を滅亡させ、地球上の生物を宇宙に送り出す計画を遂行していたのだった。ジョーとポリーはロケットに潜入し、ロケットを爆破させ、地球の滅亡を未然に防ぐことに成功する。

本作は、監督のケリー・コンランがパソコンで作った短編映像がもとになっており、これを観た名だたる名優が出演を決めたと言われている。たしかに映像観や登場する戦闘機械は個性的である。しかし、画像がぼやけていて暗く、あまり魅力的には感じなかった。

【5段階評価】2

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2011年7月13日 (水)

(495) オールウェイズ

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】リチャード・ドレイファス、ホリー・ハンター、オードリー・ヘップバーン
【制作】1989年、アメリカ

死後に霊となって恋人を見守る男を描いたラブ・ファンタジー。

山火事専門の航空消防隊員であるピート(リチャード・ドレイファス)は、消火を優先するあまり、ガス欠になって墜落寸前に飛行場に戻ってくる命知らずの男。恋人のドリンダ(ホリー・ハンター)は、彼にはらはらさせられることが耐えられず、彼にそのことを真剣に告げる。最初は抵抗するピートだったが、消防訓練学校の講師の道を選ぶことを告げ、彼女を喜ばせる。
しかし、その日の山火事で、飛行中、エンジンに引火した仲間のアル(ジョン・グッドマン)を助けるため、無茶な急降下をしたことで、ピートの飛行機は爆発してしまう。気付くと、ピートは山火事の跡地にいた。そこでピートは、天使のような女性、ハップ(オードリー・ヘップバーン)に会う。ピートはハップから、自分が死んだことを教えられ、これからは生きている人に霊感を与える存在となるよう告げられる。
彼は、自分によく似た新米パイロットのテッド(ブラッド・ジョンソン)に飛行の手ほどきをすることになる。しかし、テッドのいる訓練学校にドリンダが現れ、テッドとドリンダが急接近するのを見て、胸が張り裂けそうになる気持ちを抑えることができなくなる。ハップにそのことを訴えるピートだったが、ハップはピートに対して、人に自由を与えることで自由になれるということを体感してほしいと伝える。
そんなとき、地上で消火活動をしていた部隊が、火に囲まれ、逃げ道を失うという事件が起きる。テッドは活路を開くために機材の準備を始めるが、そこに現れたドリンダが、自ら飛行機に乗り込み、アルの説得を無視して離陸してしまう。
ピートはドリンダの飛行機に乗り込み、彼女に霊感を与える存在となって助言をする。彼女は2回の消火剤の投下により、見事に部隊を救出する。しかし、彼女の機が、オイル切れで川底に沈んでしまう。みるみる水が入り込んでくるコクピットの中で、ピートのもとに行くことを覚悟するドリンダだったが、ふと横をみると、ピートが手を差しのばしている。その手をつかんだドリンダは、ピートに導かれ、水面にたどり着く。慌ててピートを探すドリンダだったが、ピートの姿はもはやどこにもなかった。
ずぶ濡れのまま無事に飛行場に帰り着いたドリンダは、心配して駆けつけたテッドのもとに駆け寄り、あつい抱擁を交わす。それを見ていたピートは、満足そうな笑みを浮かべ、彼らの元を立ち去るのだった。

亡くなった男が、まだ生きている恋人を守るという設定は、「ゴースト/ニューヨークの幻」とも似ている。ピートは、「ゴースト/ニューヨークの幻」のサムほど積極的に恋人にかかわるわけではないが、霊媒師のような存在を通じて人に語りかけるなど、似たような状況設定も使われていた。
本作では、名曲「煙が目にしみる(Smoke Gets In Your Eyes)」が、ピートとドリンダのお気に入りの曲として効果的に使われる。この曲を聴きながら、ドリンダがピートを思い出すように一人でダンスを踊り、ピートの霊がほほえみながら彼女のステップに合わせて踊るシーンは、美しく印象的。
ホリー・ハンターの男勝りな性格ながらも愛くるしい笑顔も見どころと言える。当時31歳にしては、ちょっとしわが目立つかな、とか余計なことを考えてしまったが。

【5段階評価】3

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2011年7月12日 (火)

(494) 幸せのちから

【監督】ガブリエレ・ムッチーノ
【出演】ウィル・スミス、ジェイデン・スミス
【制作】2006年、アメリカ

一文無しから富豪になった実在の男性、クリス・ガードナーの半生を描いた作品。

骨密度スキャナーのセールスマン、クリス・ガードナー(ウィル・スミス)は、商品が思うように売れず、妻にも出て行かれてしまう。クリスは、息子は自分が育てると主張し、証券会社のトレーダーの研修生に応募。たぐいまれな熱意で成功を勝ち取っていく。その一方で、無給の研修生の身である彼は、持ち金が底をつき、借家やモーテルからは追い出され、地下鉄のトイレで息子と寝るなど、どん底の生活になる。
それでも教会の宿泊所に寝泊まりしながら、ついに研修生20人に1つの席しかない、正社員の座を勝ち取る。

ウィル・スミスが、実の息子と共演したことでも話題となった作品。正式採用が決まったときのウィル・スミスの演技は感動的。息子のジェイデン・スミスは、「ベスト・キッド」でジャッキー・チェンを師匠として武術を習う少年の役も演じている。

【5段階評価】4

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2011年7月11日 (月)

(493) ヒトラーの贋札

【監督】シュテファン・ルツォビツキー
【出演】カール・マルコビックス、アウグスト・ディール、デーフィト・シュトリーゾフ
【制作】2007年、ドイツ、オーストリア

第二次世界大戦中のドイツが、米英の通貨偽造を企んだ事件を扱った作品。原作者は、本作の登場人物でもあるアドルフ・ブルガー。しかし作品は、ブルガーではなく、贋札作りの名人、サロモン・ソロビッチの視点で描かれている。

話は、ありあまる金を持ち、カジノで連戦連勝する男の回想として始まる。戦争ものでは定番のオープニングである。
この男は、紙幣や身分証偽造の名人、サロモン・ソロビッチ(カール・マルコビックス)だった。おとり捜査にひっかかって捕まった彼は、その後、ユダヤ人として強制収容所に入れられる。そこには、かつて彼を捕まえた警察官、ヘルツォーク少佐(デーフィト・シュトリーゾフ)がおり、彼に特別な任務を与える。それは、敵国の経済を混乱させるため、大量の贋札を作ることだった。彼は様々なユダヤ人の技術者が集められた収容所内の施設で、贋札作りに手を染めることになる。
いつ命を奪われるか分からない収容所にいて、彼らの待遇は特別だった。彼らは努力の末、ポンド紙幣の偽造に成功する。次の使命はドル紙幣の偽造だった。しかし、仲間の一人、アドルフ・ブルガー(アウグスト・ディール)は、贋札作りをサボタージュすることが、自分たちにできる唯一の抵抗だ、と告げ、ドル紙幣作りを妨害する。ヘルツォーク少佐は、贋札作りを急がなければ、技術者を殺すと脅す。焦った仲間達は、殉死者気取りのブルガーをドイツ軍に差しだそうとするが、ソロビッチは決して仲間の告げ口を許さない。贋札作りは間に合わず、もはやこれまでか、と思われたときに、ソロビッチはぎりぎり贋札作りを間に合わせ、ヘルツォークに完成品を差し出す。
その後、戦況が変わり、ドイツの敗戦が濃厚となる。贋札を手に逃げようとするヘルツォーク少佐を見つけたソロビッチは、彼につかみかかり、彼の銃を奪うが、結局、彼を見逃す。収容所はユダヤ人達の手によって解放される。

贋札事件を通じてユダヤ人の迫害を描いており、「戦場のピアニスト」と似た印象を持った。働きが悪いと射殺され、結核にかかると感染を防ぐために殺される。理不尽な殺戮が公然と行われる収容所の様子が、戦争の狂気を物語る。

【5段階評価】4

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2011年7月10日 (日)

(492) 劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル

【監督】堤幸彦
【出演】仲間由紀恵、阿部寛、松平健
【制作】2010年、日本

トリック 劇場版」、「トリック 劇場版2」に続く、トリック劇場版第3作。本作では、万練村(まんねりむら)を治める呪術師の後継者を選ぶ霊能力者バトルが舞台。

物理学者の上田(阿部寛)は、この村で子供の頃から嘘の呪術師を演じていた中森翔平(佐藤健)から、インチキ霊能力者を暴いてほしいと依頼される。一方、山田奈緒子(仲間由紀恵)は、村の財宝目当てに、霊能力者の一人として、バトルに参加する。
村には6人の霊能力者が集い、バトルが始まる。霊能力者の一人、伏見達郎(藤木直人)が、別の霊能力者、鈴木玲一郎(松平健)に呪い殺されてしまったのを皮切りに、相沢天海(戸田恵子)は毒蛇に噛まれ、また、杉尾園子(片瀬那奈)も、何者かに頭を殴られて死亡する。
残った3人のうち、翔平は、自分は霊能力者ではないと告白し、バトルから脱落。残ったのは奈緒子と玲一郎のみとなる。奈緒子は玲一郎に小屋に呼ばれるが、そこに火を放たれ、絶体絶命のピンチ。しかし、抜け道を発見して脱出すると、次々と玲一郎のトリックを見破っていく。

このくだらない映画をけっこう観てしまうのは、堅苦しくない軽快さ。仲間由紀恵が貧乳キャラを引き受ける辺りも見所。
この作品の最大の謎の一つは、翔平が棺桶に恋人の美代子(夏帆)を入れて断崖から棺桶ごと落とし、直後に美代子が現れるという手品のトリック。これが、推理ものでは典型的な禁じ手である双子落ち。双子である伏線も特になく、相変わらず推理ものとしては落第作品。しかし、それでもけっこう楽しく見ることができてしまうので、それはそれとした作品だと言える。
ただ、島崎俊郎のアダモステだけは、全く面白くなくて、勘弁してほしかった。

【5段階評価】3

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2011年7月 9日 (土)

(491) おとうと

【監督】山田洋次
【出演】吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井優
【制作】2010年、日本

できのわるい弟を持つ姉とその弟との交流を描いた作品。

薬局を営む未亡人、高野吟子(吉永小百合)は、一人娘の小春(蒼井優)を嫁に送り出そうとしていた。ところが、披露宴の日、酒癖が悪く、親戚に煙たがられていた吟子の弟、鉄郎(笑福亭鶴瓶)が突如現れ、晴れの席を台無しにしてしまう。
その後も、吟子は、鉄郎がつきあっていた女から借りて踏み倒したという130万の借金を肩代わりすることになる。それにもかかわらず、いつもの調子で姉の元に訪れた鉄郎に、ついに吟子は愛想を尽かし、縁を切ると告げる。
しかし、鉄郎がおかしな咳をしていたことに気づいた吟子は、小春に内緒で鉄郎の捜索願いを出していた。やっと見つかった鉄郎は、末期の癌で余命幾ばくもない状況だった。吟子は、施設に引き取られた鉄郎を訪ね、看病を続ける。哲朗は、最後は小春らに見守られながら息を引き取る。

吉永小百合の、いかにも映画という感じの芝居がかった口調が、少々気になった。また、関西弁と標準語が混ざるようにしゃべるのも、よくわからないタイミングで両方が入れ替わるので、意味があるのか、関西弁を覚えきれなかったのか、聞いていて中途半端な感じがした。
最後に、ひゅーひゅーと息をするだけの鉄郎は迫真の演技だったが、その手前では結構冗長な程しゃべったりしているところは、描写としては説明過多な感じがして、ちょっとしらけてしまった。

【5段階評価】2

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2011年7月 8日 (金)

(490) ロード・トゥ・パーディション

【監督】サム・メンデス
【出演】トム・ハンクス、タイラー・ホークリン、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグ
【制作】2002年、アメリカ

マフィアの世界に生きる男と、その息子の心の交流を描いた作品。

アメリカ、イリノイ州、ロックアイランドの地元の顔役、ジョン・ルーニー(ポール・ニューマン)。彼のもとで働くマイケル・サリバン(トム・ハンクス)には、愛する妻と、二人の息子がいた。厳格な父の仕事の真実に関心を持った長男のマイケル・サリバン・Jr(タイラー・ホークリン)は、父が仲間のコナー(ダニエル・クレイグ)とともに車で移動する際、車の中に忍び込む。
そこで彼は、コナーが自分たちの商売に疑いを持つ男を撃ち殺し、父もまた、マシンガンで護衛役を撃ち殺すところを目撃する。しかし、コナーとマイケルは、彼が現場をのぞき見していることに気づき、彼を捉える。マイケルは息子に、見たことを誰にも言うなと告げるが、コナーは、父親のジョンが自分の失態を重く見ていることを気に病み、口封じにマイケルの妻(ジェニファー・ジェイソン・リー)と次男のピーター(リアム・エイキン)を撃ち殺してしまう。マイケルは息子とともにジョンのもとを逃げだし、コナーへの復讐を誓う。
無能の息子、コナーと、有能な家族同様の部下、マイケルの選択に迫られるジョンだったが、結局は、シカゴの顔役、フランク(スタンリー・トゥッチ)の口添えもあり、腕利きの殺し屋、マグワイア(ジュード・ロウ)を雇い、マイケルを亡き者にする道を選ぶ。
マイケルは、マグワイアの追撃をかわし、自分の育ての親、ジョンを殺害。フランクの了解を得てコナーも葬る。
平穏を手にしたかに見えたマイケルだったが、息子とともに訪れた海沿いの家で、待ち伏せていたマグワイアの銃弾を浴びる。その音を聞きつけたマイケルの息子は、マグワイアに銃を向けるが、引き金を引くことができない。刹那、銃声が鳴り響き、マグワイアが倒れる。銃声をとどろかせたのは、最後の力を振り絞った、父親のマイケルだった。マイケルは、泣き崩れる息子の腕の中で息を引き取る。

印象的な静かな音楽にのって、殺しの世界に生きる男の悲劇が描かれ、見応えのある作品。
トム・ハンクスの、少々軽めなコメディ向けの声色が、若干気になりはするのだが、互いに殺し合うしかない絶望的な人間関係が、どうしようもなく単純な結末へと帰着していくところは見応えがあり、観る者に重くのしかかってくる。
いい映画だった。

【5段階評価】5

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2011年7月 7日 (木)

(489) ソフィーの世界

【監督】エリック・グスタブソン
【出演】シルエ・ストルスティン
【制作】1999年、ノルウェー

日本でもそこそこ評判になった哲学的ファンタジー小説、「ソフィーの世界」の映画化作品。

ノルウェーの中学生、ソフィー(シルエ・ストルスティン)は、ある日、「あなたは誰」と書かれた手紙を受け取る。別の日には「世界はどこから来た」と書かれた手紙が届く。彼女はそれをもとに、一つの作文を書き上げ、いつも厳しい学校の先生に賞賛の言葉をもらう。
ソフィーは、謎のビデオテープを受け取り、それを再生する。そこには、古代ギリシャからソフィーに語りかけるアルベルト・クノックス(トーマス・バン・ブロムセン)が映っていた。母親に隠れてそれを見たソフィーは、それを運んできた犬の後をつける。
犬の後を追うソフィーは、湖畔のあばら屋にたどり着く。そこからソフィーは、アルベルトとともに、過去の哲学の歴史をたどる時空の旅に出る。その旅を通じて、ソフィーは、自分自身が、国連軍に従事する少佐の小説の中に生きる登場人物の一人であるのではないか、ということに気づく。

ソクラテスやレオナルド・ダ・ビンチ、シェイクスピア、ロビン・フッドから怪傑ゾロまで、歴史上の人物が次々と現れるのが楽しいが、ファンタジーものというには、訳が分からなすぎて、かなり見ていてつらい映画だった。

【5段階評価】2

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2011年7月 6日 (水)

(488) ウォール街

【監督】オリバー・ストーン
【出演】チャーリー・シーン、マイケル・ダグラス
【制作】1987年、アメリカ

金融業界で成り上がろうとする若者の運命を描いた作品。

証券会社の一般顧客担当をしているバド・フォックス(チャーリー・シーン)は、やり手の実業家、ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)に取り入ろうと電話攻勢をかけ、彼の誕生日に葉巻をプレゼントしに、強引に面会を取り付ける。
バドはありったけの儲け話を披露するが、ゲッコーはことごとく「クズ株だ」と興味を見せる様子もない。「俺の知らない話はできないのか」とゲッコーに挑発されたバドは、自分の父親(マーティン・シーン)が勤める航空会社、ブルースター社の訴訟のインサイダー情報を伝える。それを機に、ゲッコーはバドに株の取引を依頼し、多額の儲けを手にする。
次にゲッコーは、ライバルの実業家、ワイルドマン(テレンス・スタンプ)に取り込んで、情報を得てくるよう、バドに依頼する。それは違法行為だとバドは拒否するが、ゲッコーは、内部情報なしに金儲けができるか、と悪びれる様子もなく、結局バドはその依頼を受ける。バドから得たワイルドマンの情報から、鉄鋼会社の株を買おうとしていると見抜いたゲッコーは、同じ株を買い上げ、高額でワイルドマンに買い取らせる。
次なる作戦として、バドは、父親の勤めるブルースター社の再建をゲッコーに持ちかける。ゲッコーは組合が鍵だと告げ、バドはゲッコーと父親を引き合わせるが、バドの父はゲッコーを金の亡者だと決めつけ、その場を立ち去る。
自分の顔を潰したと激怒するバドだったが、父親の考えは正しかった。バドを社長に据え付けたゲッコーは、ブルースター社を細切れにして売却する手はずを整えていたのだ。バドはゲッコーのオフィスに怒鳴り込むが、ゲッコーは「売れるものは売る」と真っ向からバドに対立。激高したバドは、ゲッコーを裏切り、ワイルドマンに再建に協力してほしいと告げる。バドとワイルドマンは、かつてゲッコーが行ったように、市場がブルースター社の株の買い占めに動くよう仕向け、価格をつり上げさせると、一転して売りに走る。買い手のないブルースター社の株は暴落し、そこでワイルドマンが一気に株を買い占めた。かくして、ブルースター社は解体の危機を免れる。
しかし、バドはインサイダー取引の罪で逮捕される。連行されるときのバドの悔し泣きの表情が印象的。その後、バドはゲッコーに呼び出され、裏切ったことで殴られる。しかし、このときの彼の台詞はレコーダーに録音されており、彼の過去の仕手工作の証拠となるのに十分な内容だった。

やり手の実業家(この手のマネーゲームに手を染める者については「虚業家」と揶揄する向きもあるが)をマイケル・ダグラスが熱く演じており、演技力はさすが。チャーリー・シーンも、富と権力に憧れる若手の野心家を好演している。

【5段階評価】4

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2011年7月 5日 (火)

(487) マラドーナ

【監督】エミール・クストリッツァ
【出演】ディエゴ・マラドーナ、エミール・クストリッツァ
【制作】2008年、スペイン、フランス

伝説的サッカー選手、ディエゴ・マラドーナの半生を追ったドキュメンタリー。

彼の選手としての活躍ぶりというよりは、彼の反米・反英思想や、カストロ議長やチェ・ゲバラへの傾倒など、彼の政治観、人生観のインタビューが中心である。

それはそれで一つの作品ではあるが、自分にとって、マラドーナはサッカーのスーパースターなのであり、政治家でも革命家でもないのであって、であるからには、やはり内容としては、スーパーゴールを決めたとき、何を考えていたのかとか、そういうことをもっと描いて欲しかった。
ただ、マラドーナ自身が歌う歌や、エンディングで二人のストリートミュージシャンが歌う歌など、挿入歌はよかった。

【5段階評価】2

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2011年7月 4日 (月)

(486) シックス・デイ

【監督】ロジャー・スポティスウッド
【出演】アーノルド・シュワルツェエネッガー、トニー・ゴールドウィン
【制作】2000年、アメリカ

クローン技術が進化した社会を描いた近未来サスペンス。

ツアー会社でヘリの操縦士を勤めるアダム(アーノルド・シュワルツェエネッガー)は、いつものように、相棒のハンク(マイケル・ラパポート)とともにスノーボード客の送迎をこなしていた。そこに、クローン企業のドラッカー(トニー・ゴールドウィン)をスキー場に運搬する依頼が来る。アダムの指名があったが、用事があったため、ハンクが「代わりに行ってやる。アダムだって言えばばれないから」と、代役を引き受ける。しかし、そのヘリが何者かに襲われる。
一方、アダムは、クローン技術によりペットをよみがえらせるサービス、「リペット」で、死んだ飼い犬を復活させるか、迷っていた。彼はペットのクローン化には反対だったのだ。店にまでは行くものの、決めあぐねて家に戻ると、復活した飼い犬が元気に走り寄ってきた。妻のナタリー(ウェンディ・クルーソン)の仕業だな、と思って家に入ろうとすると、中には、家族と誕生パーティを楽しんでいる自分の姿があった。呆然とするアダムに、怪しい男女が語りかけてくる。自分を亡き者にしようとしていると気付いたアダムは、車を使って逃走する。家にいたのが自分のクローンであると気付いたアダムは、ハンクの元を訪れるが、ハンクもまた、謎の組織に襲われ、殺されてしまう。
事件の黒幕はドラッカーだった。彼は、「6d法」で禁じられている人間のクローンを作り、自分の気に入った人物だけを生き続けさせる世界をつくろうとしていた。
アダムの妻と娘を人質に取り、アダムを捉えたドラッカーは、アダムのクローンがいる理由を教える。ドラッカーは、暗殺された自分をよみがえらせると同時に、ヘリの運転をしていたハンクをよみがえらせようとした。しかし、ハンクがアダムだと名乗っていたため、アダムのクローンを作ってしまったのだった。さらに、今まで敵と戦っていたアダムの方がクローンで、家でパーティをしていたのがオリジナルのアダムであることを告げる。
ショックを受けるアダムだったが、オリジナルの自分と投合し、ドラッカーの組織を壊滅させる。平穏を取り戻したアダム一家を残し、クローンのアダムは、一人、南米に旅立つことを決意するのだった。

トータル・リコール」や「ターミネーター」のような、比較的大味な特撮ものの出演が多いシュワちゃんだが、本作の未来社会は都会的でスタイリッシュである。話が少々複雑で、ちょっと中盤だれるような感じもあったが、近未来の造形やクローン技術の映像がよくできていて、楽しめた。ただし、女の子に人気という、生身に近い人形は、なんでこんなもの人気があるの、というぐらい気持ち悪くて、B級ホラー的な悪趣味感を漂わせていた。
トニー・ゴールドウィンは、「ゴースト/ニューヨークの幻」で、主人公と敵対する悪役、カールを演じた俳優。

【5段階評価】4

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2011年7月 3日 (日)

(485) 水の中のつぼみ

【監督】セリーヌ・シアマ
【出演】ポーリーヌ・アキュアール、アデル・ヘネル、ルイーズ・ブラシェール、ワレン・ジャッカン
【制作】2007年、フランス

シンクロナイズド・スイミングを学ぶ少女達の性へのあこがれとおびえを描いた作品。

きゃしゃな体型のマリー(ポーリーヌ・アキュアール)は、肥満体のアンヌ(ルイーズ・ブラシェール)と友だちだった。シンクロナイズド・スイミングを習っているアンヌの競技会の見学に来たマリーは、大人びた色気を放つフロリアーヌ(アデル・ヘネル)に惹かれる。
自分の体型に自信のないアンヌは、みんなが帰ってから着替えようとするが、その全裸の姿を男子生徒のフランソワ(ワレン・ジャッカン)に見られてしまう。アンヌはフランソワをファースト・キスの相手に定め、パーティに出席するが、フランソワはフロリアーヌと恋人同士のようだった。
フロリアーヌにあこがれたマリーは、何でも言うことを聞くから練習を見学させてほしいとフロリアーヌに頼み込み、練習に顔を出すようになる。そんなマリーにフロリアーヌは、フランソワとのデート、というより明らかに性行為目的の密会のような場に同行するよう頼む。フロリアーヌに愛想をつかすマリーだったが、フロリアーヌは性行為に臆病で、まだ処女だった。それを知ったマリーは、フロリアーヌと仲よくなり、万引きに自分をつきあわせるアンヌに「デブ」と罵声を浴びせ、アンヌのもとを去る。
フロリアーヌは、フランソワに処女と思われたくない一心で、マリーに処女を奪ってほしいと告げ、一度は断ったマリーも、「明日、彼が家に来るの」と告げたフロリアーヌの困った様子を見て、その手伝いをする。しかし結局、フロリアーヌはフランソワを拒絶してしまい、行き場のない衝動を抑えきれないフランソワは、自分にネックレスをプレゼントしてきたアンヌの家を訪ね、彼女と性行為に至る。
翌日、フランソワに無人の部室へと招き入れられるアンヌだったが、彼女もまた、「君を好きかもしれない」と告げてキスを迫るフランソワにつばを吐き捨て、立ち去ってしまう。
不仲になったマリーとアンヌだったが、夜のプールに服のまま飛び込み、無言で水面に浮かぶのだった。

ストーリーはそれほど意味不明というわけではなく、思春期の少女の揺れ動く気持ちが印象的に描かれている。しかし、あまり抑揚なくクライマックスを迎え、よくわからないオチで終了する辺りは、フランス映画っぽいといえばぽいが、何とも消化不良だった。

【5段階評価】2

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2011年7月 2日 (土)

(484) バニラ・スカイ

【監督】キャメロン・クロウ
【出演】トム・クルーズ、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス
【制作】2001年、アメリカ

1997年の映画、「オープン・ユア・アイズ」のリメイク。自動車事故に遭った若者の記憶を巡るサスペンス。

両親の事故死により、出版社の経営を引き継ぎ、若くして巨額の資産を得たデビッド(トム・クルーズ)。ある日、親友のブライアン(ジェイソン・リー)が連れてきた女性、ソフィア(ペネロペ・クルス)と恋に落ちる。
しかし、それがデビッドをストーカーのようにつけ回していたジュリー(キャメロン・ディアス)の怒りを買う。ジュリーはデビッドを乗せたまま、時速130kmで橋の欄干を突破し、無理心中を図る。一命をとりとめたデビッドだったが、あごの骨がくだけ、無残な顔になってしまう。
その頃から、デビッドは、現実と夢の境界が曖昧になっていく。一方で彼は、殺人の容疑もかけられている。殺人に関する事情聴取と、ソフィアとの思い出が交錯しながら話は進んでいく。
実はデビッドは、顔の復元の技術を待つため、人体の冷凍保存を施術されていた。冷凍保存の間に夢を見ることのできるオプションサービスを取り入れたため、冷凍保存されている間に、自分に都合のよい夢を見ていたのだった。
夢から覚めるため、ソフィアに別れを告げ、高層ビルの屋上から飛び降りるデビッド。走馬燈のように思い出がよぎり、再び目覚めを告げるささやきが聞こえるところで映画は終わる。

俳優陣は豪華であるが、内容は分かりづらく、ピンとこなかった。サスペンスものは、「そういうことだったのか! 」という明快な謎解きがないと、モヤモヤして楽しくない。一応、ペネロペ・クルスのおっぱいが拝めるのは見所かもしれない。

【5段階評価】2

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2011年7月 1日 (金)

(483) 007 ダイ・アナザー・デイ

【監督】リー・タマホリ
【出演】ピアース・ブロスナン、ハル・ベリー、トビー・スティーブンス
【制作】2002年、イギリス

007シリーズ第20作。

今回のジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)の敵は、太陽光を使った人工衛星兵器を開発したダイヤモンド長者、グスタフ・グレーブス(トビー・スティーブンス)。
冒頭、007は北朝鮮のムーン大佐(ウィル・ユン・リー)に接近し、彼を葬るが、自分自身はつかまってしまう。長い監禁生活ののち、人質交換でイギリスに戻るが、スパイに関する情報を流したと疑われ、M(ジュディ・ディンチ)から諜報員としてのライセンスを剥奪される。
ボンドは汚名をすすぐため、病院を抜け出すと、自分と交換された北朝鮮の残忍な諜報員、ザオ(リック・ユーン)の行方を追って、キューバに向かう。ボンドはそこで、NSAの諜報員、ジンクス(ハル・ベリー)と出会う。
ボンドはザオの潜伏先に忍び込むが、ザオに逃げられる。彼の残したダイヤモンドから、ダイヤモンド王のグスタフ・グレーブスが黒幕だとにらんだボンドは、彼に接近する。グスタフはフェンシングでオリンピックを目指すほどの身体能力を持っており、フェンシング対決を挑んだボンドと互角の戦いを繰り広げる。しかし、グスタフと思われていた男は、DNA移植技術によってよみがえったムーン大佐だった。彼は太陽光を集めて殺戮光線に変化させる人工衛星兵器を開発していた。グスタフのもとにいたオリンピック金メダリスト、ミランダ・フロスト(ロザムンド・パイク)は、MI6の諜報部員だったが、彼女はグスタフに寝返っていた。ムーン大佐とフロストの野望を打ち砕くため、ボンドとジンクスは、彼らの乗った飛行機に乗り込み、彼らを倒す。二人は墜落寸前の飛行機から、搭載されたヘリに乗り込み、脱出に成功する。

透明になるボンド・カーや、防弾ガラスを一瞬で粉砕する超音波指輪といった秘密兵器も楽しく、いかにも007シリーズらしい作品。ハル・ベリーの登場シーンなど、過去の作品のオマージュがふんだんに盛り込まれており、ファンには楽しいだろう。ただ、自分としては、よくも悪くもないという印象だった。

【5段階評価】3

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