(506) エイリアン
【監督】リドリー・スコット
【出演】シガニー・ウィーバー、トム・スケリット、イアン・ホルム
【制作】1979年、アメリカ
異星の生物の襲撃を描いたSFパニックホラーの金字塔的作品。
貨物船、ノストロモ号で冷凍睡眠中だった乗組員が、船のマザーコンピュータに起こされる。理由は、生命の存在を暗示するビーコンだった。会社の規則に則り、乗組員が調べに行く。その中の一人、ケイン(ジョン・ハート)は、卵のような物体を見つけ、それに接近する。卵の殻の中で何かが動いているのを目にするやいなや、急にその生命体が卵から飛び出し、彼に襲いかかる。
カブトガニのようなその生命体は、ケインの顔に張り付いたままになる。船長のダラス(トム・スケリット)や科学者のアッシュ(イアン・ホルム)が、それを外そうとするが、血液が強酸性で手を出せない。やがて、顔に張り付いた生命体は死亡し、ケインは回復したかに見えた。
ところが、快復後の食事中、ケインは急に苦しみだす。常軌を逸する悶絶のあと、彼の腹を突き破って、ヘビのような謎の生物が現れ、逃げ去ってしまう。ケインは死亡し、宇宙葬にされる。残された乗組員達は、逃げた生物を探すが、それは強大な力を持ったエイリアンとなり、乗組員を一人、また一人と葬っていく。
しかし、科学者のアッシュは、なぜかリプリー(シガニー・ウィーバー)たちがエイリアンを船外に放出しようとするのを阻止するようになる。マザーコンピュータには、生命体を保護することが乗組員の安全より優先的な指令として登録されており、アッシュはエイリアンを地球に連れ帰る使命を帯びたアンドロイドだったのだ。しかし、アッシュは暴走してしまい、リプリーに襲いかかる。そこに現れたパーカー(ヤフェット・コトー)が、アッシュの顔を殴りつけてアッシュを倒す。アッシュの頭部は、胴体からはずれてしまう。
残された3人は、シャトルで脱出しようとするが、パーカーとランバード(ベロニカ・カートライト)もエイリアンに殺される。只一人、シャトルに乗り込んだリプリーだったが、エイリアンもまた、いつのまにか脱出用シャトルに入り込んでいた。リプリーは恐怖を歌で紛らわせながら、エイリアンを船外に放出することに成功する。
顔にへばりつく、カブトガニのような生命体のリアリティはみごとで、本当にこういう生物が宇宙にいるのではないかと思わせる。人間に寄生し、腹を突き破って誕生する無慈悲さも衝撃的であり、黒光りするエイリアンや、白い液体をまき散らして暴走するアンドロイドの造形も出色のでき。音楽は少々古めかしいが、それを除けば現在でも十分通用する素晴らしい作品である。
【5段階評価】5
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