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2011年6月 5日 (日)

(457) アキレスと亀

【監督】北野武
【出演】ビートたけし、樋口可南子
【制作】2008年、日本

絵の好きな少年、真知寿(まちす)(吉岡澪皇)。父親が倒産を理由に自殺、母親も後を追う。母親の弟(大杉漣)の家に世話になるが、気性の激しい弟には好かれず、施設に入れられる。画家を志し、作品ができては画商(大森南朋)のもとを訪ねるが、言いたい放題の非難を受け、まともな絵も取り上げられてしまう。
中年になった真知寿(ビートたけし)。画商の無責任なアドバイスを真に受け、妻の幸子(樋口可南子)と不条理な作品を作り続ける。真知寿の暴走はエスカレートし、自動車事故に遭って血まみれになった男を描いたり、亡くなった娘の顔に口紅を塗りたくったり。ついに幸子は真知寿のもとを去ってしまう。
ついにはわらを敷いた小屋に火を放ち、その中で火にくるまれたキャンバスに絵を描くという暴挙に出る。一命を取り留め、包帯でぐるぐる巻きになった状態で病院を出たところ、錆びた空き缶を見つける。真知寿はそれをフリーマーケットで20万円で売りに出す。誰も見向きもしないが、そこに客が来る。幸子だった。幸子が優しい声で、「かえろ」と告げると、真知寿は素直に幸子に連れられて行く。

序盤の不遇な少年時代は、まだまともな展開なのだが、中盤の青年時代から狂気が見え始め、訳が分からなくなってくる。後半の、絵の具を飛ばしたり、自転車でインキをたらしたりするあたりでは、「これは訳が分からないわ」と、早い終了を願っていたのだが、最後の幸子の台詞で、「ああ、この映画はこのシーンのためにあったのか」と救われた気分になった。この感情は、「ストーリー・オブ・ラブ」とも似ていた。
この締めがなければ、評価は1になっていたかもしれない。

【5段階評価】2

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