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2011年5月

2011年5月31日 (火)

(452) ジャンパー

【監督】ダグ・リーマン
【出演】ヘイデン・クリステンセン、サミュエル・L・ジャクソン、レイチェル・ビルソン
【制作】2008年、アメリカ

特撮を駆使し、瞬間移動能力を持った若者、ジャンパーと、それを追う組織、パラディンとの闘いを描いたSFアクション。

高校生のデビッド(ヘイデン・クリステンセン)は、凍った川に転落し、おぼれてもがいた瞬間、図書館に瞬間移動する。ジャンパーとしての自分の能力に気づいた彼は、銀行の金庫室から大金をせしめる。
高校時代から好きだった女性、ミリー(レイチェル・ビルソン)と、イタリア旅行に出かけた彼は、そこで、別のジャンパー、グリフィン(ジェイミー・ベル)と出会う。そこに、ジャンパーの抹殺を使命としているパラディンの集団が登場する。リーダーのローランド(サミュエル・L・ジャクソン)は、電気ショック状態ではジャンプができないことを知っており、ジャンパーを捕獲する装置を使って、彼らをとらえようとする。
デビッドは、グリフィンにチームを組もうと誘い、ローランドとの闘いに挑む。ミリーを人質に取られたデビッドは、ローランド達がいることを承知でミリーの部屋にジャンプすると、そこから部屋ごと川の中にジャンプ。ローランドを断崖絶壁の洞穴に放置することに成功する。
ローランドの追撃を逃れたデビッドは、デビッドが5歳の時に失踪した母親、メアリー(ダイアン・レイン)のもとを訪ねる。メアリーもまた、ジャンパーを葬るパラディンだったのだ。彼女は息子を愛するあまり、息子を殺すか自分が失踪するかの選択を迫られ、デビッドのもとを去ったのだった。二人は親子としての抱擁を交わしたのち、別々の道を歩むこととなる。

独特の特撮映像が魅力。日本も撮影地に選ばれ、瞬間移動しながらのドライブシーンがある。
ほかにも、ロンドンの時計台に立ったり、エジプトのスフィンクスの頭の上でくつろぐなど、印象的なシーンが楽しい。
続編もあるようだが、特撮を除けば、ストーリーとしてはそれほど感動的というわけではなかった。

【5段階評価】3

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2011年5月30日 (月)

(451) ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

【監督】松山博昭
【出演】戸田恵梨香、松田翔太、吉瀬美智子
【制作】2010年、日本

甲斐谷忍の漫画、「LIAR GAME」の映画版。内容はテレビドラマの続編になっている。

ゲームに参加するのは11人。赤、銀、金のリンゴを投票し、全員が赤なら全員1億円勝ち、そうでない場合は赤が1億円負けで銀か金が1億円勝ち。赤がいなければ銀か金の多数決。
すぐに他人を信じ込む「バカ正直」の神崎直(戸田恵梨香)は、全員が赤を投票すればいいと持ちかけるが、投票結果は金3、銀4、赤4。そこから泥沼の騙し合いが始まる。
詳細は書かないが、少々複雑なルールながら、秋山(松田翔太)をはじめ、登場人物がていねいに解説をしてくれるため、話は比較的分かりやすい。
つっこみどころはあるものの、素直に見ればけっこう楽しめ、最後もオチは読めたが、ちょっとした爽快感も味わえた。

戸田恵梨香がかわいくて、それだけでも観る価値があるかもしれない。松田翔太はちょっとキザすぎるけれども、相手を騙してなぎ倒していくさまは、なかなか快感。

【5段階評価】4

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2011年5月29日 (日)

(450) ヤングガン

【監督】クリストファー・ケイン
【出演】エミリオ・エステベス、キーファー・サザーランド、ルー・ダイアモンド・フィリップス
【制作】1988年、アメリカ

若い無法者たちを描いた西部劇。

アメリカに渡った英国紳士のタンストールは、血気盛んな若者を用心棒として集め、育てていた。
タンストールの商売敵のマーフィー(ジャック・パランス)は、商売の邪魔になったタンストールを惨殺。復讐に燃える若者達は、臨時保安官となる。しかし、血の気の多いビリー(エミリオ・エステベス)は、逮捕すべき相手を問答無用に撃ち殺してしまい、逆に彼の首に賞金がかかってしまう。ビリー・ザ・キッドの誕生である。
リーダー役だったブリュワー(チャーリー・シーン)が賞金稼ぎに撃ち殺されてしまうと、ビリーが集団を率いるようになる。仲間達は、狂気じみたビリーに躊躇しつつも、強引な彼に従っていた。
彼らの味方となっていた弁護士のアレックスがマーフィーに殺されるという情報が入り、ビリー達は家に向かうが、そこにマーフィーの一味が大挙して現れ、彼らを取り囲み、激しい銃弾を浴びせる。家に火を放たれ、絶体絶命の中、彼らは決死の脱出を試み、ビリーとドク(キーファー・サザーランド)、チャベス(ルー・ダイアモンド・フィリップス)は何とか脱出し、スティーブ(ダーモット・マルロニー)とチャーリー(ケーシー・シマスコ)、弁護士のアレックスは帰らぬ人となる。

無謀な若者が生き急ぐ様は、アメリカン・ニューシネマのような香りも漂う。あまり西部劇っぽくない音楽も使われている。
キーファー・サザーランドは、「24 -TWENTY FOUR-」のジャック・バウアー役でおなじみの俳優。「ザ・センチネル/陰謀の星条旗」にも出演している。
エミリオ・エステベスは、本作にも出演しているチャーリー・シーンの兄である。

【5段階評価】3

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2011年5月28日 (土)

(449) バッテリー

【監督】滝田洋二郎
【出演】林遣都、山田健太、天海祐希
【制作】2007年、日本

中学軟式野球に打ち込むバッテリーの友情と、家族愛を描いた作品。

軟式野球のエース、原田巧(林遣都)は、中学入学を前に地方に引っ越し、そこで少年野球のキャッチャーをしている長倉豪(山田健太)に出会う。病弱な弟を持ち、愛想のない性格の巧に対して、豪は人付き合いのいい優しい性根の男。巧みの剛速球を受け止めることができた豪は、巧の女房役となる。
二人は中学で同じ野球部に入るが、坊主頭にもせず、レギュラーを勝ち取った巧に、上級生は用具室で暴行を加え、顧問の戸村(萩原聖人)にも怪我をさせてしまう。
校長に野球を取り上げられた巧らをみて、戸村は、地元の競合チームとの練習試合を実現させる。
相手チームのスラッガー、門脇(渡辺大)との対戦で、さらなる潜在能力を開花させた巧だったが、豪はこの球をとれない。二人の信頼関係はゆらぎ、練習にも出なくなってしまう。
しかし、仲間達の計らいで二人は信頼関係を取り戻し、豪はついに巧の球を受け止めることができるようになる。
そんなとき、弟の病状が悪化し、病院に運び込まれる。母親の真紀子(天海祐希)は、弟に野球をさせた巧を責めるが、父の広(岸谷五朗)は、巧の野球は祈りだ、野球のできない弟の代わりに野球をしているんだ、と告げ、真紀子はようやく、心から巧の野球を応援しようと誓う。
弟の病室から球場に向かう巧。豪たちは遅れてきた巧を温かく迎え、巧はマウンドに立つ。巧との対戦を心待ちにしていた門脇に剛速球を投げ込むと、「たくみーっ! 」という応援の声が。巧が目で追うと、そこには力一杯手を振る母親、真紀子の姿があった。
巧が、豪に向かって渾身の一投を投げ込むところで映画は終わる。

キャッチャーの豪がいい人過ぎるのと、巧がぶっきらぼうすぎるのに、多少、不快な感じもあったのだが、後半の母親のシーンではぐっと来た。
林遣都は、「ラブファイト」でも主役を演じており、線の細い愛らしい顔をしている割には、スポーツをテーマにした作品への出演が目を引く。

【5段階評価】4

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2011年5月27日 (金)

(448) インヴィンシブル 栄光へのタッチダウン

【監督】エリクソン・コア
【出演】マーク・ウォールバーグ、エリザベス・バンクス、グレッグ・キニア
【制作】2006年、アメリカ

実在のアメフト選手、ビンス・パパーリの成功譚。

地元のアメフトチーム、フィラデルフィア・イーグルスを応援するビンス・パパーリ(マーク・ウォールバーグ)。イーグルスは、かつては華々しい戦績を誇っていたものの、今では全く勝てない弱小チームに成り下がっていた。
イーグルスに新コーチとして赴任したディック(グレッグ・キニア)は、一般人も交えた入団テストを行うと宣言する。失職中のパパーリは、30歳という自分の年齢にも悩んだがテストを受け、たぐいまれな脚力を買われて、ただ一人、仮入団が決定する。
パパーリは、地元ではヒーローとしてたたえられるが、プロ選手からは、俺たちの職場を取るな、と責められ、忍耐の日々を送る。そんな彼のやすらぎとなったのが、バイト先のバーに新たに働きに来たジャネット(エリザベス・バンクス)だった。
パパーリは、最後までキャンプに耐え、ついに正式入団を果たす。初戦は落とすが、相手が突っ込んでくるか引くか、体重を掛けている指の色で判断しろ、という同室のベテランのアドバイスを生かし、見事な勝利を収める。

試合のシーンはあまり多くなく、巧みな戦略で勝利をものにするというような興奮を味わえるのは最後のシーンだけであるが、実話に基づいているところが、感動を呼ぶ。
マーク・ウォールバーグは、「PLANET OF THE APES/猿の惑星」や「ザ・シューター/極大射程」でも主役を演じている。
エリザベス・バンクスは、「スパイダーマン」シリーズで、新聞社の社長秘書を演じている女性。「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」や「スウェプト・アウェイ」にも出演している。

【5段階評価】3

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2011年5月26日 (木)

(447) クワイエットルームにようこそ

【監督】松尾スズキ
【出演】内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう、大竹しのぶ
【制作】2007年、日本

精神病棟に入れられたフリーライターの女性に起こる事件を描いた作品。

フリーライターの佐倉明日香(内田有紀)は、ある日突然、五点拘束されて病室のような個室に入れられていることに気づく。
明日香は看護師の江口(りょう)に、OD(オーバードーズ)、すなわち睡眠薬の大量摂取により病院に運ばれたのだと聞かされる。そこは、女性専用の精神病院だった。
明日香は、仕事のストレスでつい酒と睡眠薬を併用してしまっただけだから、原稿の締め切りもあるので病院を出たいと江口に訴えるが、彼女は、保護者の許可がないと退院できないとにべもない。見舞いに来た夫の焼畑鉄雄(宮藤官九郎)は、自分が帰宅すると、明日香が睡眠薬と酒を同時に服用して倒れていたと告げる。
病院は、精神を病んだ個性的な患者の巣窟だった。鉄雄は、「進め電波少年」のような体当たり番組の罰ゲームで海外に突然行かされてしまったため、明日香はいらだちを抑えながら、精神病院の中での生活を送ることになる。その中で明日香は、もうすぐ退院を迎えようという栗田(中村優子)や、拒食症を治療しているミキ(蒼井優)と打ち解けるようになる。
しかし、患者にテレカやたばこを高額で売りつける過食症患者の西野(大竹しのぶ)が、明日香にまとわりつくようになる。無神経な西野は、鉄雄が明日香に宛てた手紙を見つけ、それを他の患者や看護師に聞こえるように読み上げてしまう。そこには、彼女が入院に至った本当の理由が示されていた。
彼女は、夫に別れを告げられていた。そして彼女は、本当に自殺しようとしていたのだった。苦しい胃洗浄を終えた彼女は、「死なせてください」とつぶやいたのだった。
つらい事実を知った明日香は、ようやく病院に来た鉄雄と話し合って離婚の決意を固め、病院を出る。

映画の冒頭では、明日香が、白濁した液体の入った大きいビーカーを腰に抱えて、仏壇の上に仁王立ちになり、それを下から看護師と医者が見上げ、「あーあ、ゲロでうがいしちゃってるよ」とつぶやいたりするので、不条理ギャグのコメディか、と思わせるのだが、このシーンは、決して不条理ではなく、一つ一つの小道具に意味があることが後半明かされる。いわばこのシーンは、推理小説で言えば、冒頭で読者に示される魅力的な謎となっている。
この謎が明かされるときの衝撃は、かなりのものだし、病院の中でまともだと信じていたミキが、トイレの個室から出てきて明日香につぶやく台詞(明日香とおんなじだよ。まともなのにここにいる。システムが悪いだけ。・・・ホントホント・・・)や、けたたましく笑う西野の表情、まともだと思っていた栗田が再び自殺を図って病院に担ぎ込まれるシーンなど、ホラー映画のようなぞっとするような怖さも同居する、見応えのある作品だった。

【5段階評価】4

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2011年5月25日 (水)

(446) ビッグ

【監督】ペニー・マーシャル
【出演】トム・ハンクス、エリザベス・パーキンス
【制作】1988年、アメリカ

12歳の少年、ジョシュ(デビッド・モスコー)は、大人に憧れ、邪教の教祖のような人形の口にコインをうまく投下させると、願いが叶うという遊園地のコインゲームで、「大人になりたい」と願いごとを言う。ゲーム機からは「願いは叶えられた」というカードが出てくる。
翌日、ジョシュが目覚めると、体が大人(トム・ハンクス)になっていることに気付く。ジョシュは母親に訳を話そうとするが、母親は、ジョシュの誘拐犯と思い込んで半狂乱になってしまう。ジョシュは次に、友人のビリー(ジャレッド・ラシュトン)に会う。ビリーも最初はパニックになるが、二人しか知らない歌を歌うジョシュを見て、彼を信用し、体が元に戻るまで、ホテル暮らしをするよう薦める。
ビリーは、ジョシュに何か仕事をさせようとし、二人でおもちゃ会社の面接に行く。ジョシュは欠員補充として採用される。
ある日、ジョシュがデパートのおもちゃ売り場で、別の子と一緒に遊んでいると、おもちゃ会社のマクミラン社長(ロバート・ロッジア)に会う。無邪気なジョシュは、おもちゃに対して、子どもの視点で忌憚のない意見を言い、社長はそれに感心する。床に敷かれた、脚で踏み鳴らすオルガンで、社長とジョシュが二人で曲を奏でて意気投合するシーンは、本作で最も印象的な場面で、胸が熱くなるような感動がある。
おもちゃの開発に抜群のセンスを見せるジョシュは、あっという間に会社の重役となり、職場の女性、スーザン(エリザベス・パーキンス)と恋に落ちる。
スーザンに自分の秘密を告げられずにいたジョシュだったが、ある日、意を決して自分が本当は13歳の子どもであることを告白する。しかしスーザンは、ただの別れ話ととらえてしまう。
その頃、ビリーは、ジョシュとともに探していた、遊園地のコインゲームの設置場所の情報を入手し、ジョシュにその情報を手渡す。大人の世界で多忙を極め、新たな商品開発をスーザンと行っていたジョシュだったが、社内プレゼンを抜け出し、コインゲームの設置された公園に赴くと、「子どもに戻りたい」と願いを告げる。
スーザンもジョシュを追って公園に訪れ、ジョシュの告白が真実だったことを知る。スーザンは車でジョシュを彼の家まで送る。車を降りて家に向かうジョシュは、いつのまにか、ぶかぶかのスーツを着た13歳の少年に戻っていた。しばし見つめ合う二人だったが、ジョシュは過去を振り切るように、家の中に駆け戻っていくのだった。

トム・ハンクスの出世作とも言える作品。
ジョシュが子どもの視点で、大人がへりくつをこねて編み出した新商品を「どこがおもしろいの」と一刀両断にしてしまうシーンは痛快。小難しい理屈はなく、素直に楽しめる。

【5段階評価】4

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2011年5月24日 (火)

(445) イノセンス

【監督】押井守
【出演】大塚明夫(声)、山寺宏一(声)
【制作】2004年、日本

「攻殻機動隊」の映画版。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の続編。

近未来において、少女型の人形が、人間を惨殺し、最後に自殺するという事件が起きる。バトー(大塚明夫)は、トグサ(山寺宏一)を相棒に、事件に挑む。
最後は大量の少女人形の攻撃をかわしつつ、その一体に草薙素子(田中敦子)の精神がインプットされており、この人形とともに人形製造マシンの暴走を止め、事件を解決する。

本作のストーリーはなかなか難解であるが、アニメーションとCGの両方を使いながら、高質かつ斬新な映像が次々と映し出され、そこに重厚な音楽が合わさり、かつて体験したことのないような空間が展開する。
個人的には、ホラー映画のような戦慄も時々感じた。一方で、ストーリーが希薄で環境映像的な印象もあった。

【5段階評価】3

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2011年5月23日 (月)

(444) グッドナイト&グッドラック

【監督】ジョージ・クルーニー
【出演】デビッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー
【制作】2005年、アメリカ

1950年代のアメリカで起こった、マッカーシー議員による共産主義者の告発、いわゆる「赤狩り」を描いた作品。

テレビの報道番組、「シー・イット・ナウ」のキャスター、エド・マロー(デビッド・ストラザーン)は、ある空軍隊員が、父親と娘が共産党員だという理由で解雇されたことを知り、マッカーシー議員による悪質な赤狩りに異を唱える。当時は皆が赤狩りに巻き込まれるのを恐れ、マッカーシー議員の主張に反論する者はいなかったが、エド・マローの番組は賞賛を受ける。
しかし、テレビの娯楽化・大衆化の波を受け、マローの番組もそのあおりを受ける。危機感を覚えるマローは、パーティで、テレビ番組に対する危機感をあらわにする。

エド・マローを支える男、フレッド・フレンドリーをジョージ・クルーニーが、社内で極秘結婚をしながら番組を支える男、ジョー・ワーシュバを、「アイアンマン」のロバート・ダウニー・Jr. が演じている。

全編モノクロ。たばこを片手に語るキャスターを演じたデビッド・ストラザーンの渋い語り口がみどころ。マッカーシー議員の反論部分などは、当時の映像をそのまま使っている。
渋いと言えば渋いが、あまり映画っぽい派手さはなく、時間も93分と短い。

【5段階評価】2

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2011年5月22日 (日)

(443) ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜

【監督】志水淳児
【出演】田中真弓(声)、大谷育江(声)、野沢雅子(声)
【制作】2008年、日本

「ONE PIECE」劇場版第9作。
トニートニー・チョッパーが仲間になるエピソードを、原作とは多少異なる設定で映画化している。

海賊船で移動中のルフィ(田中真弓)たち。航海士のナミ(岡村明美)が高熱で倒れたため、近くの島に訪れる。島に唯一の医者、Dr.くれは(野沢雅子)はナミに治療を施す。
Dr.くれはには弟子がいた。ヒトヒトの実を食べ、人間の能力を身につけたトナカイ、チョッパーだ。ルフィはチョッパーと一方的に仲良くなり、一緒に遊ぼうとする。
そんなとき、島を支配するワポル(島田敏)とその兄のムッシュール(みのもんた)が現れる。ワポルはバクバクの実を食べており、何でも食べてしまい、食べたものの能力を自らに取り込むことができる。また、ムッシュールはノコノコの実を食べており、10年に1度、猛毒の砲弾を体内から放出する能力を持っている。
二人は、自分たちの城にDr.くれはが勝手に住んでいることに腹を立て、城の頂上にある旗を撃ち落とす。この旗は、チョッパーの育ての親、Dr.ヒルルクのものだった。怒るチョッパーだったが、海賊の魂であるドクロの旗を撃ち落としたことに対して、チョッパー以上に怒りを爆発させたのがルフィだった。ルフィはムッシュールに闘いを挑み、一度は毒の力で瀕死の状態になるが、ニコ・ロビンの解毒剤で復活すると、ワポルとムッシュールの合体した「ムッシュール・ワポル・キャノン」を、仲間とともに倒す。
ルフィは強烈なわがままでチョッパーを仲間に誘い、チョッパーもDr.くれはに別れを告げ、ルフィ達と旅することを決意する。

ONE PIECEの楽しさ、アツい友情が荒削りな画風のアニメで描かれ、痛快な作品。チョッパーがルフィに誘われ、仲間になるシーンもよくて、感動の涙を誘う。ONE PIECEの映画の中でもおすすめの作品と言えるだろう。

【5段階評価】4

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2011年5月21日 (土)

(442) 16ブロック

【監督】リチャード・ドナー
【出演】ブルース・ウィリス、モス・デフ、デビッド・モース
【制作】2006年、アメリカ

ブルース・ウィリス主演のサスペンス・アクション。警察内部の腐敗を題材にした作品。

人生に疲れ切った中年刑事のジャック・モーズリー(ブルース・ウィリス)は、勤務中でも酒を飲んでしまうほど、堕落した男。ジャックは同僚に、証人を16ブロック先まで車で護送するよう頼まれる。同僚は「運ぶのはザコだ」と言った。それはおしゃべりな黒人男性、エディ(モス・デフ)だった。
ジャックはエディの護送中、何の気なしに車を止めて酒屋で酒を買う。そのすきに刑事がエディを撃ち殺そうとする。とっさに問答無用で背後から銃で撃つジャック。
ここでのスローモーションのカメラのパンが、堕落しきったジャックの中で、何かが目覚めた瞬間を象徴して秀逸。
ジャックはエディを連れ、なじみの酒場に逃げ込むと、職場に電話を掛ける。
ほどなく、ジャックの元相棒、フランク(デビッド・モース)ら、複数の刑事達が現れる。もう大丈夫だと安心するジャックだったが、フランク達は、エディにジャックの拳銃を握らせ、わざと発砲させた。明らかに、逃亡を図ったエディを射殺する狂言の準備をしている。呆然とそれを見守るジャックに、フランクは言った。「おまえは家に帰れ。こいつは俺たちにとって不利な証言をするから消すんだ」と。エディはザコなどではなく、警察署内の多くの人間の不法行為の重要な証言者だった。
刑事がエディに銃を向け、大きな銃声が響いた。しかしそれは、エディに銃を向けた刑事の脚を撃ったジャックの銃の音だった。フランクの制止を無視して、エディを連れて逃げるジャック。
ジャックとエディの逃避行が始まる。2時間以内に証言の場に立たないと、刑事達は不起訴になる。ジャックは女の家や中華街のスラムなどをくぐり抜けながら、フランク達の追撃をかわす。
しかし、バスに乗り込んだ二人は、バスのタイヤを銃で撃ち抜かれ、乗客とともに立ち往生してしまう。ジャックはさながらバスジャック犯。外にはジャックとエディを亡き者にしようという警官が取り囲んでいる。
ジャックは一計を案じる。人質を解放するふりをして、エディを人質にまぎれ込ませたのだ。
一人、バスに残ったジャックは、射殺されることを覚悟し、ビジネスマンが残したレコーダーに遺言を残し始める。
しかし、なんと、ジャックを救おうとエディがバスに戻ってきてしまう。「台無しだ」とつぶやくジャック。
しかし、四輪ともパンクしたバスを駆って何とか逃げ出したジャックは、救急スタッフの妹、ダイアン(ジェナ・スターン)に頼み、エディを救う。ジャックはエディを無事に逃走させると、裁判所に向かう。裁判所の地下の入り口に向かうと、そこにはフランクがいた。無実の男性を殺したフランクの悪事を責めるジャックと、自らの罪を正当化するフランクの絶叫。ジャックはフランクに銃を託し、エレベーターに乗り込む。ジャックを撃ち殺せなかったフランクは、仲間にジャックの射殺を命じるが、ジャックを取り囲む狙撃部隊の一人が、ジャックを撃ち殺そうとする刑事を見つけ、そちらに銃弾を放つ。ジャックはフランクとのやりとりを録音していた。

ジャックの悔恨の深さと、それゆえの、どれだけ絶望的な状況でもあきらめない胆力が、大きな感動を呼ぶ。
話としては、「交渉人」にも近い。デビッド・モースが登場しているのも共通している(ただし、「交渉人」ではギリギリまで犯人側と思わせておいて、そうではないが)。
アクション映画の主役を張り続けていたブルース・ウィリスが、メイクなのか地なのか分からないが、疲れ切った満身創痍の腹ボテ中年を好演。個人的には、ジョン・マクレーンに次ぐブルース・ウィリスの当たり役のニューヒーローだと感じた。

【5段階評価】5

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2011年5月20日 (金)

(441) L.A.コンフィデンシャル

【監督】カーティス・ハンソン
【出演】ガイ・ピアース、ラッセル・クロウ、ケビン・スペイシー、キム・ベイシンガー
【制作】1997年、アメリカ

ロス市警内の犯罪を描いたクライム・サスペンス。

エド・エクスリー(ガイ・ピアース)は不正の嫌いなまじめな刑事だったが、同じ職場には、有無を言わさず強姦魔を撃ち殺すバド・ホワイト(ラッセル・クロウ)や、刑事ドラマの演出をしながら、新聞社の男に情報を横流しして賄賂を受け取っているジャック・ビンセンス(ケビン・スペイシー)のような不真面目な警官もいた。
ある日、ロスのコーヒーショップ、ナイト・アウルで、現職警官を含む6人がショットガンで殺害される凶悪事件が発生。前科のある黒人三人組の仕業と思われたが、彼らは拘留中に逃走を図ったあげく、隠れているところを殺人課に転職したエドに見つかる。黒人三人の尋問をしていたエドは、彼らが殺人はしていないという確証を得ていたが、抵抗されて仲間の警官を撃ち殺されたため、彼らを殺害してしまう。
真犯人は別にいると考えたエドは、ジャックに協力を求める。ジャックは、なぜそこまで真実にこだわるのか、とエドに尋ねた。エドは、「ロロ・トマシ」と告げる。エドの父親は警官だったが、非番の時に銃弾6発を浴びせられて殺されていた。犯人は今もつかまっておらず、エドはその犯人に「ロロ・トマシ」と勝手に名付け、ロロ・トマシを捕まえること、つまり、真犯人を野放しにしないことこそが、自分が刑事になった理由だと告げる。それを聞いたジャックは、エドへの協力を承諾する。
ジャックは、元刑事の汚職を追ううち、上司のダドリー・スミス警部(ジェームズ・クロムウェル)の関与に気づき、彼のもとを訪ねる。ジャックは汚職の件について話し始めるが、ダドリーは、話の途中で突然ジャックの胸を銃で撃ち抜く。ジャックが真相に近づきすぎたため、有無を言わさずに命を奪うことにしたのだ。ダドリーが不敵な顔で「最後に言いたいことは」とジャックに尋ねると、虫の息のジャックは、にやりとしながら、「ロロ・トマシ」と言って、そのまま絶命する。
翌日、何食わぬ顔でジャック殺害事件の指揮を執るダドリーは、エドに声を掛ける。彼は「ロロ・トマシを知っているか」とエドに尋ねた。ジャックにしか言っていないことを尋ねてきたダドリー。エドは、ダドリーがジャックに接触していたことを確信する。
エドは、新聞屋の罠(ひいてはダドリーの罠)によって、バドが愛する娼婦、リン(キム・ベイシンガー)と肉体関係を持ってしまう。ダドリーのたくらみにより、それを知らされたバドは、逆上してエドのもとに殴り込んでくる。エドは、ダドリーの罠だと言うことを気づかせると、ダドリーこそが諸悪の根源であると説得し、二人でダドリーを捉えようとする。しかし、ダドリーの手下に囲まれ、廃モーテルで集中砲火を浴びる。激しい銃撃戦の末、残ったのはエドとダドリーだった。
ダドリーは、出世欲の強いエドは、自分を撃ち殺さないだろうと考え、「俺が説明してやるから」と言って、パトカーが集まりつつある廃屋から外に出るが、エドは容赦なくダドリーを後ろから撃ち殺す。ダドリーは、エドが刑事部に移りたいと希望を述べたとき、こう言っていたのだ。「野放しになりそうな重罪人を背後から撃てるか」と。肉体派ではないエドに、刑事部は不向きだと告げようとしたダドリーだったが、皮肉にもエドは、ダドリーを背後から撃つことで自らの適性を証明したのだった。

本作では、その後のエドの供述シーンを通じて、事件の全容が明らかになる。この作りは分かりやすく、親切だ。話が若干ややこしいのと、中盤で黒幕がダドリーであることが明かされるので、大きなどんでん返しがないところは、少々残念な気もするが、素晴らしい俳優陣により、見応えのある作品になっている。
警察の汚職を扱う映画は、「セルピコ」や「交渉人」、邦画では「笑う警官」など数多いが、本作は、その代表作と言えるだろう。

【5段階評価】4

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2011年5月19日 (木)

(440) ドラえもん のび太の恐竜

【監督】福富博
【出演】大山のぶ代(声)、小原乃梨子(声)、横沢啓子(声)
【制作】1980年、日本

ドラえもんの映画化作品第一弾。

ティラノサウルスの爪の化石を自慢するスネ夫(肝付兼太)。悔しがるのび太(小原乃梨子)は、恐竜を丸ごと見つけてやる、と宣言してしまう。
のび太は、近所で穴を掘り、恐竜の卵の化石を見つける。タイムふろしきで1億年前に戻して温めると、フタバスズキリュウが孵る。
のび太を親だと思ってなつく恐竜に、のび太はピー助と名付け、飼うことにするが、大きくなりすぎ、近所で目撃情報が流れ始めたため、ドラえもん(大山のぶ代)とともに、タイムマシンで白亜紀に返すことにする。ところが、この恐竜を手に入れようとたくらむ恐竜ハンターが、タイムマシンで追いかけてくる。そのときの衝撃で、タイムマシンは白亜紀の日本ではなく、北米に到着してしまう。
タイムテレビで、ピー助が周りの恐竜にいじめられているのを見たのび太は、ドラえもんやジャイアン、スネ夫、しずかちゃんとともに、白亜紀に行く。しかし、タイムマシンは壊れてしまい、時間移動はできるが空間移動はできなくなってしまう。のび太たちは、やむなくタケコプターで移動を始める。タケコプターの調子が悪くなると、恐竜に桃太郎印のきびだんごを与え、なつかせて移動に利用したりもする。
しかし、移動しているところを恐竜ハンター達に襲われ、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんは捉えられてしまう。のび太とドラえもんは三人を救うため、恐竜ハンターの秘密基地に潜入するが、恐竜を戦わせる闘技場におびき寄せられ、そこにティラノサウルスが放たれる。絶体絶命の危機と思われたが、襲ってきたのは、ドラえもんがきびだんごをあげたティラノサウルスだった。
ドラえもんとのび太はティラノサウルスに乗って、恐竜ハンター達に逆襲する。そこにタイムパトロールも到着し、恐竜ハンター達は逮捕される。
のび太たちはピー助を仲間のもとに返すと、タイムパトロールの船で日本に戻る。

移動する方法はほかにもあるだろう、と突っ込みたくなるところもあるが、恐竜に乗って移動したり、一緒に海で遊んだり、童心に返って楽しめる作品。不朽の名作だろう。

【5段階評価】4

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2011年5月18日 (水)

(439) 私がクマにキレた理由

【監督】シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
【出演】スカーレット・ヨハンソン、ローラ・リニー、ポール・ジアマッティ
【制作】2007年、アメリカ

就職活動中のアニー(スカーレット・ヨハンソン)が、ひょんなことから上流階級の家庭の育児係(ナニー)をすることになる。そこでの騒動を描いたコメディ。

映画は、人々の生活が、博物館の展示物であるかのように演出されつつ展開する。アニーは、典型的な上流階級の夫人、ミセスX(ローラ・リニー)に、アニーとナニーを聞き間違えられたことがきっかけで、住み込みの育児係をすることになる。
添加物入りの食事をさせない、地下鉄には乗せない、教育にいい場所に連れて行くなど、がんじがらめの教育方針をまっとうするよう命じられるアニーだったが、ミセスXの一人息子、グレイヤー(ニコラス・アート)は、腕白で、なかなか言うことを聞かない。しかし、その理由は、父親のミスターX(ポール・ジアマッティ)もミセスXも、子供にかまわず仕事ややりたいことに明け暮れていることと無縁ではなかった。
アニーは、近くに住む若くてハンサムな男性(クリス・エバンス)と親しくなるが、ミセスXは彼からの電話を取り次がず、ミスターXはセクハラまがいにアニーに接近。ついにアニーはミセスXから解雇を言い渡される。ミセスXが監視カメラ(ナニー・カメラ)を仕掛けたことを偶然盗み聞きしたアニーは、一足先にミセスXの家に戻るとカメラを探す。それは、さりげなく置かれたテディ・ベアのぬいぐるみの眼に仕込まれていた。彼女はカメラに向かって、子供にもっと接してあげるべきだと痛烈な批判の言葉を浴びせた。これを見たミセスXから、ボーイフレンドを通じて感謝の手紙が届く。

クマのぬいぐるみに監視カメラが仕込まれていたこと。これが映画のタイトルの由来となっているが、原題は「The Nanny Diaries」(育児係の日記)である。
赤い傘で空を飛んだり、映画らしい映像もおりまぜた楽しい作品だった。ただ、あまりメッセージ性はない映画だなと感じた。

【5段階評価】3

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2011年5月17日 (火)

(438) 重力ピエロ

【監督】森淳一
【出演】加瀬亮、岡田将生、渡部篤郎、吉高由里子
【制作】2009年、日本

伊坂幸太郎原作の小説の映画化作品。

泉水(いずみ)(加瀬亮)と春(はる)(岡田将生)は兄弟。春が高校生の時、彼は泉水からバットを受け取ると、気に入らない女を襲おうとしている三人組の男達をバットで追い散らす。ありがとう、とこびてくる女もバットで突き倒し、「別におまえを助けに来たんじゃない」と告げる。じゃあ、なんのためか、というのは、物語が進むにつれて明らかになる。
彼らの住む仙台で、連続放火事件が起きていた。街に書かれている奇妙なデザインの落書き(グラフィティアート)を消す仕事をしている春は、放火事件が落書きの近くで起きていると兄に相談する。泉水は大学で遺伝子研究をしており、これらの落書きに書かれている文字が、全てG、C、A、Tの4文字でできており、遺伝子配列を意味することに気づく。
二人の母親、梨江子(鈴木京香)はすでに亡くなっていた。交通事故死だった。父親の正志(小日向文世)は、二人の息子に告げる。かつて仙台で、高校生による連続レイプ事件があったこと。母親の梨江子がその犠牲となり、生まれたのが春だったこと。しかし、そんなことは関係なく、二人は自分の息子であり、俺たちは最強の家族だ、ということ。しかし、春がレイプで生まれた子であることは周知の事実だった。
レイプ事件の犯人、葛城由紀夫(渡部篤郎)は、刑期を終え、仙台に戻っていた。大学の同僚からそのことを知らされた泉水は、葛城を捜し出す。話をした葛城は、レイプを正当化し、事件の時に撮った写真でさらに金を脅し取ることを企む最低以下の男だった。激しい憎悪に燃える泉水は、葛城の殺害を計画し始める。
そんな泉水の周囲に、謎の美少女(吉高由里子)が現れる。彼女はかつて、春のストーカーをしていた女で、春を追っていることから家族は夏子と名付けていた。泉水は夏子から、一連の落書きと放火をしているのは、誰ならぬ春であると告げられる。春もまた、自らの父親、葛城に復讐の感情を抱いていたのだ。彼が女を襲う男を許せない、と考える理由は、ここから来ていた。
彼は一連の事件の記事の切り抜きを葛城に送りつけ、最後に、梨江子が事件に巻き込まれたかつての実家に葛城を呼び出す。春は家に放火すると、バットで葛城を殴りつけ、彼を殺害する。泉水は急いで現場に駆けつけるが、春の行為を炎にまかれる家の外から見ていることしかできなかった。
泉水と春は、父親にプレゼントしてもらった焼けたバットを持って家に帰る。父親はそれを見て泉水と春が何かよからぬことをしたことを悟り、二人を問いただすが、二人とも「何もしてない」と言うばかりだった。
がんの末期的症状だった父、正志はまもなく他界し、春と泉水は、父のやっていた養蜂をしながら、生きていくのだった。

魅力的な謎の提示だったが、その理由が、兄に興味を持たせるためだったというのが、少々アイディア倒れの感があった。レイプ魔以外には伝わらない反省や恐怖を促すことにでもなっていれば、なるほど感は増しただろう。
また、レイプ魔を演じる渡部篤郎がふつうにかっこよすぎて、ちょっとミスキャストである気がした。長塚圭史とか、いっそ小日向文世が演じるのも一興だったかもしれない。
加瀬亮は、「ハチミツとクローバー」や「硫黄島からの手紙」、「壬生義士伝」、「」、「それでもボクはやってない」など、多数の映画に出演。岡田将生は、「天然コケッコー」で夏帆の相手役を務めている。同じ伊坂幸太郎原作の「アヒルと鴨のコインロッカー」にも出演している。
吉高由里子は「きみの友だち」や「カイジ 人生逆転ゲーム」、「僕の彼女はサイボーグ」などにも登場している。

【5段階評価】3

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2011年5月16日 (月)

(437) ロミオ・マスト・ダイ

【監督】アンジェイ・バートコウィアク
【出演】ジェット・リー、アリーヤ
【制作】2000年、アメリカ

ジェット・リー主演のアクション映画。

アメリカ・オークランドで、NFLにからんだ土地開発を巡り、中国マフィアと黒人マフィアが緊張関係にあった。ある日、ポウ(ジョン・キット・リー)という若い中国人が惨殺される。ポウの兄、ハン(ジェット・リー)は、復讐を誓って、香港の刑務所を脱走し、アメリカに渡る。
ハンは黒人の娘、トリッシュ(アリーヤ)と出会う。彼女は黒人マフィア側のボス、アイザック(デルロイ・リンドー)の娘だった。トリッシュの兄弟のコリン(D・B・ウッドサイド)も、部屋にいるところを何者かに殺される。
ポウ、そしてコリンを殺したのは、黒人側か、中国側か。ハンはトリッシュとともに事件の謎を追う。
中国マフィアのボスは、ハンの父、チュー・シン(ヘンリー・オー)。チューは、開発に絡む莫大な利益の邪魔になると考えた息子のポウを、部下のカイ(ラッセル・ウォン)に命じて殺させたのだった。そしてコリンは、アイザックの部下で出世欲にかられたマック(イザイア・ワシントン)が、ボスを裏切って殺していたのだった。
マックはトリッシュにより撃ち殺され、カイはハンが単身で戦いを挑み、葬り去った。ハンは父のもとに赴き、自らの罪を贖うよう告げる。チューは自らを撃って死亡する。

ジェット・リーのカンフー・アクションが売りだが、ガチンコの勝負というよりは、スタイリッシュでスマートな演出のアクションが中心。ところどころ、特殊効果で骨や脊椎にダメージを与えたことを表現したりしている。ジェット・リーのハリウッド進出を決定づけた一作と言えるだろう。

【5段階評価】3

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2011年5月15日 (日)

(436) マルタのやさしい刺繍

【監督】ベティナ・オベルリ
【出演】シュテファニー・グラーザー、ハンスペーター・ミュラー=ドロサート、ハイジ=マリア・グレスナー
【制作】2006年、スイス

スイスの農村に暮らす、夫を亡くした老婦人が、自らの夢を追い求める姿を描いた作品。

80歳のマルタ(シュテファニー・グラーザー)は夫に先立たれ、悲しみにうちひしがれていた。見かねた友人のリージ(ハイジ=マリア・グレスナー)は、彼女が刺繍好きであったことから、若い頃の夢だったランジェリーショップの実現に向けて協力を始める。
村の牧師をしている息子のバルター(ハンスペーター・ミュラー=ドロサート)をはじめ、多くの人は、いかがわしい下着の店に猛反対し、マルタは様々な妨害を受ける。しかし、彼女の夢を追う姿に共感する人たちを徐々に仲間にしていき、ついにインターネットショップでの販売を成功させ、夢を実現する。

牧師の浮気や友人の夫の介護など、少々シリアスなテーマも織り交ぜつつ、かわいいおばあちゃんのほほえましい奮闘ぶりに心の温まる作品。

【5段階評価】3

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2011年5月14日 (土)

(435) ゼロの焦点

【監督】犬童一心
【出演】広末涼子、中谷美紀、西島秀俊
【制作】2009年、日本

松本清張原作推理小説の映画化作品。

板根禎子(広末涼子)は、鵜原憲一(西島秀俊)と見合い結婚する。仕事の引き継ぎで金沢へ赴く憲一だったが、戻るはずの日になっても戻らない。憲一の兄、宗太郎(杉本哲太)は禎子に心配ないと言うが、禎子は夫の行方を追って金沢に旅立つ。
憲一は仕事のつきあいで、大会社の社長の室田儀作(鹿賀丈史)、そしてその妻、佐知子(中谷美紀)と懇意にしていた。禎子は彼らに会うが情報は得られない。禎子は宗太郎と合流するが、その後、宗太郎は謎の女に青酸カリで毒殺されてしまう。宗太郎も独自に憲一を捜しているらしかった。金沢で禎子の相手をしていた社員の本多(野間口徹)もまた、事件を追っているところを何者かに刺し殺される。
憲一は、戦後間もない頃、巡査をしており、売春婦(パンパン)を取り締まっていた。その頃に知り合ったパンパンの田沼久子(木村多江)と偶然金沢で再会し、内縁の関係にあったのだ。彼は久子に対しては曽根益三郎と名乗っていた。しかし憲一は、久子との生活に区切りをつけ、禎子と新しい生活を送りたいと考えており、久子を定職につけてくれるよう、佐知子に頼んでいた。佐知子は、これを憲一の脅しととらえた。なぜなら憲一は、佐知子もまた、パンパン出身であることを知っていたからだった。
佐知子は、益三郎に自殺したと見せかけるようそそのかし、遺書を書いて崖の上に置くようにしむけ、そこから憲一を突き落としたのだった。佐知子と久子、憲一の関係に迫っていた宗太郎も、佐知子によって殺されたのだった。
妻の過去を知った儀作は、妻の罪をかぶって自首すると、そのまま警官の銃で自らの頭を打ち抜く。妻もまた、荒れた海に浮かぶ小舟の中で死んでいるのを外国船籍のタンカーに発見される。

フーダニットものとしては、あまり意外性のない展開。広末涼子をはじめ、有名人によるキャストで、CGを用いた当時の昭和30年代の映像もなかなかだったが、話は少々退屈だった。
ただ、死体や死のシーンは、リアルだった。冒頭で出る腐乱死体が、紫色で骨が露出していたり、宗太郎が青酸カリによって細かい泡を吹いて死んだり、儀作が死んだときに頭から流れる血が、真っ赤ではなくむらがあり、しかも脳天からは脳と思われる黄色い物質がほの見えたり、妙映像にに力が入っていた。

【5段階評価】3

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2011年5月13日 (金)

(434) ルパン三世 DEAD OR ALIVE

【監督】モンキー・パンチ
【出演】栗田貫一(声)、高山みなみ(声)、古谷徹(声)
【制作】1996年、日本

 

劇場版ルパン三世、第6作。

 

ズフ国に眠る謎の財宝を狙うルパンIII世。財宝は、ナノマシンにより防御されており、ルパン達は手も足も出ない。
ナノマシン攻略の鍵を握るのは、ナノマシンの開発者の娘、エメラ(横山智佐)だったが、彼女はズフ国の軍事政権の首領、首狩り族の将軍(銀河万丈)により幽閉されていた。
峰不二子(増山江威子)はエメラからマシンの秘密を聞き出そうとするが、彼女は実は何も知らされていなかった。鍵は、ズフ国の王子、パニシュ(古谷徹)が握っていたのだ。パニシュは将軍に殺されたことになっていたが、パニシュの恋人、オーリ(高山みなみ)は、パニシュを見かけたというルパンの話を手がかりにパニシュを探し出す。パニシュは生きており、反乱軍を組織していた。
将軍はオーリを捉え、財宝を手に入れようとするが、例の防御装置が作動する。そこにパニシュが現れると防御装置は停止した。しかし、パニシュはルパンの変装だった。それがばれた瞬間、またしても防御装置は作動する。ルパンは将軍の頭を銃で撃ち抜いて倒すと脱出。財宝とは、大量のナノマシンの素材である金だった。
仕事を終え、ちりぢりになろうとするルパン達のもとに、死んだはずの将軍が襲いかかってきた。ルパン、次元、不二子が銃弾を浴びせ、五右衛門が脳天から一太刀入れると、将軍は崩れ落ちた。将軍もナノマシンだったのだ。将軍の素材だった砂金を手にし、ルパン達は引き上げていくのだった。

 

最後の将軍のどんでん返しはなかなかよかったが、全体的にはちょっと退屈だった。

 

【5段階評価】2

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2011年5月12日 (木)

(433) スパイダーマン

【監督】サム・ライミ
【出演】トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ウィレム・デフォー
【制作】2002年、アメリカ

アメコミヒーロー、スパイダーマンの実写映画。
隣に住む美少女、MJ(キルスティン・ダンスト)に恋心を寄せる高校生、ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、大学見学のときに、遺伝子操作により作り出されたクモに手を噛まれる。
その翌日から、彼は驚異の身体能力と、強靱なクモの糸を手首から発射する力を身につける。
MJがドライブ好きだと知ったピーターは、3,000ドルの賞金が得られるという格闘ショーに申し込み、見事に相手を倒すが、主催者側に「3分もちこたえたら、と書いてあるのに2分で倒したから」とへりくつを言われ、賞金は100ドルしかもらえなかった。そこに強盗が押し入り、金を逃げて逃走する。主催者の男はピーターに強盗を捕まえろと頼むが、ピーターは主催の男に腹を立てていたため、その頼みを無視し、強盗を見逃す。
ところが、その強盗が、ピーターの帰りを車で待っていたベンおじさんを、逃走用の車目当てに撃ち殺してしまう。ピーターは後悔にかられ、世の中の悪党を倒す道を選ぶ。
ピーターには、親友のハリー(ジェームズ・フランコ)がいた。彼の父親、ノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)は、軍事企業に勤める科学者だったが、研究開発を会社に認められず、首になってしまう。彼はその怒りから、自分の開発した人体改造技術により、自らグリーン・ゴブリンとなって世の中を破壊し始める。
ピーターはスパイダーマンとなってグリーン・ゴブリンと戦う。劣勢になったグリーン・ゴブリンは、仮面を外してノーマンの顔を見せ、別の人格がグリーン・ゴブリンとなって暴れているだけで、助けてほしいとピーターに懇願しつつ、手元でグライダーを遠隔操作し、ピーターめがけて突進させようとしていた。とっさに気づいたピーターは飛び上がってそれをかわすと、目標を失ったグライダーは、そのままノーマンの胴を貫いてしまう。
ノーマンは「ハリーには黙っていてくれ」とピーターに頼んで息を引き取る。
事件は幕を引いたが、ハリーにはスパイダーマンに対する強い恨みが残ってしまう。MJはいつも自分の近くにいてくれたピーターに愛を告白するが、MJに対してスパイダーマンであることを秘密にしているピーターは、素直に愛を告白できず、ただMJを守り続ける、と告げるのみだった。

スピード感あふれるスパイダーマンの跳躍シーンが出色のできばえ。アカデミー視覚効果賞にノミネートされた。
グリーン・ゴブリンの仮面がかなりダサいのが残念であり、「スパイダーマン2」のオクタビアスや、「スパイダーマン3」のサンドマンの方が、特撮技術的にも上を行くとは思えるが、ストーリーは本作が一番いい。

【5段階評価】4

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2011年5月11日 (水)

(432) シャンハイ・ヌーン

【監督】トム・ダイ
【出演】ジャッキー・チェン、オーウェン・ウィルソン、ルーシー・リュー
【制作】2000年、アメリカ

西部開拓時代を舞台にしたジャッキー・チェンのアクション作品。

アメリカを拠点とする犯罪集団が、中国のペペ姫(ルーシー・リュー)を誘拐し、皇帝側に身代金を要求する。それを救うために三人組が組織されるが、チョン・ウェン(ジャッキー・チェン)は、四人目として無理矢理入り込み、アメリカに渡る。彼らが列車で移動をしているところに、ロイ(オーウェン・ウィルソン)率いる強盗が現れ、チョン・ウェンは仲間とはぐれてしまう。ロイもまた、仲間に裏切られ、孤独の身となり、奇妙な二人組によるお姫様救出の旅が始まる。
二人は早撃ちの得意なネーサン保安官にも追われながらペペ姫のいる鉱山に到着。最後は古びた教会で、犯罪集団のボス、ロー・ファン(ロジャー・ユーアン)と保安官を倒す。

ラストシーンで、ロイが「本名はワイアット・アープ(実在した射撃の得意な保安官)というんだ」と明かすシーンがあり、観ている者をニヤリとさせる。この演出は、続編の「シャンハイ・ナイト」でも多用されているが、続編の方は若干やりすぎな面も否めない。
ペペ姫役のルーシー・リューは、「チャーリーズ・エンジェル」のアレックス・マンディ役で有名。

【5段階評価】

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2011年5月10日 (火)

(431) デンジャラス・ビューティー

【監督】ドナルド・ペトリ
【出演】サンドラ・ブロック、ベンジャミン・ブラット、マイケル・ケイン
【制作】2001年、アメリカ

ミス・アメリカ・コンテストに潜入する女FBI捜査官の活躍を描いたコメディタッチのサスペンス。

幼少時代からブスと呼ばれ、女っ気のないFBI捜査官のグレイシー・ハート(サンドラ・ブロック)。
捜査中の犯罪者が、ミス・コンテストを標的にしていると疑われたことから、潜入捜査のため、コンテスト出場者となって潜入捜査を行う。
FBIはミス・コンテストに女性を変身させて送り込むスペシャリスト、ビクター(マイケル・ケイン)を雇い、グレイシーを見事に変身させる。
グレイシーは仲間のエリック・マシューズ(ベンジャミン・ブラット)とともに捜査を続ける。一時はロードアイランド州代表のシェリル(ヘザー・バーンズ)が怪しいとにらむが、真犯人は、主催者のスタッフ、キャシー(キャンディス・バーゲン)だった。
コンテストはシェリルが優勝するが、グレイシーは、ミス・アメリカがかぶるティアラに爆弾が仕込まれていることを見抜き、シェリルからティアラを奪い取ると、キャシーが起爆スイッチを押す直前にティアラを舞台奥に投げ捨て、シェリルを救う。

サンドラ・ブロックの魅力的な容姿が見所。公開当時すでに37歳であり、ミスコン出場者というには正直、歳だが、けっこう綺麗でさすがは女優と感じさせる。ハッピーエンドでなかなか楽しい作品だった。

【5段階評価】3

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2011年5月 9日 (月)

(430) トゥームレイダー2

【監督】ヤン・デ・ボン
【出演】アンジェリーナ・ジョリー、ジェラルド・バトラー
【制作】2003年、アメリカ

トゥームレイダー」の続編。本作でのパートナーは、ジェラルド・バトラー。

本作でララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)が挑むのは、パンドラの箱。ライバルは、ノーベル化学賞受賞者のライス博士(キーラン・ハインズ)。
最初にララが狙うのは、地震の影響で存在がわかった、アレキサンダー大王の神殿にある、パンドラの箱のありかを示す暗号が刻まれた宝玉。しかし、中国の武装部隊がそれを横取りしてしまう。イギリスのMI6から、ライス博士が細菌兵器としてパンドラの箱を利用しようとしていると聞かされたララは、かつての恋人のテリー(ジェラルド・バトラー)を中国での道案内役として雇う。
ララはテリーとともに組織に乗り込んで宝玉を奪い返し、パンドラの箱がキリマンジャロにあることを突き止める。しかし、その情報はライス博士一味に伝わってしまう。現地で彼らに捉えられてしまったララは、道案内役をさせられるが、道中のモンスターに一味のほとんどは倒され、パンドラの箱にたどり着いたのはララとライス博士のみだった。そこにテリーが現れ、二人でライス博士を倒す。熱い口づけをかわす二人だったが、パンドラの箱を持ち帰ろうとするテリーを、ララは涙ながらに撃ち殺す。

アクションシーンはそこそこかな、と思えるが、あまり手に汗握る展開という感じではなく、ちょっと退屈な作品だった。
ジェラルド・バトラーと言えば、「オペラ座の怪人」でファントム役を演じた俳優であり、弁護士の資格も持つという変わった経歴の持ち主。「Dear フランキー」でも子供の父親のふりをする心温まる男を好演している。

【5段階評価】2

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2011年5月 8日 (日)

(429) 恋愛小説家

【監督】ジェームズ・L・ブルックス
【出演】ジャック・ニコルソン、ヘレン・ハント、グレッグ・キニア
【制作】1997年、アメリカ

熟年恋愛小説家と子持ちのウェイトレスの恋愛を描いた作品。

潔癖症の男、メルビン(ジャック・ニコルソン)は、誰に対しても差別と偏見に満ちた発言をする毒舌家で、行きつけのレストランでも毛嫌いされていた。唯一、ウェイトレスのキャロル(ヘレン・ハント)は、彼をあしらうことができていた。
同じマンションに住む画家のサイモン(グレッグ・キニア)が若者の犯罪集団に襲われ、重傷を負う。メルビンは、彼の飼っていた犬の飼育を押しつけられる。最初はいやがっていたメルビンだったが、飼っているうちに愛着がわき、犬をかわいがり始める。メルビンの中に小さな変化が起き始めていた。
キャロルの子供は病気を患っており、ある日、キャロルはレストランを休む。それを知ったメルビンは、自分の金で医者を雇い、子供の病気を治させる。キャロルは感謝するが、メルビンの目的が自分にあると考えたキャロルは、メルビンの家を訪れ、お礼は言うがあなたとベッドをともにすることは絶対にない、と宣言してしまう。メルビンは落ち込み、言ったキャロル自身も後悔する。
そんなとき、サイモンが実家に行くことになり、メルビンがドライバーを頼まれる。サイモンはキャロルを誘い、3人での旅行が始まる。息子がサッカーでゴールを決めたと電話で聞いたキャロルは、嬉しさからサイモンを食事に誘うが、疲れていると断られたため、メルビンとディナーに行くことにする。メルビンは、「今まで医者に飲めと言われて断り続けていた薬を、キャロルに『絶対に』と言われた後、飲むことにした。いい人間になろうと思ったんだ」と告げる。感動したキャロルはメルビンにキスをし、「なぜ私を誘ったの。何を言っても私の答えはイエスよ」と上目遣いに告げる。メルビンは「いろんな理由があるが・・・、君とサイモンが寝るかと思って」と言ってしまい、キャロルを失望させてしまう。
何度も仲違いする二人だったが、メルビンはサイモンに励まされ、再びキャロルの家に愛の告白に訪れる。不器用な言葉で愛を告げると、ようやく彼女を抱きしめ、熱い口づけをかわすのだった。

男女の恋愛を描く小説家が、実生活では全く恋に不器用というのが本作のおかしさになっているのだが、メルビンの小説家らしいシーンがあまり登場しないので、もう少し、その辺りを描いてもよい気がした。ただ、彼に心酔している女性が「なぜあなたはあんなに女性の気持ちが分かるんですか」と聞かれ、「男性から理性と責任を除いただけだ」と言って相手を呆然とさせるシーンなんかは、不愉快ながらもおかしさはあった。
サイモンと同居していた黒人のフランクを演じたキューバ・グッディング・Jr. は、「ザ・エージェント」では、主人公のよき理解者となるアメフト選手を演じている。

【5段階評価】3

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2011年5月 7日 (土)

(428) スウェプト・アウェイ

【監督】ガイ・リッチー
【出演】マドンナ、アドリアーノ・ジャンニーニ
【制作】2002年、アメリカ・イタリア

無人島に流された男女二名の運命を描いた作品。

化学企業の富豪、アンソニー・レイトン(ブルース・グリーンウッド)と妻のアンバー(マドンナ)は、ひなびたクルーズ船旅行に訪れる。アンバーは乗組員のジュゼッペ(アドリアーノ・ジャンニーニ)を何かといびり倒す。
ある日、アンバーは、ジュゼッペにゴムボートを操縦させて洞窟見物に向かうが、途中でエンジンが故障。二人は無人島に流れ着く。
漁師の出のジュゼッペは、島に残された道具を使って魚を捕り、何もできないアンバーは絶対服従を余儀なくされる。船でいびられたことを根に持つジュゼッペは、最初はアンバーを奴隷のように扱うが、あるときから二人の間に愛が芽生える。アンバーは、島に警察艇が来ていることに気づいたときも、見つからないように岩陰に隠れ、二人の生活を続けようとする。
別のクルーズ船が島の湾に見えたとき、アンバーは隠れようとするが、ジュゼッペは、自分を愛しているなら証拠を見せてほしいと告げ、クルーズ船に救助される道を選ぶ。
ジュゼッペは、自分の船に来てほしいという手紙をホテルのフロントに預け、アンバーに渡すよう伝言するが、その手紙はアンソニーに見つけられてしまい、二人の出会う道は断たれる。アンソニーとアンバーの乗ったヘリは飛び立ち、ジュゼッペは絶望のあまり、彼女のために買った指輪をヘリに投げつけるが、それはむなしく海の藻屑となる。

監督のガイ・リッチーは、2000年にマドンナと結婚していたため、本作の主演をマドンナが務めたことは、世間に公私混同と捉えられた。結果的に、本作の主演、監督はラジー賞を受賞することになってしまう。また、当時44歳のマドンナのビキニ姿が、セクシーというよりも、しわとたるみの目立つ、少々見苦しいものであることも、低評価に拍車を掛けたと言える。
筋書きとしては、それまで屈辱的な仕打ちにあっていたアンバーが、突然、ジュゼッペを愛し始め、激しい憎悪でアンバーに接していたジュゼッペがそれに応じるところに、若干唐突な感じがあった。アンバーが自分でタコや鳥の卵を採ってきたシーンでは、ひょっとしてアンバーは、狩猟の腕を学び取ったことで、ジュゼッペからの独立を企てるのか、などと考えてしまった。
アンソニー役のブルース・グリーンウッドは、「アイ, ロボット」でロボット製造企業の社長を演じていた俳優。

【5段階評価】3

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2011年5月 6日 (金)

(427) ハスラー2

【監督】マーティン・スコセッシ
【出演】ポール・ニューマン、トム・クルーズ
【制作】1986年、アメリカ

ビリヤードのナインボールを主題に、奔放な若手プレーヤーと出会った老プレーヤーの心の変化を描く。

かつての名プレーヤー、エディ(ポール・ニューマン)は、プールバーで、賭けナインボールで楽しそうに稼ぐ青年、ビンセント(トム・クルーズ)に出会う。エディはビンセントをビリヤードの大会に誘い、その道中、実力はあるが無名のビンセントを使って、金稼ぎの旅に出る。
初戦、弱そうな相手に同情し、わざと負けるビンセント。エディは金を払うときに姿をくらまし、相手が手のひらを返すように強気になってビンセントを袋だたきにし始めるのを確認すると、彼とともに店から逃げ出す。金を掛けている相手に同情などするなということを身をもって教える。
今度はわざと弱そうに見せ、食いついてきたカモを食ってやろうと作戦を伝えるエディ。しかし若いビンセントはそれに従わず、全力で相手を負かしてしまう。ここでもいがみあう二人。
あるときは、ビンセントの恋人、カルメン(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)とエディが年の差カップルを演じ、すでにバーで賭けゲームをしているビンセントに、エディが口げんかをふっかけ、ビンセントの対戦相手の外ウマ(自分自身はプレイをせず、プレイヤーに賭けること)に乗り、周りを巻き込んだところでビンセントが勝つという作戦も行う。うまくいきはしたが、カルメンとエディがいちゃいちゃしていたことにビンセントが腹を立てる。
エディはビンセントのプレイを見ながら、次第に自分の血が沸き立ってくるのを感じ、自らプールバーに向かう。連戦連勝で金を稼ぐが、あるとき、いかにも弱そうな、若い太った黒人をカモろうとして、逆に彼に負かされる。運だけで勝っているように見えたが、その黒人はエディすら食い物にする本職のハスラーだった。彼はエディに「なあ、一つ聞いていいか。俺、やせた方がいいかな。」と捨て台詞を残す。その男をプロと見抜けなかったエディは、自らの衰えに嫌気がさし、同情するビンセントを捨てて独り身になる。
エディは個人でナインボールの大会に挑む。準々決勝の相手はビンセントだった。一進一退の攻防の中、ビンセントは対決の終盤、サイドポケットへのショットをミス。ここでエディが勝利を収める。人知れず小躍りして喜ぶエディだったが、ビンセントは、自分のオッズが低いことを利用し、エディに賭け、わざと負けていたのだった。
ビンセントはエディの部屋に訪れ、得意げにサイドポケットへのショットをわざとミスした演出について語る。うちひしがれるエディ。彼は準決勝を棄権。そして向かったのは練習場。ビンセントを呼び出し、現役プレーヤーとして戦い続けることを宣言する。

本作の見所は、華麗なショットを俳優本人が演じているところ。連続でポケットするシーンをノーカットで描くていねいな作りにはほれぼれとしてしまう。
老プレーヤーと若手の対決というと、「シンシナティ・キッド」などが頭に浮かぶが、本作は熟練者に挑む若手を描くのではなく、若手に触発されて目覚める老プレーヤーを描くという構図である。エディは、ビンセントを変えてやろうと教育しているうちに、むしろ自分自身が変わっていくのである。
冒頭でビンセントに負かされるジュリアン(ジョン・タトゥーロ)は、「ラウンダーズ」でもギャンブラーを演じている。この手の映画に似合う風貌だ。

【5段階評価】3

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2011年5月 5日 (木)

(426) 007 トゥモロー・ネバー・ダイ

【監督】ロジャー・スポティスウッド
【出演】ピアース・ブロスナン、ミシェル・ヨー
【制作】1997年、イギリス

007シリーズ第18作。主演はピアース・ブロスナン。

本作で007と対決するのは、メディア王、エリオット・カーバー(ジョナサン・プライス)。スティーブ・ジョブスのような華麗な出で立ちだが、GPS衛星を操作し、中国軍がイギリスの戦艦を撃沈させたように見せかけ、それを記事にして、中国での100年間の独占放映権を手にしようとする。ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)がそれを阻止する。
カーバーは、ステルス機の素材で作られた船を拠点に、中国とイギリスを同時に攻撃しようとするが、ボンドは、中国の諜報部員、ウェイ・リン(ミシェル・ヨー)とともに船に乗り込み、カーバーらを一網打尽にする。ボンドは、カーバーの開発したドリル型の魚雷を起動させ、それをカーバーにぶつけてカーバーを倒す。

ラジコンのように無人操縦できるベンツや、スタンガン機能を持った携帯電話などが登場し、いかにも007シリーズという痛快アクションが楽しめる。もちろん敵は、つかまえたボンドをなかなか殺さないし、雑魚が銃をいくら撃ってもボンドには当たらないわけだが、まあ水戸黄門みたいな映画なので、これでよいということだろう。

【5段階評価】3

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2011年5月 4日 (水)

(425) バトルフィールド・アース

【監督】ロジャー・クリスチャン
【出演】ジョン・トラボルタ、バリー・ペッパー
【制作】2000年、アメリカ

多数のラジー賞を受賞したトンデモSF映画。ジョン・トラボルタの信奉する新興宗教の教祖によるSF作品を映画化したもので、日本で言えば、幸福の科学の映画のような位置づけだろうか。

西暦3000年。人類は、サイクロ人という宇宙人に攻め込まれて絶滅の危機に瀕しており、彼らの奴隷として採掘労働をさせられていた。
地球人のジョニー(バリー・ペッパー)は、希望を求めて村の外に出るが、サイクロ人に捉えられてしまう。サイクロ人のタール(ジョン・トラボルタ)は、ジョニーを教育して、サイクロ人が放射能のために近づくことのできない場所にある金の鉱脈を発掘させようとする。
ジョニーは服従するふりをしながら、反撃の機を伺い、アメリカ軍の戦闘機などを使って反撃に出ると、転送装置を使って核爆弾をサイクロ人の星に送り込み、サイクロ人を壊滅させる。

原始人が銃を使うわ、なぜか1,000年前のフライトシミュレータで訓練をして戦闘機を乗りこなすわ、とんでもない設定が目白押し。よくこれを大の大人がまじめに作ったな、と言いたくなるようなシーンが続き、とても感情移入などできたものではない。バリー・ペッパーは好きな俳優だが、嫌いになりかけてしまった。
それでも一応、特撮技術はまともだし、展開として飽きるような感じではなく、それなりに最後まで鑑賞できてしまった。真の駄作はラジー賞すら取り上げないということだろう。

【5段階評価】3

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2011年5月 3日 (火)

(424) ナイロビの蜂

【監督】フェルナンド・メイレレス
【出演】レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ
【制作】2005年、イギリス

ケニアにおける新薬に関する不正を題材にした作品。

外交官のジャスティン・クレイル(レイフ・ファインズ)は、自分の講演会で政府の不誠実を声高に訴えてきた勝ち気な女性、テッサ(レイチェル・ワイズ)に惹かれ、二人は結婚する。
テッサは結婚後も、ケニアで自らの信じる活動を続ける。それは、製薬会社が新薬の実験をケニアで行い、副作用により死者が発生した事実を葬っていたことを暴こうとするものだった。テッサはジャスティンと参加した晩餐会で、大臣に対して「製薬会社の金で車を買ったのか」などと罵声を浴びせ、関係者の目の敵になっていく。
映画の冒頭は、テッサが黒人ドライバーとともに、ケニアで惨殺されて発見されるシーンで始まる。それをジャスティンが追う形で話が展開する。当初は国境医師団のアーノルド(ユベール・クンデ)との不倫まで噂されたが、実際には、テッサの行動を疎ましく思った組織により、アーノルドとともに殺されたのだった。
事件を追ううちに真相に至ったジャスティンだったが、テッサの殺された場所にたたずんでいたとき、彼もまた、組織の手により殺されてしまう。しかし、その遺志は、仲間に引き継がれ、教会でのジャスティンの葬送のスピーチで、不正の事実が明るみに出される。

最初は製薬会社と政府の癒着、不正を描く社会的な映画なのかと思ったが、妻の死の真相を巡ってのサスペンス作品だった。レイチェル・ワイズの妊婦姿が、本物ではないかと思うほどよくできていた。ジャスティンを銃殺するのが、おそらく金で雇われたケニア人というのが、何とも皮肉で悲劇を増幅させる。
レイフ・ファインズは、「アベンジャーズ」でも主役を演じていたが、こちらの役の方がはるかによい。レイチェル・ワイズは、「ハムナプトラ」シリーズのヒロイン。「チェーンリアクション」でもヒロインを演じており、本作ではアカデミー助演女優賞を受賞している。

【5段階評価】3

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2011年5月 2日 (月)

(423) オーメン

【監督】ジョン・ムーア
【出演】リーブ・シュレイバー、ジュリア・スタイルズ、シーマス・デイビー=フィッツパトリック
【制作】2006年、アメリカ

2006年6月6日に公開されたリメイク作品。公開日はもちろん、忌まわしき番号「666」にちなんだもの。

外交官のロバート・ソーン(リーブ・シュレイバー)は、妻キャサリン(ジュリア・スタイルズ)の産んだ子が死んだと病院に告げられ、同時に生まれた身寄りのない子を我が子として育てることにする。しかし、その子、ダミアン(シーマス・デイビー=フィッツパトリック)は悪魔の子で、自らの権力を得るために邪魔な存在を、邪悪な力で死に至らしめていく。

本作は、1976年のオリジナル作品に比較的忠実な作りであるため、意外性は小さい。しかし俳優陣はしっかりしていて、けっこう楽しめた。ただ、オリジナルの方が、人の殺され方に、あまりのむごさ、理不尽さゆえの神々しさのようなものが、より宿っていたように思う。
ジュリア・スタイルズは、「ボーン・アルティメイタム」で主人公の相棒、ニッキー・パーソンズを演じた女性。

【5段階評価】3

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2011年5月 1日 (日)

(422) ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛

【監督】アンドリュー・アダムソン
【出演】アナ・ポップルウェル、ベン・バーンズ、ジョージー・ヘンリー
【制作】2008年、アメリカ

ナルニア国物語シリーズの第2作。「ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女」の続編。

ナルニア国の王子、カスピアン(ベン・バーンズ)は、摂政のミラースに暗殺されそうになり、城を脱出。その時に吹いた角笛の力により、かつてナルニア国で活躍したペベンシー四兄弟が、再びナルニア国に呼び寄せられる。
そこは彼らが統治した時から1,300年の年月が流れた時代で、彼らの知っていたナルニアの城は廃墟となっていた。彼らは廃墟から自分たちの武具を取り出し、カスピアン王子とともに、テルマール軍との戦いに挑む。
剣士のねずみなど、いかにも子どもの喜びそうなキャラクターが登場。主人公達は、アスラン王を味方につけ、木や水の精やを味方に付けて戦う。

ただの子供にとって楽しい勧善懲悪だけではなく、第一の王、ピーター(ウィリアム・モーズリー)とカスピアン王子との作戦の違いにより、味方の大量死が出たときの確執や、ミラースが家来に慕われず、命を失う場面など、大人にも見応えのある展開があり、1作目より楽しめた。

【5段階評価】4

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