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2011年5月17日 (火)

(438) 重力ピエロ

【監督】森淳一
【出演】加瀬亮、岡田将生、渡部篤郎、吉高由里子
【制作】2009年、日本

伊坂幸太郎原作の小説の映画化作品。

泉水(いずみ)(加瀬亮)と春(はる)(岡田将生)は兄弟。春が高校生の時、彼は泉水からバットを受け取ると、気に入らない女を襲おうとしている三人組の男達をバットで追い散らす。ありがとう、とこびてくる女もバットで突き倒し、「別におまえを助けに来たんじゃない」と告げる。じゃあ、なんのためか、というのは、物語が進むにつれて明らかになる。
彼らの住む仙台で、連続放火事件が起きていた。街に書かれている奇妙なデザインの落書き(グラフィティアート)を消す仕事をしている春は、放火事件が落書きの近くで起きていると兄に相談する。泉水は大学で遺伝子研究をしており、これらの落書きに書かれている文字が、全てG、C、A、Tの4文字でできており、遺伝子配列を意味することに気づく。
二人の母親、梨江子(鈴木京香)はすでに亡くなっていた。交通事故死だった。父親の正志(小日向文世)は、二人の息子に告げる。かつて仙台で、高校生による連続レイプ事件があったこと。母親の梨江子がその犠牲となり、生まれたのが春だったこと。しかし、そんなことは関係なく、二人は自分の息子であり、俺たちは最強の家族だ、ということ。しかし、春がレイプで生まれた子であることは周知の事実だった。
レイプ事件の犯人、葛城由紀夫(渡部篤郎)は、刑期を終え、仙台に戻っていた。大学の同僚からそのことを知らされた泉水は、葛城を捜し出す。話をした葛城は、レイプを正当化し、事件の時に撮った写真でさらに金を脅し取ることを企む最低以下の男だった。激しい憎悪に燃える泉水は、葛城の殺害を計画し始める。
そんな泉水の周囲に、謎の美少女(吉高由里子)が現れる。彼女はかつて、春のストーカーをしていた女で、春を追っていることから家族は夏子と名付けていた。泉水は夏子から、一連の落書きと放火をしているのは、誰ならぬ春であると告げられる。春もまた、自らの父親、葛城に復讐の感情を抱いていたのだ。彼が女を襲う男を許せない、と考える理由は、ここから来ていた。
彼は一連の事件の記事の切り抜きを葛城に送りつけ、最後に、梨江子が事件に巻き込まれたかつての実家に葛城を呼び出す。春は家に放火すると、バットで葛城を殴りつけ、彼を殺害する。泉水は急いで現場に駆けつけるが、春の行為を炎にまかれる家の外から見ていることしかできなかった。
泉水と春は、父親にプレゼントしてもらった焼けたバットを持って家に帰る。父親はそれを見て泉水と春が何かよからぬことをしたことを悟り、二人を問いただすが、二人とも「何もしてない」と言うばかりだった。
がんの末期的症状だった父、正志はまもなく他界し、春と泉水は、父のやっていた養蜂をしながら、生きていくのだった。

魅力的な謎の提示だったが、その理由が、兄に興味を持たせるためだったというのが、少々アイディア倒れの感があった。レイプ魔以外には伝わらない反省や恐怖を促すことにでもなっていれば、なるほど感は増しただろう。
また、レイプ魔を演じる渡部篤郎がふつうにかっこよすぎて、ちょっとミスキャストである気がした。長塚圭史とか、いっそ小日向文世が演じるのも一興だったかもしれない。
加瀬亮は、「ハチミツとクローバー」や「硫黄島からの手紙」、「壬生義士伝」、「」、「それでもボクはやってない」など、多数の映画に出演。岡田将生は、「天然コケッコー」で夏帆の相手役を務めている。同じ伊坂幸太郎原作の「アヒルと鴨のコインロッカー」にも出演している。
吉高由里子は「きみの友だち」や「カイジ 人生逆転ゲーム」、「僕の彼女はサイボーグ」などにも登場している。

 

【5段階評価】3

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