(404) 肉体の門
【監督】五社英雄
【出演】かたせ梨乃、渡瀬恒彦、根津甚八、名取裕子
【制作】1988年、日本
戦後復興期の日本をたくましく生きようとする娼婦たちを描いた作品。
浅田せん(かたせ梨乃)は、関東一家を名乗り、1トンの不発弾のぶら下がった廃ビルを根城に、仲間達と金を稼いでいた。袴田組の組長、袴田義男(根津甚八)は、せん達のビルを手に入れようとしていたが、不発弾があるため、入り込めないでいた。
せん達のグループに、町子(西川峰子)という女が加わる。質素な出で立ちでおとなしい気質と思われたが、やくざの世界にも通じた手練れの女で、せん達がためた資金をばくちにつぎ込み、姿をくらましてしまう。
せん達の住むビルの入り口の階段で倒れていた男、伊吹(渡瀬恒彦)は、袴田の旧友で、せん達に介抱され、ビルにいつく。せんは、伊吹が煙草を持つときに、人差し指と中指ではなく、中指と薬指で煙草を挟むのを見て、彼が自分の処女を捧げた相手であることを知る。
せん達は、別グループのかしらであるお澄(名取裕子)とライバル関係にあったが、度胸の据わった二人は、戦い合う中でしだいに共感し、いつしか無二の親友となっていく。お澄は、母と妹を米軍の士官、ロバートに強姦されており、その復讐の機会を得るため、米兵専門の娼婦となっていたのだった。ようやく彼女に復讐の機会が訪れるが、彼女の放った銃弾はロバートに致命傷を与えることができず、お澄はそのまませんのいるビルに逃げ込む。周囲を米軍に囲まれる中、ビルを出たお澄は、懐の仕込み刀でロバートに一撃を食らわせたのち、米軍の銃弾を浴び、死亡する。伊吹は袴田を殺すが、自身も傷を負う。傷を負った体をひきずって、せんのビルにたどりついた伊吹は、不発弾の信管を抜こうとしたところで息絶える。せんは、ダンスホールが完成したら着ようと決めていた純白のドレスをまとうと、爆弾を落下させ、ビルごと爆死する。
かたせ梨乃や西川峰子の脱ぎっぷりが見事。特に西川峰子は、演歌歌手としてのイメージからは想像も付かない豊かな胸を、惜しげもなく披露している。
しかしまあ、映画としてはだいぶぶっ飛んでいて、町子が仲間になるときの固めの杯の場面での自己紹介(ボルネオのマヤ、とか自己紹介しちゃう)をはじめとする任侠風の台詞回しは、なかなか受け入れるには難があるし、せんとお澄がダンスパーティで突然一緒に踊り出したり、ビルの穴から上半身をぶら下げて絶命している伊吹の下でキラキラ輝く純白のドレスをまとったせんが舞ったり、俳優も大変だなぁ、と思わずにはいられない。ただ、全体的には、いろんなエピソードが次々と展開して、飽きさせないところはよかった。
【5段階評価】3
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