(369) アマルフィ 女神の報酬
【監督】西谷弘
【出演】織田裕二、天海祐希、佐藤浩市、戸田恵梨香
【制作】2009年、日本
イタリアの都市、アマルフィの名を冠した、フジテレビ開局50周年を記念するサスペンス映画。織田裕二、天海祐希、佐藤浩市、戸田恵梨香をはじめ、佐野史郎、大塚寧々、伊藤淳史、平田満、福山雅治など、そうそうたる俳優が出演している。しかし、残念ながら、非常につまらない作品。
イタリアに旅行していた矢上紗江子(天海祐希)が、娘のまどか(大森絢音)を誘拐される。そこに居合わせた日本大使館の黒田康作(織田裕二)は、犯人からかかってきた電話に出て、つい「父親だ」と告げてしまう。犯人が行動を見張っているかもしれないという理由から、黒田は紗江子と同じホテルに宿泊することになる。なんていうエロゲですか。
犯人は、身代金の受け渡しをわざわざ有名観光地に指定するが、身代金の引き渡しには失敗し、犯人に、警察の関与を知られてしまう。
紗江子の知人、藤井昌樹(佐藤浩市)は、紗江子を心配してロンドンからローマ経由で駆けつけた、と黒田に告げるが、雪のローマから来たにしては車の泥はねがないことから、黒田は藤井を怪しいとにらむ。
果たして、藤井こそが、まどか誘拐の首謀者だった。藤井は、アフリカの小国でボランティア活動をしていたのだが、そこで、日本の政治家、川越(平田満)による軍部への資金提供のせいで妻を失っており、川越がその事実をもみ消したことに、強い恨みを抱いていた。
藤井はボランティアの同胞とともに、愛する人をなくした恨みを晴らすため、川越大臣の殺害を企てていた。藤井は、紗江子が大使館のセキュリティを管理する建物に入りこむ機会を作るため、彼女の娘を誘拐していたのだった。紗江子は、わが子を救うため、藤井に言われるがまま、施設のセキュリティ消去に協力してしまう。
藤井は、3人の仲間とともに、川越が登場するパーティに潜入し、川越が邦人を犠牲にする資金提供を行ったことを白日の下にさらすが、そこに登場した黒田は、藤井を説得し、川越を助ける。
やはりサスペンスものなので、謎解きは魅力的であってほしかったが、一つ一つの謎が明かされるときの納得感は乏しかった。なぜ犯人が観光地ばかりを指定するのかの必然性が感じられず、制作側が観光地を紹介する下心があるのかなぁ、などと物語と関係のない推理をしてしまい、内容に集中できない。「何この観光情報番組」みたいになってしまった。
織田裕二が演じた黒田康作も、ただただシリアスにかっこいいキャラクターなのだが、日本人には、こういうキャラクターは受けないのかもしれない。
【5段階評価】2
| 固定リンク
コメント