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2011年2月

2011年2月28日 (月)

(366) 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ

【監督】マイケル・アプテッド
【出演】ピアース・ブロスナン、ソフィー・マルソー、ロバート・カーライル、デニス・リチャーズ
【制作】1999年、イギリス

言わずとしれたスパイ映画の老舗、007シリーズの第19作。主演はシリーズ第17作から20作のボンド役、ピアース・ブロスナン。本作では、原子力潜水艦の爆破を企む一味の謀略を、ジェームズ・ボンドが阻止する。

石油王の娘、エレクトラ・キング(ソフィー・マルソー)は、かつてレナード(ロバート・カーライル)という悪党に誘拐されたが、見張り役を誘惑して殺害し、逃亡に成功していた。再び彼女がレナードに狙われると考えた諜報部は、ボンドを警護役にあてることにする。
レナードは、頭部に銃弾を受けた影響で、痛みを感じない不死身の肉体を手にしていた。彼は核弾頭を盗んでおり、パイプラインを爆破しようとしていると思われたが、実は、エレクトラ・キングとレナードは、誘拐を通じて、厚い信頼関係を結んでいた。彼女は、誘拐された自分を見殺しにしようとした父を恨んでおり、父を暗殺させ、石油会社を引き取ると、自分のパイプラインで大もうけできるよう、競合する海上輸送ルート上で原子力潜水艦事故に見せかけた放射能汚染を起こし、ルートを遮断しようとしていたのだった。
それを見抜いたボンドは、いちどはベッドをともにしたエレクトラのもとに戻り、彼女を倒すと、潜水艦に侵入してレナードを倒し、行動をともにしていたクリスマス・ジョーンズ博士(デニス・リチャーズ)を助け出すのだった。

007も、この頃は水戸黄門のようなお約束ドラマとなってしまっていて、どうせ主人公は助かるんだよな、という姿勢で観てしまうので、かといって制作側もそれを裏切ることはできず(「二度死ぬ」ネタは使用済みだし)、つらいところだろう。
ただ、本作は、展開がめまぐるしく変わる、凝ったストーリーになっており、観る者を飽きさせない工夫が見られる。最初は被害者と思われたエレクトラが、実は黒幕で、しかも超フェミニストのジェームズ・ボンドが、世界を救うために彼女を撃ち殺すという衝撃的なシーンも用意されている。
デニス・リチャーズは、本作でラズベリー賞を受賞してしまっているが、原子力専門の博士という知的な役どころの割に、大きなおっぱいを揺らしながら、ボンドの足手まといになっているだけのような印象もあり、やむを得ないところだろう。5歳年上のソフィー・マルソーのほうが、魅力的に見えてしまったりもした。

【5段階評価】3

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2011年2月27日 (日)

(365) カメレオン

【監督】阪本順治
【出演】藤原竜也、水川あさみ
【制作】2008年、日本

藤原竜也主演のバイオレンス映画。

結婚詐欺で金を稼ぐ売れない劇団員たちが、ホテルの地下駐車場で怪しい一団を目撃する。それは国土交通大臣の汚職の鍵を握る秘書を、闇の組織が拉致する現場だった。
劇団員の一人、ゴーロ(藤原竜也)は、彼らがプロの組織であると見抜き、彼らの本拠地に乗り込んで、目撃したことは決して口外しないと告げるが、ゴーロの仲間が、お金ほしさに、拉致現場の映像をテレビ局に持ち込んでしまう。
情報を漏らしたことに気づいた彼らは、ゴーロの仲間達を次々と葬り去る。ゴーロは仲間になった小池佳子(水川あさみ)と逃亡するが、訪れた仲間の故郷の海辺で、二人は組織のスナイパーに撃たれてしまう。
佳子は連れ去られたが、海に落ちて死んだと思われたゴーロはそこから蘇り、組織の手先の暴力団に単身で殴り込みをかけると、最後は国会の証人喚問の場で、拉致現場の写真を配る。

序盤は、ちっぽけな詐欺で暮らす、しがない劇団員を描いたコメディものかと思いきや、後半では激しくとげとげしいバイオレンス・アクションが展開する。藤原竜也の演じるクレイジーさは、松田優作の雰囲気も意識しているようだが、松田優作よりも芝居臭さがなく、違和感がなかった。顔は童顔だと思うが、「カイジ 人生逆転ゲーム」でも、なかなかの演技を見せていて、いい俳優だ。
水川あさみは、「深紅」での殺人犯の娘役が印象にある。絶世の美女というわけではないが、少し愁いを帯びた役どころが似合う女優だ。

【5段階評価】3

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2011年2月26日 (土)

(364) 花都大戦 ツインズ・エフェクトII

【監督】パトリック・レオン、コリー・ユエン
【出演】ジェイシー・チェン、シャーリーン・チョイ
【制作】2004年、香港

なかなかヒドい作品だった。一応ジャッキー・チェンが出演しているのと、シャーリーン・チョイが可愛らしいので、評価1にするのはやめようかと思ったが、さすがにこれは・・・という、何とも残念きわまりない映画。

ストーリーとしては、圧政を敷く女尊男卑の女帝を倒すため、男女4人が聖剣を求めて旅に出るというもの。
本作の目玉は、なんと言ってもジャッキー・チェンの息子、ジェイシー・チェンのデビュー作であること。しかし、この子が、確かに鼻の辺りにジャッキー・チェンの面影はあるのだが、何というか、男子フィギュアの織田信成のような、鼻はデカいが華はないという、何とも貧相な顔立ちなのだ。
しかもジェイシー・チェンには、アクションらしいアクションシーンもほとんどなく、出し惜しみしているのかと思ったら、最後まで彼のアクションはないままだった。これで「父親譲りのアクション」、「ジャッキー・チェンも出演」という触れ込みだったら、ほとんど詐欺だろう。

タイトル通り、香港のトップアイドル、ツインズが主役ということなのだろうが、香港映画界のサラブレッドが、誰も手をつけない添え物のようになっていると感じた作品だった。

【5段階評価】1

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2011年2月25日 (金)

(363) 相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿

【監督】長谷部安春
【出演】六角精児、萩原聖人
【制作】2009年、日本

相棒 劇場版」のスピン・オフ作品。鑑識の米沢守(六角精児)が主人公。その相棒として、相原刑事(萩原聖人)が登場する。

事件は、「相棒 劇場版」の舞台となった東京ビッグシティマラソンから始まる。米沢が事件を追うため、カメラ映像を調べていたとき、そこに自分の妻、知子(紺野まひる)を見つける。しかし、それは別人で、相原刑事の別れた妻であることが分かる。その女性は、自室で青酸カリを飲んで死んでいた。現場には「悔しい。こんな結果に終わって、残念でならない。」と書かれた遺書のようなノートの切れ端が置かれていた。
相原は、彼女が死ぬ直前、自分に相談があると連絡してきたことを明かし、自殺はあり得ないと米沢に告げる。しかし、知子の上司、天野課長(市川染五郎)は、知子が理事長(伊武雅刀)のセクハラに遭っていたのではないか、と米沢らに伝える。
二人は、真相を知るため、知子の同僚、高橋早苗(片桐はいり)に話を聞き、理事長のセクハラは有名だと聞かされる。二人は、理事長が口封じのために知子を殺したのではないかと考えるが、理事長にはアリバイがあった。
天野課長は、今度は二人に、彼女が職場の金を横領していることをほのめかす預金通帳の存在を明かす。その通帳には、天野課長と知子の指紋が付着していた。しかし、指紋の付き方が不自然であり、この通帳こそが、知子を殺した真犯人の存在を物語っていた。
二人は、ここで、真犯人にカマをかける。二人は理事長室に乗り込むと、やりとりを盗み聞きしていた天野課長に対して、現場にあった遺書は、彼女の日記を切り取ったものであり、実はこの日記はブログになっていて、それを読む限り、この文章は遺書ではあり得ない、と言ったのだ。しかし、天野課長は「なぜ遺書じゃないなんて言える!? 」と言うだけで、ボロを出しそうにない。そのとき、それを野次馬のように聞いていた早苗が、「そうよ、それだけあのマラソンに賭けていたのかもしれないじゃない」と、課長に助け船を出したのだ。
これに米沢と相原が食らいついた。
「なるほど、マラソンを完走できなくて悔しい。こんな結果に終わって、残念でならない。そう書いてあったんですね。」
「遺書の前後に何が書いてあったかは、犯人しか知り得ない事実なんです。」
早苗は、「いやいやいや、だってブログに書いてあったんでしょ、あたし、そのブログ見たもん。」と言うが、そこで米沢が、「語るに、落ちましたね。」と言い、相原が「そんなブログはどこにもありません。」と続け、早苗は落ちる。横領をしていたのは、早苗だった。そのための架空口座への振り込みを、後輩の知子にさせていたのだった。早苗は、知子に横領をやめるよう説得され、口封じに殺したのだった。

セクハラや横領などに、相原の元妻、知子はかかわっておらず、犯人は全く別の人間だった、という筋書きは、意外性もありつつ、知子は善意の人だったという納得のいく結果で、そこはよかった。
しかし、犯人がボロを出す展開はいただけない。天野課長が疑われて、犯人の早苗としては、しめしめ、というところなのに、そこでわざわざ会話に加わるようなことを、真犯人がするとはとても思えない。ここはやはり、米沢と相原の疑いの矛先が早苗に向かい、早苗が自分自身を正当化しようとしてボロを出すか、米沢と相原の二人が天野課長にやりこめられ、このままでは天野課長が犯人ではなくなりそうだ、となって焦って語り出すか、そういった展開でないと、不自然だろう。
それにそもそも、おそらく観客は、「悔しい。こんな結果に終わって、残念でならない。」という、冒頭に登場する文章を見て、「それって遺書じゃなくて、マラソンのことなんじゃ。」という予感を持っているので、早苗がそう口走っても、あまり「語るに落ちた」とは思わない、というのもある。観客に最後まで、早苗が犯人とは気づかせたくなかった故の展開だとは思うが、ちょっと納得のいかない終わり方だった。

【5段階評価】3

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2011年2月24日 (木)

(362) アベンジャーズ

【監督】ジェレマイア・S・チェチック
【出演】レイフ・ファインズ、ユマ・サーマン、ショーン・コネリー
【制作】1998年、アメリカ

イギリスの諜報部員が、天候を操り世界征服を企てる男と闘う。「007」シリーズを意識したような作品。

映画は、諜報部員のジョン・スティード(レイフ・ファインズ)の訓練シーンから始まる。牛乳配達員や乳母車を押す老いた女性が、次々とジョンに襲いかかるのだが、これが全く迫力のないアクションで、この段階で、「うわあ、この映画、大丈夫かな」と不安になる。そして残念なことに、このいやな予感は全く払拭されないまま、エンディングに至る。大物俳優たちによる、迫力と必然性のないアクションシーンが続き、早く終わってほしいと思うばかりのつまらない作品だった。

世界征服を企む悪役のオーガストを演じるのは、名優ショーン・コネリー。けっこうなご老体であるにもかかわらず、傘に仕込んだ剣で闘いを挑んでくるジョン・スティードに対し、正々堂々と杖で対戦。映画の中では、それまでさんざん拳銃が登場しているのに、何で老人が杖で闘いに挑むのか。本気だとはとても思えない。
ジョンの相棒、ミセス・ピール(ユマ・サーマン)も、オーガストの送り込んだヒットマンと死闘を繰り広げるのだが、ヒットマンは、ちょっとした衝撃で外れてしまうワイヤーにぶらさがってピールに近より、ピールに蹴られて撃退される。すると今度はバタフライナイフを取り出す。だったら最初から出せ、という。そして再度戦闘に挑むが、結局は落ちてしまう。だったら銃を使えよ、と。
こういう、戦闘のアイディア先行で、敵が本気で主人公側を倒そうとしているとはとても思えないシーンが続くので、しらけてしまう。
例えばジャッキー・チェンの映画では、ちゃんとストーリーの中で、銃を使わないで素手で格闘する必然性が描かれる。それなしに素手で格闘しても、観ている側は「何で銃を使わないの? 」と思ってしまうのだ。特撮シーンはそれなりにがんばっているので、評価1にはしなかったが、きわめて1に近い作品だった。

【5段階評価】2

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2011年2月23日 (水)

(361) マイケル・ジャクソン THIS IS IT

【監督】ケニー・オルテガ、マイケル・ジャクソン
【出演】マイケル・ジャクソン
【制作】2009年、アメリカ

永遠のスーパー・スター、マイケル・ジャクソンが、文字通り命を賭けて臨んだコンサート、「THIS IS IT」のリハーサル映像で構成されたドキュメンタリー。マイケル・ジャクソンが亡くなったのは、2009年6月25日。その2日前までの映像が用いられている。

リハーサルではあるが、ダンサー、ミュージシャンとも、プロ中のプロであり、ステージの迫力は本物。そして、やはりマイケル・ジャクソンはすごいアーティストだ、ということを思い知らされる。

このコンサートが実現しなかったのは、本当に残念なことだ。

【5段階評価】3

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2011年2月22日 (火)

(360) 大停電の夜に

【監督】源孝志
【出演】田口トモロヲ、豊川悦司、原田知世、宇津井健
【制作】2005年、日本

クリスマスイブに、関東地方で起こった大停電。その夜、繰り広げられる数々のドラマをつむいだ群像劇。

数多い登場人物と最も多くの関わりを持っているのは、おそらく佐伯遼太郎(田口トモロヲ)だろう。彼は、静江(原田知世)という妻がいながら、職場の女性、草野美寿々(井川遥)と不倫関係にあった。彼はこの日、入院中で老い先短い父(品川徹)から、今まで亡くなったと聞かされていた母親(淡島千景)が、実は生きていて、ほかの男と結婚していると聞かされる。
遼太郎は、母の小夜子に電話をする。小夜子は、夫の義一(宇津井健)に、昔、不倫で生んだ息子がいると告白する。義一は動揺し、家を飛び出す。
ほかにも、刑務所を出たばかりの男(吉川晃司)が、別れた妻(寺島しのぶ)と偶然再会し、産気づいた彼女を病院に連れて行ったり、天体観測をしていた少年(本郷奏多)が、双眼鏡で病院の屋上にたたずむ女性(香椎由宇)を見つけたり、キャンドルショップの女性店員(田畑智子)が向かいのバーの店長、木戸晋一(豊川悦司)を気にしていたり、ホテルで遼太郎に別れを告げられた美寿々がエレベーターにホテルマン(阿部力)とともに閉じ込められたり、といったドラマが描かれる。

それぞれが切ないようなほろ苦いような夜を過ごし、じわっとした感動が訪れる。派手ではないが、なかなかいい作品だった。

【5段階評価】4

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2011年2月21日 (月)

(359) ジョーズ・アパートメント

【監督】ジョン・ペイソン
【出演】ジェリー・オコンネル、ミーガン・ウォード
【制作】1996年、アメリカ

ゴキブリ大量出演映画。ストーリーは比較的まともだが、きわめてカルトな作品と言えるだろう。

アイオワ出身のジョー(ジェリー・オコンネル)が、ニューヨークで家賃の安い家を探していたところ、とあるアパートを見つける。家賃は50ドルと安いが、大量のゴキブリが住んでいた。ゴキブリは言葉を話し、全く掃除をしないジョーを、自分たちと同じライフスタイルだと歓迎する。
そのアパートは、市長の刑務所新設計画地にあり、若い黒人二人組の不動産屋による悪質な地上げに遭っていた。市長の娘で市役所の苦情処理係のリリー(ミーガン・ウォード)は、その地に住民の手で公園を作り上げることを夢見ていた。
ジョーはリリーと親しくなり、彼女をアパートに招く。しかし、彼女はゴキブリの大量襲撃を受けて逃げ出してしまい、二人は不仲になる。一度は住民の手で完成した公園も、不動産屋に荒らされ、とうとう彼女は、父親の刑務所建設に同意してしまう。
彼女との関係をぶちこわされたジョーは、ゴキブリたちを殺そうとするが、返り討ちに遭う。同時に、不動産屋がアパートに火を放ち、ジョーは住むところを失ってしまう。ジョーを不憫に思ったゴキブリたちは、自分たちの力で公園をもとの緑豊かな場所に作り替えてしまう。それを見た市長は、刑務所の建設を中止し、その土地を公園とすることを決める。ジョーもリリーと結ばれる。

とにかく大量のゴキブリが、CGにより、かなりリアルに描かれているので、観る人によっては強い拒絶反応を抱くだろう。自分もかなり不快だったが、リリー役のミーガン・ウォードが、ちょっと加藤紀子に似て(って、この表現がこのブログでは異様に多いな)かわいいのが救いだった。

【5段階評価】2

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2011年2月20日 (日)

(358) スタンドアップ

【監督】ニキ・カーロ
【出演】シャーリーズ・セロン
【制作】2005年、アメリカ

鉱山で働く女性が、現場で受ける性差別に立ち向かう姿を描いた、実話に基づく作品。

夫の虐待から逃れるため、子供二人を連れて実家に戻ったジョージー(シャーリーズ・セロン)。高校の頃から異性関係が派手だったため、父親のハンク(リチャード・ジェンキンス)からも冷たい視線を浴びる。
自立して家を持つことを目指し、ジョージーは男女比が30:1の職場、鉱山で働くことを決意する。ハンクと同じ職場であるが、男の仕事を奪ったと言われ、職場からは歓迎されない。
労働現場では、卑猥な言葉を浴びせられたり、襲われそうになったりと、激しい差別を受ける。同僚の女性労働者は、報復を受けたり首になるよりはましと考え、こらえているが、ジョージーは現場監督、ひいては社長への直訴に踏み切る。しかし、彼らに女性のための就労環境改善の意志は全くなかった。男性の嫌がらせは、簡易トイレに女性労働者が入ると、それを激しく揺らして押し倒し、汚水まみれにするなど、男性労働者すら顔をしかめるほどにエスカレートしていった。
ジョージーはついに、知り合いの元ホッケープレイヤーの弁護士、ビル(ウッディ・ハレルソン)に告訴を依頼する。職場での虐待は明らかであるにもかかわらず、裁判の展開は彼女に不利なものだった。企業側の弁護士は、ジョージーの高校時代の派手な男性関係を取り上げ、彼女が女子高生のときに男性教師との肉体関係を持ち、そのときにできたのが彼女の長男であることを暴露する。しかしそれは、男性教師による一方的なレイプだった。
両親が傍聴する中で、そのような事実を白日の下にさらされるジョージーを見て、これまで彼女への協力を拒んでいた仲間の労働者達がついに立ち上がる。彼女の主張する性差別が職場で起こっていたことを認めるため、傍聴席にいた労働者達が、男女問わず、立ち上がり始めたのだ。これを見て、裁判長も、差別の事実を認めることとなり、彼女は勝訴する。

主演のシャーリーズ・セロンと、フランシス・マクドーマンドという、二人のアカデミー主演女優賞受賞者が共演している豪華な作品。扱っているテーマもシリアスで重たい内容であり、見応えがある。父親から信頼されず、息子からも「あばずれ」呼ばわりされ、失意のどん底にあるジョージーが、裁判で味方を得て、傍聴席の人たちが一人、また一人と「スタンドアップ」するところが本作のハイライトである。とはいえ、「スタンドアップ」という邦題は、この深刻なテーマを表現するには、あまりにも軽い気がした。原題は「NORTH COUNTRY」という、冬の厳しさと激烈なハラスメントを重ね合わせたようなネーミングなのだが、もう少し、こういった意味合いを含む邦題にしてほしかったと思う。
ちなみに弁護士役のウッディ・ハレルソンは「ダイヤモンド・イン・パラダイス」では、コミカルなFBI捜査官役を演じている。

【5段階評価】3

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2011年2月19日 (土)

(357) 秘密

【監督】滝田洋二郎
【出演】広末涼子、小林薫、岸本加世子
【制作】1999年、日本

東野圭吾原作小説の映画化作品。スキーバスの転落事故に母娘が巻き込まれ、母は亡くなるが、その魂が娘に乗り移る。その後の父親と母娘の揺れ動く関係を描いている。

杉田平介(小林薫)は、法事で妻の直子(岸本加世子)と藻奈美(広末涼子)を送り出すが、寝不足のバスドライバー、梶川幸広(大杉漣)の居眠り運転が原因で、二人は転落事故に遭う。
二人は病院に担ぎ込まれるが、直子は亡くなってしまう。しかし、その魂が娘に乗り移る。最初は信じない平介だったが、直子しか知らない、平介のあごの髭のそり残しを確かめるしぐさを藻奈美がするのを見て、平介は「直子」の存在を信じるようになる。
平介は、藻奈美に宿った「直子」との共同生活を始めるが、「直子」が大学生活を送り始める頃から、「直子」がヨットサークルで若い男(伊藤英明)に好意を寄せられたりすることに、強い嫉妬を抱くようになる。「直子」を束縛しようとする平介と、藻奈美の体で自由に生活しようとする「直子」との関係が、ぎくしゃくしはじめる。
平介は、ひょんなことから、バス転落事故のドライバーの息子、文也(金子賢)と親しくなり、文也から、彼が実は幸広の実の息子ではなかったことを聞かされる。文也は、母親が別の男と作った子供であったのだが、幸広は、それを自分の子と勘違いして母親に結婚を申し込み、結局は母親と別れたにもかかわらず、自分を引き取り、実の子のように育ててくれていたのだった。彼は、それを事故の後に知ったのだと言う。
そんな話を聞いた平介は、藻奈美に宿った「直子」を束縛せず、自由に生きてもらおうと決意し、「直子」に告げる。翌朝、寝ている平介のもとに現れたのは、平介を「お父さん・・・? 」と呼ぶ、藻奈美だった。直子の魂が消えていたのだ。その後、藻奈美は、真の藻奈美だったり、「直子」だったりを繰り返すようになり、次第に、「直子」である時間が短くなっていく。そして、二人の初デートの場所で、「直子」はついに姿を消す。
数年後、藻奈美は文也との結婚式に臨んでいた。控え室にいた平介のもとに藻奈美が訪れる。平介と向かい合った藻奈美が、ふと、平介のあごに手を伸ばした。その瞬間、平介は驚き、悟った。実は、「直子」の魂は消えておらず、今もまだ、藻奈美の体の中に宿っており、あえて平介の前から、自分が消え去ったふりをするという道を選んでいたことを。平介は、その場に現れた文也に、自分から二人を奪う花婿を殴らせろと告げ、文也を殴るのだった。

ストーリーの根底に、魂の憑依という、非現実事象を持ってきているが、妻を失った男の哀しみが深く描かれ、切ない後味の残る、感動的な作品だった。竹内まりやの曲もいい。

【5段階評価】4

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2011年2月18日 (金)

(356) ネバーランド

【監督】マーク・フォスター
【出演】ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット
【制作】2004年、アメリカ

ピーター・パンの物語が誕生するまでを描いた実話に基づく作品。

劇作家のジェームズ・マシュー・バリ(ジョニー・デップ)は、ある日、公園を散歩していて、4人兄弟を連れた未亡人、シルビア(ケイト・ウィンスレット)に出会う。ジェームズは子供たちと親しくなり、妻のメアリー(ラダ・ミッチェル)といる時間より、シルビアの家族といる時間の方が長くなっていく。
三男のピーターの心を開くため、ジェームズはピーターに芝居の脚本を書くことを教える。初めてピーター作の演劇を兄弟四人で行おうとしたとき、シルビアがひどく咳き込み、重い病気を持っていることが発覚する。
ジェームズはそれでもピーター・パンを書き上げる。孤児院の子供たちを招待し、劇場のあちこちにばらばらに座らせたことで、身分の高い紳士や貴婦人たちも、子供心に帰ったように演劇を楽しみ、芝居は大成功を収める。初日の様子を見に来た妻のメアリーは、芝居の成功を祝いつつも、夫との別れを決意する。
シルビアは、その日も体調を崩し、劇場に来ることはできなかったが、ピーターだけは芝居を見に来ることができた。
時の人となったジェームズは、ある日、シルビアの家に劇団員を連れて行き、ピーターパンの芝居を行う。それまでジェームズの存在を疎んじていた、シルビアの母、モーリエ婦人(ジュリー・クリスティ)も、芝居に感動する。そしてジェームズは、いつかネバーランドを見せてあげると言ったシルビアとの約束を果たす。
シルビアは亡くなるが、遺言で、息子たちの後見人として、ジェームズとモーリエ婦人を指名していた。ジェームズはピーターに、想像の力があればいつでも母親に会えるとはげまし、優しく抱き寄せる。

前半はちょっとかったるいところもあるが、後半に大きな感動が押し寄せる。なかなかよい映画だった。

【5段階評価】4

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2011年2月17日 (木)

(355) ONE PIECE FILM STRONG WORLD

【監督】境宗久
【出演】田中真弓(声)、岡村明美(声)、竹中直人(声)
【制作】2009年、日本

「ONE PIECE」劇場版第10作。漫画の原作者、尾田栄一郎が総指揮を務めている。

フワフワの実の力で、手に触れたものを浮遊させることのできる海賊、金獅子のシキ(竹中直人)は、優秀な航海士であるナミ(岡村明美)をさらい、ルフィ(田中真弓)たちは空飛ぶ島に飛ばされる。島には、シキの抱える科学者によって攻撃的な姿に変化した、恐ろしい生き物が多数生息していた。バラバラになったルフィ達は、それぞれが生き物の襲撃をかわしながら、島にある一つの村に集結する。
シキたちは、ルフィのふるさと、イーストブルーに凶悪な怪物を放ち、村人を全滅させようとしており、作戦遂行のため、大量の海賊を島に集めていた。それを知ったルフィは、仲間とともにシキの居城に乗り込み、シキを倒す。

作中に登場する異形の生物が、なんとなく「ベルセルク」に出てくる魔物のようだった(そこまでおどろおどろしくはないが)。それと、ナミのおっぱいがバランスを欠くほど大きく描かれすぎていて、少々、気味が悪かった。

【5段階評価】3

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2011年2月16日 (水)

(354) ホーム・アローン

【監督】クリス・コロンバス
【出演】マコーレー・カルキン、ジョー・ペシ、ダニエル・スターン
【制作】1990年、アメリカ

家族旅行から取り残され、家に一人になった少年が、泥棒の襲撃から家を守る様子を描いたコメディ。

8歳の少年、ケビン(マコーレー・カルキン)は、家族や親戚とともに、フランスに旅行することになっていた。みんなから迷惑がられるケビンは、母親に屋根裏部屋で寝るように言われ、寝る前に「家族なんかいなくなっちゃえばいいのに」と願う。
翌日、寝坊した家族達は、慌てて空港に向かうが、うっかりケビンを置き去りにしてしまう。それを知らずに屋根裏から起き出してきたケビンは、始めは家族が本当にいなくなったと喜び、自由を満喫するが、次第に寂しくなり、家族がいなくなればいいのに、と願ったことを後悔し始める。
そんなとき、二人組の空き巣、ハリー(ジョー・ペシ)とマーブ(ダニエル・スターン)が、ケビンの家に目を付けた。ケビンはそれに気づき、二人の撃退作戦を展開する。玄関と地下室入り口の階段に水をまいて凍結状態にしたり、ドアノブに電気ごてをぶらさげて高温にしたり、地下室から1階に向かう階段にタールを塗りつけたりして、二人組の侵入を阻む。
作戦は成功するが、隣の家に逃げ込んだところで、とうとう二人につかまってしまう。もはや万事休すということろに、その日仲良くなった近所のおじいさんが現れ、二人組をスコップで殴りつけてケビンを救う。二人組は駆けつけた警察に逮捕される。
翌日、ケビンは無事、家族と再会する。隣のおじいさんも、断絶状態にあった息子と仲直りを果たしていた。

多少、子供向けの作品ではあるが、泥棒達がやっつけられるところは痛快で楽しい。最後の抱擁シーンではホロリとさせられた。

【5段階評価】4

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2011年2月15日 (火)

(353) オペラ座の怪人

【監督】ジョエル・シュマッカー
【出演】エミー・ロッサム、ジェラルド・バトラー、パトリック・ウィルソン
【制作】2004年、アメリカ

ガストン・ルルー原作小説の映画化。ミュージカル映画に仕立てられている。日本では、劇団四季がミュージカルとしていることでも有名。

音楽の天使の指導により、実力をつけたクリスティーヌ(エミー・ロッサム)。その音楽の天使の正体は、オペラ座の地下に潜むファントム(ジェラルド・バトラー)だった。
ある日、ファントムは、クリスティーヌの前に仮面をつけて姿を現し、自分の住みかに招き入れる。彼は、彼女が自分を受け入れると信じ、オペラ座に対してクリスティーヌを主演にするよう脅迫状を送りつける。しかし、主役に据えられたのはカルロッタ(ミニ・ドライバー)。怒ったファントムはスタッフの一人の首に縄を巻き付けて、舞台の上から落とす。おびえるクリスティーヌは幼なじみのラウル(パトリック・ウィルソン)に慰められ、オペラ座の屋上で愛を誓い合う。
それを見つめていたファントムは、クリスティーヌを我がものにしようと企み、仮面舞踏会に自ら手掛けた作品「勝利のドン・ファン」を持って現れ、自分のもとで歌に磨きを掛けるようクリスティーヌに迫るが、ラウルに阻まれる。
それを見たオペラ座のバレエ教師、マダム・ジリーは、ラウルに真実を告げる。ファントムの顔は右半分が赤く醜く腫れ上がっており、子供の頃は見世物小屋で見世物にされていた。マダム・ジリーは、彼が見世物小屋の係の男を、隙を突いて絞め殺すところを目撃したのだが、彼の脱走を手助けし、オペラ座に住まわせていたのだった。
ラウル達は、クリスティーヌの出演する舞台にファントムが現れると確信し、待ち構える。果たしてファントムは、仮面をかぶった相手役の俳優を襲って入れ替わり、クリスティーヌとの共演を果たす。しかし、クリスティーヌが仮面をはいだため、ファントムの醜い顔が観客の前にさらされる。ファントムは客席の巨大なシャンデリアを落下させ、混乱に乗じて再びクリスティーヌをさらう。ラウルはそれを追うが、ファントムに捉えられる。ファントムはクリスティーヌにどちらかを選べと迫るが、クリスティーヌはファントムに対して、愛情ではなく哀れみの口づけを与える。ファントムはクリスティーヌの真意を知り、その場を去る。

ミュージカルが好きな人は楽しい作品だろう。個人的には、歌のシーンが多すぎて、ちょっと食傷気味になってしまった。

【5段階評価】3

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2011年2月14日 (月)

(352) マーニー

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ショーン・コネリー、ティッピー・ヘドレン
【制作】1964年、アメリカ

ヒッチコック監督の心理サスペンス。

偽名で転々と会社の経理職に就き、資金の横領を繰り返す女、マーニー(ティッピー・ヘドレン)。社長のマーク(ショーン・コネリー)は、彼女を怪しみつつも採用する。マークはマーニーに好意を寄せるが、マーニーはマークの会社の金庫から札束を盗み、逃走を図る。マークは彼女の居場所を突き止め、愛を告白する。マーニーは男性に嫌悪感があり、結婚を拒もうとするが、逃げてもいずれつかまるだけだというマークの説得を受け入れ、かりそめの夫婦を演じることにする。
マーニーは男性を恐怖し、謎の夢にうなされ、赤色を見るとおびえるトラウマがあった。マークはその原因を探ろうとする。彼は探偵を雇い、その原因を見いだした。原因は彼女の幼い体験にあった。彼女の母親は売春婦であった。ある日、母親が家に客の兵士を招き入れたところ、兵士が泣いている幼いマーニーに欲情し、キスを迫った。それを見たマーニーの母は男ともみ合いになり、マーニーは火掻き棒で男を殴り殺してしまう。彼女が男に触れられるのを恐れるのは、その封印された記憶が原因だったのだ。赤色は、男から流れた血の色だった。

話が少々長くて、退屈な感じもあるが、彼女のトラウマの謎が解き明かされるところは、再現シーンによって分かりやすくしっかりと描かれているので、見終わってモヤモヤせず、すっきりと謎解きを楽しめた。
ショーン・コネリーは、007シリーズでも知られる名優。「オリエント急行殺人事件」にも出演している。ティッピー・ヘドレンは、同じヒッチコック監督作品の「」でも、ヒロインを演じている。

【5段階評価】3

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2011年2月13日 (日)

(351) ロミオ&ジュリエット

【監督】バズ・ラーマン
【出演】レオナルド・ディカプリオ、クレア・デインズ
【制作】1996年、アメリカ

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を、舞台を現代に移して映画化した作品。

ストーリーは、割と原作に忠実。いがみ合うモンタギュー家とキャピュレット家。モンタギュー家のロミオ(レオナルド・ディカプリオ)は、キャピュレット家の娘、ジュリエット(クレア・デインズ)と会い、二人は恋に落ち、結婚を誓う。
結婚を控えた日、ロミオは仲間を殺したキャピュレット家のティボルト(ジョン・レグイザモ)を銃で撃ち殺してしまう。ロミオは街を追放され、ジュリエットは別の男と結婚させられそうになる。
ジュリエットは神父に泣きつき、神父は一計を案じる。それは、仮死状態になる薬をジュリエットが飲み、死んだと思わせた後、ロミオと一緒になるというもの。神父はロミオにその計略を記した手紙を送るが、ロミオには届かず、仲間からのジュリエットの死の知らせだけが届いてしまう。
ロミオは街に戻るが、そこには横たわるジュリエットが。失意に沈んだロミオは、自ら毒をあおる。直後、ジュリエットは目覚めるが、ロミオは後悔するまもなく命を落とす。ジュリエットも銃を手に取り、こめかみを撃ち抜き、後を追う。

全体を通して、戯曲めいた、いわゆる「クサい台詞」が目白押し。レオナルド・ディカプリオとクレア・デインズの演技はういういしいが、ちょっと歯が浮くような見苦しさも感じなくはなかった。また、あまりにも有名すぎる話であり、感動の涙、というところまではいかなかった。

【5段階評価】2

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2011年2月12日 (土)

(350) 引き裂かれたカーテン

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュース
【制作】1966年、アメリカ

ヒッチコック監督のサスペンス。

舞台は東西冷戦時代の東ベルリン。アメリカの科学者、マイケル・アームストロング(ポール・ニューマン)は、秘書かつ婚約者のサラ(ジュリー・アンドリュース)とコペンハーゲンの学会に向かっていた。ある日彼は、突然、東ベルリンに一人で行くから、とサラに告げる。納得のいかないサラは、自ら東ベルリン行きの航空機に乗り込む。すぐに帰れと怒るマイケル。マイケルは東ベルリンへの亡命を決意しており、空港で地元政府の歓迎を受ける。しかし、実は、彼はアメリカ側のスパイだった。東ベルリンのリント教授(ルドウィヒ・ドナート)の研究成果を我が国に持ち帰る使命を負っていたのだった。マイケルはリント教授と二人になり、研究内容を披露するふりをして、黒板に未熟な理論を展開し、それをリント教授に「そうではない、こうだ」と否定させ、彼に研究成果を板書させる。そのとき、大学の館内放送で、マイケルを呼び出す声が流れた。リント教授は、ようやく、マイケルが研究成功にたどり着いておらず、ただリント教授の成果を盗みに来たことを悟る。あわてて黒板の文字を隠すが、すでにマイケルはその内容を頭にたたき込んでいた。
その後は彼の逃避行が始まる。西側組織の人間だけが乗り込んだ乗り合いバスを使ったり、舞踏団の大道具の荷物の中に隠れたりしながら、「鉄のカーテン」の突破を図る。踊り子の一人が感づき、彼らの行李が銃撃されたかに見えたが、それはマイケルとサラがまんまと逃げおおせた後だった。

多少のドキドキハラハラはあるが、やや退屈な映画だった。ジュリー・アンドリュースと言えば、「サウンド・オブ・ミュージック」や「メリー・ポピンズ」の清らかな印象があるが、ベッドシーンや熱いキスシーンのある本作への彼女の出演(「サウンド・オブ・ミュージック」の2年後)が、見どころと言えるかもしれない。

【5段階評価】2

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2011年2月11日 (金)

(349) フレンジー

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ジョン・フィンチ、バリー・フォスター
【制作】1972年、イギリス

アルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス映画。

舞台はロンドン。ネクタイで首を絞めて殺された女性が全裸で発見されるという連続殺人事件が発生する。警察は、素行の横暴なリチャード・ブレイニー(ジョン・フィンチ)が犯人だと考え、逮捕に向かう。しかし、本当の犯人は、その友人のロバート・ラスク(バリー・フォスター)だった。ラスクはブレイニーに罪を着せ、ブレイニーはオックスフォード刑事(アレック・マッコーエン)の先入観に満ちた捜査により、終身刑となる。しかし、拘置所でのブレイニーの叫びにただならぬものを感じたオックスフォードは、再捜査の末、ラスクが真犯人だと確信する。
ブレイニーは刑務所でわざと階段から転落して怪我を負い、病院に移送されると、他の患者の協力を得て病院を脱走し、恨みを晴らすべく、ラスクの家に向かう。ラスクの家のベッドに横たわる金髪の人間の頭を、鉄パイプで殴打するが、そこにいたのは、首を絞め殺された若い女性だった。そこに、ブレイニーが脱走したとの報告を受けたオックスフォード刑事が駆け込み、さらには、二人がいることを知らないラスクが、大きなトランクを引きずって部屋に入ってきた。ノーネクタイのラスクに、「ネクタイはどうした」とオックスフォードが尋ね、ラスクが観念したところで、映画は終わる。

映画と言うには、少々こじんまりした連続殺人事件であった。話は明快で分かりやすいが、真犯人の行動があまりにも雑な気がした。そもそも、自分のネクタイを使って首を絞めて女性を殺し、そのネクタイごと死体が発見されて、怪しまれないというのが変だし、殺す女性に抱きついたり、自分の部屋で殺人を行ったり、いくらでも証拠が見つかりそうな脇の甘さ。
最後も、ブレイニーの知略に満ちた復讐が展開されるというより、ただただラスクが愚鈍なだけという、あっけないエンディング。比較的評価の高い作品だが、個人的には今ひとつだった。ちなみに「フレンジー」とは、バーバリアンのアーツ、ではなくて、狂乱という意味の言葉だ。
それと、この映画、NHKで放映されたのだが、女性のおっぱい(バストトップも)が何度もはっきり映っていて、NHKはそのへん、こだわりないんだ、というのが印象に残った(結婚紹介所の女性が殺されるところは、半ば強姦シーンだったし)。

【5段階評価】2

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2011年2月10日 (木)

(348) 仮面の男

【監督】ランダル・ウォレス
【出演】レオナルド・ディカプリオ、ジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコビッチ
【制作】1988年、アメリカ

ルイ14世(レオナルド・ディカプリオ)が民を顧みない圧政を敷く時代。それを見かねた三銃士の一人、アラミス(ジェレミー・アイアンズ)が、仲間のアトス(ジョン・マルコビッチ)、ポルトス(ジェラール・ドパルデュー)とともに、ある作戦に出る。それは、鉄の仮面をつけられて牢屋に幽閉された、ルイ14世の双子の弟、フィリップ(レオナルド・ディカプリオ、二役)を助け出し、ルイ14世と入れ替えようというもの。その作戦をアラミスが打ち明けたとき、ルイ14世に仕えているダルタニアン(ガブリエル・バーン)だけは、忠義を理由に、協力を断った。
仮面舞踏会の日、作戦は決行される。部屋に戻ったルイ14世を襲い、まんまと入れ替えに成功するが、城を出ようとするところをダルタニアンに見つかり、フィリップは捉えられてしまう。フィリップを亡き者にしようとするルイ14世を見て、ダルタニアンもついに耐えきれず、アラミスらの作戦の手引きをする。ルイ14世の従えた軍勢に囲まれ、万事休すとなった彼らだったが、銃士隊に向かって突進し、堂々と散ろうとする。その姿を見て、銃士隊の隊員は感動を覚え、ついつい銃をそらしてしまう。激高したルイ14世は、短剣でフィリップを刺し殺そうとするが、ダルタニアンがその間に割って入り、短剣を背に受ける。ダルタニアンは、フィリップの父だったのだ。ダルタニアンは亡くなるが、彼らはルイ14世に仮面をかぶせ、今度こそ、入れ替えを成功させる。その後、フィリップは国王として見事に国を治めるのだった。

まあまあ楽しめる作品だった。フランスの話なのに、みんな英語を話しているのは、個人的には気持ち悪いのだが、アメリカ人なんかは、慣れっこなのかもしれない。

【5段階評価】3

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2011年2月 9日 (水)

(347) サイコ

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー
【制作】1960年、アメリカ

サスペンス映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督の作品。サイコ・サスペンスの名作。

1960年の作品であり、モノクロ画像で、音楽も少々古めかしいが、殺人シーンの「シャィン、シャィン、シャィン、シャィン・・・」という強烈な音楽と、オリジナリティあふれるカメラワークがきわめて印象的。

存在すると思われていた、ノーマン・ベイツの母親が、実はミイラで、二重人格者のノーマンが母親を演じていたという、驚愕のクライマックスが用意されている。声が完全に老いた女性のものだったり、多少、ずるいところはあるが、ノーマンの住む家の地下室で、背を向けて座っている老婆の椅子を回すと、眼の落ちくぼんだひからびた顔が大写しになるシーンには戦慄が走る。初めて観る人は、相当の恐怖感を味わえるだろう。

【5段階評価】4

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2011年2月 8日 (火)

(346) デイ・アフター/首都水没

【監督】トニー・ミッチェル
【出演】ロバート・カーライル、ジサリン・ギルシグ
【制作】2007年、イギリス

ロンドンを襲う大洪水を描いた災害パニック映画。

離れたところにいる母を案じる父と娘。離婚した男と女。複数のドラマが展開。パニック映画に群像劇の形が採られるのは、「タワーリング・インフェルノ」をはじめ、おなじみの手法。

本作については、全体的にテレビドラマのような感じであり、洪水のシーンも、それなりにはリアルだが、あまり迫力がなく、逃げ場のない恐怖感が伝わってこなかった。
最後は主人公の父が、命と引き替えに水中で作業をし、自ら酸素ボンベのパイプを抜いて息絶えるのだが、何で死ぬ必要があったのか、よく分からなかった。

【5段階評価】2

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2011年2月 7日 (月)

(345) GOEMON

【監督】紀里谷和明
【出演】江口洋介、広末涼子
【制作】2009年、日本

CGを使った独特の映像で、戦国時代の盗賊、GOEMONの活躍を描いた作品。

まあ、独特の映像はいいとして、とにかく退屈な映画だった。評価1にしてしまいそうになった。同じ紀里谷作品の「キャシャーン」も、かなりつまらなかったが、あらすじを書く気も起きない。簡単に言えば、石川五右衛門(江口洋介)が豊臣秀吉(伊武雅刀)にとらわれている姫(広末涼子)を救う話。違うかもしれないけれど、まあ、どうだっていい。

見所と言えば、広末涼子をはじめ、有名な人が出演している、ということぐらいだろうか。江口洋介さんも、出演を後悔したんじゃないかな、とか、勝手な想像をしてしまった。

【5段階評価】2

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2011年2月 2日 (水)

(344) ザ・センチネル/陰謀の星条旗

【監督】クラーク・ジョンソン
【出演】マイケル・ダグラス、キーファー・サザーランド、キム・ベイシンガー
【制作】2006年、アメリカ

大統領暗殺を巡るサスペンス。

序盤から、レーガン大統領の暗殺シーン(実物)があり、そこで大統領をかばって凶弾を浴びたのが、シークレット・サービスを務めるピート・ギャリソン(マイケル・ダグラス)、という設定。彼は一命を取り留め、英雄視されるが、あろうことか、ファースト・レディ(キム・ベイシンガー)と不倫の関係にあった。
そんな中、ギャリソンの仲間が何者かに射殺され、シークレット・サービスの中に、大統領の暗殺をもくろむ裏切り者がいるという疑いが浮上する。スタッフ全員を嘘発見機にかけると、唯一人反応の出た、ギャリソンに疑惑の目が向けられてしまう。ギャリソンに妻を寝取られた経験のあるブリッキンリッジ(キーファー・サザーランド)が、事件の捜査を担当することになる。一時は一触即発の状態になるギャリソンとブリッキンリッジだったが、ブリッキンリッジは、捜査を進めるうちに、ギャリソンは大統領夫人との浮気はしているものの、暗殺に関してはシロだということを確信する。実は、犯人は、嘘発見機による捜査の担当者、モントローズ(マーティン・ドノバン)だった。二人は協力してモントローズから大統領夫妻を守りきる。

微妙な緊張関係にある二人の男たちが、信頼を取り戻す過程が描かれているのだが、若干、話にコクがないというか、最後の救出劇もあまり印象に残らなかった。

【5段階評価】2

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2011年2月 1日 (火)

(343) スリザー

【監督】ジェームズ・ガン
【出演】ネイサン・フィリオン、エリザベス・バンクス
【制作】2006年、アメリカ

地球外生命体が人に乗り移り、それが人々に伝染していくというスプラッタ・ホラー。

登場するのは、赤色のナメクジのような生命体。それが人間の体内に入り込んで脳髄(なんて書くとドグラマグラっぽいけれど)を支配し、体から触覚のような食指を出して、人を襲う。
美しい人妻、スターラ(エリザベス・バンクス)の夫、グラント(マイケル・ルーカー)がエイリアンに寄生される。グラントの風貌は次第にグロテスクになっていき、スターラの妹を襲い、彼女の体を苗床にして、ナメクジのようなエイリアンを大量に町に放つ。
結婚したスターラに今でも恋心を抱いている警官のビル(ネイサン・フィリオン)は、グラントに襲われているスターラを助ける。その後、繁殖したエイリアンに寄生された人たちが、グラントと同体化しようとするが、ビルは、グラントから伸びた触手を通じて、グラントの体内にプロパンガスを送り込み、そこをスターラが銃で撃って、彼らを爆死させる。

南斗聖拳みたいに、真ん中から人が割れて、内臓をドバッと落として死んだりとか、よくテレビでモザイク掛けなかったな、というような映像もあったりする。つまらない映画ではない。だけど、あまり楽しい映画でもなく、いやな後味の残る作品だった。

【5段階評価】3

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