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2011年2月19日 (土)

(357) 秘密

【監督】滝田洋二郎
【出演】広末涼子、小林薫、岸本加世子
【制作】1999年、日本

東野圭吾原作小説の映画化作品。スキーバスの転落事故に母娘が巻き込まれ、母は亡くなるが、その魂が娘に乗り移る。その後の父親と母娘の揺れ動く関係を描いている。

杉田平介(小林薫)は、法事で妻の直子(岸本加世子)と藻奈美(広末涼子)を送り出すが、寝不足のバスドライバー、梶川幸広(大杉漣)の居眠り運転が原因で、二人は転落事故に遭う。
二人は病院に担ぎ込まれるが、直子は亡くなってしまう。しかし、その魂が娘に乗り移る。最初は信じない平介だったが、直子しか知らない、平介のあごの髭のそり残しを確かめるしぐさを藻奈美がするのを見て、平介は「直子」の存在を信じるようになる。
平介は、藻奈美に宿った「直子」との共同生活を始めるが、「直子」が大学生活を送り始める頃から、「直子」がヨットサークルで若い男(伊藤英明)に好意を寄せられたりすることに、強い嫉妬を抱くようになる。「直子」を束縛しようとする平介と、藻奈美の体で自由に生活しようとする「直子」との関係が、ぎくしゃくしはじめる。
平介は、ひょんなことから、バス転落事故のドライバーの息子、文也(金子賢)と親しくなり、文也から、彼が実は幸広の実の息子ではなかったことを聞かされる。文也は、母親が別の男と作った子供であったのだが、幸広は、それを自分の子と勘違いして母親に結婚を申し込み、結局は母親と別れたにもかかわらず、自分を引き取り、実の子のように育ててくれていたのだった。彼は、それを事故の後に知ったのだと言う。
そんな話を聞いた平介は、藻奈美に宿った「直子」を束縛せず、自由に生きてもらおうと決意し、「直子」に告げる。翌朝、寝ている平介のもとに現れたのは、平介を「お父さん・・・? 」と呼ぶ、藻奈美だった。直子の魂が消えていたのだ。その後、藻奈美は、真の藻奈美だったり、「直子」だったりを繰り返すようになり、次第に、「直子」である時間が短くなっていく。そして、二人の初デートの場所で、「直子」はついに姿を消す。
数年後、藻奈美は文也との結婚式に臨んでいた。控え室にいた平介のもとに藻奈美が訪れる。平介と向かい合った藻奈美が、ふと、平介のあごに手を伸ばした。その瞬間、平介は驚き、悟った。実は、「直子」の魂は消えておらず、今もまだ、藻奈美の体の中に宿っており、あえて平介の前から、自分が消え去ったふりをするという道を選んでいたことを。平介は、その場に現れた文也に、自分から二人を奪う花婿を殴らせろと告げ、文也を殴るのだった。

ストーリーの根底に、魂の憑依という、非現実事象を持ってきているが、妻を失った男の哀しみが深く描かれ、切ない後味の残る、感動的な作品だった。竹内まりやの曲もいい。

【5段階評価】4

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