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2010年12月

2010年12月31日 (金)

(313) タワーリング・インフェルノ

【監督】ジョン・ギラーミン
【出演】スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン
【制作】1974年、アメリカ

超高層ビルで起きた火災を描いたパニック映画の名作。スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマンをはじめ、「俺たちに明日はない」のフェイ・ダナウェイ、「オーメン2/ダミアン」のウィリアム・ホールデンのほか、フレッド・アステアやO・J・シンプソンなど、名だたる役者が出演している。

建築家、ダグ(ポール・ニューマン)が設計した世界一の超高層ビルの落成式。135階でパーティが開かれていたところ、電気系統の設備を設計通りに作らなかったため、81階の倉庫室から火の手が上がる。必要な設備が稼働せず、火は想像以上に広がる。ビル・オーナーのダンカン(ウィリアム・ホールデン)を含め、300人の参加者は、次第に逃げ道を失っていく。オハラハン(ポール・ニューマン)をはじめとする消防隊が、エレベータやヘリを駆使して必死の救出・消火活動に当たる。最後は上層階の給水タンクを爆破し、何とか鎮火に成功する。

登場人物が多いが、それぞれのドラマが短い中で濃密に描かれ、火に巻かれたりビルから転落して命を落とすシーンが、その都度、痛々しく、観る者の感情移入を誘う。165分と長い映画だが手に汗握る展開で、非常によくできている。映像も非常に迫力があり、当時の特撮技術でよくここまでできたな、と興味深い。久々の評価5。

【5段階評価】5

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2010年12月30日 (木)

(312) ターミネーター3

【監督】ジョナサン・モストウ
【出演】アーノルド・シュワルツェエネッガー、ニック・スタール、クリスタナ・ローケン
【制作】2003年、アメリカ

アーノルド・シュワルツェエネッガーの代表作中の代表作、「ターミネーター」シリーズの3作目。「ターミネーター2」の続編。

今回は、スカイネットに対する反乱軍の指導者、ジョン・コナー(ニック・スタール)と、その副官達を抹殺するために、T-X(クリスタナ・ローケン)という女性型の殺人兵器が現代に送り込まれる。そしてまた、ジョン・コナーとその副官、そしてジョン・コナーの妻でもあるケイト・ブリュースター(クレア・デーンズ)の命を守るため、T-850(アーノルド・シュワルツェエネッガー)が、T-Xを追うように現代に登場する。
T-Xは、自動車などの他の機器を操る能力や、自身の手をプラズマ砲やソーブレードに変化させる機能も持った強力なマシン。前作のT-1000のような液体金属としての特徴も持っている。
本作の売りは、やはりターミネーターどうしの壮絶なアクション。T-Xの操る巨大なクレーン車とジョンの運転する車との激しいカーチェイスや、男性用トイレルームをぶっ壊しながらのT-XとT-850の格闘が特に印象的。
無敵に見えるT-Xだったが、ジョンの作った強力な地場により、施設のコイルに吸い付けられ、溶けてしまう。しかし、ぎりぎりのところでソーブレードでコイルを切断し、復活する。このあたりは、前作でT-1000が、一度液体窒素で凍りつき、銃で撃たれて砕け散ったかと思いきや、復活したのと同様の展開である。しかし最後は、T-850の動力源である水素電池を口に押し込まれ、消滅する。

前作が神がかり的名作だったので、多少見劣りはするが、アクションシーンの迫力は本作もすばらしい。

【5段階評価】4

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2010年12月29日 (水)

(311) ゴースト・ハウス

【監督】オキサイド・パン、ダニー・パン
【出演】クリステン・スチュワート、ディラン・マクダーモット
【制作】2007年、アメリカ

製作は、「スパイダーマン」の、というより、本作であれば「死霊のはらわた」の、というべきか、サム・ライミ。ゴースト・ハウスとは、あまりひねりのない、そのまんまの邦題だが、原題は「The Messengers」。

オープニングでは、ある家族が、とある屋敷で惨殺されたことがモノクロ映像で示される。数年後、そこに引っ越してきたのがソロモン一家。
父親のロイ(ディラン・マクダーモット)と母親のデニース(ペネロープ・アン・ミラー)は、夫の失業のせいで、少々冷えた関係にある。長女のジェシカ(クリステン・スチュワート)は、映画の後半で明かされるが、未成年にもかかわらず飲酒運転をしたことがあり、特に母親からの信頼を得られないでいる。息子のベン(セオドア・ターナー)は3歳だが失語症で言葉が話せない。ロイは、家族の絆を取り戻したいと願っており、ひまわりの栽培により生計を立てようとしていた。しかしジェシカは、この屋敷に不穏な気配を感じていた。
ある日、ロイは大量のカラスに襲われるが、それを救ったのが、銃を持った男、ジョン(ジョン・コーベット)だった。独り身のジョンは、ひまわりの栽培を手伝うようになる。ジェシカは屋敷の地下室にただならぬ空気を感じはじめ、ついには悪霊の手により地下室の中に引きずり込まれそうになる。しかし、何を話しても両親の信用を得られない。そしてある日、屋敷に大量のカラスが押し寄せ、農作業をしていたジョンを襲った。そこでジョンの記憶がよみがえる。彼はかつて、この屋敷で、自分の元から逃げようとしていた家族3人を惨殺した男だったのだ。
妄想により、ソロモン一家を自分の家族と考えたジョンは、再び彼らを襲い始める。デニースとベン、そしてジェシカは地下室に逃げ込む。扉を破って地下室に入り込むジョン。そこにロイが戻ってきたが、あえなくジョンが手にしたピッチフォークで背中を突き刺される。ジェシカにジョンの魔の手が届こうとしたとき、地下室の地面から手が伸び、ジョンにつかみかかった。ジョンに殺された家族達が、ジョンを亡き者にしようとしていたのだった。地中に引きずり込まれたジョンは、ジェシカをも引きずり込もうとするが、ロイとデニースは必死に娘を引っ張り上げ、家族は助かる。ようやく家族の絆を取り戻したソロモン一家のおだやかな農作業の場面で映画は幕を閉じる。

ただ単に悪霊が人を襲い、大量殺人が起きるという映画ではなく、謎解きの要素もある作品。怖い映画だが、悪趣味なほど怖がらせるわけではなく、品のあるシリアスな映画になっている。
トワイライト」シリーズで、いまや押しも押されもせぬ大女優となったクリステン・スチュワートを起用している辺りは、先見の明があったと言えるかもしれない。

【5段階評価】3

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2010年12月28日 (火)

(310) ゲッタウェイ

【監督】サム・ペキンパー
【出演】スティーブ・マックイーン、アリ・マッグロー
【制作】1972年、アメリカ

スティーブ・マックイーン主演のクライムアクション。アメリカン・ニュー・シネマの香りも漂う作品。

刑務所を裏取引で出たドク(スティーブ・マックイーン)は、その代償として再び銀行強盗を行う。しかし仲間の裏切りに合い、彼らからの逃亡、そして闘争の末、メキシコに逃れる。ドクの妻、キャロル(アリ・マッグロー)は、夫の釈放のため、政界の実力者、ベニヨン(ベン・ジョンソン)に助けを求めていたのだが、ドクは、妻がベニヨンと寝たのでは、との疑いを持ち、彼女につらく当たり続ける。最後は信頼関係が修復し、二人で無事に逃亡する。

ドクが放つショットガンで敵がふっとばされるシーンには迫力があり、観る者に衝撃を与える。しかしまあ、古い映画なので、少々退屈な感は否めない。
ドクを裏切ろうとして、逆にドクから先制の一発を食らい、ドクに対して強い恨みを持ち、ドクを追いかける男、ルディ(アル・レッティエリ)は、撃たれた傷を治すために病院に押し入るのだが、そこにいた巨乳で頭の悪そうな妻といちゃいちゃし、その夫を奴隷のように扱いながらドクを追う。最終的に屈辱に耐えかねた夫は首をつって自殺してしまう。この挿話の必要性がよく分からなかった。

【5段階評価】2

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2010年12月27日 (月)

(309) アイランド

【監督】マイケル・ベイ
【出演】ユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソン
【制作】2005年、アメリカ

クローンを題材とした近未来アクション。

リンカーン・6・エコー(ユアン・マクレガー)とジョーダン・2・デルタ(スカーレット・ヨハンソン)が、謎の施設で暮らしている。そこには同じような服を着た人々がおおぜいおり、時折行われる抽選により、「アイランド」という夢の島で暮らすことができるようになることを皆が願っていた。
しかし、彼らの暮らす施設は、大富豪が自分の病んだ臓器などの移植のために、クローンを作り出すものだった。リンカーンは、クローンでありながら、施設の存在に疑問を抱き、ジョーダンを連れて施設を逃げ出す。彼らは実際の世界で、リンカーンの作成を依頼した本人を捜し出し、追っ手をかわしながら、ついに、本人と入れ替わって生き残ることに成功する。

この映画は、出演している俳優が豪華。ユアン・マクレガーは、言わずとしれた「スター・ウォーズ/EPISODE1 ファントム・メナス」などのオビ・ワン・ケノービ役で有名な俳優。スカーレット・ヨハンソンも、「理想の女」や「イン・グッド・カンパニー」など、このブログでもいくつかの出演映画を扱っており、セクシーな女優ランキングなどで常連となる有名な女優。
そのほか、「コン・エアー」や「アルマゲドン」のスティーブ・ブシェミ、「ブラッド・ダイヤモンド」のジャイモン・フンスーといった名優も脇役で登場。また、「デアデビル」などに出ているマイケル・クラーク・ダンカンが序盤早々に登場し、これは主人公とともにサバイバルを演じるのかな、と思ったら、あっさりと命を奪われたりして、「うわー、この人が引き立て役か」と思ったりする。特撮のできもよい。
ただ、ストーリーとしては今ひとつ魅力に欠けていた。面白い設定だとは思うのだが、種明かしをもう少しひっぱった方が面白かったかもしれない。

【5段階評価】3

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2010年12月26日 (日)

(308) THE MYTH/神話

【監督】スタンリー・トン
【出演】ジャッキー・チェン、キム・ヒソン、チェン・ミンス
【制作】2005年、香港

ジャッキー・チェン主演のアクション・ファンタジーもの。

ジャック(ジャッキー・チェン)は、考古学者。仲間のウィリアム(レオン・カーフェイ)とともに空中浮遊を可能にする隕石を見つける。彼らのスポンサーであるグー教授(スン・チョウ)は、彼らの発見を我が者にしようとする。
ジャックは、遺物を発見したころから、過去の武将の記憶が自身によみがえるような感覚を覚え始める。それは、かつて王の妃となる女性、玉漱(ユシュウ)(キム・ヒソン)と愛を誓った蒙毅(モンイー)将軍(ジャッキー・チェン、二役)だった。玉漱は、仙薬の力で不老不死になっており、戦いに出た蒙毅を待ち続けていた。
滝の奥にある洞窟に向かったジャックは、その中で玉漱に出会う。玉漱はジャックを蒙毅と間違える。しかし蒙毅は戦いの中で壮絶な死を遂げており、ジャックは蒙毅の記憶のまま、そのことを玉漱に告げた。グー教授らが乗り込んだせいで崩壊する洞窟の中、玉漱は蒙毅を待ち続ける道を選び、ジャックは単身、洞窟から脱出する。ジャックは玉漱との思い出を胸に秘め、いつもの生活に戻る。

今回も細かい超人技が楽しい。角になった段差を、両側に小刻みにジャンプしながら登ったり、相手役が手に乗せたゴルフボールをドライバーで打ったり。槍を剣の持ち手に突っ込んで剣をぐるぐる回すシーンでは、剣を頭すれすれに回したためにジャック自身の髪の毛が切れて飛ぶ。こんなの特撮じゃん、と思えばそれまでだが、振り回した剣を、見ないで頭すれすれに回すって、かなり勇気がいる。こういうのをちゃんと撮影するのがすごい。また、過去の戦闘シーンでは、ジャッキーの乗った馬が、後ろ蹴りで敵を倒す。これも特撮だが、映像のオリジナリティ、こだわりはさすが。また、隕石の影響で無重力になったという設定の中での戦闘も、どうやって撮ったんだろう、というような不思議な感覚のアクションで、よくできている。
ただ、やはり最近のジャッキー・チェンの映画に感じる、懲りすぎたストーリーのせいで、純粋なアクション映画というには少々かったるい印象だった。すごく迫力ある作品のはずなのだが、ちょこちょこチープ感を感じてしまった。

【5段階評価】3

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2010年12月25日 (土)

(307) ハリー・ポッターと賢者の石

【監督】クリス・コロンバス
【出演】ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン
【制作】2001年、アメリカ

魔法使いハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)の活躍を描いたファンタジー。J・K・ローリングの原作小説が世界的な大ヒットを飛ばし、待望の映画化。きめ細かい特撮で見事に世界観を演出している。この映画はシリーズ化され、2011年に至るまで映画が公開され続けている。最新作では主人公役のダニエル・ラドクリフはすっかり青年になり、エマ・ワトソンはもはや美少女というよりセクシー女優の域にも達しようという美しさであるが、本作の二人はまだ愛らしい子どもの表情をたたえている。

本作では、ハリー・ポッターの生い立ちからボルデモート卿を倒すまでを描いている。

最初にも書いたが、特撮技術が背景の細かいところに及んでいる。ただ背景に油絵があると思いきや、おもむろに描かれている人物が動いてランプの火を吹き消して元の動かない姿に戻ってみたり、映像の中に不思議なものを探すだけでも楽しい。評価は5でもいいぐらいだが、続きの作品への期待と、少々子ども向けであることを考慮し、4点とした。

【5段階評価】4

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2010年12月24日 (金)

(306) ブラッド・ダイヤモンド

【監督】エドワード・ズウィック
【出演】レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー
【制作】2006年、アメリカ

内戦中のシェラレオネを舞台に、ダイヤモンドの密輸を巡って巻き起こる事件を描いた作品。

武装集団のRUFは、集落を襲い、少年兵や労働力を調達していた。RUFの奴隷となったソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は、ダイヤモンド採掘場で巨大なダイヤモンドを発見する。これを横領しようとしたところをRUFのボス、ポイゾン大尉(デビッド・ヘアウッド)に見つかるが、そこに政府軍が攻撃を仕掛けてきたため、その騒動に紛れ、ソロモンはダイヤを地中に埋めて隠す。バンディーとポイゾンは政府軍に逮捕されるが、ポイゾンはバンディーがダイヤを隠したことを確信し、ダイヤを渡さないと家族を見つけ出して虐殺すると脅しをかける。
ダイヤの密輸を商売としているダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、このダイヤの噂を聞き、ソロモンに接近してこれを手に入れようとする。女性ジャーナリストのボーエン(ジェニファー・コネリー)は、アーチャーのダイヤ密売を暴こうとし、犯罪を正当化しようとするアーチャーと最初は反目するが、次第に彼に共感を覚えるようになる。
行動をともにする3人だったが、ボーエンは母国に戻り、ソロモンはRUFに奪われた息子を取り戻すために、RUFの支配する採掘場に向かう。アーチャーは軍の知り合いに空爆を要請し、RUFは採掘場の支配権を失う。しかし空軍の大佐もダイヤを求めており、銃撃戦の末、アーチャーは大佐を倒すが、アーチャー自身も致命傷を負う。アーチャーはソロモンと息子を何とか逃がすと、ボーエンに電話をかけ、息絶える。ソロモンはシェラレオネの惨状を伝える生き証人として、新たな人生を踏み出すのだった。

密売ダイヤの史実に基づく重い展開。子供の腕を切り落とすなど、RUFによる虐殺の映像は容赦ない。レオナルド・ディカプリオの演技も素晴らしかった。

【5段階評価】4

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2010年12月23日 (木)

(305) 火垂るの墓

【監督】日向寺太郎
【出演】吉武怜朗、畠山彩奈、松田聖子、松坂慶子
【制作】2008年、日本

野坂昭如原作の小説を、スタジオ・ジブリがアニメ化したことで、きわめて有名な「火垂るの墓」。本作は、この実写版として作られた作品である。

時は太平洋戦争。冒頭から、黒こげになった死体が画面に大写しになるなど、写実的な描写で始まる。
神戸に住む清太(吉武怜朗)と節子(畠山彩奈)は、空襲で母親を亡くす。父は戦地におり、身寄りのない二人は、遠い親戚のおば(松坂慶子)を訪ねる。最初は追い返されるが、運んでいた甕(かめ)の中に大量の食料を入れていることに気付いたおばは、二人を招き入れる。しかし、彼女は、あらかじめ二人の母親が郵送した衣類なども、送られてきていないようなしらを切り、口実を設けては二人の食料を取り上げていった。母親の思い出の着物を売りさばこうとするおばに我慢ができなくなった清太は、ついに家を出てしまう。
知り合いの校長が一家心中を図った防空壕に住むことにした二人だったが、節子は次第に体力を失っていく。防空壕近くの池の近くを飛ぶ蛍の墓を作っていた節子だったが、ついに節子は息絶え、節子の墓がその横に並んだ。

主人公の清太と節子の母親、雪子役として松田聖子が抜擢されているのが興味深い。また、兄妹をいびる叔母の役を松坂慶子が演じており、これも見応えがある。節子役もはまっていた。ただ、伝説のアニメ映画に比べると、淡々としていてそれほど印象に残る映画ではなかった。

【5段階評価】3

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2010年12月22日 (水)

(304) クリフハンガー

【監督】レニー・ハーリン
【出演】シルベスター・スタローン、マイケル・ルーカー、ジョン・リスゴー
【制作】1993年、アメリカ、フランス

巨大犯罪に巻き込まれたロッキー山脈のレスキュー隊員の活躍を描いた作品。

オープニングからショッキングな展開。レスキュー隊のゲイブ・ウォーカー(シルベスター・スタローン)は、元恋人のサラと、その恋人のハル(マイケル・ルーカー)の救助に向かうが、サラはロープから転落して死んでしまう。その傷の癒えぬまま、ゲイブは米財務省の紙幣の強奪を企む犯罪組織の陰謀に巻き込まれる。
犯罪組織のボス、クエイルン(ジョン・リスゴー)は、レスキュー隊のゲイブとハルを脅し、ロッキー山脈の山中に落下した札束入りのケースを回収しようとする。ゲイブは彼らを出し抜き、ことごとく札束を先に回収する。
最後、悪事に手を染めた財務省の職員、トラバース(レックス・リン)は、ゲイブとの死闘の末、凍結した川の中に沈み、クエイルンは、絶壁の縄ばしごにからまったヘリの上でのゲイブとの乱闘の末、落下するヘリの爆発に巻き込まれ、命を落とす。

実写、セット、ミニチュアを駆使した映像に、「がんばってるなー」という感動はある。ただまあ、今となっては、少々ちゃちな特撮アクション映画だな、という感じだ。

【5段階評価】3

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2010年12月21日 (火)

(303) 神童

【監督】萩生田宏治
【出演】成海璃子、松山ケンイチ
【制作】2007年、日本

天才的なピアノの才能を持った少女を描いた作品。さそうあきらの漫画が原作。天才少女、成瀬うた役は成海璃子。透明感と不思議さの同居した魅力的な少女を演じている。そして、彼女の才能の開花に少なからぬ影響を与える相手役、菊名和音を松山ケンイチが演じる。

うたは、球技さえも母親から禁じられる抑制された生活に疑問を感じつつも、和音との出会いを通じ、音楽に目覚めていく。最後は海外の大物ピアニストの代役を見事に務める。

まあ、ふつうの映画だった。

【5段階評価】3

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2010年12月20日 (月)

(302) 戦場のピアニスト

【監督】ロマン・ポランスキー
【出演】エイドリアン・ブロディ
【制作】2002年、フランス、ドイツ、イギリス、ポーランド

第二次世界大戦中のドイツ軍のユダヤ人迫害、ワルシャワ蜂起を通して、一人のピアニストの凄絶な人生を描く。

ポーランドの有名なピアニスト、シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)。ポーランドへのドイツ軍侵攻により、地獄のような生活が始まる。ユダヤ人は青いダビデの星の腕章をつけることを強制され、財産は制限され、道ではドイツ将校に「あいさつしなかった」というだけで殴られる。その迫害は、現実とは信じがたいような残虐なものに及んでいく。
夕食中、突然ドイツ兵に乗り込まれ、車いすの老人は窓から投げ落とされ、残りの人間は走って逃げる背後から全員射殺。「私たちをどこへ? 」と聞いただけで兵士に脳天を撃ち抜かれる女性。町中に転がる子どもの死体。奴隷として行進中、「何だこの病んだ集団は」と将校に因縁をつけられ、適当にまびかれ、伏せろと言われて射殺される男たち。貨物列車に大量に乗り込まされ、(映画の中では明示されないものの、おそらく)大量殺戮への一方通行を余儀なくされる大勢の人々。
シュピルマンは、ポーランドの警官やレジスタンスの人々、最終的にはドイツ将校の協力を受けながら、何とか生き延びる。そこにいるのは、あふれるピアノの才能を持ちながら、それを何ら生かすことなく、ただただ逃げ惑う無力な男である。

この映画は、名作としての賛辞を得ている一方、「ただ逃げ回っているだけの映画」、「主人公がピアニストである必然性がない」など、酷評も見受けられる。自分としては、なかなかよい作品だったと思えた。史実に基づいていることもあって、第二次世界大戦の狂気が、ひしひしと身に迫る。自分たちはなんて幸せな世の中に住んでいるのだろうと、今更ながら感じてしまった。
一点、気になったのは、ポーランド人が主に英語をしゃべっていた点。母国語はポーランド語なのだから、そのほうがよかったのではと思えた。

【5段階評価】4

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2010年12月19日 (日)

(301) インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ
【制作】2008年、アメリカ

インディ・ジョーンズ」(タイトルは「レイダース 失われた聖櫃」だが)シリーズの第4作。「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」の続編。ジョーンズ博士(ハリソン・フォード)が、息子のマット(シャイア・ラブーフ)とともに、クリスタルでできた頭蓋骨の謎を解く。

シリーズ共通の息をつかせぬ展開や、いかにも映画的なギミックは、ある程度健在。ある程度、というのは、やはり不朽の名作、第2作などと比べると、というところ。これまでのシリーズでジョーンズ博士の邪魔をしていたのは、主にドイツ軍だったが、本作ではソ連の部隊がライバルとなる。

クライマックスの迷宮で、わらわらと原始的な民族がわいてくるが、彼らは日頃何をして食べているんだろうとか、その辺りの作りは雑な気がした。
また、さすがに宇宙人が登場し、超常現象のような竜巻が起こって地形が変わるところまで行くと、ちょっとインディ・ジョーンズ作品の趣からすると、やりすぎの感があり、映像の迫力に圧倒されるというよりは、興ざめしたというのが正直なところ。

【5段階評価】3

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2010年12月18日 (土)

(300) スパイダーマン2

【監督】サム・ライミ
【出演】トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト
【制作】2004年、アメリカ

アメコミが原作の映画、「スパイダーマン」の続編。

本作では、核融合を研究テーマにする科学者、オットー・オクタビアス(アルフレッド・モリーナ)が、自ら開発した知能を持った四本の巨大な触手を装着し、暴走を始める。ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、友達以上恋人未満の女性、MJ(キルスティン・ダンスト)との関係に迷いながら、オクタビアスとの戦いに挑む。

映像に迫力があり、敵役の造形にもオリジナリティがあって、素晴らしいできばえ。オクタビアスがまとう触手は、機械でありながら知能を持つため、動きが不気味さと狡猾さをたたえ、見る者に恐怖を与える。
ただ、ストーリーはわりと単純で、少々物足りない。また、ヒーロー、ヒロインの双方とも、絶世の美男美女というわけではないので、そこに共感を覚えるかどうか、評価が分かれるところだろう。

【5段階評価】3

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2010年12月17日 (金)

(299) コンタクト

【監督】ロバート・ゼメキス
【出演】ジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー、デビッド・モース
【制作】1997年、アメリカ

カール・セーガンの小説の映画化。ジョディ・フォスターが女性科学者を演じている。

幼い頃に亡くなった父、テッド(デビッド・モース)の影響で宇宙に興味を持つようになったエリー・アロウェイ(ジョディ・フォスター)は、ベガから人為的な信号が発信されていることに気づく。それは最初、素数を順に伝えているだけかと思われたが、やがてその中に、ベルリン・オリンピックのテレビ映像が織り込まれていることが分かった。つまり、地球から発した電波がベガに届き、それが返信されているのだった。さらに、ノイズと思われた信号の中に、詳細な図面が織り込まれていることが明らかになる。それは、宇宙空間を移動するポッドの設計図だった。
エリーは、宗教家のパーマー(マシュー・マコノヒー)と、思想の違いを乗り越えた愛をはぐくみながら、信号の謎に取り組む。ポッドに乗り込む役割は、ドラムリン(トム・スケリット)に奪われるが、自爆テロによってドラムリンは死んでしまう。計画は頓挫したかに見えたが、大富豪のスポンサー、ハッデン(ジョン・ハート)は、北海道に同じ施設を建造していた。
そこからエリーは宇宙飛行に挑む。高速で回転する、複数の巨大な輪の中に、エリーの乗った球形のポッドが落下すると、ポッドは宇宙空間のワームホールを高速で移動し、ついに夢のように美しい空間にたどり着く。そこは、幼い頃の父と夢に見た、フロリダ、ペンサコーラの海岸だった。しかし、手を伸ばすと風景は揺れ、人工的なものであるようだった。そこに、何かが近づいてくる。ベガ星系の宇宙人かと思いきや、そこに現れたのはエリーの父、テッドだった。エリーの興奮を静めるため、エリーの記憶をダウンロードし、父を映像化していたのだった。エリーは父の姿をした相手と短い会話を交わし、気づくとまたポッドの中だった。
エリーにとっては18時間近い体験だったが、地上の人々は、ポッドがただ装置の中を落下し、海中に落ちるのを目にしただけだった。3,000億ドルの壮大な実験は失敗し、エリーの話は妄想と片付けられようとしていた。しかし、パーマーは彼女のことを信じると告げた。エリーは子供達を相手に宇宙の夢を語る暮らしを続け、あのときの体験に思いを馳せる。そんなシーンで映画は終わる。

宇宙人は登場しないが、宇宙に向かう計画の進行を、クリントン大統領の映像や、実際のニュースキャスターやテレビ番組を使いながら伝えるところは、リアリティがあり(クリントン大統領の話が核心を突かないのがもどかしいが、合成なのでしかたがない)、面白い。
宇宙の移動も独特でありながらリアリティもあり、よいできばえ。さすが、カール・セーガンというところか。
途中、自爆テロを演じたジェイク・ビューシーは、「スターシップ・トゥルーパーズ」でリコとともに闘う兵士を演じていた役者だ。

【5段階評価】3

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2010年12月16日 (木)

(298) 2001年宇宙の旅

【監督】スタンリー・キューブリック
【出演】キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド
【制作】1968年、イギリス、アメリカ

伝説的なSF映画としてきわめて有名な映画。

もちろん、1968年という時期(「スターウォーズ」は1977年)に当時の技術で、無重力空間などを映像化した撮影のアイディアと完成度は素晴らしい。また、宇宙船の造形などは今見ても古さを感じさせない。しかし、一つ一つのシーンは、最近の映画と比べるとどうしても間延びしすぎである。月面基地のハッチが開き、宇宙船が着陸するシーンや、色とりどりの光線の中を進んでいくシーンなどが、「もういいよ」といいたくなるぐらい長い。また、人工的な重力場で、人が逆さになって歩くシーンも、当時としては驚愕の映像だっただろうが、今ではやはり、ほほえましい程度にしか映らない。

本作の魅力の一つとして、映像の真意の奥の深さがある。例えば、巨大な石版(モノリス)、ロココ調の部屋、最後に登場する目の大きな胎児と横に映る惑星(地球だろうか)など、印象的であるだけでなく、意図がくみ取りにくく、考えさせる。考え出すと、宇宙船の形にも何か意味があるのだろうか、などとなり、その手の話の好きな人には興味は尽きないだろう。
しかし残念ながら、個人的には、説明が不十分で真意の分かりづらい映画は、あまり好きではない。色調の変わった地面を飛ぶ映像などは、最初からこの映像を作るつもりだったと言うよりも、いろいろと色を変えていたらたまたまできたので使った、という場当たり感すら、真意を一生懸命読み取ろうとしない立場からすると感じてしまうのだ。そんなわけで、SF大作には大変失礼とは思いつつ、評価は2。

【5段階評価】2

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2010年12月15日 (水)

(297) ザ・ワン

【監督】ジェームズ・ウォン
【出演】ジェット・リー、カーラ・グギノ
【制作】2001年、アメリカ

アクション・スター、ジェット・リー主演。よくも悪くもジェット・リーの作品。設定はパラレル・ワールドもの。要はジェット・リーが別世界のジェット・リーと闘う。

CG合成などを使った、ジェット・リーとジェット・リーとの格闘シーンが売り。確かによくできている。しかし、カンフー・アクションは、特撮とは違って、カンフーの達人同士が生身の体で超人的なアクションをするから興奮するのであって、「スピリット」のように、対戦相手が普通の俳優(中村獅童)だったり、本作のように合成画像だったり、というのが分かってしまうのは、それがどれだけ迫力ある映像でも、興奮は半減してしまう。
また、パラレル・ワールドやタイム・スリップものは、話のつじつま合わせが泣き所というかシナリオの見せ所でもあるのだが、本作はそのへんがけっこうずさん。

【5段階評価】3

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2010年12月14日 (火)

(296) インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】ハリソン・フォード、ケイト・キャプショー、キー・ホイ・クァン
【制作】1984年、アメリカ

インディ・ジョーンズ・シリーズ第2作。「レイダース 失われた聖櫃」の続編。素晴らしいエンターテインメント作品。

考古学者のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)が、村の宝であるサンカラ・ストーンと、子供達を邪悪な教団に奪われたインドの村を助けるため、女性歌手のウィリー(ケイト・キャプショー)や少年(キー・ホイ・クァン)とともに、敵のアジトに潜入する。

次々と訪れる危機を奇跡的に乗り越えていく、息をつかせぬ展開が非常によくできている。同じ冒険活劇でも、「ルパン」なんかはネタを盛り込みすぎて逆に冷めてしまうようなところがあったが、本作はとにかく飽きさせない。ハラハラドキドキ、という言葉がこれほどふさわしい映画もほかにないだろう。特に秀逸なのはトロッコ列車の爆走シーン。様々な映画やテレビ、ゲームなどでもパロディにされており、迫力満点だ。
痛快なアクションだけでなく、サルの脳みそや、うじゃうじゃと出てくる虫など、グロテスクな描写もあるのだが、「ワイルド・ワイルド・ウェスト」のような悪趣味さが感じられないのも、監督の力ということなのだろうか。
とにかく20世紀最大の冒険映画といってさしつかえない名作だ。

【5段階評価】5

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2010年12月13日 (月)

(295) 日本沈没

【監督】樋口真嗣
【出演】草彅剛、柴咲コウ、豊川悦司、大地真央
【制作】2006年、日本

小松左京氏の小説の映画化。一度、映画化されているのでリメイクである。

日本近海でバクテリアの出すガスによって海底プレートの動きが活発になり、日本で大噴火、国土の沈没が起きる。JAMSTECに勤める潜水艇の操縦士、小野寺(草彅剛)は、火の海の中、東京消防庁のハイパーレスキュー隊員、阿部玲子(柴咲コウ)に救助され、彼女の仲間との共同生活を始める。
科学者、田所(豊川悦司)は、日本が沈没するまで1年弱と予測。その進行は止められないかに見えたが、海底プレートに掘削をして爆弾を埋め込み、一気に爆破させることで、海底に引き込まれているプレートを寸断させるという作戦を編み出す。
政府の要職にある田所の元妻、鷹森(大地真央)は、世界中から掘削船を集め、その作戦を実行に移す。しかし、信管を爆破させるため、小野寺の相棒、結城(及川光博)が潜水艇で海底に潜ったが、突如、海底からわき上がった泥流に飲まれ、命を落とす。それを知った小野寺は、イギリスからの仕事のオファーを退け、旧式の潜水艇で戻ることのできない作戦に挑む。見事に作戦は成功するが、小野寺は帰らぬ人となる。

草彅剛がSMAPのメンバーでキャストが有名人すぎるせいか、今ひとつ映画にのめり込むことができなかった。沈没のシーンはそこそこ迫力があるのだが、人と人との情緒的なシーンが多く、退屈なところもあった。高台に向け、絶望的な進軍をしていた玲子の仲間達のところに、ヘリで玲子が到着するところは、ベタながらちょっと泣けたけど。

【5段階評価】3

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2010年12月12日 (日)

(294) ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝

【監督】ロブ・コーエン
【出演】ブレンダン・フレイザー、ジェット・リー
【制作】2008年、アメリカ

ハムナプトラ」シリーズ第3作。「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」の続編。今度の舞台は中国。

リック・オコーネル(ブレンダン・フレイザー)は冒険心を抑え、妻のエブリン(マリア・ベロ)と平穏に暮らそうとしていた。彼らの息子、アレックス(ルーク・フォード)は、中国で古代皇帝(ジェット・リー)の墓を暴くが、皇帝をよみがえらせようとする中国軍の謀略により、古代皇帝が現世によみがえってしまう。
火や氷を自在に操る皇帝は、永遠の命を得られる泉の水につかり、強大な力を得ると、自分の大軍勢をもよみがえらせる。皇帝を打ち倒そうとする呪術師、ツイ・ユアン(ミシェル・ヨー)は、皇帝に殺された反皇帝軍の死体をよみがえらせ、皇帝の支配する兵馬俑のような軍隊と、骨と皮になった反皇帝軍の大軍勢が入り乱れての大乱戦となる。
リックとアレックスは、皇帝を追い、その心臓を貫くことでのみ皇帝の息の根を止められるという短剣を使い、二人で皇帝を倒す。

CGをふんだんに使った軍勢のバトルがとてもよくできていて、見ていてとても楽しい作品。アイディアや映像も独創的で愉快。これぞ娯楽大作というできばえ。ミシェル・ヨーは、ジャッキー・チェン主演の「ポリス・ストーリー3」でジャッキーの相棒役となる中国警官を演じている。

【5段階評価】4

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2010年12月11日 (土)

(293) インベージョン

【監督】オリバー・ヒルシュビーベル
【出演】ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ
【制作】2007年、アメリカ

何度も映画化されているジャック・フィニのSF小説、「盗まれた街」が原作の映画。

墜落したスペースシャトルが地球に持ち込んだウィルスに人類が侵略される。墜落したスペースシャトルには、謎の生命体が付着していた。精神科医のキャロル(ニコール・キッドマン)は、患者から「夫が夫じゃなくなった」という相談を受け、はじめは精神的な疾患と考えていたが、それが次第に周囲に拡散していることに気づき始める。
キャロルは、別れた夫、タッカー(ジェレミー・ノーサム)に、息子のオリバー(ジャクソン・ボンド)を預けるが、夫もまた、謎のウィルスに感染していた。オリバーを連れ戻そうとタッカーの家に向かうキャロルだったが、ウィルスに感染した人々の異様な結束力にあらがうすべもなく、彼女自身がウィルスに冒されてしまう。
友人のベン(ダニエル・クレイグ)の支援を受けながら、なんとか息子を取り戻したキャロルは、コンビニに立てこもるが、そこに登場したベンもまた、ウィルスに冒された状態だった。キャロルはベンの脚を銃で撃ち、間一髪で、ウィルスの研究者、スティーブン(ジェフリー・ライト)の乗ったヘリで救出される。
その後、ウィルスノワクチンがスティーブンによって開発され、侵略は食い止められる。感染した人々ももとにもどり、平和な生活が訪れたところで映画は終わる。

感染者が増殖し、人を襲うという構図は、ゾンビものとも通じるところがあるが、本作の特徴は、感染者は争いを好まないという点にある。感染者が非感染者を追い求めるのは、非感染者を食らったり、殺したりするのが目的ではなく、あくまで仲間を増やそうとしているだけである。しかも感染者が増えた結果、世界各地で起きている紛争が、次々と平和的な収束に向かう。果たして、人は人のままでいるのがよいのか、実は感染してしまった方がいいのか。人が人を殺す狂気を当たり前のように受け止めている我々に対して、この主題は大いに挑戦的と言えるだろう。

【5段階評価】3

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2010年12月10日 (金)

(292) 余命1ヶ月の花嫁

【監督】廣木隆一
【出演】榮倉奈々、瑛太
【制作】2009年、日本

若くして乳がんでなくなった長島千恵さんの実話を元にした作品。

つきあいを始めた太郎(瑛太)と千恵(榮倉奈々)だったが、千恵は太郎と知り合ってまもなく、自分が乳がんであることを知る。胸を切除し、一度は分かれようとする千恵だったが、屋久島まで追ってきた太郎とともに病気と闘うことを決意する。ところががんが再発。闘病もむなしく、千恵の余命は1ヶ月だと告げられる。太郎は千恵にウェディングドレスを着させてやることを決意し、そこで仮の結婚式を挙げ、その場でプロポーズする。千恵は幸せな一日を過ごすが、まもなく、病室で息を引き取った。

最後は千恵から太郎へのビデオレター。このビデオレターはすごく長い尺で撮られていて、榮倉奈々の実力が光るシーンだった。この映画については、やらせだなんだという噂もあるが、それを気にしなければ、映画としてはなかなか感動的。まあ若い人が不条理に亡くなれば、そら泣くわってもんだけど。

【5段階評価】4

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2010年12月 9日 (木)

(291) ダンシング・ハバナ

【監督】ガイ・ファーランド
【出演】ロモーラ・ラガイ、ディエゴ・ルナ
【制作】2004年、アメリカ

ラテン系ダンスをテーマに若い男女の恋を描いた作品。

高校生のケイティ(ロモーラ・ラガイ)は、フォード社に勤める父の転勤で、家族とともにキューバに引っ越す。彼女はフォード社の社長の息子、ジェームズ(ジョナサン・ジャクソン)からナイト・クラブに誘われ、家族もケイティがジェームズと仲良くなるのを歓迎するが、彼女はキューバ人のハビエル(ディエゴ・ルナ)と、ダンスを通じて親しくなっていく。
アマチュア・ダンス・コンテストへの出場を決めたケイティは、ハビエルとダンスの特訓を行い、無事に予選を通過。そのことを知らなかった母親にはじめは反対されるものの、最終的には理解を得られ、決勝に挑む。ところがそこに、アメリカ人の要人暗殺をたくらむハビエルの兄、カルロスが侵入し、会場はパニックに。ところが折しもキューバ革命が実現して大統領が亡命。事件はうやむやになった。
アメリカに家族で移住するつもりだったハビエルだったが、革命を機に国に残ることを決意。ケイティは家族とともにアメリカに戻ることとなり、二人に別れが訪れる。しかし二人は前向きに未来に向かって歩き出す。ラストは二人の運命を結びつけた店、ラ・ロザ・ネグラに互いの家族を呼び、楽しくダンスに興じるところで終わる。

まあ、よくある青春映画と言えるだろう。「ゴースト/ニューヨークの幻」に出演したパトリック・スウェイジが、ダンス教室の先生役として出演している。

【5段階評価】3

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2010年12月 8日 (水)

(290) チーム・バチスタの栄光

【監督】中村義洋
【出演】竹内結子、吉川晃司、阿部寛
【制作】2008年、日本

海堂尊のミステリー小説が原作の医療サスペンス。

バチスタという難手術を26回連続で成功させていた、外科医、桐生(吉川晃司)率いる7人組が、突如、3回連続で手術を失敗し、患者を術死させる。桐生と院長の申し出で、その原因を探ることになった田口公子(竹内結子)は、途中から捜査に加わった白鳥圭輔(阿部寛)とともに、事件の真相を探る。

この作品は、動機(why)よりも手段(how)が重視されている。最初は、桐生の出世をうらやむ第一助手の垣谷(佐野史郎)や、術死が連続するタイミングで異動してきた大友直美(井川遥)、外科医としての道を桐生により閉ざされた病理医の鳴海涼(池内博之)らが疑われる。しかし捜査を続けるうち、田口と白鳥は、桐生が緑内障にかかっていて、視界の下半分が見えていないことに気づく。それが原因で手術が失敗していたのかと思いきや、真相は違った。ここにどんでん返しがある。そのことはここに書かないでおこう。

しかし、犯行の手段は、医療に素人の観客には、とうてい気づくものではなく、特に目立った伏線も張られていない。そして、その動機たるや、「人が死んでチームのメンバーが慌てるのが面白かった」という不条理な狂気によるもの。それはやっちゃいかんだろう、という気がした。それを動機にすれば、誰だって犯人になれてしまう。例えば、術死が起きると仕事を休めるから、とか、何か別の理由がほしかった。
阿部寛が加わると、どことなくコミカルな展開になるのは、「トリック」の影響もあるかもしれない。

【5段階評価】3

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2010年12月 7日 (火)

(289) 252 生存者あり

【監督】水田伸生
【出演】伊藤英明、山田孝之、桜井幸子、内野聖陽、木村祐一
【制作】2008年、日本

東京消防庁のレスキュー隊員による地下鉄駅からの救出劇を描いた作品。

海底温度の上昇により、東京を巨大台風が襲う。元レスキュー隊員の篠原祐司(伊藤英明)は、自分の娘、しおり(大森絢音)と、地下鉄の駅で生き残っていた研修医の重村(山田孝之)、韓国人ホステスのキム・スミン(MINJI)、中小企業社長の藤井(木村祐一)を連れ、旧新橋駅で仲間達の救出を待つ。
重村はゆがんだ性格で、スミンや藤井、篠原らになにかにつけて絡むが、篠原は元レスキュー隊員としてみんなをまとめる。スミンは腕を骨折し、腹部に内出血しており、重村が篠原の言葉を受け、熱帯魚用ポンプやボールペンの芯を駆使して輸血を行う。
また、しおりが落盤の下に閉じ込められ、絶望が篠原を襲うが、しおりは奇跡的に生きていた。篠原らは、地下鉄駅の柱を鉄パイプで2回、5回、2回とたたき、救出部隊がその音を感知する可能性に賭ける。
それがついに地上の救出部隊に届いた。彼らは台風の目に入る一瞬の好条件下で、爆薬とヘリを使った救出作戦を実行。最後に這い上がってきたのは、篠原と元同僚の宮内(山本太郎)だった。

全体的にはよくできていて、そこそこ泣けるシーンもあった。ただ、災害の必然性の描写が弱めで(カットされたのかも)、導入が長すぎないのはいいが、ちょっと感情移入しづらいと感じた。また、最後のシーン。宮内を肩に担いで篠原が上がってくるが、どうやって上がってきたんだよ、というか、さすがに周りが抱えてやれよというか、ちょっと演出過多だった。

【5段階評価】3

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2010年12月 6日 (月)

(288) 荒野の七人

【監督】ジョン・スタージェス
【出演】ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン
【制作】1960年、アメリカ

黒澤明監督の「七人の侍」をリメイクしたことで有名な西部劇。

盗賊に頻繁に襲われる村の住民が、凄腕のガンマンを雇い、盗賊の襲撃から村を守る。銃撃シーンは、バンバン撃って、撃たれると、うわーっと万歳をして倒れるという、テレビドラマ風な演出で、それほど大迫力というわけでもない。

この映画の名作たるゆえんは、登場人物の個性や心理の描写にあるだろう。リーダーのクリス(ユル・ブリンナー)が同志を募る。それぞれが悩みや夢を抱えながら、戦いに挑む。
集まった7人のうち、生き残ったのは、クリス、ビン(スティーブ・マックイーン)、チコ(ホルスト・ブッフホルツ)だけ。最後のクリスの台詞、「長老の言うとおり、俺たちはいつも敗者。勝ったのは農民だ。」という言葉も無常観を与え、印象的だった。

【5段階評価】3

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2010年12月 5日 (日)

(287) バイオハザードIII

【監督】ラッセル・マルケイ
【出演】ミラ・ジョボビッチ
【制作】2007年、イギリス、オーストラリア、アメリカ

カプコムのゲームが原作の映画、「バイオハザード」シリーズの第三作。「バイオハザードII アポカリプス」の続編。

世界はゾンビ達で埋め尽くされ、わずかに生き残った人々が、荒廃した世界を放浪していた。アリス(ミラ・ジョボビッチ)は仲間達とともに、アンデッドの襲撃に立ち向かいながら、生き延びる可能性を求めてアラスカを目指すが、徐々に仲間が失われていく。彼らは、アンブレラ社のヘリに目をつける。ゾンビに噛まれ、人でいられる時間があとわずかであると悟った、仲間の一人、カルロス(オデッド・フェール)は、爆弾を積んでゾンビの中に突っ込み、爆破でゾンビを吹き飛ばした隙に、アリス達はヘリにたどり着く。
アリスはその場に残り、アンブレラ社の研究者でアンデッドモンスターと化したアイザックス(イアン・グレン)との戦いに挑む。アイザックスの異様なパワーの前に、アリスはとどめを刺されそうになるが、アリスのクローンが、1作目に登場したレーザー・トラップを操作し、アイザックスを切り刻んで倒す。

本作になると、発生しているゾンビが無双系ゲームの雑魚キャラのような無個性的な存在となり、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」のようなゾンビ映画特有の、さっきまでの家族や仲間がゾンビ化し、殺すしかなくなるという絶望感の描写が薄れている。
そして最後は強大なボスを倒して映画は終わるという、「スパイダーマン」のような典型的なアクション・ヒーローものの映画となっている。ゾンビの特性を生かし切っておらず、ものたりなさを感じた。

【5段階評価】3

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2010年12月 4日 (土)

(286) ROOKIES 卒業

【監督】平川雄一朗
【出演】佐藤隆太、市原隼人、小出恵介
【制作】2009年、日本

森田まさのりの漫画が原作の青春野球映画。

不良達が熱血教師のもと、一致団結して甲子園出場に挑む。生意気な新入生、不良とのけんかで怪我、強力なライバルとの対決など、定番のネタ。

途中まではまあ、なんと言うこともなく展開するのだが、選手達が最後、一人一人、監督に「ありがとうございました」と告げるシーンは、悔しいけど泣けた。

【5段階評価】3

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2010年12月 3日 (金)

(285) LIMIT OF LOVE 海猿

【監督】羽住英一郎
【出演】伊藤英明、加藤あい、佐藤隆太
【制作】2006年、日本

海上保安官、千崎大輔(伊藤英明)の活躍を描く。原作はヤングサンデーの漫画。

鹿児島港沖でフェリーが座礁。陸地にも近く、問題は乗客が比較的多いために救出に時間がかかりそうということぐらいで、対応に大きな問題はないように思われた。千崎は同僚の吉岡(佐藤隆太)とともに救助にあたる。途中、船内の駐車場にいた海老原(吹越満)と、妊婦の本間恵(大塚寧々)を誘導するが、逃げ遅れてしまう。船は傾きはじめ、上層階の駐車場からは、漏れたガソリンに引火し、火の手が上がる。上層階は火事、下層階は浸水という絶望的な状況の中、4人は決死の脱出に挑む。

この手の映画では、見ている方は、はいはい、どうせ主人公は助かるんでしょ、という目で見てしまう。ただ、船が沈み、4人は船もろとも海底に沈んでしまう。救出の司令部は、彼らの救出を断念しようとする。そのため、観客はここで一瞬、「うわ、もしかして助からないバージョンですか」という気分になる。しかし、現場にいる海上保安官達が、次々と司令部に潜水許可を求める。このシーンは、胸を打った。

【5段階評価】4

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2010年12月 2日 (木)

(284) 2012

【監督】ローランド・エメリッヒ
【出演】ジョン・キューザック、アマンダ・ピート
【制作】2009年、アメリカ・カナダ

災害映画の巨匠、ローランド・エメリッヒのパニック映画。

映像の迫力は、相当すばらしい。想像を超えた地割れが起き、ロスの街がみるみる崩れ落ちていく。売れないSF作家のジャクソン(ジョン・キューザック)は、偶然、地球に訪れる大災害の予兆に気づき、離婚した元妻のケイト(アマンダ・ピート)とその夫、二人の子供を連れ、政府高官や超富裕層が乗ろうとしている箱船に乗り込もうとする。
ジャクソン達の乗った車や飛行機が、迫り来る地割れや崩壊する町並みから逃れる映像は、すさまじい迫力と作り込みがなされていて、これぞ映画というスペクタクルを感じさせる。

ところが、前半の災害の迫力に比べ、後半は、人々が災害に巻き込まれると言うよりも、歯車に主人公達の使っていた道具が挟まってしまって、船に浸水した水で溺死しそうになったり、箱船に乗り込もうと駆け込んだ人たちが乗り場から落下したり、死ぬ理由が災害とあまり関係なくなってしまう。監督のアイディアがちょっと枯渇したのかな、と心配になる尻すぼみ感であった。

【5段階評価】4

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2010年12月 1日 (水)

(283) ディープ・ブルー

【監督】レニー・ハーリン
【出演】サフロン・バロウズ、トーマス・ジェーン、サミュエル・L・ジャクソン
【制作】1999年、アメリカ

サメが主役のパニック映画。サメが主題の映画と言えば、「ジョーズ」が超有名だが、この作品に登場するサメは、スーザン(サフロン・バロウズ)の研究により、人間並みの知能を持ち、すさまじいスピードで人に襲いかかってくる。

中盤、比較的無名の俳優が多いこの映画の中で、いわば準主役とも思えるサミュエル・L・ジャクソン演じるラッセルが、サメにおびえる仲間達に、生き残るために団結しようと熱く語っている瞬間、あっという間に後ろからサメに飲み込まれる。

ここでの観客に与える絶望感はなかなかの演出だった。

【5段階評価】4

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