(267) オリエント急行殺人事件
【監督】シドニー・ルメット
【出演】アルバート・フィニー、ローレン・バコール、マーティン・バルサム
【制作】1974年、イギリス
アガサ・クリスティ原作の推理小説の映画化作品。
アジアとヨーロッパを結ぶオリエント急行の中で、富豪のラチェット(リチャード・ウィドマーク)が胸を12回刺されて殺される。急行に乗り合わせたエルキュール・ポアロ(アルバート・フィニー)は、急行会社の重役、ビアンキ(マーティン・バルサム)の依頼により、事件の解決に挑む。
急行には、ラチェットの同行者である執事や通訳のほか、金持ちの婦人や教師、老貴婦人とそのメイド、外交官夫妻、自動車販売員、イギリス軍大佐、私立探偵など、様々な人が乗り合わせていた。種を明かすと、ラチェットはかつてアメリカで起こった幼児誘拐殺人事件の黒幕だった。急行に乗り合わせた12人の人々は、ラチェットと無関係のようでいて、実はみんな、幼児誘拐殺人事件で亡くなった少女デイジーをはじめ、その両親のアームストロング夫妻や、濡れ衣を着せられたメイドとつながりのある人たちだった。彼らは自殺したメイドの父である車掌のお膳立てのもと、薬で昏睡状態になったラチェットを、12人全員が順番にナイフを突き立て、刺し殺したのだった。この、容疑者全員が犯人という奇想天外なトリックが、本作ではもっとも有名であり、殺害のシーンも印象的だ。
海外の推理小説は、本題に入る前の舞台の描写が非常に長く、退屈なところもあるのだが、本作はあまり無駄のない展開で、目が離せないつくりになっており、面白い。また、ショーン・コネリーやイングリッド・バーグマンなどの名優も登場していて、豪華である。
【5段階評価】3
| 固定リンク
コメント