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2010年8月

2010年8月29日 (日)

(213) ラッシュアワー3

【監督】ブレット・ラトナー
【出演】ジャッキー・チェン、クリス・タッカー、真田広之、工藤夕貴
【制作】2007年、アメリカ

ジャッキー・チェンとクリス・タッカーが共演する「ラッシュアワー」シリーズの第3作。「ラッシュ・アワー2」の続編。
本作では、真田広之、工藤夕貴、といった日本人の俳優が敵役で登場している。工藤夕貴は海外で生活しており、英語が堪能なのはうなずけるが、真田広之の英語もとても流ちょうですばらしい。また、ジャッキー・チェン自身も、中国語、英語、日本語を使っており、プロの魂を見られる。

アクションの目玉は、パリのエッフェル塔の上で繰り広げられる、リー警部(ジャッキー・チェン)とケンジ(真田広之)の格闘シーン。もともと同じ孤児院で育った二人であり、リーはケンジとの戦闘を拒むが、ケンジは容赦なくリーの息の根を止めに来る。戦闘の末、リーは塔から落下しそうになるケンジの腕をつかみ、助けようとするが、リーとともに落ちてしまうことを悟ったケンジは、リーの手をふりほどき、絶命する。

ただ、これ以外には、あまり興奮できるアクションシーンはなかった。エッフェル塔から、国旗をパラシュート代わりにして滑空するような、明らかに特撮だろ、というシーンはあるのだが。また、ジャッキー・チェンのアクションを純粋に楽しみたいファンとしては、クリス・タッカーとの共演に惹かれるところも、正直言って、あまりない。
ちなみに、ブレット・ラトナー監督は、「ダイヤモンド・イン・パラダイス」も手がけている。

【5段階評価】3

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2010年8月28日 (土)

(212) となりのトトロ

【監督】宮崎駿
【出演】日高のり子(声)、坂本千夏(声)、糸井重里(声)
【制作】1988年、日本

宮崎アニメの代表作。これまで何度もテレビで放映されている。

父親と一緒にひなびた農村に引っ越してきた、サツキ(日高のり子)とメイ(坂本千夏)の姉妹の不思議な体験を描く。
古い屋敷には「まっくろくろすけ」が住みつき、森にはトトロという不思議な生き物(物の怪のたぐいなのだが)が住んでいる。子供にしか体験できない不思議なできごとに、心を癒される。
サツキとメイの母親は、少し離れた病院に入院中で、ある日、メイが母親に会いに行こうとして迷子になる。池に落ちたのではないか、と集落は大騒ぎになるが、サツキがトトロの助けを借りて、ネコバスでメイを見つける。
心配したカンタのおばあちゃんがメイの姿を見つけたときの抱擁シーンは、何度見ても目頭が熱くなる。

宮崎監督にしか作れない映像とストーリー。珠玉の作品である。

【5段階評価】5

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2010年8月27日 (金)

(211) アイ, ロボット

【監督】アレックス・プロヤス
【出演】ウィル・スミス、ブリジット・モイナハン
【制作】2004年、アメリカ

2035年の近未来におけるロボットと人間のかかわりを描いたSFアクション。

2035年は、決して体験できない世界ではない。けっこう先ではあるけれど、遠い未来ではない。近い将来なのだ。そのため、ここで描かれている世界は、現代と未来が入り交じった状態になっている。人々は普通に町中を徒歩で行き交っているし、家の作りもいまとそんなに変わらない。自動車は車輪が球状になっていて自動操縦が実現したりはしているけれど、あくまで道路を走っていて、決して空を飛んだりはしない。家電は音声認識で作動するようになっているが、主人公は今と同じリモコン式のものを使っている。しかし、なんと言っても現代と全く違うのは、町中に人型のロボットが多数行き来していることだ。ゴミの収集や宅配(FedEXのマークがついたロボットが登場したりする)のような仕事は、ロボットが行っているのだ。
ある日、ロボットメーカーの大企業、USR社の研究者、ラニング博士が、研究室から謎の投身自殺を遂げる。博士は、シカゴ市警の刑事で、ロボットを嫌悪しているスプーナー(ウィル・スミス)にホログラムのメッセージを残していた。博士の死の真相を探ろうと、スプーナーはUSR社でロボットに感情を与える研究をしているカルビン博士(ブリジット・モイナハン)と博士の研究室に入り込む。研究室には一体のロボットが潜んでおり、割れた窓から飛び降り、逃走する。
通常のロボットは、アイザック・アシモフの小説に登場するロボット3原則を遵守するようになっているのだが、逃げたロボットは、スプーナーに銃を突きつけるなど、明らかに通常のロボットと異なる思考回路をしていた。スプーナーと市警はロボットを捕らえる。そのロボットがラニング博士を殺したと考えていたスプーナーは、そのロボットを尋問する。ロボットはサニーと名乗り、自分は博士を殺してはいないと怒り出す。感情を持ったロボットに、スプーナーは驚く。
そのロボットをカルビン博士が調べると、通常のロボットとは異なる別の思考回路が埋め込まれており、ロボット3原則に逆らうことができ、さらには合金の密度も高く、非常に高性能なロボットであることがわかる。なぜラニング博士はそのようなロボットを作ったのか。それがこの映画の大きな謎となる。
博士は、ロボットがやがて3原則に従わない独自の進化を遂げることを予想した。その予想は現実となった。USR社のマザーコンピュータは、人間を守るためには、人間の行動を抑制せざるを得ないと考え、多くの人型ロボットに、人を拘束するよう指令を出したのだ。ラニング博士は、このマザーコンピュータの暴走を止めるために、サニーを開発したのだった。さらに、サニーに対して、自分を研究室の窓から落下させるように命令し、スプーナーが事件に関与し、サニーとともにマザーコンピュータを破壊するよう仕向けたのだった。最後に彼らはマザーコンピュータを破壊し、人型ロボットの暴走は停止する。

本作は特撮のできがすばらしい。ロボットは完全にCGだが、撮影の際にはロボットを演じる俳優が、出演俳優と同様に演技をすることで、ロボットが演技に無理なく溶け込んでいるのだ。
また、この手の作品では、通常、活躍する男と女の間に愛情が生まれ、最後は助かって熱いキスシーンっていうのがおきまりだが、ウィル・スミスとブリジット・モイナハンは、厚い信頼関係を築くものの、抱き合ったりキスをしたりは一切しない。そのあたりの余計なシーンがないのも、本作にリアリティを与えている気がした。ちなみに、ウィル・スミスの胸板の厚いマッチョな姿もけっこう見所。

【5段階評価】5

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2010年8月26日 (木)

(210) アマデウス ディレクターズカット

【監督】ミロシュ・フォアマン
【出演】トム・ハルス、F・マーリー・エイブラハム、エリザベス・ベリッジ
【制作】2002年、アメリカ

1984年に公開された大作で、第57回アカデミー賞作品賞受賞作品でもある「アマデウス」のディレクターズカット版。ともすると退屈なオペラやオーケストラのたぐいだが、サリエリの邪悪な独白という形をとることで、飽きさせない展開になっている。

タイトルになっているアマデウスとは、言うまでもなく稀代の作曲家、モーツァルトのこと。本作ではその自由奔放な人柄が、サリエリの神経を逆なでするという形で描写されている。
モーツァルトの妻、コンスタンツェ(エリザベス・ベリッジ)と言えば、悪妻として知られているが、本作ではそのような扱いにはなっておらず、浪費癖の激しいモーツァルトに代わって、生計を立てようと腐心する役どころ。サリエリから体を売るよう言われ、自ら服を脱ぎ出し、おっぱいまるだしになるところでは、多少、頭のねじがゆるいような感じにも見えるが。

宮殿のようすなど、映像はすばらしい。惜しむらくは数々のモーツァルトの名曲のうち、限られた数曲しか聴くことができないところ。長い映画だが、十分に楽しむことができた。

【5段階評価】4

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2010年8月25日 (水)

(209) 第三の男

【監督】キャロル・リード
【出演】ジョゼフ・コットン、アリダ・バリ、オーソン・ウェルズ
【制作】1949年、イギリス

サスペンスの古典。テーマ音楽は非常に有名。

小説家のホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)は、友人のハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)に招かれ、ウィーンを訪れる。しかし、彼の家を訪問したとき、建物の管理人に、「ちょうど今、彼は車に轢かれて死んだ」と告げられる。葬式の場で出会ったMP、キャロウェー少佐(トレバー・ハワード)から、ハリーは闇の商売に手を染めた悪人だったと告げられ、ホリーはそんなはずはないと怒る。ホリーは、ハリーの恋人だったアンナ(アリダ・バリ)とともに真相を探ろうとする。
事故の現場にいた建物の管理人に話を聞くと、管理人は、路上で轢かれたハリーを道路脇に運んだ男は3人いたはずだ、と証言する。警察では2人とされていたのに、つじつまが合わない。しかし、ホリーのそれ以上の追求に対して、管理人は怒り出し、回答を拒絶する。ホリーは管理人の証言をもとに、3人の男を捜す。そして2人までは突き止めるが、「第三の男」を見つけることができない。そんな捜索を続ける彼に脅しの手が及ぶようになり、管理人も謎の死を遂げる。
そしてあるとき、ホリーがアンナの住む建物を出たところ、一人の男が身を隠しているのに気づく。その男こそ第三の男に違いないと確信したホリーが、その男に近づいた刹那、暗闇にいた彼に光が当たった。男は、死んだはずのハリー・ライムだった。ハリーは、別の者を殺し、自分が死んだと思わせようとしていたのだ。ホリーは警察から、ハリーが薬を水で薄めて闇ルートで販売し、回復を信じて薬を買った人たちを不幸に陥れているという悪行について知らされる。ホリーは、ハリーの居場所を突き止め、彼と観覧車に乗ると、ハリーにそのことを問いただす。しかし彼は、観覧車から外を歩く人々を見下ろすと、「あの点が一つ消えるだけだ」と、悪びれることもなく、自らの悪事を正当化し始めた。「イタリアは戦時中、ミケランジェロやダ・ビンチを輩出した。スイスで500年の民主主義と平和が生んだのは、ハト時計さ。」この映画の有名な台詞だ。
ハリーに失望したホリーは、偽造パスポート所有のかどで拘留されていたアンナの釈放を条件に、ハリー逮捕に協力することにする。しかし、アンナはそんな彼をなじった。ハリーをおびき寄せる場に、アンナが登場し、ハリーは逃亡するが、ついにホリーに撃たれ、命を落とす。
本当のハリーの葬儀が営まれ、最初の時と同じように、ホリーはMPの車で、一人で道を歩くアンナを追い越す。ハリーは車を降り、アンナの言葉を待つが、彼女は彼を無視して彼の前を歩き去っていく。印象的なラストシーンである。

第三の男はいったい誰なのか、誰が嘘をついていて、何が真実なのか。興味深い展開で、なかなか面白い。最後の下水道での逃走劇は、今でこそ陳腐だが、当時としては手に汗握るものだったんだろうな、と思わせる。

【5段階評価】3

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2010年8月24日 (火)

(208) TAIZO

【監督】中島多圭子
【出演】坂口憲二(声)、川津祐介(声)
【制作】2003年、日本

26歳の若さでカンボジアで亡くなった戦場カメラマン、一ノ瀬泰造氏を追ったドキュメンタリー。

ドキュメンタリー映画としては、「シッコ」なんかもその部類だが、それに比べると、本作は、あまり映画っぽくなく、テレビのドキュメンタリー番組のような感じである。
泰造氏の死は、不条理な死というよりも、自ら危険な地に赴き、案の定殺されたという感じである。そのせいか、あまり悲劇的でもなく、理不尽さや悔しさがこみ上げてくる感じもない。そういう人生もあるのか、と感じるような、淡々とした印象だ。その一方、戦争はむごいでしょ、カンボジアの一般住民はかわいそうでしょ、と不幸の押し売りのような印象もないのは、監督の理性が効いているのだろう。

全体的には、彼の死後、何年もたった現地と、彼の母親の映像、そして、彼が遺した写真で構成されているのだが、ところどころ、浅野忠信主演の映画、「地雷を踏んだらサヨウナラ」のシーンが登場する。これはもちろん作り物なのだが、この映像が逆に、この映画にちょっとした臨場感を与えているのが面白いと感じた。

【5段階評価】3

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2010年8月23日 (月)

(207) デジャヴ

【監督】トニー・スコット
【出演】デンゼル・ワシントン、ポーラ・パットン
【制作】2006年、アメリカ

デジャヴというタイトルと、デンゼル・ワシントンという渋い配役から、心理サスペンスものかと想像したが、過去を映像化し、しかも過去に干渉できるという装置が登場する、どちらかというとSFアクション映画に近い内容だった。いわゆるタイムマシンものである。

火薬が専門の捜査官、ダグ(デンゼル・ワシントン)は、帰還した海軍兵と家族の乗るカーフェリーで起きた爆破テロを担当する。現場近くで、爆破テロの前に殺害された女性の死体の検死に立ち会った彼は、彼女が事件の鍵を握ることを見抜く。
この事件の解決にあたり、人工衛星が収集している膨大な監視データをもとに、過去の映像を再構築する最新技術が用いられることになる。ダグは死亡した女性、クレア(ポーラ・ハットン)の殺害の場面を見ることにする。このとき、過去の映像が映し出された画面に、ダグがふとレーザーポインターを向けると、驚いたことに映像中のクレアがこの光に反応したのだ。
この装置が、過去に干渉できることを知った彼は、なんとか自分自身にこの事件のことを知らせようと、装置のスタッフに頼んで過去にメモを転送しようとするが、別の捜査員の手に渡ってしまう。この捜査員は、メモをもとに現場に向かうが、逆に犯人に射殺されてしまう。
とうとうダグは、自分自身を過去に転送することにする。転送先で犯人に殺されそうになっていたクレアを救うと、彼女とともにフェリーの爆破現場に向かう。
ダグとクレアは、犯人を倒すが、爆弾を積んだ車もろとも水中に沈んでしまう。ダグはクレアを助け出すものの、自分は脱出することができず、車もろとも爆発に巻き込まれてしまう。クレアは無事に救出される。ダグの死に直面し、悲しみにくれるクレアだったが、彼女の前に登場したのは、事件の担当をすることになったダグだった。ダグは彼女に優しい言葉をかけるのだった。

かなりいい作品だった。誰もが体験したことのあるデジャヴに、新たな解釈を与えている点も面白い。ただ、映画の中では、あまりデジャヴを映像化しているようには思えなかったところが残念。
デンゼル・ワシントンは、アクション・スターというより、事務系のおじさんみたいな風貌でありつつ、実はヒーローというのが、なかなかいい。

【5段階評価】4

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2010年8月22日 (日)

(206) D.O.A. 死へのカウントダウン

【監督】ロッキー・モートン、アナベル・ヤンケル
【出演】デニス・クエイド、メグ・ライアン
【制作】1988年、アメリカ

国文学系の大学教授が主人公のサスペンス。

かつて人気小説を書き上げた文学教授、デクスター・コーネル(デニス・クエイド)は、その後、ヒット作に恵まれないでいた。彼に自分の作品を読んでくれとせがんでいた男子学生、ニック(ロブ・ネッパー)が、クリスマスを前に、大学で謎の投身自殺を遂げる。
かつての業績に甘え、新たな挑戦をしようとしないデクスターに対して、妻のゲイル(ジェーン・カツマレク)は離婚の意志を告げるが、彼女自身、ニックとただならぬ仲になっていたことが判明する。酒をあおるデクスターは、バーで、彼が受け持つ女生徒、シドニー(メグ・ライアン)に会い、酩酊して意識のないまま彼女の住む女子寮に泊まってしまう。
翌日、デクスターは体の不調を感じ、検査を受けると、血液中に毒物が混入しており、もはや治療不能で48時間以内に死亡すると検査官に告げられる。家に戻ると、妻が何者かに殴殺されるところを目撃するが、妻とともに昏倒してしまう。警察からは、妻殺しの犯人扱いをされ、毒物は妻に入れられたのだろうと言われる。アルコールに仕込まれていたと言われた彼は、シドニーを疑うが、彼女が犯人ではないと確信した彼は、真犯人を捜そうとする。
犯人は、彼の同僚、助教授のハル(ダニエル・スターン)だった。彼はデクスター同様、男子学生のニックから作品を読むよう頼まれていた。彼の作品のすばらしさに気づいたハルは、ニックの作品を自分の作品にしてしまうことを思いつき、ニックを殺害。ハルはデクスターの部屋で、デクスターがニックの作品を読んでいないことを確認し、安堵していたが、デクスターが、ニックの死を契機にゴミ箱から彼の作品を取り上げ、読むことにしよう、とハルに告げたため、ハルは、デクスターとその妻も亡き者にしようと考えたのだった。最後はデクスターの部屋での乱闘の末、ハルはデクスターに撃たれ、窓から転落死する。

つじつまの合うストーリーで、なかなか面白かった。ただ、主人公は、毒を盛られて直る見込みがないという設定のわりに、最後まで元気だし、女子学生と寝てしまうというのは、ちょっと男の欲望に迎合しすぎで腑に落ちないところもあった。この頃のメグ・ライアンは若くてとてもチャーミング。

【5段階評価】4

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2010年8月21日 (土)

(205) イージー・ライダー

【監督】デニス・ホッパー
【出演】ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン
【制作】1969年、アメリカ

これまたアメリカン・ニュー・シネマの代表作。こっちもテーマ曲の「ワイルドで行こう」(Born to be Wild)が有名。デニス・ホッパーの追悼ということで放映された。悲しいことにどうしても笑い飯の西田がちらついた。

まあそれはいいとして、本作は、バイクを駆るワイアット(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)の二人のロードムービー。ニューオリンズのマルディグラ(謝肉祭)を目指すが、地元民に毛嫌いされ、途中で一緒になった仲間のハンセン(ジャック・ニコルソン)は暴行死し、何とか生き残った二人も、通りすがりの農作業のトラックから、すれ違いざまに撃たれてしまう。衝撃的と言えば衝撃的、退廃的と言えば退廃的なラストである。

ちなみに、シーンが切り替わるところで、前後の映像が短時間に入れ替わるという独特の演出をなんどかしていたが、あまり普及はしていないようだ。ちょっと意味が分からないしね。

【5段階評価】3

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2010年8月20日 (金)

(204) 真夜中のカーボーイ

【監督】ジョン・フレシンジャー
【出演】ジョン・ボイト、ダスティン・ホフマン
【制作】1969年、アメリカ

アメリカン・ニュー・シネマの代表作。テーマ曲の「噂の男」(Everybody's talkin' at me / I don't hear a word they're sayin', / Only the echoes of my mind...)の軽快なメロディは超有名。ただ、映画自体は決してハッピー・エンドではない。第42回アカデミー賞作品賞受賞作品。

女性に体を売ることで成り上がろうとする、テキサス出身の若者、ジョー(ジョン・ボイト)。彼は長距離バスでニューヨークに乗り込み、商売を試みるが、逆に女性に金を取られたりしてうまくいかない。たまたまカフェで知り合ったラッツォ(ダスティン・ホフマン)に、売春の胴元を紹介すると言われるが、男色家のところに連れて行かれる。騙され続け、ホテルを追い出されたジョーは、偶然ラッツォを再び見つけ、彼を責める。しかし、住む場所のないジョーは、逆に言葉巧みなラッツォに言われるがまま、彼の家に向かう。そこは廃ビルの一室だった。二人の共同生活が始まる。
しだいに意気投合し、徐々に金儲けもできつつある二人だったが、もともと足の悪かったラッツォに病魔が迫っていた。衰弱しはじめたラッツォの夢を実現するため、二人は長距離バスでマイアミを目指す。しかし、このバスの中で、ラッツォは息絶えてしまう。

二人の演技力の光る作品。最後はやるせない。
ただ、有名な映画ではあるが、正直言って、いまいち何が言いたいのかは、よくわからなかった(おいおい)。

【5段階評価】3

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2010年8月19日 (木)

(203) 犬神家の一族

【監督】市川崑
【出演】石坂浩二、松嶋菜々子、尾上菊之助、富司純子
【制作】2006年、日本

30年前の作品のリメイク。監督と主演が共通で、ほかにもいろいろと共通点がある。30年たっても同じ役を演じられるというのは、すごい。30年前に島田陽子が演じた野々宮珠世の役を松嶋菜々子が演じている。きれいな役どころだが、古風な映画の中で、あまりにも現代的な感じで、ちょっと違和感があった。ただ、石坂浩二や中村敦夫をはじめ、今でこそバラエティなどいろいろな分野で活躍をしている人も、いざ演技をさせるとおそろしくウマイなーと感心してしまう。

」と多少似ていて、本作では三人の娘が登場する。父親を演じているのが仲代達也という点も共通している。腹違いの娘は、遺産相続に絡む遺言のせいでいがみ合う関係となる。そんな中、まず、次女(松坂慶子)の息子が殺され、次いで、三女(萬田久子)の息子が殺される。
いきなり結論を書くが、犯人は、長女の松子(富司純子)で、その後始末を、こっそり館に忍び込んでいた息子の佐清(すけきよ)(尾上菊之助)と、犬神家に恨みを持つ青沼静馬(尾上菊之助の二役)が行うことで、事件が複雑化していた。

名作推理小説の映画化であり、もちろん話は複雑でありながらもよくできている。映像が若干テレビドラマっぽいのが、残念。

【5段階評価】4

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2010年8月18日 (水)

(202) オーメン/最後の闘争

【監督】グレアム・ベイカー
【出演】サム・ニール、リサ・ハロー、ロッサノ・ブラッツィ
【制作】1981年、アメリカ

恐怖映画の名作、「オーメン」の第3作。「オーメン2」の続編。オーメンシリーズの中では、比較的評判が悪いと言えるだろう。

大人になったダミアン(サム・ニール)は名声を得つつあったが、自分を滅ぼすナザレがこの世に復活することを予感し、その誕生日に生まれた子供を全て亡き者にしようとする。一方、ダミアンが悪魔の化身だと見抜いた神父のデ・カーロ(ロッサノ・ブラッツィ)は、仲間とともに、ダミアンを倒せるメギドの短剣を入手し、彼に突き立てようとする。しかし、ダミアンがインタビューを受けるテレビスタジオで、セットの上から飛び降りて彼を刺し殺そうとした神父の一人は、足がコードに絡みついたまま転落し、そこに引火して焼死する。また、ダミアンを人気のないところに連れ込んで刺し殺そうとしたつもりが、仲間を刺し殺してしまったり、と、彼らはダミアンの息の根を止めることができない。
一方、ダミアンは、彼に興味を持つテレビキャスターのケイト(リサ・ハロー)の息子を手なずけ、ケイトもまた、ダミアンを愛するようになる。デ・カーロ神父は、ケイトの家を訪ね、ダミアンは悪魔の化身だと告げると、頭にある「666」のアザを確認するよう伝える。信じようとしないケイトだったが、とうとうダミアンと結ばれた日の夜、頭のアザを発見してしまう。
ケイトは、デ・カーロの待つ廃教会にダミアンを誘い出すが、ダミアンを刺そうとしたデ・カーロの剣は、ケイトの息子、ピーターを貫いてしまう。最後はケイトがダミアンの背中に短剣を突き立て、息子の復讐を遂げる。

人の死ぬシーンの何とも言えないむごさが、この映画の一つの見所。だが、本作では、あまり印象的なシーンがない。唯一あるとすれば、序盤、ダミアンの欲望のじゃまとなった駐英大使が銃で自殺するのだが、そのとき左足がけいれんして机をドンドン、ドンドン・・・と蹴るのがちょっと印象に残るくらい。最後も、なんだか神が降りてきて悪魔は死んじゃいました、みたいな感じで、映像的にも、闇夜に神の姿が浮かんでいるような、そのまんまの表現。
恐怖映画としてのグロさの中にも神々しさを感じさせた第1作や第2作に比べると、ややB級映画に堕した感もあり、拍子抜けだった。大人になったダミアンを好演したサム・ニールは、この役の印象が強すぎて、その後の役者人生に少なからず影を落とした。その後、「ジュラシック・パーク」で主人公の博士を演じることで、ダミアンの呪縛を振り払ったと言える。

【5段階評価】2

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2010年8月17日 (火)

(201) 少林サッカー

【監督】チャウ・シンチー、リー・チクチー
【出演】チャウ・シンチー
【制作】2001年、香港

少林寺拳法を極めた男達がサッカー大会に出場し、活躍するところを描いた作品。

ボールが炎を挙げたり宙を舞ったり、といった漫画のような映像を、特撮を用いて表現しており、とことんコミカル。最後のシーンでは、蹴ったボールのあまりの威力に、敵のゴールキーパーは服が脱げ、全裸となってふっとんでしまう。ナンセンスすぎで笑ってしまう。

嫌いな人は受け付けないかもしれないが、それまで虐げられていた人が、隠れた特技でのし上がる、という展開は、共感しやすくて痛快だった。

【5段階評価】4

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2010年8月16日 (月)

(200) 乱

【監督】黒澤明
【出演】仲代達也、根津甚八、原田美枝子、ピーター、隆大介
【制作】1985年、日本・フランス

本ブログの記念すべき200作目は、日本映画の傑作、「乱」。個人的には、ピーターの演技が、芝居がかっていて(いえもちろん芝居なんですけども)受け付けないので、5段階評価を4点にしようか迷ったが、やはりこの大作には5点がふさわしい。

戦国大名、一文字秀虎(仲代達也)が、70歳を迎えて、大殿の名目、格式は自らに残したまま、頭領(家督)を三人兄弟の長男、一郎(寺尾聰)に譲ることにする。兄弟の城を泊まり渡る隠居暮らしをしたい、と夢を語る父親に対し、三郎(隆大介)は、この戦国の世に三兄弟が仲良くできるはずもなく、父親の決定は過ちだと直言する。しかし、あまりにも歯に衣着せぬ物言いが父の怒りを買い、三郎は勘当されてしまう。
果たして、三郎の諌言は真実であった。父の決定に賛同したはずの一郎は、秀虎が頭領を退いたとたん、彼を冷たく扱うようになる。その裏には、一郎の正室、楓の方(原田美枝子)の影があった。彼女は秀虎に家族を皆殺しにされており、恨みを募らせていたのだ。楓の方の言うがまま、一郎は、実の父に対して、頭領の自分に従えという起請文に血判を押させる。この屈辱に耐えかねた秀虎は、家臣とともに二郎(根津甚八)の城に向かう。しかしここでも秀虎は、二郎から、父上のみなら城に泊めるが、家臣を城に入れるな、と長男に言われた、自分は頭領に従わざるを得ない、と告げられる。
結局、二の城をも後にした秀虎は、家臣とともに路頭に迷うこととなり、やむなく、かつて三郎のいた三の城に向かう。しかし、ここを一郎と二郎の連合軍に攻められる。なすすべなく破れ、家臣を全て殺された秀虎は、なかば気が触れたように一人で城をあとにする。
この戦いのどさくさの中、二郎の家臣、鉄(くろがね)(井川比佐志)は一郎を暗殺し、二郎が頭領を継ぐこととなる。一郎の正室で後家となった楓の方(原田美枝子)は、さっそく二郎に取り入り、優柔不断な二郎に対して、二郎の正室、末の方(宮崎美子)を殺し、自分を正室にするよう迫る。一度は鉄にいなされた楓の方だったが、別の者に命じて二郎の正妻、末の方を暗殺させる。これが鉄の怒りを買い、即座に首をはねられてしまう。
一方、こうした事態を知った三郎は、父を救おうとし、ついに父との再会を遂げるが、二郎の手の者に撃ち殺される。それを目の当たりにした秀虎もまた、悲しみのあまり命の火がついえることとなる。城の焼け跡には、末の方の弟、鶴丸の無情の姿があった。

映像の美しさ、印象的な風景が心に残る。秀虎の鬼気迫る表情は、映画というより絵画のようでもある。エキストラも1,000人近くいて、軍勢の迫力がすさまじい。色使いにも配慮されていて、やや奇抜な色ながら、分かりやすくなっている。ただどうしても、狂阿弥(ピーター)の芝居と衣装は受け付けなかった。

【5段階評価】5

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2010年8月15日 (日)

(199) ザ・キーパー [監禁]

【監督】ポール・リンチ
【出演】デニス・ホッパー、アーシア・アルジェント
【制作】2004年、カナダ・イギリス

保安官がレイプ未遂の被害者である若い女性を監禁する。しかし最後は別の保安官が助けに来て、女性を監禁していた保安官は殺される。大物俳優、故デニス・ホッパーの作品であり、期待しながら見たが、残念ながら期待はずれだった。

まず、女性を監禁した動機が不明瞭。それに、監禁が徹底しておらず、その事実もあっさりバレる。何というか、全体的に犯人の脇が甘い。被害者が逃げられない絶望的な状況にハラハラするというより、もっとちゃんと監禁しろよ、と逆に思ってしまうほど。最後も、車のトランクから監禁した女性を出そうとしたところを殴られて昏倒したり、銃を突きつけられてあっさり撃たれたり。
結局、父親が踊り子の母親を信用しきれず、最終的に殺してしまったという経験を持つ犯人が、自分は踊り子を完全に手なずけようとし、踊り子の監禁を繰り返していた、ということなのだろうか。
序盤のモーテルでの暴行を企てた犯人も、「おまえ誰だよ」だし、最後までなんだかよく分からなかった。

【5段階評価】2

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2010年8月14日 (土)

(198) リアル鬼ごっこ

【監督】柴田一成
【出演】石田卓也、谷村美月、大東俊介
【制作】2008年、日本

これは原作を読んでいたのだが、原作の小説に対しては、あまりの文章のつたなさと設定の幼稚さ(西暦3000年という安易な未来設定や、その割に大阪だの新幹線だの、ホントに1000年後かよ、というような用語が出てきたり、圧政を敷くのが「王様」という幼稚な名称だったり)に、よくこんなものを売り物にしたな、と怒りすら感じてしまっていた。ただ、悔しいことに、リアルな鬼ごっこという設定自体は非常に魅力的で、結局こうして映画も観てしまった。

さすがに映画では、新聞の号外だのテレビだの、今と全く変わらない1000年後の世界を設定として用いるのはあきらめたようで、パラレルワールドという設定になっていた。また、「佐藤」さんがリアル鬼ごっこの対象になることにも、いちおうの理由付けがあり、ちょっとしたどんでん返し(王の正体が、実は元の世界の医者だった)も用意されていた。

そんなわけで、あのような低質な小説が、このように商業的に成功することには、納得いかないものを感じつつも、映画自体は、唾棄すべき駄作というほどではなく、案外面白かった。アクションシーンに磨きをかければ、さらに面白い作品になった気がする。

【5段階評価】3

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2010年8月13日 (金)

(197) HANA-BI

【監督】北野武
【出演】ビートたけし、岸本加世子、大杉漣、寺島進
【制作】1998年、日本

北野武監督の作品。ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したことで、日本で大いに話題となった。

プロモーション映像なんかを見ていると、ビートたけしと岸本加世子の演じる夫婦が、海辺で肩を寄せ合ってほほえんでいる、おだやかな映画のように思えるが、むしろ全く逆である。救いようがなさ過ぎて、いたたまれなくなる。見てよかった、爽快、というのとは違う感慨がある。ただ、この退廃的で暴力的な作風が、なかなか独特だ。「BROTHER」にも通じるが、死を恐れないものの持つ動物的な怖さと、他の人が救いの手をさしのべることができないむなしさが漂っている。

本作には、数々の印象的な絵が登場する。体の一部、主には頭部が花になった動物や、性器を露出させたヤクザ、花畑の中の少女など、下手な中にも味のある作品だが、これらも全て、北野武作である。この人の絵は、以前にも見たことがあったので、エンドクレジットを見て、やっぱりそうか、と感じたのだが、とにかく多才というか、いろいろなことに挑戦しているところは、やはり常人とは違うのだなと感じさせる。

【5段階評価】4

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2010年8月12日 (木)

(196) ゲーム

【監督】デビッド・フィンチャー
【出演】マイケル・ダグラス、ショーン・ペン
【制作】1997年、アメリカ

CRS(Consumer Recreation Services)という架空のゲームを題材にしたサスペンス。常識外れなところもあり、最後はややできすぎだが、どんでん返しはなかなか優れた作品。

自殺した父を持つ富豪、ニコラス・バン・オートン(マイケル・ダグラス)は、弟のコンラッド(ショーン・ペン)から、CRSというゲームに参加する権利を誕生日のプレゼントとして渡される。
ひょんなことからゲームに参加するニコラスだったが、その直後から彼は、安寧とは無縁の数々の事件に巻き込まれていく。これがゲーム(日本で言う「ドッキリ」)だとは知らされつつも、身に降りかかる事件があまりにも常軌を逸することから、彼は次第にCRSのスタッフに命を狙われていると確信するようになる。
そしてついに、CRS社員たちに、ビルの屋上に追い詰められたニコラスは、彼を担当する女性スタッフの、これはゲームだという言葉を聞き入れず、屋上に抜ける扉の鍵が焼き切られて扉が開いた瞬間、そこに向かって拳銃の引き金を引いてしまう。そこには、手にしたワインのボトルを打ち砕かれ、銃弾を胸に受けた弟のコンラッドがいた。そしてその周りには、彼の誕生日を祝おうと集まった多くのCRSの仕掛け人達が。しかし、祝賀の場となるべきだった屋上は、一瞬にして悲劇の現場となってしまった。
自らの手で弟を亡き者にしたことに絶望したニコラスは、かつての彼の父親と同様、ビルから飛び降りてしまう。なんという悲劇・・・と思った瞬間、落下した先の建物の屋上のガラスを突き抜けた先には、落下者を受け止める巨大なクッションが用意されていた。救急隊により救い出された彼を待っていたのは、胸に血のシミをつけたコンラッドだった。そう、ここまでもが全て仕組まれた仕掛けだったのだ。

CRSという会社が巨大な詐欺組織で、依頼者を脅迫し続けているということを次第にニコラスが信じていく過程が迫真に満ちている。しかしこれをよくできたプロットと考えるか、ご都合主義と考えるかは意見が分かれるところかもしれない。

【5段階評価】4

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2010年8月11日 (水)

(195) 家族ゲーム

【監督】森田芳光
【出演】松田優作、宮川一朗太、伊丹十三、由紀さおり
【制作】1983年、日本

高校受験を控えた中三の次男を抱える一家と、そこに雇われた一人の家庭教師が巻き起こす騒動を描いた作品。

公団住宅のような平凡な住宅で暮らす沼田家の父、孝助(伊丹十三)は、母親の千賀子(由紀さおり)と相談し、中三の次男、茂之(宮川一朗太)に家庭教師をつけることにする。沼田家を訪れた家庭教師は、三流大の城西大学の学生、吉本勝(松田優作)だった。彼は、いうことを聞かない茂之を張り手一発で手なずけると、彼を本格的に指導し、成績をめきめき上げさせることに成功する。そして茂之は、見事に地区の最優秀校、西武高校に合格する。
この映画のもっとも有名なシーンが、家族4人(時には家庭教師が中央に座り、5人になることもある)が細長いテーブルに横一列に並び、肩がぶつかり合うほど密着して食事をするところである。家庭教師の吉田は、たびたび沼田家の食事をごちそうになるが、最後の茂之の合格祝いの席では、弟にかかりっきりで両親の関心が薄れたことを気に病む長男が、高校をやめてやると言い出し、食事は大混乱。何を考えたか吉田は、野菜サラダのレタスを投げ、グラスに注がれた赤ワインを父親の皿に注ぎ、果てはマヨネーズをまき散らす。さすがに父親はぶち切れるが、吉田は家族全員を殴り倒し、沼田家を後にする。このあたりは「地下鉄のザジ」のような不条理映像で、ほとんど意味不明。強いて解釈すれば、彼の去った後、めちゃくちゃになった食卓を家族4人で片付けながら、家族はお互いの絆を確認しあうことができたのであり、吉田はあえて、嫌われ役を買って出たのかもしれない、というところ。

まあ、退屈するという訳ではなかったが、基本的に、意味不明な映画は好きではないので、評価は2。

【5段階評価】2

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2010年8月10日 (火)

(194) ビューティフル・マインド

【監督】ロン・ハワード
【出演】ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー
【制作】2001年、アメリカ

ノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュを描いた作品。ただの偉人伝としてではなく、彼の統合失調症に焦点を当てたミステリーとなっているところが、本作の大きな魅力である。第74回アカデミー賞作品賞受賞作品。

ナッシュ(ラッセル・クロウ)は、のちの世で、ゲーム理論のナッシュ均衡にその名を残す天才数学者。大学生時代にその才覚をあらわし、指導教授に「君は150年間の経済学の常識を翻した」と賞賛される。経済学の常識とは、いわゆるアダム・スミスの「見えざる手」というヤツだ。
彼の暮らしには、学生寮のルームメイトやその姪、さらには彼の才能を暗号解読に役立たせようとする秘密組織の男(エド・ハリス)らが関わるが、実は彼らは全て、ナッシュ自身が生み出した幻影であり、虚構のものだった。これが暴かれるところが、この作品で得られるカタルシスの一つになっている。

妻、アリシア(ジェニファー・コネリー)の献身的な介護の甲斐もあり、ナッシュは、幻影を見なくなるようにはならないものの、ついに、幻影に惑わされることのない状態にまで回復し、ノーベル賞受賞の場で、感動的なスピーチをする。このスピーチは泣かせる。
もう一つは、年老いたナッシュの特殊メイクのすばらしいできばえ。どうみてもラッセル・クロウだが、どうみても老けている。ただ、カツラをかぶって皺を書きました、とは全く異なる、本物のような皮膚のたるみが表現されており、これは一見の価値あり。
自分自身、ゲーム理論やらジレンマやらを勉強したこともあったので、その意味でも興味深い映画だった。

【5段階評価】4

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2010年8月 9日 (月)

(193) 誰も知らない

【監督】是枝裕和
【出演】柳楽優弥、YOU、韓英恵
【制作】2004年

母親の育児放棄をモチーフとした重い映画。柳楽優弥(やぎらゆうや)がカンヌ映画祭で主演男優賞を日本初、しかも最年少で受賞したのが、日本でも話題になった。

確かにこの作品、柳楽優弥の少しバランスを逸するほど切れ長な目の力が、映画に大きな魅力を与えている。話はとことん悲しい。子供四人の母子家庭。しかし母親は恋人のもとに行き、子供達を置き去りにしていなくなる。子供達だけの退廃した生活。ついには一番小さなゆき(清水萌々子)が家の中で台から転落して死亡。
映画の冒頭で、子供には不釣り合いな古びた旅行用スーツケースとともに羽田空港行きの東京モノレールに乗り、うつろな表情をしている明(柳楽優弥)が映るのだが、これは、いつか羽田空港に飛行機を見に行こうと約束していたゆきを、遺体のまま運んでいるところだったのだ。壮絶な悲しさを秘めた映像だった。

映画の内容とは関係ないことだが、この清水萌々子ちゃんは、近所の酒屋の娘なんだよね。ちょっとびっくり。

【5段階評価】5

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2010年8月 8日 (日)

(192) スター・ウォーズ/EPISODE6 ジェダイの帰還

【監督】リチャード・マーカンド
【出演】マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー
【制作】1983年、アメリカ

スター・ウォーズの完結編。「スター・ウォーズ/EPISODE5 帝国の逆襲」の続編。完結編とは言え、EPISODE は9まであるらしいが。

本作は、EPISODE 1~6 の完結編にふさわしく、大団円の内容になっている。エンディングは、父と息子の別れという悲しい中にも、仲間と勝ち取った勝利の爽快感に満ちている。

特撮の目玉の一つは、スピーダーバイク。背景と人物を別々に撮って合成するというおなじみの技法だが、すばらしい疾走感と迫力があり、決してCGに引けを取らない。中盤、イウォーク達が、スピーダーバイクや、AT-STウォーカーを倒すのだが、ロープをからませて木に巻き付けて衝突させたり、足下に丸太を転がして転倒させたりと、工夫に満ちたアイディアで楽しませてくれる。
そして、クライマックス。ダース・ベイダーを倒したルークであったが、皇帝の力には及ばず、殺されそうになる。「お父さん、助けて」と、父の善の心を信じて疑わないルークと、逆の意味でダース・ベイダーを信用し、ダース・ベイダーに背を向けてルークをなぶり殺そうとする皇帝。ここでダース・ベイダーが我を忘れて皇帝を担ぎ上げ、高炉にたたき落とすシーンは、感動的。

とにもかくにも、全てがよくできたスター・ウォーズ・シリーズ。無料映画でこれだけ楽しめるとは、人間に生まれてよかった~(by 山本高広)。

【5段階評価】5

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2010年8月 7日 (土)

(191) スター・ウォーズ/EPISODE5 帝国の逆襲

【監督】アービン・カーシュナー
【出演】マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー
【制作】1980年、アメリカ

スター・ウォーズ第2作。「スター・ウォーズ/EPISODE4 新たなる希望」の続編。本作で初めてヨーダが登場する。EPISODE1~3 を見ていると、ヨーダはジェダイの騎士が帝国側に次々と殺される中、辺境の星に隠遁することとなっており、本作ではルークが修行のため、ヨーダのもとを訪れる。

特撮の目玉は、AT-ATウォーカーという、四足歩行の戦車。反乱軍の戦闘機が、ワイヤーを足に絡ませて倒すなど、戦闘のアイディアが面白い。また、ダース・ベイダーのテーマ曲とも言える、「インペリアル・マーチ」が登場するのもこの映画。「ジャーンジャーンジャーン、ジャーンジャジャーン、ジャーンジャジャーン」というメロディは、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。

本作は、EPISODE 6 へのつなぎ的な作品であり、ストーリーは中途半端かつ悲観的な内容なので、評価はやや下げてしまった。見ていて思ったが、C3POとR2D2のやりとりには、片方(R2D2)は何を言ってるか分からないが、C3POのツッコミを聞いてR2D2が何を言ったか想像させるというおかしさがある。これって、ビーグル38(「それはエアロスミスやないか」のツッコミがボケになっている)の漫才ネタに似ていなくもない。

【5段階評価】4

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2010年8月 6日 (金)

(190) スター・ウォーズ/EPISODE4 新たなる希望

【監督】ジョージ・ルーカス
【出演】マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー
【制作】1977年、アメリカ

スター・ウォーズ第1作。オープニングのタイトルロゴとともにオーケストラの「ジャーーン、ジャジャジャジャーン・・・」と始まる独特のスタイルは、スペース・オペラと呼ぶにふさわしく、全編を通じて、とにかくよくオーケストラの演奏が流れている。
1977年に作られているにもかかわらず、ミレニアム・ファルコン号やXウィングなどの戦闘機の飛行シーンや、地上でのランドスピーダーの走行シーンなど、特撮であることの違和感を感じないできばえ。人間以外の生物の造形も楽しく、R2D2のロボットでありながら愛らしい動きなど、見所がたっぷり。

話は、帝国軍の圧政に挑む反乱軍の戦いを描いており、フォースの修行を積むルーク(マーク・ハミル)が主人公であるが、密輸物資の運搬を請け負うアウトロー、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)も魅力的な存在である。ちょっと悪いが憎めない脇役が主人公以上に活躍するところは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウにも通じるところがある。

金儲けにならないことには興味がないと、一度は反乱軍の作戦から離脱したハン・ソロ。しかし、ルークがダース・ベイダーに追われ、撃墜されそうになるという危機に、ミレニアム・ファルコン号で舞い戻ってくる。逆光の中、雄叫びを上げながらハン・ソロがつっこんでくるところが、一番の見所だなという気がする。

【5段階評価】5

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2010年8月 5日 (木)

(189) スター・ウォーズ/EPISODE3 シスの復讐

【監督】ジョージ・ルーカス
【出演】ヘイデン・クリステンセン、ナタリー・ポートマン、ユアン・マクレガー
【制作】2005年、アメリカ

 

スター・ウォーズの第6作。「スター・ウォーズ/EPISODE2 クリーンの攻撃」の続編。EPISODE 4 につながる過去を描くシリーズの完結編。

本作も、EPISODE 4、5 と同様、CGがCGすぎて、CGアニメを見ているような感じ。ダース・ベイダーの誕生にまつわる話には、こじつけのような違和感がなく、それなりに感情移入できるところもあるのだが。

それにしても、ライト・セイバーで体を切られると、切断面はあまり血が出ないようにきれいに処理でもされるのだろうか。手首を切られたり、果ては両脚を切断されても、特に気絶もしないし死にもしないというのがお約束になっているが。

【5段階評価】4

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2010年8月 4日 (水)

(188) スター・ウォーズ/EPISODE2 クローンの攻撃

【監督】ジョージ・ルーカス
【出演】ヘイデン・クリステンセン、ナタリー・ポートマン、ユアン・マクレガー
【制作】2002年、アメリカ

スター・ウォーズの第5作。「スター・ウォーズ/EPISODE1 ファントム・メナス」の続編。本作もCG全開のほとんどアニメ映画である。

アナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)は、命を狙われているアミダラ女王(ナタリー・ポートマン)の護衛をすることとなるが、やがて二人が愛し合うようになり、ジェダイの掟に背き、結婚のちぎりを交わす。ちなみに二人の年齢差は4歳らしい。純粋な子供だったアナキンに、師匠のオビ・ワン(ユアン・マクレガー)に対する物怖じしない態度など、豊かな才能ゆえの傲岸さが序盤から垣間見られ、観客を不安にさせる。

この作品も、EPISODE 4から6の中で言うと、EPISODE 5のような位置づけであり、EPISODE 1以上に、続きをお楽しみに、という終わり方である。数々の戦闘シーンも、ロボットが大量に出てくるので、生身の戦闘という感じがあまりせず、ちょっと興奮度が低かった。

【5段階評価】4

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2010年8月 3日 (火)

(187) スター・ウォーズ/EPISODE1 ファントム・メナス

【監督】ジョージ・ルーカス
【出演】リーアム・ニーソン、ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ジェイク・ロイド
【制作】1999年、アメリカ

NHKが、スター・ウォーズ全7作(アニメのクローン・ウォーズを含む)を一気に放送することになった。これはお得。NHKだから、CMも入らないし、エンドクレジットもちゃんと出してくれるし。
NHKは、今回、公開順ではなく、エピソード順に放映することをしきりと売りにしていて、世界で初めてエピソード順に放映しますとか、エピソード順に見てあなたのマイ・スター・ウォーズを見つけてくださいとか、さかんに喧伝していた。
そんなものは見る側の勝手で、見ようと思えば誰だってできるじゃないか、と思っていたのだが、今回、エピソード順で見てみて、悔しいけれど、NHKの宣伝の言うとおり、やはりエピソード順で見るからこそ、気づいたこと、というのがあった。けっこう、つじつまがあっているところと、微妙なところもあったりはするのだが、ダース・ベイダーがただの悪役ではなく、悪役にされてしまったということを知っている状態でEPISODE 4から6を見ることができたのは、一つの発見だった。

で、EPISODE 1。話は、ジェダイの騎士達が、惑星タトゥイーンで、高いフォースの能力を秘めた少年、アナキン・スカイウォーカーを見つけ、仲間にするところまで。EPISODE4のように、一応のその時点での勝利は収めるものの、続きをお楽しみに、という感じでもある。

そして、この映画の大きな魅力である特撮について。EPISODE 1 は、EPISODE 6 が公開されてから16年経って公開された作品。CGが全盛で、ジョージ・ルーカス監督自身、「初めてアニメ作品を作った」と言ったほど。その言葉通り、映画は全編を通じて、CGで何でもありになっており、ジャー・ジャー・ビンクスのような非人間のクリーチャーの数々も、ほとんどがCG。本当にCGアニメなのだ。
そういう意味では、EPISODE4から6の、「こんな映像、どうやって撮ったんだろう」と不思議に思ってしまうような作品のほうが、むしろ感動してしまう面もある。もちろん、この頃のヨーダはパペットだし、トーン・トーンやAT-STウォーカーは、クレイアニメーションみたいな、ぎこちない動きをしたりもするので、それはそれでつくりものみたいだな、と思ってしまうのだが、それがCGになってみると、今度はそれがなめらかすぎて、逆に現実味が感じられない。そう考えると、「ターミネーター2」の液体金属人間や、「ジュラシック・パーク」の恐竜などは、CGをCGと感じさせない納得感があって、そこがよいのだな、と思う。

【5段階評価】4

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2010年8月 2日 (月)

(186) スパルタンX

【監督】サモ・ハン・キンポー
【出演】ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポー
【制作】1984年、香港

ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポーの3人がそろい踏みするアクション映画。序盤はややアクションシーンが少ないが、サービス精神満載で面白い。

舞台はスペイン。トーマス(ジャッキー・チェン)とデビッド(ユン・ピョウ)は、ワゴンカーでの軽食販売を営んでいる。彼らが謎の男達に追われる美貌の女性、シルビア(ローラ・フォルネル)を救うため、私立探偵のモビー(サモ・ハン・キンポー)と奮闘する。

見所は、終盤での、ジャッキー・チェンとベニー・ユキーデとの対決シーン。どうも本当に殴っているらしく、スローモーションでも迫力が落ちない。ベニー・ユキーデも、プロの格闘家らしい、まねのできない体のさばきがすごい。ローラ・フォルネルは、「サンダー・アーム 龍兄虎弟」にも出演しており、本当にきれいな人。

【5段階評価】4

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