(198) リアル鬼ごっこ
【監督】柴田一成
【出演】石田卓也、谷村美月、大東俊介
【制作】2008年、日本
これは原作を読んでいたのだが、原作の小説に対しては、あまりの文章のつたなさと設定の幼稚さ(西暦3000年という安易な未来設定や、その割に大阪だの新幹線だの、ホントに1000年後かよ、というような用語が出てきたり、圧政を敷くのが「王様」という幼稚な名称だったり)に、よくこんなものを売り物にしたな、と怒りすら感じてしまっていた。ただ、悔しいことに、リアルな鬼ごっこという設定自体は非常に魅力的で、結局こうして映画も観てしまった。
さすがに映画では、新聞の号外だのテレビだの、今と全く変わらない1000年後の世界を設定として用いるのはあきらめたようで、パラレルワールドという設定になっていた。また、「佐藤」さんがリアル鬼ごっこの対象になることにも、いちおうの理由付けがあり、ちょっとしたどんでん返し(王の正体が、実は元の世界の医者だった)も用意されていた。
そんなわけで、あのような低質な小説が、このように商業的に成功することには、納得いかないものを感じつつも、映画自体は、唾棄すべき駄作というほどではなく、案外面白かった。アクションシーンに磨きをかければ、さらに面白い作品になった気がする。
【5段階評価】3
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