(165) プラトーン
【監督】オリバー・ストーン
【出演】チャーリー・シーン、ウィレム・デフォー、トム・ベレンジャー
【制作】1986年、アメリカ
ベトナム戦争を題材に、戦争の悲劇を描いた作品。プラトーンとは、「小隊」という意味。第59回アカデミー賞作品賞受賞作品。
物語は主に、チャーリー・シーン演じるクリスの視点で描かれる。クリスは大学を出ているが、貧困層やマイノリティが戦場にかり出される状況に義憤を感じ、兵役を志願した。彼の上官として、対照的な二人が登場する。一人はエリアス(ウィレム・デフォー)。無益な殺生を好まない良識派。もう一人はバーンズ(トム・ベレンジャー)。歴戦の強者で、勝つためなら卑劣な手段も辞さない。
彼らの部隊がベトナムの村に入り込む。ベトコンの拠点となっていると疑ったバーンズは、現地の言葉で彼を非難する村民の老婆を容赦なく撃ち殺す。それに気づいたエリアスは、バーンズに殴りかかる。二人の間に深い溝が生まれた。そしてある戦闘のさなか、バーンズは前線で一人になったエリアスを追い、彼を撃ち殺す。エリアスを心配していたクリスに、バーンズは、「エリアスは死んでいた」と告げ、退却を命じる。
部隊はヘリを使って戦線を離脱するが、ヘリから下を見下ろすと、そこには銃弾を受け、瀕死の状態で、大量のベトナム兵の追走から逃れようとするエリアスがいた。思わずバーンズに目を向けるクリス。そこには「何か文句でもあるのか」と言わんばかりの無表情のバーンズの顔があった。ヘリにたどり着こうと必死に逃げるエリアスが、ついに、両手を突き上げ、息絶える。プラトーンの超有名なシーンだ。
クライマックスはベトナム兵と米兵の深夜のジャングルでの白兵戦。夜が明け、何とか生き延びたクリス。周りには死体の山。その中に、傷ついて横たわるバーンズの姿があった。バーンズに銃を向けるクリス。バーンズは力なく「やれよ」。刹那、クリスの銃が火を噴き、バーンズは息絶える。クリスが戦争の傷を心に抱え込む瞬間だった。
この映画、デニス・ホッパーもちょい役で出ている。
戦争の理不尽さが感じられ、当事者、経験者であれば、その感慨はあまりあるのではないかという気がする。
【5段階評価】4
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