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2010年6月

2010年6月30日 (水)

(161) スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ 劇場版

【監督】デイブ・フィローニ
【出演】マット・ランター(声)、アシュリー・エクスタイン(声)
【制作】2008年、アメリカ

スター・ウォーズのCGアニメ版。クローン対戦を題材にしており、アナキン・スカイウォーカーのもとに、パダワン(見習い)としてアソーカという少女が訪れ、二人が敵を相手に活躍する。

大戦上、重要な航路となる領域を支配しているジャバ・ザ・ハットの息子が誘拐される。実はこれは敵側の狂言で、彼らは誘拐がジェダイ(戦士)の仕業だとみせかけようとしていた。ジェダイ側は、息子を取り戻すと同時に、アミダラが狂言誘拐の真犯人(ハット族の一人)を見破ることで、ジャバ・ザ・ハットの信頼を勝ち得る。

やはりアニメ作品であるせいか、子ども向けの作品という印象だった。CGアニメだと、どれだけ戦闘シーンに迫力があっても、「これは非現実のもの」という思考がじゃまして、今ひとつ感情移入できない。ただ、これを見て「ああ、スターウォーズが見たいな」という気持ちにはさせられた。
ちなみに、今回のテレビ放送(NHK教育)では、残念ながら字幕がなかったため、日本語音声でこの映画を観たのだが、どうしても、アナキンが「アソーカ! 」と呼ぶのが「あ、そうか!」に聞こえてしまい、脳内変換に時間がかかった。

【5段階評価】3

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2010年6月29日 (火)

(160) トリック 劇場版2

【監督】堤幸彦
【出演】仲間由紀恵、阿部寛、堀北真希、片平なぎさ
【制作】2006年、日本

話としては、霊能力者、佐和子(片平なぎさ)のトリックを山田奈緒子(仲間由紀恵)と上田(阿部寛)のコンビがあばき、村の娘(堀北真希)を守るというもの。「トリック 劇場版」の続編。

一言で言えば、くだらない映画。前作より、さらにくだらなさがアップしている。くだらないというのは、必ずしも悪い意味ばかりではなくて、ナンセンスコメディとしての魅力はある。ただ、本格的な謎解きを期待して見ていると、出てくるのは手品の種明かし程度であり、しかも、序盤の岩を持ち上げるトリック(崖の反対側からおもりの力で引っ張り上げる)は、あまりにも荒唐無稽で、謎解きの体をなしていない。なので、まじめに観ているといらだちを感じるが、そんなことに目くじらを立てるような作品では、そもそもないということだ。おそらくこれは、テレビドラマ版のファンへのサービスという作品であり、映画だけを楽しむ者にとっては、おもしろさは半減する。

ちなみに、goo映画では、ジャンルが「スリラー/サスペンス」となっているが、コメディに分類すべきだろう。

【5段階評価】2

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2010年6月26日 (土)

(159) アンナと王様

【監督】アンディ・テナント
【出演】ジョディ・フォスター、チョウ・ユンファ、バイ・リン
【制作】1999年、アメリカ

タイの国王と、そこで雇われた未亡人の家庭教師とのほのかな愛を描いた作品。ジョディ・フォスターが気丈な女性教師を好演している。

タイの国王、モンクット(チョウ・ユンファ)は、息子に家庭教師をつける。その教師がアンナ(ジョディ・フォスター)であった。アンナは王やその息子(言ってみれば王子様)にも、イギリス人としての誇りをもって接し、決して媚びることはなかった。一見、高飛車な態度であるが、彼女の誠実な教育ぶりが、やがて王室の人々の信頼を勝ち得ていく。その一方、側室の一人、タプティム(バイ・リン)が、側室を脱走して昔の恋人に会おうとしたため処刑されるなど、封建的な風習にとまどい、悩む場面もある。
そんなとき、国王に対するクーデターが起きる。両者の戦闘が始まろうかと言うとき、国王の援軍が到着する。激しい進軍ラッパと銃声に、反乱側は退却するが、実はラッパは子どもたちが吹き鳴らしており、銃声は花火だった。アンナの機転によるものだったのだ。まあ、花火にしては、花火の炸裂とともに岩肌が崩れたりして、殺傷能力があるんじゃないかというぐらい強烈なのは不思議だが。
こうした体験を通じて互いに信頼し、惹かれ合うアンナと王様。しかし、王様には国王としての威厳を保つ必要がある。外国の未亡人と恋仲になることは許されない。二人のダンスは、精一杯の二人の愛の表現だった。

映像が美しい映画。演技は控えめなのだが、アンナと王様、どちらも自らの身分ゆえの抑制が必要で、ジョディ・フォスターとチョウ・ユンファは、それをうまく演じていた。

【5段階評価】3

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2010年6月25日 (金)

(158) ジュマンジ

【監督】ジョー・ジョンストン
【出演】ロビン・ウィリアムズ、ボニー・ハント、キルスティン・ダンスト、ジョナサン・ハイド
【制作】1995年、アメリカ

CG特撮をふんだんに使ったコメディタッチのファンタジー。多少ホラー映画めいた恐怖感もただよった作品。

靴工場の息子、アランは、工場の工事現場で、「ジュマンジ」と書かれた、古びたすごろくゲームを見つける。ガールフレンドのサラとプレイしてみるが、さいころの出た目でとまったマスに書かれていることが現実に起こり、サラはコウモリの大群に襲われ、アランはゲームの中に吸い込まれてしまう。
アランの住んでいた家に引っ越してきた姉弟のジュディ(キルスティン・ダンスト)とピーター(ブラッドリー・ヒアース)は、そのすごろくを見つけ、やり始めるが、巨大な蚊やライオンに襲われる。そこにゲームの中で成長し、大人になったアラン(ロビン・ウィリアムズ)が現れ、当時、ゲームを一緒にプレイしたサラ(ボニー・ハント)とともに、4人でゲームを続ける。巨大で凶暴な植物や、いたずら好きのサル、サイやゾウ、シマウマの大群の大疾走、アランを付け狙うハンター、はては大洪水など、さんざんな目に会うが、ついにアランはゴールにたどり着き、ゲームから登場した様々な厄災は、すべてゲーム盤のなかに吸い込まれる。
抱き合うアランとサラ。抱擁をとくと、そこにいたのは、ゲームをしていた子どもの頃のアランとサラだった。二人は結婚し、数年後、友人夫妻の子どもとして、彼らと顔を合わせたのが、ジュディとピーターだった。二人は一緒にジュマンジをプレイした子どもたちとの再会を喜び、映画は終わる。

特撮に登場するライオンやサルは、いかにもCGと分かる、若干コミカルな造形。クモも明らかに作り物という感じで、ある程度、見るものの恐怖感を和らげてはいるが、基本的に主人公たちはワニやら謎の植物やらに襲われまくるので、動物パニック映画のような趣もある。
ロビン・ウィリアムズは、「インソムニア」では怪演を見せていたが、基本的には、この手のコミカルな映画が似合う。子役のキルスティン・ダンストは、「スパイダーマン」の彼女役。見たことあるなぁ、と思ったら、やっぱりそうだった。

【5段階評価】4

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2010年6月24日 (木)

(157) ワイルド・スピードX2

【監督】ジョン・シングルトン
【出演】ポール・ウォーカー、タイリース・ギブソン、エバ・メンデス
【制作】2002年、アメリカ

犯罪組織のボスを相手に、元警官のストリートレーサーが、優れたドライビングテクニックを武器に、かつての仲間と活躍する。「ワイルド・スピード」の続編。

元警官のブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)は、深夜の路上で行われる不法ストリートレースのドライバー。優秀な技術を持つが、レース現場に警察が現れ、逮捕されてしまう。しかし警察から、犯罪組織を一網打尽にする計画への協力を要請される。彼は相棒として、かつてのレースのライバル、現在服役中のローマン・ピアース(タイリース・ギブソン)を指名する。
ブライアンのせいで逮捕されたと考えていたローマンは、はじめはブライアンと反目するが、次第に二人の間に強い信頼関係が生まれる。彼らは、スパイ役として組織にあらかじめ入り込んでいたモニカ(エバ・メンデス)の協力のもと、犯罪組織のボス、カーター(コール・ハウザー)に接近する。
二人はドライビングテクニックを生かしながら、カーターの組織の中での地位を確立していくが、ついに彼らが警察の手先だということが見破られる。カーターはモニカを人質にしてクルーザーで逃亡するが、ブライアンはローマンとともに、乗っているクルーザーに車ごとつっこみ、彼の逮捕にこぎ着ける。

迫力あるカーアクションシーンでは、カメラワークが秀逸。どうやって撮っているんだろう、というほど、車の遠景、ドライバーの表情、次の車のドライバー、というように、次々とカットなしの映像が展開していく。また、主人公の乗る車が、ニッサンや三菱の車であるところにも親近感が沸く。おそらく日本でこの手の映画が作られたとしても、韓国車やインドの車は使われないのではないかという気がする。日本車が、こういうヒップホップの音楽に乗りながらBGVのように展開する自動車の走行シーンで使われているというのは、単純に嬉しかった。

【5段階評価】4

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2010年6月22日 (火)

(156) 旭山動物園物語 ~ペンギンが空をとぶ~

【監督】マキノ雅彦
【出演】西田敏行、中村靖日、前田愛
【制作】2008年、日本

入場客低迷で閉園の危機にある北海道の旭山動物園を舞台に、当動物園が入場客数日本一の座を獲得するまでの奮闘努力を描いた作品。園長役の西田敏行をはじめ、動物園の飼育員役には、長門裕之、六平直政、塩見三省、岸部一徳、榎本明など、そうそうたる名優がそろっている。

ワンポイントガイドや夜の動物園などの企画の努力を続けるも、旭山動物園の入場客は低下の一途をたどる。起死回生を狙う園長は、新市長に「ペンギンが空を飛びます」と見得を切り、億単位の予算を獲得。その後は、動物の動き、生態を見せる展示を心がけることで、大人気をものにする。

終盤の、動物園の廃園反対というプラカードを掲げた市民が市役所をとりまくシーンは感動的。役者さんの演技もいい。

ついでに、映画の話ではないけれど書いておきたい。よく、赤字の空港はいらないとか、赤字の博物館はいらないとか、そういう話がある。しかし、本来、公共施設の要否を、施設経営の赤字、黒字で判断するのは間違いだ。普通に経営して黒字になるのであれば、それは公共施設として運営する必要はない。それは民営化すればいい。この動物園は赤字だ。じゃあいらないのか、というとそうではない。動物園がいるかいらないかは、「動物園の収入>動物園の支出」で判断するのではない。「動物園が生み出している価値>動物園の維持に必要な費用」で判断するべきなのだ。ここで、動物園を維持するのに必要な費用は、公共の財政支援などがなければ、ほぼ動物園の支出と言ってもいいだろう。しかし、動物園の価値は、入場料収入だけで計ることはできない。入場料を払ってやってくる人たちを楽しませるということ以外にも、動物園には存在意義があるからだ。
この映画では、動物園が廃園されるという情報を聞いた地域の人々が、反対のプラカードを掲げて市役所を取り巻く、という感動的なシーンがある。これはつまり、ふだん入場料を払っていない人たちも、動物園に価値を感じている、ということである。将来の世代に動物園を残してやりたいとか、いつかは見に行くかもしれないとか、なくなると寂しいとか、いろいろな形で、人々は、動物園の存在に、価値を見いだしている。動物園のような社会的意義を持つ施設の要否を判断する際には、この部分を無視してはいけない。

【5段階評価】4

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2010年6月21日 (月)

(155) 鳥

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ロッド・テイラー、ティッピー・ヘドレン、ジェシカ・タンディ
【制作】1963年、アメリカ

動物パニック映画の金字塔。

弁護士のブレナー(ロッド・テイラー)は、メラニー(ティッピー・ヘドレン)や町の子どもたちがカモメに襲撃されるのを目撃し、鳥が一定周期で大量の群れとなり、人を襲うということを確信する。ある日、目玉をくりぬかれた状態で死んでいる農夫が発見される。ブレナーは鳥のしわざだと考えるが、警察は人による殺人と断定し、事態の真相に目を向けようとしない。しかし、ついにあるとき、小学校を大量のカラスが襲い、担任の教師が殺される。その後も港町に大量のカモメが飛来し、人々を襲うという惨事が発生する。ブレナーはメラニーの家族を連れ、何とか鳥が人を襲わない時間帯を選んで車で脱出する。しかしエンディングの画面には、無数の鳥が映ったままで、事態は何ら好転していないことを物語っている。

さすがに映像の迫力という意味では古さを感じざるを得ないが、普段は大して気にとめることもない、どちらかと言えば愛らしい鳥が、突如、集団となって襲ってくるという理不尽な脅威と、それにまつわる人間の心理は、魅力的なテーマだと言える。

【5段階評価】3

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2010年6月20日 (日)

(154) バカヤロー!2 幸せになりたい。

【監督】本田昌広、鈴木元、岩松了、成田裕介
【出演】小林稔侍、堤真一、藤井郁弥、山田邦子
【制作】1989年、日本

4監督によるオムニバス映画。「バカヤロー! 私、怒ってます」の続編。昔のタレントが出ているなあという感じだが、今をときめく名優、堤真一や、爆笑問題のように今も活躍しているタレントも出ていた。

小林稔侍のバージョンは、旅行会社の理不尽な社員の扱いと、家族の海外旅行をせがむ家族の要求にさいなまれる男。
堤真一のバージョンは、コンビニに現れる理不尽な客に翻弄される店員が主役。いわば不条理もの。ゲームソフトの隠れた名作「街」の雰囲気に似ていた。
藤井郁弥のバージョンは、自らが買った電化製品が、全て旧式だと近隣の人にののしられるが、彼自身、新製品に飛びついては失敗を繰り返した過去を吐露するという役どころ。
山田邦子のバージョンは、中途採用の面接で、結婚のことをあれこれ聞かれて落とされることに腹を立てるという展開。

いろいろな社会の因習やしがらみに虐げられた主人公が、最後に「バカヤロー! 」と叫んでタンカを切るという、胸のすくような展開を期待していたのだが、正直、共感できてすがすがしいと感じることができたのは、山田邦子のバージョンぐらいだった。

【5段階評価】3

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2010年6月19日 (土)

(153) 知りすぎていた男

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ジェームズ・スチュアート、ドリス・デイ
【制作】1955年、アメリカ

ヒッチコック作品のサスペンス。主演のジェームズ・スチュアートは、「めまい」でも主役を演じている。

主人公は医師のマッケナ(ジェームズ・スチュアート)。妻と一人息子の3人で観光に訪れたモロッコが最初の舞台。妻のジョー(ドリス・デイ)はホテルの部屋でケ・セラ・セラを歌い、息子のハンクが口笛でそれに合わせる。二人のお気に入りの時間である。
彼らは、ホテルに着く前の道中のバスの中で、とあるフランス人ルイと知り合った。実は彼は政府のスパイであり、政治家暗殺計画の情報を入手したのだが、モロッコの町で、暗殺計画を企てる一味に殺されてしまう。しかし、いまわのきわに、その場にいたマッケナに「アンベローズ・チャペル」という言葉を残す。マッケナとジョーは、現場を見ていたことから現地の警察に呼ばれ、同じホテルに宿泊していたドレイトン夫妻に息子を預けて警察に向かう。警察での取調中、彼宛の電話があり、ルイの言ったことを口外したら、息子の命はない、と脅される。実はドレイトン夫妻は暗殺計画の関係者であり、息子のハンクを誘拐していたのだ。
マッケナはジョーとともに息子を捜すことにする。アンベローズ・チャペルが、人名ではなく教会の名前であることに気づき、教会に向かった彼らは、ドレイトンとその妻を見つける。ジョーは一足先に教会を立ち去り、警察に通報していた。マッケナは教会の中で息子の名を叫び、答える息子の声を聞くが、一味に殴られて気を失ってしまう。
彼らの計画はヨーロッパの某国の首相暗殺であった。犯行の場として選ばれたのはとあるオペラ劇場。シンバルの音とともに銃で暗殺する予定だったが、会場に入り込んでいたジョーは、観客席に光る銃口を見つけ、悲鳴を上げたため、間一髪で首相はかすり傷で済んだ。教会から何とか脱出して劇場に乗り込んだマッケナは、犯人と格闘し、結果、犯人は客席から落下して命を落とす。首相に感謝されるマッケナ夫妻。しかし、誘拐された息子は見つからない。
息子が大使館に幽閉されていると確信したマッケナは、元歌手の妻とともに、命を助けられた首相に招かれるという形で大使館に入り込む。妻のジョーは、参加者に乞われて歌を披露する。その歌は、ケ・セラ・セラ。大使館の一室に監禁されていた息子だったが、それを聞き、「ママだ」と気づく。暗殺計画犯の一味は、邪魔になったハンクを始末しようとしていた。しかし、ドレイトンの妻は、ハンクに愛着を感じ始めていた。そのため、ハンクの見張り役だった彼女は、ハンクが歌に併せて口笛を吹くことを見逃した。その口笛を聞きつけ、彼の部屋にやってきたのが、父親のマッケナだった。そこに現れたのがドレイトン。息子を助ける代わりに自分が大使館を抜け出るのを手助けせよ、とマッケナを脅し、懐に隠した銃をマッケナに突きつけ、大使館を出ようとするが、マッケナが息子を守ろうと彼を突き飛ばした瞬間、ドレイトンは自らを銃で撃ってしまう。ようやく親子の再会がかない、家に戻ったところで映画が終わる。

子供が口笛で答えるシーンは涙もの。全体的な展開は、若干ご都合主義的なところもあるかな、という気はする。というのも、主人公の「知りすぎていた男」、マッケナは、不条理な大事件に巻き込まれる不運な男ではあるのだが、不幸にさいなまれ、なすすべなく悲運の淵に沈むというよりは、たくましく事態を切り開いていくために戦っている。その辺りが、若干ご都合主義と写る要因であろう。

【5段階評価】4

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2010年6月18日 (金)

(152) めまい

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ジェームズ・スチュアート、キム・ノバク
【制作】1958年、アメリカ

ヒッチコック監督のサスペンス。こういう名作がただで見られるのだから、自動録画はうれしい。NHKは途中でCMも入らないし、エンドロールも含めて最後まで放送してくれるし。

本作の主人公は、高所恐怖症の元刑事、ジョン(ジェームズ・スチュアート)。あるとき、彼は級友のエルスターから、妻を尾行してほしいと相談を受ける。自分の妻に、失意のうちになくなった曾祖母がとりついているのではないか、というのだ。ジョンは、エルスターの妻、マドレイヌ(キム・ノバク)を尾行する。とても美しい女性である。
彼女は、家を出ると、画廊に行ったり、曾祖母の墓に行ったりする。そしてあるとき、海に飛び込んで自殺を図ろうとする。それを助けたことで、ジョンはマドレイヌに近づき、話を聞くようになる。夢の中で曾祖母に会っているというような、現実離れした話であるが、ジョンは次第にそれを信じるようになり、マドレイヌの身を案じ、やがて恋心を抱いていく。関係が深まり、愛を誓い合う二人だったが、マドレイヌはジョンを振り切ると、教会の塔に登り、そこから飛び降りてしまった。ジョンは高所恐怖症のため、上まで彼女を追うことができなかったのだ。
ショックを受けるジョンだったが、あるとき、町なかで、マドレイヌに似た女性、ジュディ(キム・ノバク)を見つける。実はジュディは、エルスターの妻殺しの共犯者だった。ジュディは、曾祖母にとりつかれ、夢遊病のようにふらつきまわるふりをしていたのだった。そして、ジョンが教会の塔に登れないことを承知で、塔を駆け上がった。上には、殺した妻の死体を抱えたエルスターがおり、ジュディが登った直後に、妻の死体を塔から突き落としたのだった。
ジョンは、マドレイヌの幻影を追うように、ジュディにマドレイヌの着ていた服、していた髪型を押しつけていく。とまどうジュディだったが、ジョンに愛されたい一心で、その要求を飲んでいく。しかし、マドレイヌの曾祖母の肖像画に描かれているのと同じ首飾りをつけたことで、ジョンは、ジュディがマドレイヌの一件に関わりがあることに気づいてしまった。ジョンは教会の塔の上までジュディと登り、そこでジュディから真相の告白を受ける。ちょうどそこへ、物音がしたからと修道女が上がってきた。ジュディは驚いて足を踏み外し、命を落としてしまうのだった。

憑きものだったり、突然飛び降り自殺をしたり、といった理不尽・非現実的な状況を描きつつ、それが実は主人公をだますための犯人のトリックだったというのは、ミステリーファンには心地よい謎解きであり、その面はとてもよかった。
ただ、序盤が若干長いのと、マドレイヌの飛び降りシーンで、なんとなく、入れ替えトリックは想像がついてしまった。

【5段階評価】3

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2010年6月17日 (木)

(151) ダイアリー・オブ・ザ・デッド

【監督】ジョージ・A・ロメロ
【出演】ミシェル・モーガン、ショーン・ロバーツ、ジョシュ・クローズ、エイミー・ラロンド
【制作】2007年、アメリカ

これはテレビの録画ではなく、GyaOの無料動画で見た。ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督の作品。

死者がよみがえるという謎の現象が世界中で起き始める。人々はそれをマスメディアのニュースではなく、YouTubeのような個人の発信する画像で目の当たりにしていくのが、この映画の切り口になっている。
映画を専攻している学生たちが、指導教授とともに、とある深夜の山奥で、卒業制作の映画を撮影していた。しかし、死者がよみがえるというニュースを耳にした彼らは、車で家に戻ることにする。
しかし、とうとう彼ら自身、道ばたの車の衝突現場を通りかかったとき、黒こげになったゾンビの襲撃に遭い、ニュースが真実であることに気づき始める。そして逃げようとしたとき、車を運転していた女学生は、路上を徘徊しているゾンビを3人轢いてしまう。生きている人を殺してしまったと考えた女学生は、ショックで自殺を図ってしまう。彼女にまだ脈があると気づいた残りの学生たちは、彼女を病院へと連れて行く。
ところが、着いた病院はもぬけの殻だった。ようやく動く人影をベッドの近くに認めた彼らだったが、それはゾンビと化した医者と看護師だった。彼らの頭を撃ち抜き、退治する学生。そしてついに、自殺した女学生もゾンビとしてよみがえり始めた。彼女の頭を容赦なく撃ち抜いたのは、戦争経験のある教授だった。
その後も彼らの逃避行は続き、ついに女学生の家にたどり着く。しかし家族もすべてゾンビと化していた。彼女に飛びかかってきた弟の脳天を、弓矢で打ち抜く教授。
彼らは次に、撮影現場から一足先に家に戻っていた学生の家を目指すことにする。彼の家は豪邸で、住んでいた学生はやってきた彼らを歓迎する。しかし、悲劇はここでも起こっていた。彼の家族と彼と一緒に帰った女学生は、すでにゾンビとなっており、プールの底を徘徊していた。そして彼自身、腕をゾンビに噛まれていた。とうとう彼もゾンビ化してしまう。
なんとかその襲撃をかわした学生たちと教授だったが、仲間が一人二人とゾンビに殺されていく。残った者たちで避難部屋(パニックルーム)に閉じこもるが、外は多くのゾンビが徘徊する状態になっていた。その一方、生きている人間たちは、ゾンビ狩りを楽しむような映像をネット上にアップしたりもしはじめていた。果たして残酷なのはどちらなのか。人間を救う価値はあるのだろうか。生き残った学生が自問したところで映画は終わる。

ロメロ監督のゾンビは、「28日後...」の感染者のような素早い動きはしない。あくまで死体であり、ゆっくり動く。また、脳を撃ち抜くと動かなくなる。ゾンビ物の映画は、すでに何作も作られているが、何ともいえないやるせなさがあり、独特の雰囲気がある。本作も、ただゾンビに襲われて怖いというだけではなく、仲間や恋人、家族がゾンビとなり、そして、それにとどめを刺さざるをえないという悲劇に直面する人たちの心情をとらえている。ただのグロ映画ではない後味が残る。

【5段階評価】4

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2010年6月16日 (水)

(150) トリック 劇場版

【監督】堤幸彦
【出演】仲間由紀恵、阿部寛、伊武雅刀
【制作】2002年、日本

テレビドラマの映画化作品。とは言え、同じく推理モノのテレビドラマが映画化された「容疑者Xの献身」や「相棒 劇場版」に比べると、かなりくだらない。

手品の種明かしは、まあ面白いのだが、やはり殺人事件のトリックなんかに比べると小粒で、カタルシスを得るには至らない。トリックを楽しむ推理モノというよりは、奈緒子(仲間由紀恵)と上田(阿部寛)のかけあいを楽しむコメディと思って見た方がよい。
ちなみに、終盤に登場する少女、琴美を演じているのは、成海璃子。エンドロールでの名前は塚本璃子だった。

【5段階評価】3

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2010年6月15日 (火)

(149) ヤッターマン

【監督】三池崇史
【出演】櫻井翔、福田沙紀、深田恭子
【制作】2009年、日本

アニメ「ヤッターマン」の実写版映画化。

決めぜりふなど、アニメ版を忠実に再現している。原作ファンには涙ものなのかもしれないが、あまり知らない人間にとっては、割とどうでもよかったり。
子どもも楽しめる作品、というより、子ども向けの作品であるはずだと思うのだが、どうなのよ、というシーンもあった。バージンローダーというメカが登場するのだが、おっぱいマシンガンだのおっぱいロケットだの、下ネタな感じの攻撃をしたり、挙げ句の果てにはヤッターワンが放ったアリのロボット(アリメカ)が、バージンローダーに群がってあちこち食らいついてバージンローダーが苦しむところを見て、ヤッターワンが興奮して鼻血を流すという、子供が観る映画としては、かなりありえない展開。

原作をよく知らないが、こういうお下劣な作品なんだっけ、という。あと、櫻井翔と福田沙紀の演じるヤッターマンも、革製のマスクみたいなのがあまりかっこよくなかった。深田恭子のドロンジョも話題になったが、ちょっと子どもの芝居みたいで、あまりよいとは思えず。

【5段階評価】2

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2010年6月14日 (月)

(148) スピード2

【監督】ヤン・デ・ボン
【出演】サンドラ・ブロック、ジェイソン・パトリック、ウィレム・デフォー
【制作】1997年、アメリカ

キアヌ・リーブス主演の映画「スピード」の続編。本作の主人公はジェイソン・パトリック。

豪華クルーズ船の設計技師、ガイガー(ウィレム・デフォー)が、自分の解雇を不当なものだと怒り、船を乗っ取り、積まれている貴金属を盗もうとする。その船に乗り合わせたSWAT隊員のアレックス(ジェイソン・パトリック)は、彼の身を心配する恋人のアニー(サンドラ・ブロック)とともに、犯人を追跡する。

前作では、スピードを落とすと爆発する爆弾を仕掛けられたバスが登場した。観客は、バスの一員になった気分で、この一見絶望的な救出劇を手に汗握って観ることになり、かなりの興奮があった。一方の本作は、設計技師ガイガーによってリモートコントロールされ、自由のきかなくなったクルーズ船が舞台である。バスよりスケールが大きい分、かえって、バスのような閉鎖された限定的な環境という印象が薄れ、「海に飛び込んで逃げるとか、どうとでもなるんじゃないの」と思ってしまうし、お金持ちの乗客たちもどことなく悠長におびえているだけで、あまり死の危険が迫っているという緊迫感がない。
とはいえ、タンカーに衝突するクルーズ船の映像は迫力があってよくできているし、展開も飽きさせない。前作のキアヌ・リーブスの存在感からすると、今回のジェイソン・パトリックは物足りないとも言えるが、おもしろい作品である。

【5段階評価】3

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2010年6月13日 (日)

(147) カジュアリティーズ

【監督】ブライアン・デ・パルマ
【出演】マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン
【制作】1989年、アメリカ

ベトナム戦争中に起きた地元少女の暴行事件を描いた作品。

ベトナム戦争に従軍するアメリカ兵、エリックソン(マイケル・J・フォックス)は、5人部隊での行軍中、ミザーブ軍曹(ショーン・ペン)が、現地の少女をさらってレイプしようと仲間に提案するのを耳にする。彼自身は反対するが、その企ては実行される。ミザーブ軍曹らは深夜の行軍中、村に押し入り、少女(ツイ・ツウ・リー)を無理矢理連れ出すと、道中の待機地点で少女を輪姦する。しかも、敵の基地を発見した彼らは、少女が邪魔になり、撃ち殺してしまう。彼らのあまりの理不尽さに、エリックソンはそのことを上官に伝えるが、上官は耳を貸そうとしない。しかし軍の裁判に持ち込み、少女のレイプに関わった四人には懲役刑が下されるのだった。

戦争の場面が長い回想シーンとなっているのは、「プライベート・ライアン」に限らず、よく使われている手法。本作では、エリックソンが電車の中で、たまたま殺された少女と似た女性(ツイ・ツウ・リーの二役)が乗っているのを見かけたところから回想が始まっている。
戦争というスケールの大きなテーマの中で、現地民のレイプという限定的な題材を描いている点は特徴的。ただ、正直言って、マイケル・J・フォックスは童顔すぎて、戦争映画には似合わない。やっぱり「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がはまり役だと感じる。

【5段階評価】3

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2010年6月12日 (土)

(146) 天河伝説殺人事件

【監督】市川崑
【出演】榎木孝明、岸恵子、財前直見
【制作】1991年、日本

内田康夫原作の推理小説の映画化。監督、市川崑という大物の作品であるが、いわゆる横溝正史原作の映画に比べると、首が転げ落ちたり、池から足がにょきっと出たりといった、おどろおどろしい映像はない。ルポライター、浅見光彦(榎木孝明)が、能の一派の後継問題を軸に展開される連続殺人事件の謎を解く。

事件の発端は新宿の高層ビル街。スーツ姿の男が突然胸をかきむしって路上で死んでしまう。ところ変わって、奈良県にある天川村。ここでも一人の男が木にぶら下がるように死んでいた。天川村で死んでいたのは、能楽の水上流に身を置く高崎(神山繁)だった。新宿で死んだ男も、天川神社が縁ある人に配っているという「五十鈴」を持っていた。
たまたま天川村に来ることになった浅見は、能の宗家である和憲の娘、秀美(財前直見)と会い、事件の真相を明かしてほしいと頼まれる。和憲は、引退を決意しており、後継者の候補に挙がっていたのが、和憲の二人の子、秀美と、和鷹(山口粧太)だった。和憲は最後の舞台での主役に和鷹を抜擢するが、母の菜津(岸田今日子)は秀美を後継者にせよと憤慨する。和鷹は、菜津の実の子ではなかったからだ。和鷹は、能楽の本番中、釣り鐘落としの釣り鐘の中に入る大役を演じることになる。しかし、その釣り鐘が上がったとき、中から出てきた和鷹は死んでいた。いわゆる密室殺人である。死因は、毒死だった。しかし、毒が塗られていたはずの能面は、殺害現場から消えていた。
犯人は、和鷹の実の母、旅館の女将・敏子(岸恵子)だった。映画の冒頭、新宿で死んだ男は、敏子のかつての同級生で、敏子が和憲の妾であることを知り、それを高崎に告げ、金儲けを企んでいた。敏子は同級生を殺し、そんな事件があった以上、和鷹を後継者にはできないという高崎も殺した。そして、約束を破った和憲をも亡き者にしようと、和憲がかぶる能面に毒を仕込んだが、和憲は図らずも自分の大役を和鷹に譲ったため、結果的に、敏子は自らの手で我が子を殺すことになってしまったのだった。浅見の捜索もむなしく、彼女は、同級生の男を殺したときに使った毒薬を用いて、自らの命を絶ってしまうのだった。

映画ならではのスケールと迫力、というよりは、割と普通のサスペンスドラマのような展開(さすがにテレビドラマのような安っぽい作りではないが)。トリックや動機も、それほど驚愕に満ちたものでもなかった。

【5段階評価】3

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2010年6月11日 (金)

(145) アイ・アム・レジェンド

【監督】フランシス・ローレンス
【出演】ウィル・スミス
【制作】2007年、アメリカ

ガンを治癒すると考えられた細菌が、人々の凶暴性を高める最悪のウィルスだったため、人類がほとんど全滅してしまう。ウィルスに先天的な抵抗力のあった科学者ロバート・ネビル(ウィル・スミス)は、たった一人で愛犬とともにマンハッタンで暮らしながら、ウィルスに感染した生命体、もとは人間だったダークシーカーを捕らえては、彼のすみかの地下室で、治療法を研究していた。ダークシーカーは光に弱く、日の光に当たると強い火傷の症状が出てしまう。
ある日、ダークシーカーの企みにより、ロバートの愛犬が感染してしまう。凶暴化の始まった愛犬を自らの手で絞め殺したロバートは、自暴自棄になって、わざとダークシーカーが跋扈する夜の闇の中、車でダークシーカーをひき殺し始める。襲いかかるダークシーカーについに息の根を止められそうになったところに、別の感染していない人間が現れ、彼を助ける。
それは、アナ(アリーシー・ブラガ)という、子連れの女性だった。生き残った人間が集まる砦があるので一緒に行こうというアナだったが、ロバートはそれを信じようとしない。そしてついに、彼のすみかがダークシーカーに気づかれてしまう。逃げ場を失ったロバートは、アナと子供を連れて地下室に行く。するとそこには、凶暴性を緩和されたダークシーカーの女性が横たわっていた。ついに彼の治療薬作成の努力が結実したのだ。しかし、そんなことを理解するよしもないダークシーカーは、「おまえたちを治療する薬ができたんだ」といくらロバートが叫んでも意に介さず、彼を捕らえようと研究スペースを隔てる強化ガラスに体当たりをし続ける。ガラスが破られるのも時間の問題と悟ったロバートは、研究スペースのさらに奥の安全なスペースにアナとその息子を押し込むと、自らはガラスを破ったダークシーカーのボスとともに、手榴弾で自爆する。アナは息子と車で旅を続け、ついに人間が住む砦にたどり着くのだった。

なかなか面白い映画だった。ただ、すさまじい身体能力で飛び回るダークシーカーは、ちょっとCGっぽすぎた。もう少し自然な感じの映像になっているとよかったと思う。

【5段階評価】4

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2010年6月10日 (木)

(144) シッコ

【監督】マイケル・ムーア
【出演】マイケル・ムーア
【制作】2007年、アメリカ

国民皆保険ではないアメリカにおいて、保険に入っていても不払いの問題などで苦しむ可能性があるということに鋭く切り込んだ映画。特にヨーロッパや、はてはキューバといった他国の医療制度の手厚さに触れ、アメリカの多額の自己負担が必要な医療制度に警鐘を鳴らしている。

マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画は初めて観たのだが、非常に興味深く見ることができた。ほかのも機会があればぜひ観てみたいと思った。
なお、本番組での一番の衝撃は、番組の冒頭で、この映画を紹介しているフジテレビ遠藤玲子アナが、国民皆保険を「こくみん・みなほけん」と読んだことだったりする。遠藤アナの知識がどうこうというより(すべての用語の読みを知っているなんてことは不可能なので)、録画なんだから撮り直せよ、と。もしかしてスタッフ誰も読み間違いに気づかなかったのかな。

【5段階評価】4

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2010年6月 9日 (水)

(143) 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

【監督】吉田大八
【出演】佐藤江梨子、佐津川愛美 、 永作博美 、 永瀬正敏
【制作】2007年、日本

崩壊寸前の危うい人間関係の4人の家族。この先に、どういう凄惨な結末が待っているのかと思いながらみていると、兄(永瀬正敏)は自殺同然の死に方をし、今まで姉(佐藤江梨子)に虐げられてきた妹(佐津川愛美)が、姉に叫んで終わる。最後に叫ぶのは妻(永作博美)なのかな、と思っていたが、彼女は最後まで天然のままだった。

不思議な感覚の映画で、非常に退屈というわけではないが、マイナーな邦画によくある感じの、こんなの作ってみました、的な中途半端な作品。観て得した、と思えるほどではなかった。

【5段階評価】3

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2010年6月 8日 (火)

(142) ザ・インタープリター

【監督】シドニー・ポラック
【出演】ニコール・キッドマン、ショーン・ペン
【制作】2005年、アメリカ

アフリカの要人暗殺計画を題材にしたサスペンス。

国連で同時通訳の仕事をしているシルビア・ブルーム(ニコール・キッドマン)は、アフリカのマトボ共和国の大統領を、国連での演説中に暗殺するという計画があることを耳にする。彼女はそのことを上司に訴えるが、彼女自身にも暗殺者の手が及ぶ危険が生じることになる。彼女を守るため、FBI捜査官のトビン・ケラー(ショーン・ペン)が送り込まれた。
シルビアは生まれがマトボであり、兄は現地で地元の住民(なんと子供)に殺されていた。彼女自身、テロリストとして活動していた時期があり、トビンは彼女が暗殺の共謀者ではないかと疑う。
暗殺計画は、自分の名声を高めるために、マトボ大統領自身が企んだ狂言だった。しかし、彼女は大統領に恨みを抱いており、彼を信じて死んでいった者への復讐を果たそうと彼に銃を突きつける。ぎりぎりでその場に乗り込んだトビンは何とか彼女を思いとどまらせる。

ちょっと話がわかりづらく、結末の意外性もあまり感じられなかった。ちょっと日本人には向かないテーマなのかもしれない。ニコール・キッドマンはきれいな人だなぁ、というのは印象に残った。
トビン役のショーン・ペンは、「カジュアリティーズ」で、ベトナム人の現地女性のレイプを首謀する軍人役を演じていた。このときの彼はすごく若者っぽかったが、本作では苦み走ったいい男になっていた。

【5段階評価】2

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2010年6月 7日 (月)

(141) ALWAYS 三丁目の夕日

【監督】山崎貴
【出演】堤真一、吉岡秀隆、小雪、薬師丸ひろ子、堀北真希
【制作】2005年、日本

かなりいい映画。昭和の時代を再現した映像もよくできていて見入ってしまうし、話も、ほのぼのしている中にも熱い感動がある。

堤真一の演じる則文は、怒りっぽくてあまり好きなタイプの人間ではないのだが、茶川(吉岡秀隆)と淳之介(須賀健太)の二人の心の通い合うところがいい。最後のシーンはやっぱり泣けちゃう。

昭和とか知らない人にとっては、今いちかもしれない。でも、ちょうど今、日本では東京スカイツリーが建設中だ。建設中の状態は今しか見られないということで、スカイツリーは新たな観光名所として、ちょっとしたブームになっている。そう考えると、東京タワー建設中のこの映画の時代が、今、懐かしの昭和時代と呼ばれているように、今我々が暮らしている現在も、何十年か先には、懐かしの平成時代は東京スカイツリーがまだない時代だったんだね、なんていう話になるのかな、なんていう気にもさせられる。

【5段階評価】4

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2010年6月 6日 (日)

(140) あるいは裏切りという名の犬

【監督】オリビエ・マルシャル
【出演】ダニエル・オートゥイユジェラール・ドパルデューアンドレ・デュソリエ
【制作】2004年、フランス

パリ市警を舞台に、二人の警部の争いを描いた悲劇。実話がベースになっており、見応えのある作品。

刑務所の独房のようなところで、横たわりむせび泣く男のシーンで映画は始まる。場面は変わり、夜の闇に沈んだとある街角。二人の男が、建物の壁に取り付けられたプレートを取り外している。警邏中の警官に見とがめられるが、車で逃走する。プレートを盗んだ男たちは、警察署の職員だった。エディというベテラン刑事の祝賀の会で、プレートが贈呈される。同時期、夜のバーに入っていく二人の男がいた。彼らは店の年老いたマダム、マヌー(ミレーヌ・ドモンジョ)に暴行を加えて立ち去る。マダムの余計な発言が彼らを怒らせたらしい。
そして翌朝。現金輸送車が武装した強盗に襲われる。輸送車に向けて機関銃を乱射し、ドライバーを殺害して車を止めると、後ろのドアを爆薬で破壊して現金を運び去るという残忍な手口。
パリ市警の局長ロベール・マンシーニ(アンドレ・デュソリエ)は、もうじき長官として異動することが決まっており、その前にこの事件を何とか解決したいと考えていた。彼の後釜と目される男は二人いた。一人は、正義感が強く、仲間の信頼も厚いレオ・ブリンクス(ダニエル・オートゥイユ)。先のシーンで仲間とパーティに興じていた男だ。もう一人は、出世欲の強いドニ・クラン(ジェラール・ドパルデュー)。二人は、かつてレオの妻を取り合った恋敵でもあった。凶悪な現金強奪事件で手柄を立てた方が、事実上、局長の座を射止めることになる。
レオは、暴行を受けたマヌーと旧知の仲だった。彼女を殴ったのがウィンターシュタイン兄弟の兄、ブリュノであることをマヌーから聞いたレオは、刑事仲間のティティ(フランシス・ルノー)らと、ひとけのないところでブリュノを拉致して車に押し込むと、丸裸の後ろ手錠の状態で山中の穴の中に投げ捨てた。レオは、「マヌーに近づくとおまえも弟も殺すぞ」と吐き捨て、その場を後にした。帰りの車の中で、ブリュノの持ち物をあさっていたティティは、ブリュノのナイフを戦利品だと言ってくすねる。ブリュノの所持金をマヌーに渡すレオ。
レオは、情報屋を使って、犯人の情報を集める古いタイプの刑事だった。彼はある日、刑務所から仮出所していた情報屋のシリアン(ロシュディ・ゼム)から、なかば脅迫まがいの電話を受け、落ち合うことにした。シリアンは、いい情報を提供するから30分一緒にいてくれ、と謎の依頼をする。二人で止めた車の中にいるとき、事件は起きた。ある車が彼らの車の近くにとまると、情報屋がふいに車を降り、やってきた車の中の人間を全員撃ち殺したのだ。殺されたのは、シリアンをハメて刑務所送りにした男だった。レオはひとまずその場から車で去ると、離れたところで車を止め、車から引きずり出してシリアンを責めた。しかしシリアンは、現金強奪犯の情報を渡すから、アリバイ工作に協力しろ、さもなければ殺人の共犯だとレオを脅した。凶悪犯の逮捕を焦っていた彼は、シリアンの手に乗ることにしてしまった。しかし、レオたちの車が走り去った後、死体の転がる車中から、一人の娼婦が飛び出していた。その女は、車の中でかがんでいた(なぜかがんでいたかはヒ・ミ・ツ)ため、シリアンに気づかれなかったのだ。
シリアンから主犯格のオルンをはじめとする強盗犯一味の居場所を聞き出したレオは、彼らを現行犯逮捕しようと待ち伏せを行う。この捜査の指揮権はレオが握っていたのだが、功を焦ったドニはスタンドプレーに出る。待機中の車から降りると、指令を無視して拳銃を持って犯人に近づいていったのだ。その結果、警察はオルンを取り逃し、しかもレオの親しかった同僚エディは、オルンに撃ち殺されてしまう。
ドニの行動は、懲罰の対象になる可能性が出てきた。仲間の信頼の薄いドニは窮地に陥る。そんなとき、ドニは、シリアンが起こした殺人事件から逃げ延びた娼婦からの話で、レオがその場にいたことを知る。
ついにオルンの逮捕にこぎ着けたレオだったが、突然、彼自身が逮捕されることになる。シリアンの居場所について口を割らなかったレオは、殺人の共犯者として刑務所に服役することになってしまった。
ドニは何人かの同僚に、ドニの行動は先にオルンが銃撃したことへの正当防衛であったと偽証させ、懲罰委員会でおとがめなしとなる。そして、局長に昇任したのもドニとなった。しかし、レオの部下だった刑事たちは、ドニのやり方に賛同できない。就任パーティでは、ティティに小便までひっかけられる。「気に入らないやつは首にしてやる」とすごむドニだったが、かつての部下だったエブ(カトリーヌ・マルシャル)でさえ、彼のやり方に不信感を持ち始めていた。
シリアンの行方を捜していたドニは、レオの妻、カミーユの電話を部下に盗聴させ、カミーユがシリアンと会うという情報をつかみ、現場へ向かう。シリアンが真実を証言すれば、レオは殺人の実行犯ではなく、無理矢理片棒を担がされただけであることが明らかになると考えたのであろう。ドニは、シリアンが乗ったカミーユの車を挟み撃ちにし、逃げようとするシリアンの乗った車を横転させる。横転した車にドニが駆け寄ると、シリアンは車の窓から上半身を乗り出すようにして倒れていた。問答無用にシリアンを撃ち殺すドニ。あぜんとする部下の二人。
この事件で、カミーユもこの世を去ってしまった。一時的に妻の葬式のために出所したレオは、娘を抱きしめたいので手錠を外してくれと警官に頼む。ドニはレオの手錠を外すために近寄り、カミーユを撃ったのはシリアンだと告げる。レオは娘のローラを抱きしめ、待っていてくれと告げると、刑務所に戻る。映画の冒頭の刑務所の嗚咽は、妻を失ったレオのものだったのだ。
その後7年が経過し、模範囚として刑期を終えたレオは、ようやく出所することになった。レオは、かつての仲間、ティティにディスコで会い、シリアンと妻が死んだ事件で、ドニと一緒にいたのがエブだったことを聞き出す。店を出ようとした二人は、チンピラと体がぶつかり、店の外に投げ出される。その相手に見覚えがあると感じたレオは、注意しろとティティに告げるとその場を去った。実はその男は、ブリュノと一緒にマヌーを暴行した男、弟のロレフだった。ティティはロレフに待ち伏せされてしまった。帰りの車を襲撃され、車から引きずり出され、金属バットで殴られる。そのとき、ロレフがティティの持っているナイフに気づいた。「これはブリュノのナイフじゃないか。おまえ、ブリュノを襲った場所にいたのか。あれをやったのは誰だ。」と問い詰めるロレフ。やったのはレオだ。暴行を受け、意識がもうろうとなったティティは、一緒にいた警部の名前を告げてしまう。直後、頭をバットで殴打され、ティティは植物状態になってしまう。
エブが左遷された警察署に向かったレオは、エブに会い、ドニがシリアンの銃でカミーユを撃ち、それはシリアンが撃ったものだと口裏を合わせるよう、部下に命じていたことを知る。復讐に燃えるレオは、銃を入手すると、ドニが出席する警察署のパーティに潜入した。トイレでドニに銃を突きつけるレオ。「なぜ妻を撃った。」と聞くレオ。「すでに死んでいた」と答えるドニ。レオは、銃を洗面台に起き、「1発は失敗でも、あと13発残っている」と捨て台詞を吐くと、その場を立ち去る。銃を手に取り、レオを追いかけて建物の外に出るドニ。そこには、復讐に燃えるブリュノとロレフがいた。目指す相手を見つけた二人は、バイクで警部に近寄ると「覚えてるか」と言って、頭を銃で撃ち抜いた。撃たれたのは、レオではなく、警察局長のドニだった。ティティは、いまわのきわで、ブリュノ拉致の場にいたのは、ドニだと告げていたのだった。ドニが殺された新聞記事を空港の売店で眼にしたレオ。そのまま、新聞は買わずにキャンディだけ買うと、父との再会を喜ぶ娘のローラとともに、搭乗ゲートに向かっていった。

重厚な作品でなかなかよかった。ただ、題名はなんだかよく意味が分からない。ほかにも「やがて復讐という名の雨」とか「いずれ絶望という名の闇」とか、シリーズものみたいにタイトルをつけているらしく、個人的にはあまり好きではない。少なくとも、この映画の主題が裏切りであるとはあまり思えない。とはいえ、いい作品。1回目より2回目のほうが面白いと思える映画。

【5段階評価】4

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2010年6月 4日 (金)

(139) 天元突破グレンラガン 紅蓮篇

【監督】今石洋之
【出演】柿原徹也(声)、小西克幸(声)、井上麻里奈(声)
【制作】2008年、日本

テレビアニメシリーズの映画化。ガンダムやエヴァンゲリオンのようなロボット系のアニメだが、造形はかなりコミカル。映像や物語など、評判がよい作品なので見てみた。

地下暮らしをしていたシモン(柿原徹也)とカミナ(小西克幸)は、天井を破って落ちてきたヨーコ(井上麻里奈)とともに、地上に飛び出す。地上では、獣人と人とが戦いを繰り広げていたが、シモンとカミナは地上で生きることにする。ガンメンというロボットが登場する。このロボットは、乗り手の精神が動きに作用するので、操縦者に迷いや落ち込みがあるとうまく動かない。ここで登場するのがカミナの名言。
「おまえを信じろ、俺が信じるおまえを信じろ」に始まり、最終的には「おまえが信じるおまえを信じろ」になる。これでシモンは奮起し、敵を倒していく。

個人的には、ケロロ軍曹まではいかないけれど、コミカルなロボットには、あまり惹かれなかった。ヨーコの上半身ビキニのいでたちは、かなりありえないという感じだけれど、アニメオタクの関心を引くにはこれが王道なんだろうなぁ。

【5段階評価】3

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2010年6月 3日 (木)

(138) 極道の妻たち 赤い殺意

【監督】関本郁夫
【出演】高島礼子、かたせ梨乃
【制作】1999年、日本

高島礼子が今回のヒロイン。ヤクザの跡取り息子の新妻として、田所寿美(かたせ梨乃)ら、古株の女性たちにいびられるのかと思いきや、最初こそ葬式の準備でこき使われそうになるものの、すぐさま厚い信頼を得る。

話としては、権力抗争の内輪もめによって、旦那を失った妻が、怒りの復讐に走るという、かなり単純な展開。夫役の野村宏伸に迫力がないのと、逆にかたせ梨乃は芝居がかりすぎていて、ちょっと食傷気味。比べるべくもないが、一作目の世良政則主演のが一番よかった。

【5段階評価】2

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2010年6月 2日 (水)

(137) 天使にラブソングを2

【監督】ビル・デューク
【出演】ウーピー・ゴールドバーグ、マギー・スミス、ローリン・ヒル
【制作】1993年、アメリカ

天使にラブソングを・・・」の続編。前半はややダルいが、後半の歌のシーンはやっぱり涙もの。

今回は修道院ではなく、地域のハイスクールの再生がテーマ。デロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)は音楽の先生として、学校に乗り込む。
最初は生徒たちのいたずらや反抗に手を焼くデロリスだったが、彼らに修道女たちの歌を見せると、一気に合唱の魅力に惹かれるようになり、彼女の音楽の指導のもと、まとまっていく。ついには伝統の音楽コンクールで優勝を果たす。

ところどころの音楽シーンがとてもよく、思わずジーンと来てしまう。教育ママに音楽などやめろと言われていた女の子(ローリン・ヒル)が、最後に母親にほめられ、抱きしめられるシーンも感動的。こういうのは映画館で観るといいだろうな、と思う。

【5段階評価】4

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2010年6月 1日 (火)

(136) シンデレラマン

【監督】ロン・ハワード
【出演】ラッセル・クロウ、レネー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ
【制作】2005年、アメリカ

実在のプロボクサー、ジム・ブラドックの生き様を描いた作品。やっぱスポーツものは感動できる。

ジム・ブラドック(ラッセル・クロウ)は、前途有望なボクサーだったが、腕の故障から落ち目になり、ライセンスを剥奪される。折りしもの不況で、肉体労働にすらなかなかありつけない日々。しかし彼は家族を守るため、ケチなプライドなど全く気にせず、日雇いの仕事をもらう集団に混じって仕事を乞い、かつての仲間に無心に行く。そんなとき、マネージャーのジョー・グルード(ポール・ジアマッティ)が、新進気鋭のボクサー、マックス・ベアとの前座試合の話を持ち込んできた。対戦相手を二人も殺しているという強敵であり、ジムの妻、メイ(レネー・ゼルウィガー)は猛反対するが、ジムの決意は固かった。
あくまで家族のため、生きるために戦うジムと、野心、名誉、欲望のために戦うベア。誰もがベアの勝利と予想していたが、勝利の女神はジムにほほえんだ。彼は一躍注目を浴び、ついにヘビー級チャンピオンとなる。

ロン・ハワードは、「身代金」の監督。そのほかにも「アポロ13」や「ビューティフル・マインド」、「ダ・ヴィンチ・コード」といった名作を手がけている。
レネー・ゼルウィガーは、「ザ・エージェント」で注目された女優。本作では黒髪の質素な出で立ちで、同じ人だと気づかなかった。
また、マネージャー役のポール・ジアマッティは、「交渉人」で人質になったたれ込み屋のルーディを演じていた役者。「プライベート・ライアン」にも出ているのだが、気づかなかった。
ロッキー」シリーズのような試合のスペクタクル感はないが、けがや貧困といったハンディを負った主人公が勝利を連ねるシーンは見ていて心がすく。映画のトーンは暗めだが、なかなかよかった。

【5段階評価】4

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