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2010年5月

2010年5月29日 (土)

(135) リクルート

【監督】ロジャー・ドナルドソン
【出演】コリン・ファレル、アル・パチーノ
【制作】2003年、アメリカ

CIAの諜報部員の育成をテーマにしたサスペンス。虚々実々のやりとりが繰り広げられる。

本作の主人公、ジェームズ(コリン・ファレル)は優秀な頭脳と身体能力を持っており、特にコンピュータの扱いに長けている。彼の父は謎の死を遂げており、彼はその真相を知ろうとしていた。
ある日彼は、コンピュータ技術の見本市で、ある顧客に対して、周辺のパソコンをハッキングして全ての画面に自分の顔の映像を写す技術を見せる。興奮する顧客。
その様子を見ていたCIAのリクルーター、バーク(アル・パチーノ)は、父の死の真相をえさに、彼をCIAの新人養成所に勧誘する。ジェームズは試験をパスし、養成所「ファーム」に入所する。
そこでは様々な厳しい訓練が行われる。訓練生は、銃や爆薬を始め、追跡用のセンサーの扱いなどを学んでいく。嘘発見器の訓練では、教官のバーク自身が嘘発見器にかけられる。「あなたはウォルター・バークですか」と聞かれ、バークは涼しい顔で「No」と答える。発見器の結果は「True(真実)」。彼の嘘は、嘘発見器でも見抜けない。
バークは言う。何も信じるな。自分の五感さえ。そこにあるものは見えているものとは違う。そして、全ては訓練(test)だ、と。
ジェームズは訓練で着実に力をつけるが、同じ訓練生のレイラ(ブリジット・モイナハン)と尾行の訓練をしているところを、CIAを嗅ぎ回っているとおぼしき男たちに拉致される。彼らはジェームズから教官の名前を聞き出そうとし、ジェームズを責める。
電気ショックをはじめとする執拗な拷問にも「これは訓練だ」と言い聞かせ、耐えるジェームズ。しかしついに、レイラが失禁したという衣服を投げつけられたとき、「教官はバークだ! 」と叫んでしまう。そのとたん、監禁されていた部屋の壁が開き、そこには見慣れた訓練所の部屋があった。そう、本当に訓練だったのだ。
訓練所をクビになり、もとの自堕落な生活に戻るジェームズ。そこに、バークが現れた。訓練をクビになったのは偽装だった。「君は合格だ。これから本当の任務に当たってもらう。」と告げるバーク。
その任務とは、レイラを二重スパイの容疑で調べることだった。彼は悩むが、その任務を受けることにする。
偶然を装い、ジェームズは彼女に接近し、二人は急速に親密な仲になっていく。ついに彼女の部屋で愛し合う二人。しかし、ジェームズはまどろむレイラをベッドに残すと、レイラのパソコンを調べ、彼女がCIAの機密情報にアクセスしていることを確認する。ところが、レイラはその様子を起きて見ていた。ジェームズが自分のことを探っていることに気づいたレイラは、ある土曜日、ジェームズの誘いを「仕事がある」と言って断ると、駅で何者かにメモを手渡す。レイラを尾行していたジェームズは、その男を追いかける。乱闘の末、ジェームズは男を撃ち殺してしまう。その男は、訓練所で一緒だった、警察学校出身のザックだった。メモには、「ジェームズが嗅ぎ回っている。例のものをすぐに。」と書かれていた。
彼女のスパイ行動を確信したジェームズは、彼女を追い、激しいカーチェイスの末、彼女をとらえ、コーヒーマグの底に仕込んだUSBメモリを取り上げる。彼女は、「CIAのセキュリティを確認するための訓練のために情報を取り出しただけで、私はスパイなんかじゃない」と主張するが、ジェームズは信じることができない。しかし、彼女を愛していたジェームズは、「隙を突いて逃げたというから、ここから逃げろ。」と告げる。
バークと合流したジェームズは、バークに銃を突きつけ、バークを問い詰める。バークは言った。これは訓練だ。ザックを殺しただと。その銃を渡したのは誰だ。俺だろう。その銃は空だ。嘘だと思うなら撃ってみろ。ジェームズは躊躇する。しかし銃を放った刹那、バークはよけた。割れる車のガラス。銃は本物だった。
逃げるジェームズを追い詰めたバークは、自らの陰謀を語って聞かせた。観念したジェームズに、パソコンを手渡すよう迫るバーク。ジェームズがパソコンの場所を指さす。パソコンにかぶさっていた服をどけた瞬間、画面に映るオンライン中継の文字。ジェームズは言った。「今のをCIAに生中継したぜ。」バークの話はCIAに送信されてしまっていた。
バークはパソコンを銃で破壊すると、逃げるジェームズを追いかける。が、彼らはCIAに包囲されていた。銃につけられた照準用レーザーの赤い点が、ジェームズの胴体に無数に光っている。ジェームズに追い付いたバークは、自分たちが包囲されていることを知ると、観念し、自分がいかに報われず、今回の犯行を起こすに至ったかを述懐しはじめた。しかし、現場の指揮官は「バークのバカ野郎」とつぶやくと、隊員たちに「バークを狙え。」と指示した。ジェームズに当たっていたレーザーが、今度はバークに移動する。
その瞬間、自らの不遇と周囲の無能を饒舌に語っていたバークが言葉を失った。バークは悟った。自分が今ここで犯行を自白するまで、CIAは犯罪者はジェームズの方だと考えていたことを。
・・・そう、ジェームズが起動させていたパソコンは、バークの話をCIAに送ったりなどしていなかった。そこにあるものは見えているものとは違う。その言葉をかみしめるバーク。しかし彼は後戻りできなかった。そのまま銃を振りかざし、一斉射撃を浴びて倒れる。
ジェームズはレイラと抱き合い、無事を喜び合うところで映画は終わる。

デアデビル」でブルズアイを演じていたコリン・ファレルが主演。コリン・ファレルはブラッド・ピットに似ているなぁと再認識。
最後のどんでん返しは、「交渉人」と少し似ている。なかなかおもしろかったが、それぞれの行動のどこが真実でどこがまやかしなのか、その説明が今ひとつ十分ではない気がした。たとえばバークはレイラにある指示を与え、一方でジェームズにこう指示を与えた。自分で手を下さないのはこういう訳があるから、といったことが、映像で描かれているほうが分かりやすかった。
もちろん、そこは見る手の想像に任せるとか、暗に示すという方法もあるわけだが、個人的には、謎解きものはすっきりと、モヤモヤさせないことが重要だと思う。

【5段階評価】3

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2010年5月28日 (金)

(134) 身代金

【監督】ロン・ハワード
【出演】メル・ギブソン、ゲイリー・シニーズ、レネ・ルッソ
【制作】1996年、アメリカ

航空会社の社長、トム・マレン(メル・ギブソン)が息子のショーン(ブローリー・ノルティ)を誘拐される。トムの家に来たFBIは、まず身代金を渡すことにし、受け渡し現場で犯人を逮捕しようとするが、トムには、身代金を渡しても息子が生きて帰ってくるとは思えなかった。
そこで彼は、テレビを通じて、「身代金は渡さない。犯人を捕らえた者に200万ドル渡す。」と宣言する。
捜査員は混乱し、犯行グループのリーダー、刑事のジミー・シェイカー(ゲイリー・シニーズ)は怒り狂う。捜査員や犯人はトムの妻、ケイト(レネ・ルッソ)を通じて、トムのやり方を変えさせようとするが、トムの意志は固く、やめるどころか、報奨金を400万ドルにつりあげる。ケイトも夫に不審を抱くが、何とか信じようとする。
脅迫電話をかけてきたジミーに対しても、トムは身代金は絶対に渡さないと挑発する。そして、突然電話の向こうで銃声がする。誰もがトムの息子が撃ち殺されたと考えた。ケイトはトムを責め、トムも絶望の淵に立たされる。しかし、息子は死んでいなかった。犯行グループの仲間が寝返ろうとしていることを悟ったジミーは、仲間を撃ち殺し、刑事として犯人を確保したふりをして、400万ドルを手にしようとする。
しかし、彼が金を早く受け取ろうとトムの家に来たとき、ジミーの声を偶然耳にした息子のショーンは、その場で失禁してしまう。それをみたトムは、この男が誘拐犯であることを確信する。
何食わぬ顔で小切手に金額を記入し、銀行に行こうとジミーに話しかける。しかし、ジミーはトムが自分が犯人であると見抜いたことに勘づいてしまう。トムに銃を突きつけたまま、銀行に乗り込む二人。しかし、トムは車の中でのFBIとの通話で、犯人が近くにいることを暗に伝える。ついに捜査の手はジミーに伸びた。
警察用の無線で自分が逮捕されようとしていることを知ったジミーは、自分を確保しようと近づいてくる警官を銃撃すると、そのまま逃げようとする。しかし、ついに彼はトムの手によって葬られた。

息子を誘拐された父親の苦悩と勇気は、見応えがある。最後は衝撃的なシーンで終わるが、マレン一家の憂いが一掃され、ほっとする。よくできた映画だった。

【5段階評価】4

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2010年5月27日 (木)

(133) パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

【監督】ゴア・バービンスキー
【出演】ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ
【制作】2006年、アメリカ

パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」の続編。前作同様のどたばた活劇ではあるのだが、アイディア満載でおもしろい、と言うしかない。

前作は月光を浴びるとゾンビのような本来の姿があらわになる呪われた海賊たちが、見所の一つだった。本作では、海の生物と一体化したような海賊たちがいろいろと登場する。ボスの顔はイカ(タコかも)のよう。FFXIの嫌われ者モンスター、ソウルフレア族を彷彿とさせる。そのほかにもシュモクザメやヤドカリのような船員もいるし、主役のウィル(オーランド・ブルーム)の父親の顔にはフジツボが宿っている。こうした姿が、ただのかぶり物で表現されているのではない。同体化している生物が、まるで独自の生命を持っているように、つねにもぞもぞ動いているのだ。この作り込みは、やはり最近の映画ならでは。
もう一つの見所は、坂を転がる大きな水車の車輪の上での乱闘シーン。くだらないと言えばくだらないが、笑っちゃうと言えば笑っちゃう。

とは言え、本作は続編のつなぎという位置づけになっており、ストーリーとしてははなはだ中途半端。「スター・ウォーズ/EPISODE5 帝国の逆襲」のようなすっきりしない感じで終わる。

【5段階評価】4

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2010年5月26日 (水)

(132) インビジブル2

【監督】クラウディオ・ファエ
【出演】クリスチャン・スレーター、ピーター・ファシネリ、ローラ・レーガン
【制作】2006年、アメリカ

インビジブル」の続編。

ある男が、ホテルのパーティで謎の死を遂げる。誰もいないのによろめいたりふっとばされたりし、トイレになだれこむと、「助けて」という言葉を残し、首を掻き切られて死ぬ。警察官のターナー(ピーター・ファシネリ)が捜査を始めたところ、国防総省の人間が訪れ、直接捜査をするので警察は出て行くようにと指示する。
犯人は、軍の秘密計画で、透明人間の暗殺者に仕立て上げられたグリフィン(クリスチャン・スレーター)。彼は死に至る副作用を抑えるための薬を入手しようとしており、ホテルで殺された男は、計画に関わった科学者だった。彼は次に、薬を開発した科学者、マギー(ローラ・レーガン)を襲う。
ターナーは、マギーの警護をすることとなるが、そこにやってきたグリフィンに仲間を殺されてしまう。彼は真相を知ろうとするが、捜査から外される。
ターナーはマギーとともに警察署から逃亡し、マギーを守ろうとする。マギーの妹に目をつけたグリフィンは、彼女を人質にして、マギーに薬を持ってくるよう脅す。ターミナル駅でグリフィンと会うことになったマギーは、グリフィンに衣料品店の試着室に連れ込まれ、透明人間になる薬を打たれそうになる。そこにターナーが乗り込み、彼女を救おうとするが、グリフィンはマギーを連れ去る。二人を追おうとしたターナーは、警官らに包囲されてしまう。衣料品店に逃げ込んだターナーは、そこに置かれたままの透明人間になる薬を自らに打ち込むと、マギーを殺そうとしていたグリフィンを倒す。

前作は、透明になった博士が、最初は女性の服を脱がせておっぱいを触ってみたりしつつ、しだいに精神が病んでいき、殺人鬼になるという過程が分かりやすかったが、本作は、少し話が複雑。また、前作は透明人間ならではの展開であるのに対し、本作は、薬品によって超人間的な能力を身につけたということであれば、別に透明人間でなくても成り立つような話になっていた。
ちなみに、ピーター・ファシネリは、見た感じがトム・クルーズに似ていた。

【5段階評価】3

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2010年5月25日 (火)

(131) 20世紀少年 第一章 終わりの始まり

【監督】堤幸彦
【出演】唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子
【制作】2008年、日本

浦沢直樹原作漫画の映画化作品。原作を読んでいれば、登場人物が映画に出てくるのと似ているのが多いのが楽しい。子供の頃のヤン坊マー坊とか。残念ながらケンヂとユキジは大して似てないが。

ただ、映画としてはどうかというと、あまりにも展開が漫画と同じ。漫画と似ているなあという興奮はあるが、展開に対するどきどき感はあまりない。

【5段階評価】3

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2010年5月24日 (月)

(130) 劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード

【監督】浅香守生
【出演】丹下桜(声)、くまいもとこ(声)
【制作】2000年、日本

漫画原作のテレビアニメ、「カードキャプターさくら」の劇場版第二作。

さくら(丹下桜)が李小狼(リ・シャオラン)(くまいもとこ)からの愛の告白に返事をしようとするが、邪魔が入ってなかなかできないという、ラブコメによくある展開を交えつつ、町の中のあらゆるものを消し去ってしまう「無」のカードと戦う。

映画版というわりには映像の迫力や話のスケールが小ぶりで、ファンにはまあまあなのかもしれないが、純粋に映画としては残念ながら見所のある映画とは言い難かった。

【5段階評価】2

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2010年5月21日 (金)

(129) パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち

【監督】ゴア・バービンスキー
【出演】ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ
【制作】2003年、アメリカ

パイレーツ・オブ・カリビアン・シリーズの第一弾。これまで少しカルトっぽい癖のある映画の主演が多かったジョニー・デップが、メジャーな作品で一躍大スターとしての地位を築いた作品。

映画の主なあらすじは、ゾンビとなった(正確には、欲望を満たすことができず、死ぬこともできないという呪いにかかった)海賊にさらわれた女性、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)を救うため、彼女を愛する男、ウィリアム・ターナー(オーランド・ブルーム)が、海賊に戦いを挑む、というもの。
ジョニー・デップ演じる海賊船長のジャック・スパロウは、いわば脇役的存在なのだが、作品では、きまじめなターナーに対して、いいかげんそうでいて謀略の機知に富んだ彼の人物像が魅力的に描かれている。「スター・ウォーズ」もルーク・スカイウォーカーが主役といいつつ、ハン・ソロが主役を上回る魅力ある存在として描かれているのと似ている。
映画の後半では、ジャック・スパロウもゾンビ化していることが明らかとなり、観客はここで、「うわ、主人公がゾンビかよ! 」と驚くわけだが、その後、エリザベスが持っていたコインの力により呪いが解け、ジャック・スパロウはもとの人間に戻る。
呪われた海賊たちは、ふだんの見た目は人と変わらないが、月光に照らされると本来のゾンビの姿に戻ってしまう。この特撮がよくできており、また大量に出てくるので映像としては新鮮である。とはいえ、いわゆるゾンビ映画のような恐怖感はなく、コミカルに描かれているので、子供でも楽しめる(それでも怖いかもしれないが)。

まあ、ドタバタコメディと言ってしまえばそれまでだが、特撮のすばらしさを買って評価は4。

【5段階評価】4

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2010年5月16日 (日)

(128) 蒲田行進曲

【監督】深作欣二
【出演】平田満、松坂慶子、風間杜夫
【制作】1982年、日本

これぞ近代日本活劇という金字塔的作品。

落ち目の主役俳優、銀四郎(風間杜夫)が子分のヤス(平田満)に、自分がはらませた女、小夏(松坂慶子)を押し付ける。ヤスは小夏との暮らしの生計を立てるため、斬られ役やビルからの飛び降りスタントなど、危険な役を受け続ける。そしてついに、銀四郎の主演映画の目玉である高さ10メートルの階段落ちを引き受ける。

登場する人物が個性的かつ魅力的。芝居っぽいといえば芝居っぽいのだが、「野獣死すべし」や「蘇える金狼」の芝居っぽさとは違って、せりふまわしや動きが小気味いい。これぞプロの役者というところ。銀四郎なんかは、かなりイヤなヤツなのだが、人物像としてはとても魅力的なので、ついつい見入ってしまう。
ちなみに、今回見たテレビ版では、銀四郎がヤスの部屋に小夏を連れて来て、小夏を押し倒しておっぱいをもみながら、「ヤス、見てろって言ったろ!」と叫ぶシーンはカットされていた。小夏の哀しさが浮き立つシーンでもあるし、見られなかったのは残念。

【5段階評価】5

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2010年5月15日 (土)

(127) 深紅

【監督】月野木隆
【出演】内山理名、水川あさみ、緒形直人
【制作】2005年、日本

野沢尚原作の小説の映画化作品。

修学旅行中に家族4人を惨殺された娘、秋葉奏子(内山理名)と、その犯人で死刑囚となった都築則夫(緒形直人)の娘、未歩(水川あさみ)。奏子は未歩がどういう暮らしをしているのかを知るため、事件を追うルポライター(平田満)から未歩の住所を聞き出す。
奏子は未歩が勤めるバーを訪れ、自分が殺された家族の娘だということは伝えずに未歩に接近する。ほどなく二人は親しくなる。結婚して幸せそうな未歩を見て、一時は憎しみを抱く奏子だったが、実は未歩は、夫の明良(内田朝陽)から激しいDVを受けていた。それが原因で流産した未歩に、奏子は「未歩の夫は人間のくずよ、殺してしまえばいいのよ。」とそそのかし、完全犯罪に協力することにする。
奏子には、家族を殺された事件のあった日以来、ときおり、特殊な精神的発作が生じることがあった。家族の急を知らされて、修学旅行先の旅館から病院まで、タクシーで移動した深夜の4時間の記憶を追体験し、その間、気を失ったように動かなくなるのだ。
犯行を実行しようと家を出る未歩を見送るとき、その発作が起きる。美歩は奏子を気遣いつつも家を出る。追体験の発作に陥る奏子。その追体験の中に未歩が登場する。そこでのやりとりを通じて、奏子は未歩に殺人をさせてはいけないと思いとどまる。
奏子が未歩のいる現場に駆けつけると、そこには、明良の脳天を殴りつけ、呆然としている未歩と、昏倒した明良がいた。奏子は、とどめを刺そうとする未歩から凶器を奪い取ると、未歩を説き伏せ、二人でその場から立ち去る。かくして殺人は未遂に終わり、明良への暴行は、同業者の恨みによるものとみなされ、迷宮入りした。
故郷に戻る未歩を駅前のデッキで見送る奏子。ここで二人のキスシーン。お互いの連絡先を携帯に登録していた二人だったが、まるで示し合わせていたかのように、互いの連絡先を携帯のメモリーから消去したのだった。

映画の魅力は、内山理名の美しさかな。山口智子にも少し似たような、上品な感じ。最終的にはいい人すぎる気もするが、ドロドロしすぎなくてよかったと言える。序盤のタクシーのシーンは恐怖映画のようでもあり、なかなか印象的。

【5段階評価】3

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2010年5月14日 (金)

(126) スパイダーマン3

【監督】サム・ライミ
【出演】トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト
【制作】2007年、アメリカ

スパイダーマン」シリーズ3作目。これまたアメコミヒーロー。

本作のスパイダーマン(トビー・マグワイア)は、宇宙から降ってきた謎の黒い生命体にとりつかれ、負の感情が暴走するブラックスパイダーマンとなり、愛する叔父を殺した脱走犯に復讐を挑む。脱走犯は、謎の化学実験に巻き込まれ、サンドマンとなる。
サンドマンを追うスパイダーマンだったが、サンドマンは、難病を患う愛娘を救うためのお金ほしさに強盗をたくらむも、はずみで叔父を撃ってしまったということが明らかとなる。それを知ったスパイダーマンは、彼を許す。砂となって飛び去っていくサンドマン。

まあ、面白いっちゃあ面白いが、スパイダーマンがか弱き町の人を助けたり巨悪に立ち向かったりというより、かなり個人的な事情で戦っているという感じではある。大都会を飛び回るシーンは、相変わらず迫力があるが、序盤のチェイスシーンは、観ている側もすごさに慣れてしまって、どうせ主人公は大丈夫なんでしょ、という感じで観てしまう(指輪をなくしそうなところはハラハラするが)。ぽっちゃり系のヒロインも、評価が分かれるところかもしれない。

【5段階評価】3

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2010年5月13日 (木)

(125) タキシード

【監督】ケビン・ドノバン
【出演】ジャッキー・チェン、ジェニファー・ラブ・ヒューイット
【制作】2002年、アメリカ

ジャッキー・チェン主演のアクション映画。歳は50近いのに、アクションはスピーディで気持ちいい。

本作のジャッキー・チェンが演じるのは、しがないタクシードライバーのジミー・トン。ひょんなことから秘密組織のエージェント、デブリン(ジェイソン・アイザックス)のドライバーをすることになるが、悪玉企業に命を狙われ、デブリンは重傷を負ってしまう。実はデブリンは、超高性能のタキシードを着ることで、超人的な能力を発揮していた。
ジミーはタキシードの秘密を知り、デブリンの代わりに悪の組織のたくらむ計画の阻止に挑む。相棒のデル(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)は、デブリンのドジっぷりに手を焼くが、最終的には、協力して組織のボス、バニング(リッチー・コスター)を倒す。

映画には、人間をひからびさせてしまうバクテリアを媒介するアメンボが登場する。このバクテリアの入った水を飲んだ人間がみるみるうちにひからびるというシーンが、ハリウッド映画らしい特撮で描かれており、生身のアクション主体のジャッキー映画に色を添えている。

【5段階評価】4

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2010年5月12日 (水)

(124) デアデビル

【監督】マーク・スティーブン・ジョンソン
【出演】ベン・アフレック、ジェニファー・ガーナー、マイケル・クラーク・ダンカン
【制作】2003年、アメリカ

これまたアメコミヒーローの映画。「ファンタスティック・フォー」シリーズに比べるとかなり、また、「スーパーマン」や「スパイダーマン」に比べても、シリアスなトーンの映画になっている。

主人公はマット・マードック(ベン・アフレック)。幼い頃に、汚染物質を目に浴び、盲目となったが、聴覚などが極度に発達する。プロボクサーの父親が、裏の組織からの八百長の依頼を断り、殺される。そのことがきっかけとなり、マットは弁護士となるが、法の限界を知り、世の中の悪を懲らしめるヒーローとして活躍するようになる。
マットは、恋人のエレクトラ(ジェニファー・ガーナー)を殺したブルズアイ(コリン・ファレル)を倒すが、黒幕のキングピン(マイケル・クラーク・ダンカン)に対しては、倒すところまでは行くものの、「自分は悪者ではない」と言ってとどめは刺さず、その場を後にする。続編を期待させる終わり方。

戦闘シーンはよくできていて楽しい。主人公の身体能力は、確実に常識の域を越えているのだが、突然、体が炎に包まれたり、空を飛んだり、手から蜘蛛の糸を出したりはしないので、非常識すぎてしらける、ということは、前述のアメコミ映画に比べると少ない。
マイケル・クラーク・ダンカンのドスの聞いた声は、ぜひ吹き替えではなく、本人の声で堪能したい。

【5段階評価】4

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2010年5月 5日 (水)

(123) レリック

【監督】ピーター・ハイアムズ
【出演】ペネロープ・アン・ミラー、トム・サイズモア
【制作】1997年、アメリカ・日本・ドイツ・イギリス

遺伝子の変異によって生まれたモンスターが人々を襲うパニック映画。
この手の作品としては割とオーソドックスな作りで、とりたてて恐怖をあおるようなシーンは少ない。最初のうちはモンスターの姿が登場しない、というのは、こういった映画の常道だが、この映画は全体的に画面が暗く、ちょっとイライラするようなところがある。最終的には、全身をはっきりとさらけ出す。

話は、南米の儀式から始まる。そこからアメリカの博物館に貨物が送り込まれるが、その中に入っていた植物の葉に付着する虫の卵のような物質が、生物の遺伝子を変異させる働きを持つものだった。同時に博物館の中にモンスターが誕生し、人々を襲い始める。
シカゴ市警のダガスタ警部補(トム・サイズモア)は、生物学者グリーン(ペネロープ・アン・ミラー)とともに、このモンスターを追い、最後はグリーンが研究室に火を放ち、モンスターを火に巻き込んで退治する。モンスターが火に焼かれたままグリーンに突進するシーンが、この映画のハイライト。恐ろしい中にも美しさがある。

トム・サイズモアは、「プライベート・ライアン」でベテラン軍曹のホーバスを演じており、好きな俳優だが、この映画ではあまりキャラが際立っていない感じだった。

【5段階評価】4

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2010年5月 4日 (火)

(122) きみの友だち

【監督】廣木隆一
【出演】石橋杏奈、北浦愛(あゆ)、吉高由里子、福士誠治
【制作】2008年、日本

とあるフリースクールに若いカメラマンの男(福士誠治)が訪れるところから映画は始まる。
そこには松葉杖をつきながら働く恵美(石橋杏奈)がいた。映画は恵美の小学校時代にさかのぼる。
恵美は小学校の時から、とある交通事故がきっかけで松葉杖生活を余儀なくされる。同じクラスにいた由香(北浦愛)も病気で体が弱く、二人の間に友情が芽生える。二人の友情を基軸に、彼氏のできた友達との疎遠に悩むハナ(吉高由里子)や、恵美の弟の同級生やその先輩の葛藤が織り込まれていく。

まあまあの映画だったが、全体的に間(ま)の取り方が長くてちょっとダルかった。たとえば沈黙のシーンで、次に俳優がアクションを始めるまでの時間が想像以上に長くて、「えっ、いつまでこのままなの・・・」と感じてしまうとか、そういう間の悪さ(悪さと言うより、自分の持っている間との違い)を感じることがたびたびあった。
吉高由里子は、「蛇にピアス」で脱ぐ役にも挑戦している。かわいいタイプときれいなタイプが同居したような感じで、ちょっとアニメ声なところに特徴がある。この映画でも主役に負けず光っていた。

【5段階評価】3

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2010年5月 3日 (月)

(121) ザ・シューター/極大射程

【監督】アントワン・フークア
【出演】マーク・ウォルバーグ、ケイト・マーラ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローバー
【制作】2007年、アメリカ

米海兵隊の優秀なスナイパー、スワガー(マーク・ウォルバーグ)は、大統領の暗殺を企む大物政治家と組む退役軍人ジョンソン大佐(ダニー・グローバー)の罠にはまり、大統領暗殺の濡れ衣を着せられる。
彼は、元同僚の妻、サラ(ケイト・マーラ)と、彼が無実だと確信した捜査官、メンフィス(マイケル・ペーニャ)とともに、自分を陥れた連中への復讐を果たす。

展開はスリリングであり、また、映像も切れがあってなかなか面白かった。ただ、最後に敵側を皆殺しというのは、ちょっと安易な結末である気がした。

【5段階評価】4

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2010年5月 2日 (日)

(120) ユー・ガット・メール

【監督】ノーラ・エフロン
【出演】トム・ハンクス、メグ・ライアン
【制作】1998年、アメリカ

電子メールで見知らぬ相手とメールを交わす男女の恋物語。現実世界では商売がたき、メールでは悩みを打ち明ける相談相手。二人の恋は成就するのか、っていう話。まあもちろんするんだが。

実際に会おうと決め、二人はレストランで待ち合わせる。キャスリーン(メグ・ライアン)は先に店で待っており、そこをジョー(トム・ハンクス)が覗く。そこでジョーは、メールの相手が、彼の大型書店出店に反対するキャスリーンであることを知る。その後は男の側だけ真相を知っているという展開。自分としてはすごくアンフェアな気がした。自分だったらラストシーン、素直に喜べない気がする。「何それ? じゃあ夜のレストランで私が待たされてたのを分かってて話しかけてきたわけ? 最低・・・」って思ってしまいそう。

【5段階評価】3

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