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2010年5月29日 (土)

(135) リクルート

【監督】ロジャー・ドナルドソン
【出演】コリン・ファレル、アル・パチーノ
【制作】2003年、アメリカ

CIAの諜報部員の育成をテーマにしたサスペンス。虚々実々のやりとりが繰り広げられる。

本作の主人公、ジェームズ(コリン・ファレル)は優秀な頭脳と身体能力を持っており、特にコンピュータの扱いに長けている。彼の父は謎の死を遂げており、彼はその真相を知ろうとしていた。
ある日彼は、コンピュータ技術の見本市で、ある顧客に対して、周辺のパソコンをハッキングして全ての画面に自分の顔の映像を写す技術を見せる。興奮する顧客。
その様子を見ていたCIAのリクルーター、バーク(アル・パチーノ)は、父の死の真相をえさに、彼をCIAの新人養成所に勧誘する。ジェームズは試験をパスし、養成所「ファーム」に入所する。
そこでは様々な厳しい訓練が行われる。訓練生は、銃や爆薬を始め、追跡用のセンサーの扱いなどを学んでいく。嘘発見器の訓練では、教官のバーク自身が嘘発見器にかけられる。「あなたはウォルター・バークですか」と聞かれ、バークは涼しい顔で「No」と答える。発見器の結果は「True(真実)」。彼の嘘は、嘘発見器でも見抜けない。
バークは言う。何も信じるな。自分の五感さえ。そこにあるものは見えているものとは違う。そして、全ては訓練(test)だ、と。
ジェームズは訓練で着実に力をつけるが、同じ訓練生のレイラ(ブリジット・モイナハン)と尾行の訓練をしているところを、CIAを嗅ぎ回っているとおぼしき男たちに拉致される。彼らはジェームズから教官の名前を聞き出そうとし、ジェームズを責める。
電気ショックをはじめとする執拗な拷問にも「これは訓練だ」と言い聞かせ、耐えるジェームズ。しかしついに、レイラが失禁したという衣服を投げつけられたとき、「教官はバークだ! 」と叫んでしまう。そのとたん、監禁されていた部屋の壁が開き、そこには見慣れた訓練所の部屋があった。そう、本当に訓練だったのだ。
訓練所をクビになり、もとの自堕落な生活に戻るジェームズ。そこに、バークが現れた。訓練をクビになったのは偽装だった。「君は合格だ。これから本当の任務に当たってもらう。」と告げるバーク。
その任務とは、レイラを二重スパイの容疑で調べることだった。彼は悩むが、その任務を受けることにする。
偶然を装い、ジェームズは彼女に接近し、二人は急速に親密な仲になっていく。ついに彼女の部屋で愛し合う二人。しかし、ジェームズはまどろむレイラをベッドに残すと、レイラのパソコンを調べ、彼女がCIAの機密情報にアクセスしていることを確認する。ところが、レイラはその様子を起きて見ていた。ジェームズが自分のことを探っていることに気づいたレイラは、ある土曜日、ジェームズの誘いを「仕事がある」と言って断ると、駅で何者かにメモを手渡す。レイラを尾行していたジェームズは、その男を追いかける。乱闘の末、ジェームズは男を撃ち殺してしまう。その男は、訓練所で一緒だった、警察学校出身のザックだった。メモには、「ジェームズが嗅ぎ回っている。例のものをすぐに。」と書かれていた。
彼女のスパイ行動を確信したジェームズは、彼女を追い、激しいカーチェイスの末、彼女をとらえ、コーヒーマグの底に仕込んだUSBメモリを取り上げる。彼女は、「CIAのセキュリティを確認するための訓練のために情報を取り出しただけで、私はスパイなんかじゃない」と主張するが、ジェームズは信じることができない。しかし、彼女を愛していたジェームズは、「隙を突いて逃げたというから、ここから逃げろ。」と告げる。
バークと合流したジェームズは、バークに銃を突きつけ、バークを問い詰める。バークは言った。これは訓練だ。ザックを殺しただと。その銃を渡したのは誰だ。俺だろう。その銃は空だ。嘘だと思うなら撃ってみろ。ジェームズは躊躇する。しかし銃を放った刹那、バークはよけた。割れる車のガラス。銃は本物だった。
逃げるジェームズを追い詰めたバークは、自らの陰謀を語って聞かせた。観念したジェームズに、パソコンを手渡すよう迫るバーク。ジェームズがパソコンの場所を指さす。パソコンにかぶさっていた服をどけた瞬間、画面に映るオンライン中継の文字。ジェームズは言った。「今のをCIAに生中継したぜ。」バークの話はCIAに送信されてしまっていた。
バークはパソコンを銃で破壊すると、逃げるジェームズを追いかける。が、彼らはCIAに包囲されていた。銃につけられた照準用レーザーの赤い点が、ジェームズの胴体に無数に光っている。ジェームズに追い付いたバークは、自分たちが包囲されていることを知ると、観念し、自分がいかに報われず、今回の犯行を起こすに至ったかを述懐しはじめた。しかし、現場の指揮官は「バークのバカ野郎」とつぶやくと、隊員たちに「バークを狙え。」と指示した。ジェームズに当たっていたレーザーが、今度はバークに移動する。
その瞬間、自らの不遇と周囲の無能を饒舌に語っていたバークが言葉を失った。バークは悟った。自分が今ここで犯行を自白するまで、CIAは犯罪者はジェームズの方だと考えていたことを。
・・・そう、ジェームズが起動させていたパソコンは、バークの話をCIAに送ったりなどしていなかった。そこにあるものは見えているものとは違う。その言葉をかみしめるバーク。しかし彼は後戻りできなかった。そのまま銃を振りかざし、一斉射撃を浴びて倒れる。
ジェームズはレイラと抱き合い、無事を喜び合うところで映画は終わる。

デアデビル」でブルズアイを演じていたコリン・ファレルが主演。コリン・ファレルはブラッド・ピットに似ているなぁと再認識。
最後のどんでん返しは、「交渉人」と少し似ている。なかなかおもしろかったが、それぞれの行動のどこが真実でどこがまやかしなのか、その説明が今ひとつ十分ではない気がした。たとえばバークはレイラにある指示を与え、一方でジェームズにこう指示を与えた。自分で手を下さないのはこういう訳があるから、といったことが、映像で描かれているほうが分かりやすかった。
もちろん、そこは見る手の想像に任せるとか、暗に示すという方法もあるわけだが、個人的には、謎解きものはすっきりと、モヤモヤさせないことが重要だと思う。

【5段階評価】3

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