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2010年3月27日 (土)

(99) 四日間の奇蹟

【監督】佐々部清
【出演】吉岡秀隆、石田ゆり子、尾高杏奈
【制作】2005年、日本

天才ピアニストでありながら、銃乱射事件に巻き込まれた少女を救おうとして、手に再起不能の凶弾を浴び、ピアニストとしての人生に幕を下ろすことになった如月敬輔(吉岡秀隆)。敬輔は、その事件で両親をなくした少女、千織(ちおり)(尾高杏奈)を引き取るが、ふとしたことから彼女のピアノの才能に気づき、指導を行うようになる。彼女は脳に障害があり、自閉症なのだが、曲を聴いただけで演奏ができるという能力を持っていた。これはサバン症候群という実在の症状である。
敬輔と千織は、音楽活動として行っている慰問のため、岩村真理子(石田ゆり子)が勤める療養センターを訪れる。千織は真理子になつき、一緒に遊んでいると、突然の落雷で風向計の羽根車が落下し、千織をかばおうとした真理子の背中に破片が突き刺さってしまう。
真理子は昏睡状態になり、千織も意識を失う。そして千織が目覚めるのだが、彼女の意識は千織のものではなく、千織の体の中に入り込んだ真理子だった。千織の体を借りて、亡くなるまでの四日間を過ごす真理子と、真理子の高校時代のあこがれの先輩だった敬輔との物語である。

東野圭吾の「秘密」(娘の体に妻の意識が入り込むという展開)や、大林宣彦の「転校生」(男女の意識が入れ替わる)など、この手のファンタジーには前例がある。
この作品はファンタジー性はあまり映像としては強調されておらず、千織の体に真理子の意識が入り込むということ以外は、現実感のある展開。ただ何となく、真理子をはじめとして、出てくる人間がいい人すぎるせいか、全体的に今ひとつ感情移入がしづらかった。敬輔の苦悩、離婚を言い渡された真理子の絶望。こういったシーンがもっと強調して描かれていると、より感動できたかもしれない。
とは言え、石田ゆり子はキレイで素敵。

【5段階評価】3

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