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2010年2月

2010年2月28日 (日)

(82) 天使にラブソングを・・・

【監督】エミール・アルドリーノ
【出演】ウーピー・ゴールドバーグ
【制作】1992年、アメリカ

有名な映画だと思うが、実際、相当いい映画だった。第60回紅白歌合戦ではないが、「歌の力」を感じさせた。

クラブシンガーのデロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)は、知り合いのマフィアが仲間の裏切り者を撃ち殺すところを目撃してしまい、命からがら逃げ出すと、警察に駆け込み、事情を話す。警察は、裁判までの間、彼女を修道院にかくまうことにする。
警察は、マフィアに見つからないよう、修道女らしく振る舞うよう彼女に指示するが、聖歌隊の指揮者を引き受け、それまで聞くに堪えない歌声だった聖歌隊が、ソウルやロックを取り入れた彼女の指導で見違えるように魅力的になり、地元で大評判となる。
ローマ法王も聞きに来るという話になり、興奮する彼女たちだったが、ついにマフィアが彼女の居場所に気づき、デロリスを拉致してカジノに連れて行ってしまう。彼女の存在が不可欠だと確信した修道女たちは、むりやりヘリをチャーターすると、カジノに乗り込み、まんまと彼女の救出に成功。最後はローマ法王の前で、堂々と聖歌を披露する。

話はシンプルだが、とにかく合唱のシーンが感動的。おもわずホロッとしてしまった。

【5段階評価】4

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2010年2月27日 (土)

(81) Love Letter

【監督】岩井俊二
【出演】中山美穂、豊川悦司
【制作】1995年、日本

心温まるラブストーリー。中山美穂が一人二役で好演している。

渡辺博子(中山美穂)は、恋人の藤井樹(ふじいいつき)を事故で失う。三回忌の日、彼の家で中学の卒業アルバムを家族に見せてもらい、そこにあった彼の実家に手紙を書いてみる。生前の彼の話では、彼の実家はすでに道路になっており、今はもうその住所に家はないと聞いていたのだが、驚いたことに返事が来る。
この辺り、ファンタジーと思わせるが、そうではない。彼のクラスには、同姓同名の女生徒がいた。博子は、それを知らず、女生徒の住所の方に手紙を送っていたのだ。若干のすれ違いのあと、博子は樹(中山美穂、二役)と手紙のやりとりをし、中学時代の彼のことをいろいろと尋ねる。樹は同姓同名を同級生にからかわれたり、あまりいい思い出はなかったのだが、そのエピソードを博子に手紙で伝えていく。
終盤、博子は、樹に、彼氏の樹が無理矢理出たという、陸上競技会の場所の写真を撮って欲しいと頼む。樹は、自分には何の得もないにもかかわらず、博子のために、その風景を写真に収める。撮っているうちに、樹自身が、過去の同姓同名の彼との思い出を慈しみながら、何となくうきうきしたような気持ちになり、楽しそうにシャッターを何度も押していく。彼女の気持ちが浄化されていくようすが描かれ、なかなかいいシーンだった。

腑に落ちなかったのは一点。序盤にある豊川悦司との割と濃厚なキスシーン。これは、必要だったのかな。あとは、トヨエツの関西弁が聞いていて気持ち悪い。もうちょっと関西弁の上手な俳優はいなかったのだろうか。ちなみにこの映画、2010年2月の「サヨナライツカ」の公開に合わせてテレビ放映されたもの。

【5段階評価】3

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2010年2月26日 (金)

(80) 野獣死すべし

【監督】村川透
【出演】松田優作、小林麻美、鹿賀丈志
【制作】1980年、日本

戦場カメラマンの伊達(松田優作)は、日本に戻ってきてから、自らの中にある狂気に目覚め、銀行強盗を企てる。銀行員や伊達を疑う刑事の柏木(室田日出男)、仲間の真田(鹿賀丈志)など、多くの人を殺害しながらも、銀行強盗を成功させるが、最後は柏木刑事に射殺される。

最後のシーンの解釈にはいろいろあるようで、全ては夢で、伊達は最後に柏木刑事の亡霊を見て心臓麻痺で死んだとか、警官隊が伊達を包囲して射殺したとか、いろいろな解釈を見た。自分としては、柏木刑事は列車の中で撃たれたものの死んではおらず、復讐のために伊達を射殺したと思っている。心臓麻痺は安易だし、警官隊が射殺というのも、いくら凶悪犯であっても、丸腰で普通に歩いている人間を問答無用で撃ち殺したりはしないだろう。

で、この映画。松田優作の代表作と言われているが、ストーリーに関して言えば、人を殺しすぎ。あんなに銀行で警備員やら銀行員を殺して、まんまと大金を持って逃げられるはずがない。演技も私の目には古めかしく、「芝居」を観ているようだった。まあ芝居なんだけど。

【5段階評価】2

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2010年2月25日 (木)

(79) 陰謀のセオリー

【監督】リチャード・ドナー
【出演】メル・ギブソン、ジュリア・ロバーツ
【制作】1997年、アメリカ

政府の極秘計画を題材とした映画。

タクシー運転手のジェリー(メル・ギブソン)は、タブロイド紙しか取り上げないような、政府の陰謀に関するゴシップを乗客に吹聴する日常を送っている。しかも、それらの「政府の陰謀」を自ら記事に仕立て上げ、ネットで募集した読者(といっても5人ほどだが)に送る、という偏執ぶり。さらには司法省に勤める弁護士、アリス(ジュリア・ロバーツ)に、大地震と大統領暗殺の関係についてまくしたてる始末。その一方、彼はアリスの生活を監視している。ストーカーかと思わせる展開。
ここまでだと妄想癖の趣味が高じたゴシップオタクなのだが、ある日突然、彼は拉致され、黒塗りの車に押し込まれる。そして、黒幕とおぼしき人物、ジョナス(パトリック・スチュワート)から拷問を受ける。しかし、自白剤を打たれたとき、ジェリーは過去の記憶がよみがえり、ジョナスの鼻にかみつくと、脱走に成功する。
実はジェリーは、洗脳により暗殺を遂行するという、政府のMKウルトラ計画の被験者だった。映画では、過去に実際にあったジョン・レノンやレーガンに対する凶行も、この陰謀の一環であることが示される。また、これらの犯人が「ライ麦畑でつかまえて」を読んでいたというエピソードも、ネタとして用いられている。この辺りは予備知識がないと、なんのことかわからないだろう。
暗殺者に仕立てられたジェリーは、アリスの父親の暗殺を命じられるが、アリスを目にして暗殺を思いとどまる。父親は政府の別の手によって暗殺されるが、ジェリーはアリスを守ることを父親に誓っていたのだった。
終盤、ジョナスに捉えられ、薬物を打たれて体の自由が利かなくなったジェリーを、アリスが救い出す。弱い男と強い女という構図は、「僕の彼女はサイボーグ」とも似ているが、そのか弱い男を、「マッドマックス」や「リーサル・ウェポン」などの名だたるアクション映画で獅子奮迅の活躍をしてきたメル・ギブソンが演じているところが面白い。キスしてくれ、とせがむジェリーに、アリスが仕方なさそうにチュッとするところは、ちょっと萌える。

アリスが、結構冒頭から、一見ただの頭のおかしな人としか見えないジェリーを、つっぱねずにつきあっているところは、多少理解の苦しむところではあるが、二人の関係には心が温まった。最後もハッピーエンドをほのめかせていて、ほほえましい終わり方になっている。

【5段階評価】3

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2010年2月21日 (日)

(78) ストーリー・オブ・ラブ

【監督】ロブ・ライナー
【出演】ミシェル・ファイファー、ブルース・ウィリス
【制作】1999年、アメリカ

ちまたの紹介では「ラブ・コメディ」とある。ブルース・ウィリスの軽妙なセリフが味わい深い映画かと思いきや、不仲の夫婦がけんかばかりしている。とてもコメディを観ているような気分にはなれない映画。

ベン(ブルース・ウィリス)とケイティ(ミシェル・ファイファー)は、子供の前では仲むつまじい夫婦を演じているが、実際には離婚に片足を突っ込んだ状態。ささいなことで口げんかに発展する、というシーンが繰り返される。そのへんのシナリオが少々安易というか、ちょっとみえみえなので、観ていてさめてしまった。

ただ、最後のシーンのケイティの長い台詞は圧巻で、このシーンのためだけに、これまでがあったのか、というぐらい、ホロリとさせられる。ここだけでこの映画の評価ランクは1つ上がった。それで3かよ、って感じだが。

【5段階評価】3

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2010年2月20日 (土)

(77) 白いカラス

【監督】ロバート・ベントン
【出演】アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン
【制作】2003年、アメリカ

サスペンス調のオープニングだが、シリアスな恋愛映画。人種差別を扱った映画でもある。

大学教授のコールマン・シルク(アンソニー・ホプキンス)は、授業に一度も出てこない学生がいるので、「この生徒は本当にいるのか。幽霊じゃないのか」と冗談を言う。しかしその学生の一人が黒人で、幽霊(スプーク)という単語に黒人の蔑称の意味もあったことから、学生側から訴えられてしまう。
授業に来たことのない学生が黒人だと分かるはずもないし、文脈からして幽霊という意味に決まっているだろう、と憤慨するシルクは、ことの顛末を興奮気味に妻に話す。妻はシルクをなだめるが、突如、妻は苦しみだし、急逝してしまう。職も妻もなくなったシルクは、作家のネイサン・ザッカー(ゲイリー・シニーズ)に、自分の話を作品にするよう持ちかける。
シルクの憤慨には、複雑な理由があった。実は彼自身も黒人だった。生まれつき肌の白い黒人だったのだが、あるときを境にそれを隠し、白人として偽りの人生を歩んできた。白いカラス、という題名には、その意味が込められている。若いときから人種差別の理不尽さに苦悩していた彼が、こともあろうに人種差別発言を咎に辞職に追い込まれる。彼のやるせなさはいかばかりだったろう。
ある日、シルクは、若い恋人ができたことをザッカーに打ち明ける。その女は、フォーニア・ファーリー(ニコール・キッドマン)。彼女も、幼児期の性的虐待、夫の暴力、そして過失による子供の喪失という過去を持っていた。この二人が、紆余曲折を経ながら、最終的には互いを許し、認め合う。しかし、フォーニアの夫、レスター(エド・ハリス)は、シルクとフォーニアの乗った車に正面から車で突っ込み、避けようとしたシルクの車は、氷の張った湖に転落。シルクはあっさりと死亡する。
ザッカーは、氷上で釣りをしているレスターのところに行くが、レスター自身も、暗い過去を持つ男だった。ザッカーは、真相を問いつめることなく、彼の元を立ち去る。

全体的に凍り付くような暗いトーンの映画だ。扱っているテーマは深い。2回見るとさらに楽しめるだろうな、という味わい深い映画。

【5段階評価】3

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2010年2月19日 (金)

(76) イノセント・ボイス 12歳の戦場

【監督】ルイス・マンドーキ
【出演】カルロス・パディジャ、レオノア・バレラ
【制作】2004年、メキシコ

エルサルバドルの内戦を題材に、子供の徴兵の問題を扱っており、重たいテーマに考えさせられる作品。

11歳の少年、チャバ(カルロス・パディジャ)は、母親のケラ(レオノア・バレラ)や兄弟とともに暮らしている。エルサルバドルでは、農民を主体とするゲリラ軍と政府軍が内戦を繰り広げており、チャバの住む町は、いつ流れ弾に当たってもおかしくない戦場と化している。
政府軍は、12歳になった男子を徴兵し、拉致同然に町から連れ去っていく。町の牧師はゲリラに肩入れしたと政府軍にそしられ、暴行を受ける。そんな光景を目にして、チャバは次第にゲリラ軍の側につくことを決意する。しかし、ゲリラのあじとが政府軍に発見され、チャバは政府軍の兵士に連れられ、河川敷に向かう。そこには数多くの死体が転がっている。政府軍に刃向かい、ゲリラ側についた人間の処刑場であった。
子供が殺される場面というのは、映画では半ばタブーとなっていて、なかなか目にすることはないが、この映画では、兵士が、子供の脳天を後ろから撃ち抜く様子をじっくりと映し出している。二人の子供が順に殺され、次にチャバの順番となったところに、ゲリラ軍が現れ、チャバは九死に一生を得る。その後、母親の大事にしていたミシンを売って得た金で、チャバはアメリカに亡命するのだった。

平和な日本にいると感じないが、12歳になると同時に、日常生活から無理矢理引きはがされる不条理な現実が、実際にこの世の中にあるということをまざまざと見せつけられる。国際的にも評価の高い作品であり、自分としても5段階評価の4にしようか迷ったが、映像的な魅力という面も考慮し、3点とした。

【5段階評価】3

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2010年2月18日 (木)

(75) ゴッドファーザーPART III

【監督】フランシス・フォード・コッポラ
【出演】アル・パチーノ、アンディ・ガルシア
【制作】1990年、アメリカ

ゴッドファーザー」3作目。「ゴッドファーザーPART II」の続編。第一作は息子としてのマイケル、第二作は夫として、また弟としてのマイケル、そして本作では、父としてのマイケル・コルレオーネが主題となっている。

マイケル(アル・パチーノ)は宗教と手を組み、事業を健全化して、自らのファミリーを盤石のものにしようとしている。しかし息子のアンソニー(フランク・ダンブロシオ)は、法律家になれという父の言葉に反目し、オペラ歌手になると言い出す。そこにマイケルの妹、コニー(タリア・シャイア)が、今はなき兄のソニーの息子、ビンセント(アンディ・ガルシア)を連れてくる。ちんぴらのような風采のビンセントであったが、意志の強さに何かを感じ取ったマイケルは、彼を後継者の候補に据え、教育を始める。
マイケルは、コルレオーネ家の裏のビジネスを引き継いでいたジョーイ・ザザ(ジョー・マンテーニャ)に命を狙われる。ビンセントはザザを暗殺し、最終的にマイケルの跡を継ぐ。
マイケルの息子アンソニーの初公演の日。オペラ劇場でそれを楽しむマイケル一家であったが、暗殺者の手が忍び寄る。劇場から出たマイケルを銃弾が襲う。しかし、倒れたのは娘のメアリー(ソフィア・コッポラ)だった。このときのアル・パチーノの慟哭の表情、そして、途中まで無音になる緊迫した演出は秀逸だ。老いたマイケルは、晩年、実の兄に手を下したことや娘を死に追いやった思いの中、人生の幕を閉じる。

前2作がアカデミー賞作品賞を受賞しているのに比べて、そういったことがないので、世間一般には辛い評価が多いようだが、個人的には3作目が一番わかりやすく、面白かった。5段階評価は3点だけど。

【5段階評価】3

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2010年2月17日 (水)

(74) 壬生義士伝

【監督】滝田洋二郎
【出演】中井貴一、佐藤浩市、夏川結衣
【制作】2003年、日本

よく映画の感想として、「原作の方がよかった」という言い方をする人がいる。
この言い方、好きじゃない。何となく、「自分は映画だけじゃなくて読書もしていてすごいでしょ」と言っているようであり、「映像化された作品より字だけの小説のほうがよいという自分は深いでしょ」と言っているようでもある。
ただ、本作を観ると、こういう感想を言う人の言いたくなる気持ちを否定できない。自分も、「これは小説の方がいいな」と思ってしまった。重厚な小説なのだが、映画にするとこういうチャンバラ映画になってしまうのか、という感じがしたのだ。

映画では、終盤、吉村貫一郎(中井貴一)が自害をさせられるのが唐突で、納得いかない感があるように思う。大野次郎右衛門(三宅裕司)は、何で幼なじみの貫一郎に自害をしろとまで言うのか。時代も変わっているのだし、何も自害させる必要はないじゃないか。そしてそれ以上に、守銭奴と呼ばれることも厭わず、「生きるために戦う」と言ってはばからぬ貫一郎が、なぜあっさりと自殺したのか。
確か原作では、貫一郎が自害に直面するところから書かれており、読者は「なぜ貫一郎は自害をするに至ったのか」という視点で読むので、自害の場面に来ても、それほど不思議には思わない。また、終盤の自害の場面についても、貫一郎がぎりぎりまで生(せい)に執着し、もがき苦しんで自害した様子が描かれている。この自害は理不尽だ、ということを作者が伝えようとしていることが理解できるのだ。
そのへん、映画では、この自害は理不尽だ、と感じるところは共通なのだが、何でなのかが理解できない、という状態になってしまう点が、小説と違うように思う。長編小説を1本の映画に納めているので、厳しいとは思うのだが。

ちなみに、つまのしづ(夏川結衣)はかわいかった。それと、沖田総司(堺雅人)がなんかキモかったのが気になった。

【5段階評価】3

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2010年2月16日 (火)

(73) ゴッドファーザーPART II

【監督】フランシス・フォード・コッポラ
【出演】アル・パチーノ、ロバート・デニーロ
【制作】1974年、アメリカ

ゴッドファーザー」第2作。マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)が、マフィアとしてのし上がる一方で、家族を失っていく様子が、マイケルの父、ビトー(ロバート・デニーロ)の若かりし頃の話を織り交ぜながら描かれている。第47回アカデミー賞作品賞受賞作品。

話は、ビトーの少年時代から始まる。息子の命を救ってくれと懇願する母親を目の前でマフィアに撃ち殺され、アメリカに逃げ渡る。アメリカで暮らすうち、商売人にカスリをたかる、ファヌッチというボスの存在を知る。これを理不尽と考えたビトーは、ある祭りの日、ファヌッチを撃ち殺す。その後、人々の信頼を得て、頭角を現すと、両親を殺したマフィアのボスのもとにあいさつに向かうほどの出世をする。そしてビトーは、そのボスの腹をナイフで切り裂き、復讐を果たす。
マイケルは、息子のお祝いのパーティの日の夜、自宅の寝室にいたところを機関銃で襲撃される。黒幕はマイアミのボス、ハイマン・ロス(リー・ストラスバーグ)だった。仲間のフランクがロスに通じていると見抜いたマイケルだったが、あえてロスの元に出向き、フランクを消すと宣言する。ロスの手下、ロサト兄弟は店でフランクを始末しようとするが、警官に気づかれ、フランクに逃げられる。その後、フランクがマイケルの犯罪を調査する委員会で証言をすることとなるが、マイケルはフランクの兄を連れて行って無言のプレッシャーをかけ、フランクの供述を阻止する。こうしたさまを観ていたマイケルの妻、ケイ(ダイアン・キートン)は、恐ろしくなり、マイケルの元を去ると言い出す。流産したと聞かされたのが、実はケイ自身の中絶だったことを知り、マイケルは激しく怒り、ケイを追い出す。
そして、実の兄、フレドーもロスに情報を流していたことを知り、湖上でフレドーを葬る。コルレオーネ・ファミリーを守るため、実の家族を失っていくマイケルの愁いを帯びた表情を映しながら、映画は終わる。

前作に比べ、さらに家族に焦点が当てられている。ただ残念ながら、マフィアの家族では現実から遠すぎて、さすがに感情移入は厳しい。そして前作同様、話が難しい。誰が裏切っているのか、なぜ殺されるのか、分かりづらい。そして長い。
重厚な作風であり、よくできている映画ではある。BGVとしてはいいかもしれない。

【5段階評価】3

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2010年2月14日 (日)

(72) 僕の彼女はサイボーグ

【監督】クァク・ジェヨン
【出演】綾瀬はるか、小出恵介
【制作】2008年、日本

韓国映画「猟奇的な彼女」の監督が、日本人のキャストで作成した映画。評判では監督が韓国人なので、台詞が変だ(「○○なのさ! 」とか)とか、ゲロをリアルにしすぎだとかいろいろ言われているが、自分はそれほど違和感もなく、また、それはそれとして独特のテイストがあり、問題だとは思わなかった。

ストーリーは、「なにこのエロゲー」的な香りのする展開。
たった一人で自分の誕生日を祝おうとしている青年、ジロー(小出恵介)のもとに、若い女性(綾瀬はるか)がやってきて、一緒に誕生日を祝ってくれる。彼女は自分が何者かも告げず、その日、彼のもとを去ってしまうが、一年後、再び現れる。そして彼女は未来から来たサイボーグで、ジロー自身が、晩年、自分のもとに送り込んだものだ、ということが分かる。
綾瀬はるかのかわいさと完璧な肢体が、もはや人間の領域ではないというところが、映画の設定に生かされている点は面白い。「おっぱいバレー」に負けないぐらい、綾瀬はるかのおっぱいが強調されるシーンが随所にある。彼女は未来から、まるっきり「ターミネーター」のパクリで登場し(ただし服を着ている)、夜のビル街を歩いていて不良に絡まれるが、不良は彼女のおっぱいに手を伸ばすし、ジローも、彼女がジローを守るために部屋の窓際に立っている(これも「ターミネーター2」に同じようなシーンがある)とき、おっぱいに触ってみようとする。
彼女はジローだけではなく、火事に巻き込まれた小学生や、車に轢かれそうになった子供、変質者に乗り込まれた女子校の教師や女生徒も救う。そして東京を襲う大地震。崩壊するビルからジローを守るため、彼女はビルの下敷きになり、そしてさらにそこから抜け出すために自らの下半身を引きちぎって上半身だけになってジローを地面の亀裂から救い出す。このあたりは「エイリアン2」のアンドロイドと同じだ。
その後、実は最初に登場した彼女は、サイボーグではなく、生身の女だった(あるいは、彼女自身が限りなく人間に近い感情を持つようになった将来の姿だった)ことが明かされる。いわばドンデン返しの部分なのだが、自分自身もここは意味が解釈し切れていない。ちょっと分かりにくい。

何にせよ、綾瀬はるかのおっぱい映画であることは間違いない。

【5段階評価】3

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2010年2月13日 (土)

(71) ゴッドファーザー

【監督】フランシス・フォード・コッポラ
【出演】アル・パチーノ、マーロン・ブランド
【制作】1972年、アメリカ

イタリアン・マフィアの抗争を通じて、家族の愛や確執を描いた名作。3作ある中の1作目。第45回アカデミー賞作品賞受賞作品。

ドン・ビトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は、アメリカを本拠とするイタリア系マフィア。友情に厚く、友の相談には親身に乗り、解決を図るが、その手段はしばしば強烈だ。
目をかけているタレントが、悩みをビトーに相談する。彼はある新作映画の主役を狙っているのだが、プロデューサーに嫌われており、お前に役は絶対にやらないと言われていると言う。ビトーの手下がプロデューサーに依頼に行くが、プロデューサーはその手下を罵倒して断る。そしてある日、プロデューサーが自室のベッドで目覚めると、なぜかベッドが血まみれになっている。彼が布団をはねのけると、そこには彼の愛馬の生首が転がっている、という具合だ。
ある日、ビトーは、麻薬の密売をソロッツォに持ちかけられるが、麻薬はやらない、と断る。ソロッツォは、ビトーさえいなくなればコルレオーネ家は密売に助力するはずだと考え、彼の暗殺を企てる。銃弾を浴びるビトーだったが、一命をとりとめる。
ビトーの末の息子、マイケル(アル・パチーノ)は、堅気の道を進もうとしていたが、父が襲われた話を聞き、病院に駆けつけ、父を守ると誓う。父を護衛するはずの警察が病院からいなくなっており、不吉な予感がしたマイケルは、たまたま見舞いに来たパン屋と病院の入り口に立ち、あたかも銃を持っているかのように装うことで、ビトーの襲撃に来たであろう車に乗った一味を追い払うことに成功する。車が去った後、パン屋は恐怖でライターの火をつけることすらままならないほど手が震えていたのだが、マイケルは、それを見て、自分が何のおびえもなくライターを扱っていることに気づき、自分の進むべき道が、やはり父の家業のほうにあることを悟る。
マイケルは、父の暗殺を企てた黒幕のソロッツォへの報復の実行役を買って出ると、その大役を果たす。マイケルはシチリアへ身を隠し、そこで女と恋に落ち、結婚するが、彼女は、マイケルを殺すために自動車に仕掛けられた爆弾によって爆死してしまう。家族を守るためにも戦わなければならないことを悟ったマイケルは、アメリカに戻ってビトーの後を継ぎ、「ドン・マイケル・コルレオーネ」となると、その才覚と実行力で、対立するボスたちを葬り去り、裏社会でのし上がっていくのだった。

印象的な旋律が有名な映画だ。私の祖父母は、曲が気に入って映画を見に行ったらしいのだが、ギャングがドンパチやって血が噴き出して死ぬ映画だったのでびっくりした、と言っていた。
裏切り行為は万死に値するというイタリアン・マフィアの掟があり、怪しいとなると「やられるまえにやれ」と言わんばかりに殺してしまう。よく展開を見ていないと、「何でこのドライバーは殺されたんだ? 」となってしまうので、その辺りはちょっと分かりにくい。あと、ちょっと映画が長い。名作であることは認めるが、評価は厳しめの3。

【5段階評価】3

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2010年2月10日 (水)

(70) 武士の一分

【監督】山田洋次
【出演】木村拓哉、壇れい
【制作】2006年、日本

キムタク主演の話題作ということで観てみた。

御毒味役をなりわいとしている武士、三村新之丞(木村拓哉)は、妻の加世(壇れい)、使用人、徳平(笹野高史)と慎ましくも楽しく暮らしていた。ある日、新之丞は、アカツブガイの毒に当たり、失明してしまう。武士としては役に立たないため、藩を追い出されるかと思いきや、藩主からは、家禄はそのままに養生に精を出せ、との寛大な処置がなされる。
不思議に思っていた新之丞だったが、妻の加世が重臣の島田(坂東三津五郎)と一緒にいたという話を聞き、妻を問いただす。加世は、新之丞の行く末に便宜を図ってもらう見返りとして辱めを受けたことを告白する。己のふがいなさを嘆く新之丞であったが、妻に離縁を言い渡すと、島田への怒りを胸に、剣術の稽古を始める。
さらに仲間からの情報で、実は島田は、新之丞の家禄に対する便宜など一切図っていなかったことが明らかになる。怒りに震える新之丞は、島田に果たし合いを申し込み、ついに島田の腕を切り落として復讐を遂げる。加世は、徳平の計らいで新之丞の家に戻り、三人での生活が再開したところで映画が終わる。

時代劇ではあるが、ところどころキムタク風の演出がなされていて、「めんどくせー」とか「びっくりしたー」のような、今ふうのセリフ回しがある。ところどころ泣けるシーンもあって飽きさせないが、まあ、普通の映画だった。

【5段階評価】3

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2010年2月 9日 (火)

(69) ザ・ロック

【監督】マイケル・ベイ
【出演】ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー、エド・ハリス
【制作】1996年、アメリカ

シリアスなアクション映画。ニコラス・ケイジがFBIの化学兵器の専門家として、元軍隊のテロリストに挑む。

アメリカ海軍の英雄であったハメル准将(エド・ハリス)は、過去の作戦で犠牲となった兵士や遺族に対する政府の不当な扱いに憤り、同志を集めて反乱を起こす。発射すれば数万人の犠牲者は免れないという細菌兵器を施設から奪うと、アルカトラズ刑務所跡地に人質を取って立てこもる。
兵器の奪還を狙う軍部は、かつてアルカトラズに収監されていた元イギリス諜報員のメイソン(ショーン・コネリー)に協力を依頼。アルカトラズ島への潜入を決行する。一団の中には、グッドスピード(ニコラス・ケイジ)も入っていた。
突入後まもなく、ハメルの部隊に気づかれ、メイソンとグッドスピード以外の隊員が全員撃ち殺されてしまう。拳銃すらろくに扱えないグッドスピードだったが、メイソンと二人で細菌兵器の発射装置を破壊していく。

展開は多少、映画っぽいご都合主義的なところがあるが、なかなか楽しめる作品だった。

【5段階評価】4

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2010年2月 7日 (日)

(68) 容疑者Xの献身

【監督】西谷弘
【出演】福山雅治、堤真一、松雪泰子
【制作】2008年、日本

人気ドラマの映画化ということで、普通であれば商業主義の駄作と思いがちだが、この映画は相当いい。

いわゆる倒叙形式で話は進行する。
花岡靖子(松雪泰子)は、娘の美里(金澤美穂)とアパートで二人暮らしをしている。そこに元の夫、富樫慎二(長塚圭史)が現れる。富樫は粗暴な男で、弁当屋で生計を立てている靖子によりを戻そうと持ちかけるが、靖子と美里はそれを断る。富樫に風俗で働け、とののしられた美里は、玄関で富樫に殴りかかるが、それに逆上した富樫が美里を殴りつける。靖子は止めに入るが、勢いあまって電気ごたつのケーブルで富樫を絞め殺してしまう。
暴れる物音をアパートの壁越しに聞いていた隣人、石神(堤真一)は、弁当屋で働く靖子に恋心を抱いており、二人の部屋の呼び鈴を鳴らす。「ゴキブリが出て・・・」と弁解する靖子に、「殺したのはゴキブリではないでしょう」と看破すると、二人の罪を完全犯罪に仕立て上げるための協力をすると申し出る。石神は、本作の主人公、天才物理学者、湯川(福山雅治)の大学同期で、湯川が天才と認める男であった。
富樫の死体は、早朝の河川敷で発見される。全裸で、顔は鈍器でつぶされ、指紋や服は焼かれていた。身元を分からなくするためと思われたが、木賃宿の泊まり客の毛髪や指紋と一致したことから、富樫慎二であると断定される。元妻の靖子が怪しいと警察は見抜くが、完璧なアリバイがある。何か裏があるのでは、と警察は考えるのだが、観ている側も「どうして靖子と美里に完璧なアリバイがあるのだろう」というのが分からない。石神の施したトリックが何なのかが、この映画の大きな魅力になっている。
警察は、湯川に相談に行く。事件に石神が関わっていることを知った湯川は、興味をいだき、真相の解明に動き出す。

ネタバレ上等の本ブログだが、この映画に関しては真相を書かないでおこう。クライマックスシーンは、かなり泣ける。堤真一の演技は素晴らしい。原作の石神は、髪の薄い冴えない男であったらしいが、そういう配役もよかったかもしれない。

【5段階評価】5

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2010年2月 6日 (土)

(67) 茄子 スーツケースの渡り鳥

【監督】高坂希太郎
【出演】大泉洋(声)、山寺宏一(声)
【制作】2007年、日本

茄子 アンダルシアの夏」の続編。

自転車ロードレースチームの一員、チョッチ(山寺宏一)が、レースに苦しむことの意味に悩みながらも、チームメイトのペペ(大泉洋)らとともに、日本が舞台のレース、ジャパンカップに挑み、優勝するまでを描いている。

前作に比べると、レースの疾走感、勝負の興奮などはよく表現されている。ザンコーニという怪物レーサーの突然の引退などの挿話も織り交ぜつつ、話が展開し、多少、何が言いたいのか意味深長なところはあるが、飽きずに観ることができた。舞台が日本というのも、一役買っているかもしれない。

ただまあ、やっぱり、何だったんだろうこの映画、という感はぬぐえないでいる。

【5段階評価】2

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