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2010年2月20日 (土)

(77) 白いカラス

【監督】ロバート・ベントン
【出演】アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン
【制作】2003年、アメリカ

サスペンス調のオープニングだが、シリアスな恋愛映画。人種差別を扱った映画でもある。

大学教授のコールマン・シルク(アンソニー・ホプキンス)は、授業に一度も出てこない学生がいるので、「この生徒は本当にいるのか。幽霊じゃないのか」と冗談を言う。しかしその学生の一人が黒人で、幽霊(スプーク)という単語に黒人の蔑称の意味もあったことから、学生側から訴えられてしまう。
授業に来たことのない学生が黒人だと分かるはずもないし、文脈からして幽霊という意味に決まっているだろう、と憤慨するシルクは、ことの顛末を興奮気味に妻に話す。妻はシルクをなだめるが、突如、妻は苦しみだし、急逝してしまう。職も妻もなくなったシルクは、作家のネイサン・ザッカー(ゲイリー・シニーズ)に、自分の話を作品にするよう持ちかける。
シルクの憤慨には、複雑な理由があった。実は彼自身も黒人だった。生まれつき肌の白い黒人だったのだが、あるときを境にそれを隠し、白人として偽りの人生を歩んできた。白いカラス、という題名には、その意味が込められている。若いときから人種差別の理不尽さに苦悩していた彼が、こともあろうに人種差別発言を咎に辞職に追い込まれる。彼のやるせなさはいかばかりだったろう。
ある日、シルクは、若い恋人ができたことをザッカーに打ち明ける。その女は、フォーニア・ファーリー(ニコール・キッドマン)。彼女も、幼児期の性的虐待、夫の暴力、そして過失による子供の喪失という過去を持っていた。この二人が、紆余曲折を経ながら、最終的には互いを許し、認め合う。しかし、フォーニアの夫、レスター(エド・ハリス)は、シルクとフォーニアの乗った車に正面から車で突っ込み、避けようとしたシルクの車は、氷の張った湖に転落。シルクはあっさりと死亡する。
ザッカーは、氷上で釣りをしているレスターのところに行くが、レスター自身も、暗い過去を持つ男だった。ザッカーは、真相を問いつめることなく、彼の元を立ち去る。

全体的に凍り付くような暗いトーンの映画だ。扱っているテーマは深い。2回見るとさらに楽しめるだろうな、という味わい深い映画。

【5段階評価】3

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