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2010年2月 7日 (日)

(68) 容疑者Xの献身

【監督】西谷弘
【出演】福山雅治、堤真一、松雪泰子
【制作】2008年、日本

人気ドラマの映画化ということで、普通であれば商業主義の駄作と思いがちだが、この映画は相当いい。

いわゆる倒叙形式で話は進行する。
花岡靖子(松雪泰子)は、娘の美里(金澤美穂)とアパートで二人暮らしをしている。そこに元の夫、富樫慎二(長塚圭史)が現れる。富樫は粗暴な男で、弁当屋で生計を立てている靖子によりを戻そうと持ちかけるが、靖子と美里はそれを断る。富樫に風俗で働け、とののしられた美里は、玄関で富樫に殴りかかるが、それに逆上した富樫が美里を殴りつける。靖子は止めに入るが、勢いあまって電気ごたつのケーブルで富樫を絞め殺してしまう。
暴れる物音をアパートの壁越しに聞いていた隣人、石神(堤真一)は、弁当屋で働く靖子に恋心を抱いており、二人の部屋の呼び鈴を鳴らす。「ゴキブリが出て・・・」と弁解する靖子に、「殺したのはゴキブリではないでしょう」と看破すると、二人の罪を完全犯罪に仕立て上げるための協力をすると申し出る。石神は、本作の主人公、天才物理学者、湯川(福山雅治)の大学同期で、湯川が天才と認める男であった。
富樫の死体は、早朝の河川敷で発見される。全裸で、顔は鈍器でつぶされ、指紋や服は焼かれていた。身元を分からなくするためと思われたが、木賃宿の泊まり客の毛髪や指紋と一致したことから、富樫慎二であると断定される。元妻の靖子が怪しいと警察は見抜くが、完璧なアリバイがある。何か裏があるのでは、と警察は考えるのだが、観ている側も「どうして靖子と美里に完璧なアリバイがあるのだろう」というのが分からない。石神の施したトリックが何なのかが、この映画の大きな魅力になっている。
警察は、湯川に相談に行く。事件に石神が関わっていることを知った湯川は、興味をいだき、真相の解明に動き出す。

ネタバレ上等の本ブログだが、この映画に関しては真相を書かないでおこう。クライマックスシーンは、かなり泣ける。堤真一の演技は素晴らしい。原作の石神は、髪の薄い冴えない男であったらしいが、そういう配役もよかったかもしれない。

【5段階評価】5

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