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2010年1月

2010年1月26日 (火)

(66) デモリションマン

【監督】マルコ・ブランビヤ
【出演】シルベスター・スタローン、サンドラ・ブロック、ウェズリー・スナイプス
【制作】1993年、アメリカ

近未来を描くアクション映画。シルベスター・スタローンが、肉体派の警官スパルタンを演じる。

1996年、治安の乱れたロスで、凶悪犯のサイモン・フェニックス(ウェズリー・スナイプス)を逮捕したスパルタン。しかし、人質を死なせてしまったという罪(実は濡れ衣)で、逮捕されたフェニックスと同様に、70年間冷凍されるという刑に処される(何でそれが刑罰になるのか、よく分からないのだが)。
場面は2023年。犯罪は撲滅され、その一方で社会に有害なありとあらゆるものも同時に排除された世界に様変わりしていた。このクリーンな社会で、なぜか凶悪犯フェニックスは冷凍を解かれる。そして突然、体を固定されていた装置のロックが外れ、自由の身になると、看守を殺害し、脱走する。実は、ロサンゼルス(自治体合併により地名は変化)の支配者・コクトーが、反乱分子のリーダー暗殺のため、フェニックスを解凍したのだった。
穏和な社会に慣らされてしまったため、警察はフェニックスの犯罪に手も足も出ない。そこで20世紀オタクの女性警官、レニーナ(サンドラ・ブロック)は、20世紀の犯罪者には20世紀の警官を充てるのがよいと提案し、スパルタンが世に戻される。
2023年の社会にとまどいながらも、スパルタンはフェニックスを追う。反乱分子のリーダーとも意気投合し、最後は冷凍刑務所の中でスパルタンを倒す。

映画の見所の一つは、犯罪が撲滅された近未来社会。「クソッ」と言うだけでセンサーから「罰金1クレジット」という音声がなり、タバコはもちろん、塩もダメ。性行為は「体液交換」と呼ばれ、不潔で社会の悪とされており、子孫を残すのは許可制。シュワルツェネッガーが大統領になったと聞き、シルベスター・スタローンがあきれるシーンは、ちょっとニヤリとさせる。
ただまあアクションの方は、申し訳ないがよくあるパターン。大人が高い金を払ってみるようなものではない。

【5段階評価】2

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2010年1月25日 (月)

(65) ラストサムライ

【監督】エドワード・ズウィック
【出演】トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之、小雪
【制作】2003年、アメリカ

明治初期の日本を舞台にした歴史ドラマ。トム・クルーズと渡辺謙の競演が大きな話題となった。

インディアン虐殺の過去を持つ軍人、オールグレン(トム・クルーズ)が、近代化の道を進む明治初期の日本の政府軍に、銃を用いた最新の戦術を伝授するため、日本を訪れる。政府軍を率いて、抵抗勢力の討伐に向かうオールグレンであったが、百戦錬磨の勝元(渡辺謙)の軍勢の前に敗走を余儀なくされる。オールグレン自身も侍に取り囲まれ、赤い鎧を着た侍にとどめを刺されようというところで、侍ののど元に槍を突き立て、一矢を報いると、そのまま勝元軍に捉えられてしまう。
勝元はオールグレンを殺さず、地元の村に置く。オールグレンは村の女、たか(小雪)に手当てをしてもらうが、たかはオールグレンに殺された赤い鎧の侍の妻であった。
しだいに武士道に共感を覚え、当初は外国人を忌み嫌っていた氏尾(真田広之)らとも心が通じ合うようになっていくオールグレン。勝元の厚情により、捕虜を解かれ、町に戻される。
一方、新政府では、大村大臣(原田眞人)をはじめ、古い考えの侍の存在をうとましく思う考え方が支配的になっていた。悩む天皇であったが、政府の考え方に屈してしまう。しかし政府のやり方に納得できなかったオールグレンは、軟禁された勝元を脱走させ、勝元とともに村に戻る。そしてとうとう、勝元軍討伐のため、圧倒的な数の政府軍が送り込まれることになる。
決戦の日。かつて、オールグレンの手当てをすることを屈辱と考えていたたかであったが、ついに勝元側についたオールグレンを赦し、亡き夫の鎧をまとってほしいと告げる。
そして戦いが始まる。勝元軍は善戦するものの、圧倒的な政府軍の兵力の前には多勢に無勢。それでも降伏を潔しとしない勝元は、オールグレンや氏尾ら、残った同志とともに政府軍に突進し、オールグレンの太刀により名誉の最期を遂げる。オールグレンは、勝元を討つという道を選んだ天皇に、勝元の遺刀を届けると、勝元の守った村に戻っていく。

ストーリーは割とシンプルだが、映画の力を感じる作品だった。音楽とも相まって、一つ一つのシーンが感動的だ。
気になったのは、大村大臣役の原田眞人氏。どうしても髭男爵の山田ルイ53世がちらついてしまう。
終盤で、天皇(中村七之助)がオールグレンから、勝元の遺刀を受け取ろうとするのを諫めるのだが、自分の頭の中ではルイ53世が、

「受け取るんかーーい! 」

と突っ込んでる映像に変換されてしまった。
それにしても、渡辺謙や真田広之というのは、いい役者さんである。

【5段階評価】4

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2010年1月24日 (日)

(64) そのときは彼によろしく

【監督】平川雄一朗
【出演】山田孝之、長澤まさみ
【制作】2007年、日本

市川拓司原作の純愛映画。将来の夢を語り合った2人の少年と1人の少女。引っ越しなどを機に離ればなれになるが、13年後に再会する。

再会のきっかけは、遠山智史(さとし)(山田孝之)の経営する水草屋が雑誌で取り上げられたこと。これを見た花梨(かりん)(長澤まさみ)が、彼の店を訪れ、むりやり店のアルバイトに収まると、住むところがないから、と言って、店の1階のソファを自分の寝床と決め、智史と同居を始める。彼女は有名なファッションモデルだったのだが、それをやめて彼のもとに来たのだと言う。彼女には、智史のもとを訪れた理由があったのだが、それはこの時点では明かされない。
花梨は、再会の時、本名ではなく、ファッションモデル時代の芸名、「森川鈴音(すずね)」と名乗ったため、智史はこの女性が花梨だと気づかない。しかし、彼女が子供時代、「水草屋の看板娘になりたい」と言っていたこと、彼女が誕生日にもらった双眼鏡の部品のプリズムを大事にしていたことを思い出し、彼女が花梨であることに気づく。
再会を喜ぶ二人だったが、実は彼女には秘密があった。花梨は眠りが段々深くなり、ついには起きられなって植物状態になってしまうという難病を患っていた。眠りから覚めなくなる前に智史との約束、「水草屋の看板娘になること」を果たしたい。それが、彼女が智史のもとを訪れた理由だった。
そのことを智史に告げず、交通事故に遭って生死の淵をさまよっていたもう一人の幼なじみ、佑司(ゆうじ)(塚本高史)の看病をすると言って彼の元を去る花梨。しかし、事情を知っていた智史の父、悟朗(小日向文世)が、花梨には口止めされていたものの、智史に真相を告げる。花梨の思いを知った智史は、店を飛び出し、花梨を探す。そして3人が遊び場所にしていた廃バスの中でまどろむ花梨を見つける。花梨が好きだと告白する智史だったが、ついに花梨は、智史の目の前で深い眠りに落ちてしまう。その後も花梨の看病を続ける智史。智史の父、悟朗も他界するが、花梨の枕元に悟朗が立ち、奇跡的に花梨は眠りから目覚めた。13年ぶりの出会いの時と同じように、水草屋の前で再会する二人が抱き合ったところで映画は終わる。

ほろりとさせる映画ではある。少年時代の智史が引っ越しで町を離れるため、電車に乗り込もうとするとき、花梨が智史にキスをするシーンも、なかなかよかった。
ただ、やっぱりあまりにも映画的ではある。それはないだろー、とツッコんでしまったところを何点か。
まず、男一人が生活しているところに、超かわいい元ファッションモデルが一人でやってきて、突然ここに住む、なんて言っちゃう、萌え系な設定。そしてそれに対してドキドキも欲情もしない智史(同じことを「手紙」でも書いたが)。
次に、小学校時代の素朴な将来の夢を、それ以降もいろいろな出会いや経験があったはずなのに、そんなことには全く影響されず、夢を愚直に実現しているところ。
何より、病名は知らないが、「死にたくない」とか言っていた割に、病気が治っちゃうとか。
でも、長澤まさみって、これまであまり注目していなかったが、かわいい。智史が花梨だと気づいたときの「ドンカン! 」には、ちょっと参りました。「ほれてまうやろーー! 」です。

【5段階評価】3

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2010年1月23日 (土)

(63) 8月のクリスマス

【監督】長崎俊一
【出演】山崎まさよし、関めぐみ
【制作】2005年、日本

韓国映画のリメイク。穏やかな恋愛映画。

写真屋を営む鈴木寿俊(ひさとし)(山崎まさよし)は、不治の病で残りわずかな命。しかしそれを友人らには明かさず、静かに暮らしている。残りの人生を穏やかに暮らせるよう、恋愛からは自らを遠ざけようとしていることが、友達の持ってきた女性の紹介の話を断ることから伺える。
ある日、寿俊の店に、臨時教師の高橋由紀子(関めぐみ)が、写真の現像を頼みに来る。寿俊のことをおじさんと失礼な呼び方をしながらも、寿俊になつき、寿俊の昔からの知り合いの佳苗(戸田菜穂)に微妙な嫉妬を抱いたりする。寿俊は由紀子に好感を持ちながらも、自分の病気のことは打ち明けずにいた。
ところが、ついにある日、容態が悪化し、寿俊は病院に担ぎ込まれる。一方の由紀子はちょうどその頃、別の学校への転任の話が持ち上がる。寿俊に会うために写真屋に行っても寿俊はおらず、結局、置き手紙を残して赴任地へ発つ。
由紀子への恋心に気づいた寿俊は、由紀子への手紙をしたため、由紀子に送ってこの世を去る。その手紙を読み、真実を知る由紀子。写真屋に花を届けに行くと、ショーウィンドウには、ある日、寿俊に撮ってもらった由紀子の写真が。温かい気持ちになって写真屋を去るところで映画は終わる。

山崎まさよしの演技は、全編を通してひかえめである。最初のうちは、自然で無理がないなあという感じなのだが、後半になると、あまりにも感情の起伏がなさすぎて、物足りなくなってくる。
ただ一度、見知らぬ酔っぱらいに怒りをぶつけて叫ぶシーンがある。実は寿俊は、酔っぱらいに対してではなく、病に冒された自分の不条理な運命に対して叫んでいたわけなのだが、このシーンはちょっと早すぎた気がする。もう少し後ろか、あるいは余命がいくばくもないことが明らかになったところで出ると、ぐっと来るものがあったかもしれない。

【5段階評価】3

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2010年1月22日 (金)

(62) モンスターズ・インク

【監督】ピート・ドクター
【出演】ジョン・グッドマン(声)、ビリー・クリスタル(声)
【制作】2001年、アメリカ

ピクサーのCGアニメ映画。子供向けだが、なかなか面白かった。

人間世界とは別のところにモンスターの世界があり、モンスターは、子供を怖がらせたときの悲鳴をエネルギーに変換し、それを電気のように使って暮らしているという設定。人間の子供部屋に忍び込み、子供を怖がらせてエネルギーを集める会社で働いているサリーとマイク。サリーは子供を怖がらせるエリートで、ライバルのランドールとしのぎを削っている。ある日、ふとしたことから、人間の子供がモンスターの会社に入ってきてしまったことで、モンスターの社会はパニックに。モンスター社会では、人間の子供は恐ろしいものという認識があり、最初は子供におびえるサリーだったが、次第に子供に愛着を抱くようになる。
ランドールの妨害を受けながらも、子供を人間の社会に戻すことに成功し、ランドールと社長の悪事も暴いて一件落着。会社はつぶれるが、子供の笑い声がより大きなエネルギーになることに気づいたサリーが、笑いのエネルギーを集める会社を興したところで映画が終わる。

なんで悲鳴をエネルギーにするのか、と思っていたが、そういうエンディングだったのか、と納得。

【5段階評価】4

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2010年1月21日 (木)

(61) TAXI NY

【監督】ティム・ストーリー
【出演】クイーン・ラティファ、ジミー・ファロン
【制作】2004年、アメリカ、フランス

良質なカー・アクション・ムービー。主役のベルを演じるのが、太めな黒人女性、クイーン・ラティファであるという点が特徴的だが、こんな人、もしかするといるかも、と感じさせ、無理なく役どころを演じている。

車の運転がからっきしな刑事、ウォッシュバーン(ジミー・ファロン)が偶然、ベルのタクシーを捕まえて銀行強盗の現場に向かったことから、奇妙な2人組の活躍が始まる。敵役の銀行強盗がスーパーモデル並の美貌をもった女性集団で、警官の包囲網を楽々と突破したり、ベルのタクシーはボタン一つでスーパーカーに変化する改造が施されていたりと、設定はいかにも娯楽映画的ではあるが、カーチェイスのシーンは、非常にできがよく、楽しめる。クライマックスで、高架のハイウェイをジャンプするシーンは、「スピード」に似ていたが、痛快。

犯人が怒りにまかせて放った銃弾がベルの肩に当たるが、ウォッシュバーンが苦手だった運転を克服し、ベルを救うために病院まで車を走らせるシーンもよかった。

【5段階評価】4

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2010年1月20日 (水)

(60) コラテラル・ダメージ

【監督】アンドリュー・デイビス
【出演】アーノルド・シュワルツェネッガー、クリフ・カーティス、フランチェスカ・ネリー
【制作】2001年、アメリカ

ご存じシュワちゃんのアクション・ムービー。飽きの来ないスピーディな展開で、楽しめる作品だ。

シュワちゃんの役どころは、愛する妻子をテロリストの爆弾によって殺された消防士、ゴーディ。家族を失った恨みを晴らすため、テロリストのアジト、コロンビアに乗り込む。
クライマックスでは、事件の首謀者は、「ウルフ」(クリフ・カーティス)ではなく、その妻、セリーナ(フランチェスカ・ネリー)であることが判明。彼女は、息子を助けてくれたお礼にゴーディを救ったのではなく、アメリカのテロリスト対策本部の中枢に入り込み、そこを爆破するためにゴーディを救っていたのだった。このあたりのどんでん返しは、なかなかよかった。

ウルフ役のクリフ・カーティスは、どこかで見た顔だな、と思っていたら、「ダイ・ハード4.0」の政府側の人間として登場していた役者だった。
監督はアンドリュー・デイビス。「逃亡者」も彼が監督だ。

【5段階評価】4

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2010年1月19日 (火)

(59) スピーシーズ 種の起源

【監督】ロジャー・ドナルドソン
【出演】ナターシャ・ヘンストリッジ、マイケル・マドセン、フォレスト・ウィテカー
【制作】1995年、アメリカ

エイリアンの登場するSFホラー。

宇宙からのメッセージに基づき、DNAを操作して生まれた少女が、あっという間に大人の女性に成長する。しかし、その実態はエイリアン。エイリアンは女性になりすまし、繁殖のために男を捜す。
エイリアンのシルを演じるのは、スーパーモデルのナターシャ・ヘンストリッジ。完璧な肉体を惜しげもなく披露する。これがこの映画の売りの一つであることは、間違いない。一方で、特撮も質が高い。残酷な描写もあるが、グロテスクになりすぎることはない絶妙のバランス。
クライマックスでは、シルを追跡する専門部隊の中で生き残った3人が、地下の下水溝の中で死闘を繰り広げ、ついにシルと、シルの産み落とした子供を焼き殺す。しかし彼女から切り取られた肉体の一部を食べたねずみが、エイリアンの血を受け継いでしまったことが明らかになったところで、映画は幕を閉じる。この手のホラーでは定番のエンディングだろう。

ホラーが嫌いな人は受け付けないだろうが、質が高く、楽しめる作品だった。

【5段階評価】4

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2010年1月18日 (月)

(58) 私の頭の中の消しゴム

【監督】イ・ジェハン
【出演】ソン・イェジン、チョン・ウソン
【制作】2004年、韓国

本ブログ初の韓国映画。これまでも、韓国映画はけっこう自動録画されていたのだが、全て観ずに消していた。本作は有名だったのと、若年性アルツハイマーを扱っている作品であり、興味があって観てみた。

若年性アルツハイマーと言えば、本ブログでも「明日の記憶」を扱った。「明日の記憶」 では、主人公は若いとはいえ中年の男性であったが、本作でアルツハイマーを患うのは、27歳の女性、スジン(ソン・イェジン)。「明日の記憶」 の主人公よりずっと若い。ただ、内容的にも映像的にも、軍配は「明日の記憶」 に上がる。
本作のテーマはあくまでも恋愛であり、アルツハイマーは、一種の恋愛の障害として登場するだけである。一方、「明日の記憶」 は、徹底的にアルツハイマーを主題として扱っており、結婚した男女の絆が描かれている点は両者で共通するものの、後者の方が遙かにストーリーが重く、胸に響く。
エンディングでは、スジンの夫のチョルス(チョン・ウソン)が、車の助手席にいるスジンに「愛してるよ」と語りかけ、夫の記憶を失ったはずのスジンが、チョルスに抱きついて幸せそうな笑顔を見せる。アルツハイマーという深刻な病気の割に、何となくハッピーエンドなのだ。

まあ、韓国映画らしいと言えばそうなのかもしれないが、きれいごとすぎて、若干物足りなかった。

【5段階評価】3

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2010年1月17日 (日)

(57) 恋空

【監督】今井夏木
【出演】新垣結衣、三浦春馬
【制作】2007年、日本

高校生から大学生になる過程の女の子の恋愛を描いた映画。主役の美嘉を新垣結衣が演じる。

出会いのきっかけは、美嘉が落とした携帯である。それをヒロ(三浦春馬)が見つけ、図書室の本棚に置いておく。そして名前と顔を明かさないまま、美嘉の携帯に電話をかけ続け、ついに学校のプールで出会い、つきあい始める。つきあって早々に、美嘉はヒロに連れられて学校を抜け出し、ヒロの部屋で処女喪失。その後、ヒロの元カノ・咲(臼田あさ美)のたくらみで、美嘉は男どもに強姦され、学校では中傷の落書きをされたりする。その落書きを消し、「こんなことをする奴は女でもぶっ殺す! 」とすごむヒロ。美嘉を図書室に連れて行き、そのまま盛り上がって性交。そして妊娠。その事実を美嘉がヒロに告げると、ヒロは意外にも懐妊を喜び、生んで二人で育てようと言う。喜ぶ二人であったが、美嘉に対する咲の暴力のために、流産。そしてこの頃から、ヒロが美嘉に冷たくなり、別れようと言い出す。結局、関係を修復できないまま、別れることに。ヒロが落ち込み、関係がこじれたのは、流産がきっかけか、と思えたが、実は違った。
ヒロは、若くしてガンにかかっていた。自分の余命があとわずかであり、美嘉を幸せにしてやれないと知ったヒロは、黙って美嘉のもとを去ろうとしていたのだった。ヒロの友人から告げられ、そのことを知った美嘉は、ヒロと別れた後に新しくつきあうことになった優(小出恵介)のもとを去り、ヒロに尽くす道を選ぶ。数ヶ月の幸せの日々。しかしヒロは看病の甲斐もなくこの世を去る。絶望の淵に立たされる美嘉だったが、死んだら空になりたいと言っていたヒロの言葉を胸に、生き続けることを決意する。

序盤、美嘉が、顔と名前を明かさないヒロと、電話だけでやりとりをしながら関係を深めていくシーンがあるが、こんなふうになるかなあ、という感じである。「キモいんで絶対電話してこないで」と言ってしまいそう。そしてヒロの部屋での処女喪失。ことが済んでまどろむ二人。ベッドから起きあがる美嘉は、制服のシャツを着ている。どういうかっこうでセックスしたんだよ。強姦のシーンでは、スカートはおろか服もしっかり着たまま。男どもが服を着せてあげてから逃げたんでしょうか。清純派女優、新垣結衣だから仕方ないとは思うが、あまりにも映像に迫真性がない。その割に、学校の図書室でセックスして妊娠という設定。映像的にはきれいに仕立てられているが、実際にはハァハァピコピコですからね。ちょっと失笑を禁じ得ない。
アイドルを起用した青春恋愛映画らしく、キスシーンは横から映さないし、抱き合ってもキスはしないし、みたいな、純な、それでいて強姦やら妊娠やらは登場する、何とも不思議な映画。ハードな内容を含んだ純愛物語、というところか。
ただ、ミスチルの主題歌、「旅立ちの唄」は、間違いなくいい。

【5段階評価】3

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2010年1月16日 (土)

(56) 伊賀忍法帖

【監督】斎藤光正
【出演】真田広之、渡辺典子
【制作】1982年、日本

昔の角川映画。

ソフトなエログロがあるという点では、大人向けでありながら、テーマは忍者と妖術僧の闘いという子ども向けの内容なので、小中学生は大いに興奮するに違いない。現在だと逆に映像化しづらいような、首をはねて血が噴き出すシーンや、おっぱいシーンも頻繁に出てくる。
緩慢なシーンはあまりなく、飽きずに楽しむことができる。ただ、渡辺典子が一人二役であり、しかも序盤で別の女と首をすげ替えたりするので、しっかり観ていないと展開についていけなくなる恐れがある。

山田風太郎原作らしい奇想天外、荒唐無稽な話であり、観た後に何も残らない、という点は否めない。

【5段階評価】3

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2010年1月15日 (金)

(55) ダイ・ハード4.0

【監督】レン・ワイズマン
【出演】ブルース・ウィリス、ジャスティン・ロング
【制作】2007年、アメリカ

ダイ・ハード」シリーズ4作目。「ダイ・ハード3」の続編。大規模な犯罪組織に単身で挑むジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)の活躍を描き、素晴らしいアクション大作に仕上がっている。

今回の犯罪はサイバーテロ。今日的なテーマであり、それとは縁遠いジョンでは太刀打ちできない。そんなジョンをサポートするのが、ハッカーのマット(ジャスティン・ロング)だ。

映画はとことんシリアスだが、ジョンのユーモアに満ちた台詞が魅力的。これまでも、高層ビル、空港、連邦準備銀行と、ダイ・ハードシリーズは舞台の幅を広げてきたが、今回は戦闘機とも戦ってしまう。さすがにねぇ、と映画館でも失笑が漏れたかもしれないが、痛快さは健在。
ラストシーンでは、自分の肩を打ち抜いて、犯人をしとめるが、あんなことしたら、今後、片手が使えなくなるんじゃないのか、という気がしなくはない。とは言え、すかっとする映画であることは間違いない。

【5段階評価】5

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2010年1月14日 (木)

(54) 逃亡者

【監督】アンドリュー・デイビス
【出演】ハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズ
【制作】1993年、アメリカ

妻殺しのぬれぎぬを着せられ、死刑判決を受けた医師・リチャード・キンブル(ハリソン・フォード)が、護送車両の事故に乗じて逃亡者となる。リチャードは、ジェラード連邦保安官補(トミー・リー・ジョーンズ)らの厳しい追跡をかいくぐりながら、真犯人を捜す。

昔のテレビドラマのリメイクだが、面白い。ただ、リチャードの妻が殺された真相が複雑なので、若干、分かりにくい面もある。どうやら、製薬会社の新薬発表にとって、都合の悪い結果を出そうとしているリチャードに殺人の罪をなすりつけるために妻を殺したらしいのだが、だったらふつう、リチャード本人を狙った方が早いんじゃないの、とか、若干、腑に落ちなかった。

【5段階評価】4

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2010年1月13日 (水)

(53) 羊たちの沈黙

【監督】ジョナサン・デミ
【出演】ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス
【制作】1991年、アメリカ

サイコ・サスペンスの金字塔と言える作品。レクター博士(アンソニー・ホプキンス)の恐ろしさが光る。第64回アカデミー賞作品賞受賞作品。

女性を殺し、その皮を剥ぐという残虐な連続殺人の犯人像に迫るため、FBI捜査官の研修生、クラリス(ジョディ・フォスター)が、ハンニバル・レクター博士の面会に向かう。レクター博士もまた、優秀な精神科医でありながら、9人の患者を殺し、その肉を喰らうという異常な殺人鬼。現在は逮捕されており、厳重な監視下にある。レクター博士はクラリスの内面に入り込もうとし、クラリスは自分の過去を吐露しながら、連続殺人犯の手がかりを手に入れようとする。レクター博士は、わざと捜査を攪乱させるような嘘を告げるが、クラリスは自らの捜査で犯人の居宅にたどり着き、単身で犯人をしとめる。

この映画の最大の見せ場は、やはりレクター博士の脱走シーン。金属製の牢の前に、船首像の女神のように吊り上げられた警備員の死体が、後光を浴びて浮かび上がるシーンは、おぞましい中にも神々しさを感じさせ、極めて印象的。
エンディングでは、レクター博士の報復を恐れて海外に逃げ込んだチルトン博士(アンソニー・ヒールド)の後ろを、野に放たれたレクター博士が、ゆっくりと歩いて追っていく。その後の恐ろしさを暗示して、映画として申し分ない終わり方だ。

【5段階評価】5

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2010年1月12日 (火)

(52) アサシン

【監督】ジョン・バダム
【出演】ブリジット・フォンダ、ガブリエル・バーン
【制作】1993年、アメリカ

ニキータ」のリメイク。

死刑執行されるはずの女性が刑を逃れる代わりに、暗殺者としての技能をたたき込まれ、秘密組織の工作員として社会に戻される。ひとたび組織からの連絡を受ければ、それを至上命令として任務を遂行しなければならない。言ってみれば、「ジェイソン・ボーン」シリーズに登場する暗殺者の側が主人公とも言える。
しかし、本作の主人公、マギー(ブリジット・フォンダ)は、人を殺すことをためらい、恋人との生活を壊されることに耐えられなくなっていく。その過程を描いている。

秘密組織が淡々と仕事をこなすさまが興味深く、クリーナーと呼ばれる男の寡黙なプロの姿が恐ろしい。映画開始数分で、マギーの死刑が執行されるし、展開は早く、飽きない映画だ。
ただ、訓練を終えて一般社会に出たマギーが、これまた数分で恋人(ダーモット・マローニー)と深い仲になったところでは、あまりにも関係の深まるのが早いため、マギーか組織に何か裏の意図があるのか、といぶかしんだが、普通に恋仲になっただけだった。ここはもうちょっとちゃんと描いてもよかったかも。

【5段階評価】3

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2010年1月11日 (月)

(51) シャンハイ・ナイト

【監督】デビッド・ドフキン
【出演】ジャッキー・チェン、オーウェン・ウィルソン
【制作】2003年、アメリカ

ジャッキー・チェンのアクション映画。「シャンハイ・ヌーン」の続編。

シリアスな設定ではなく、コメディタッチの映画。シャーロック・ホームズや切り裂きジャックなど、実在の、あるいは有名な小説に登場する人物がいろいろと出てくる。

最後、映画で儲けようぜ、という話をする主人公二人の会話を、チャーリー・チャップリンという名前の子供のこそ泥が盗み聞きしているシーンは、チャップリンは映画で儲ける話をパクったのか、と思わせるような演出があり、にやりとさせる。

【5段階評価】4

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2010年1月10日 (日)

(50) 硝子の塔

【監督】フィリップ・ノイス
【出演】シャロン・ストーン、ウィリアム・ボールドウィン
【制作】1993年、アメリカ

シャロン・ストーンの美しさがみもののサスペンス映画。

全室に盗撮カメラがしかけられているという非常識なマンションで起こる連続殺人。ただ、殺人の動機が分からない。なぜ最初の殺人は起きたのか。なぜジーク(ウィリアム・ボールドウィン)の母親はシャワー室で首の骨を折って死んだのか。マンションに住んでいた大学講師の老人も同じ原因で死んだが、それはなぜか。バイダは、誰に、なぜ、階段の踊り場で刺殺されたのか。停電は偶然なのか。その辺りの謎がまるで明かされない。謎解きが中途半端ですっきりしない映画。

最後のシーンではナオミを突き落としたのが、官能小説家のジャックであることが分かる。しかし見ている方は、「ジークが犯人でないことは分かったが、何でジャックはナオミを殺したの? 」と納得がいかない。しかしそれが解決されないまま、カーリー(シャロン・ストーン)が「もうおしまいよ」と言ったところで映画が終わってしまう。
それにそもそも、ジークが盗撮カメラを仕掛けてのぞき見をしていることをカーリーに暴露するのも意味が分からない。他人の部屋ならまだしも、カーリーの部屋も覗いているのだ。そしてこのような変態趣味、というか犯罪行為を警察にも通報せず、覗かれている家に住み続けるカーリーも理解できない。

もっとも、600万ドルもかけて盗撮マンションを作るという設定そのものが、馬鹿じゃないのとしか言いようがない。絶対バレる。「硝子の塔」なんていう意味深長なタイトルにせず、覗かれた女、いや、盗撮マンションとか、そんなタイトルで十分。

【5段階評価】2

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2010年1月 9日 (土)

(49) デイ・アフター・トゥモロー

【監督】ローランド・エメリッヒ
【出演】デニス・クエイド、ジェイク・ギレンホール
【制作】2004年、アメリカ

2012」の(って、時系列的に逆だけど)ローランド・エメリッヒ作品。地球滅亡映画、などというジャンルがあるかどうかは分からないが、とにかくその手の映像については、常に時代の最先端を行っている監督。

息子を救おうとする親の話である。次々と訪れる危機。それを乗り越え、時に犠牲者を出しながら、生き延びようとする主人公達。感動の救出劇もある。

何と言っても映像は圧巻。良質のエンターテインメント作品。

【5段階評価】5

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2010年1月 8日 (金)

(48) 叫

【監督】黒沢清
【出演】役所広司、葉月里緒菜
【制作】2006年、日本

いわゆるジャパニーズ・ホラーということになるだろうか。

人が切られたり襲われたりという残虐シーンが目立つわけではないが、突然、視界に赤い服の髪の長い女が入ったり、という、ギクッとする恐怖がある。

葉月里緒菜は、「パラサイト・イブ」でも印象的な怖い役を演じており、今回もなかなかの恐怖感を見せてくれた。結構こわい。正直、何度もは観たくない。

【5段階評価】3

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2010年1月 7日 (木)

(47) タクシードライバー

【監督】マーティン・スコセッシ
【出演】ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター
【制作】1976年、アメリカ

若きロバート・デ・ニーロが主役の映画。当時13歳のジョディ・フォスターも出演している。

印象的なテーマ曲の中、厭世的と言うか退廃的と言うか、世の中の汚さに嫌気が差した男・トラビス(ロバート・デ・ニーロ、若い! )が、若き娼婦・アイリス(ジョディ・フォスター)を闇の世界から救おうとして、ギャングに挑む過程を描いた物語。

独特の雰囲気があり、秀作だと言える。

【5段階評価】4

 

 

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2010年1月 6日 (水)

(46) ダイ・ハード3

【監督】ジョン・マクティアナン
【出演】ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ジェレミー・アイアンズ
【制作】1995年、アメリカ

ダイ・ハード」シリーズ3作目。「ダイ・ハード2」の続編。ブルース・ウィリス自身は、4作目のインタビューの中で、3作目は駄作だったと公言しているが、十分に面白い。ただ、破天荒ぶりもここまで来るとしらけるよ、と言いたくなる一歩手前ではある。

今回の悪役、サイモン(ジェレミー・アイアンズ)は、ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)に弟(一作目のハンス)を殺され、ジョンに激しい憎悪を抱いているにもかかわらず、なかなか手を下さない。爆死させられるのにしなかったり、終盤の貨物船の操舵室の中、虫の息で脱力しているジョンが自らの足下にいるにもかかわらず、その場で殺さず、ご丁寧に巨大時限爆弾の上に座るスペースを設けて、そこに手錠で繋いでそのまま立ち去ったり。
その前のシーンでは、埋設した巨大水道管から間一髪で脱出したジョンのところに、今回の相棒役、ゼウス(サミュエル・L・ジャクソン)がちょうど車で通りかかったり。
最後は、これまで緻密な計画を立てて、大量の金塊を強奪したサイモンが、ジョンの挑発に逆上して、自らヘリに乗ってジョンを撃ち殺しに向かい、あっさりと返り討ちに合う。そこまでジョンが許せないんだったら最初からとっとと殺してしかるべきじゃないの、という。
それに一般市民のゼウスは、脚を撃たれているにもかかわらず、何でか知らないが、ジョンと一緒にヘリに乗ってるし。一作目 のヘリに乗って興奮しているFBIのシーンを踏まえた演出かもしれないが、入院してろよって。

なんともご都合主義だが、だが危機一髪の状況をすれすれで助かる「ダイ・ハード」な男の映画。評価は分かれるところだろうけれども、個人的には「あり」だ。

【5段階評価】5

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2010年1月 5日 (火)

(45) バベル

【監督】アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
【出演】ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、菊地凛子、役所広司
【制作】2006年、アメリカ

菊地凛子がアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたことで日本では有名になった映画。バベルの故事にちなみ、言葉を理解し合えない人どうしの織りなす悲劇が国境を越えて展開する。

ドラマは、モロッコ、アメリカ(とメキシコの国境)、日本で起きる。
アメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)は、険悪になった夫婦仲を癒すために、モロッコに旅行に来ていた。お互いの溝が埋まらないまま、バスでの移動中、突如、スーザンがライフルで撃たれる。近くに治療が可能な医療施設はなく、出血が止まらないスーザンは、ろくな施設のない僻地の村に連れ込まれる。そこにやってきた医者は獣医。獣医は止血のため、傷口を縫うと言っていると、通訳から聞かされるが、激しく拒絶するスーザン。
一方アメリカでは、メキシコから不法入国した女が、リチャードとスーザン夫妻のベビーシッターとして働いている。彼女は家族の結婚式のため、夫妻の子供二人を連れて、メキシコ入りする。しかし帰りの車で、飲酒運転がばれそうになった甥が国境の検問を突破し、しかも原野の中に女と子供を降ろして逃走してしまう。無人の原野で必死に助けを求め、ようやく通りがかった警察車両を呼び止めるが、不法入国者扱いされる。
モロッコでは、家畜を襲う獣の威嚇用にと銃を手に入れた現地の羊飼いの息子二人が、銃の腕を競おうと、通りかかった観光バスを狙い撃つ。まさか当たるまいと思って撃った弟の弾が、スーザンに当たったのだった。そして警察に追われた父と息子達は、いきなり警察に銃撃され、兄は銃で撃たれて死んでしまう(死後硬直したようなシーンがあったので死んでしまったように思える)。
そして日本。聾唖のチエコ(菊地凛子)が、歯医者にキスを迫ったり、その手を自分の股間に押し当てて誘惑したり、また別の場所では、パンティをはかずに股を広げて若い男に見せたり、最後には、家に父の話を聞きたいと言ってやってきた若い刑事を自宅に呼び出し、母はベランダから飛び降りて死んだと嘘を付き、その後、全裸になって刑事を誘惑する。

自分にとっては、この日本のエピソードだけが、何がなんだかよく分からない。チエコの思春期の不安定な心境と、聾唖でコミュニケーションが思い通りにいかないいらだちがそうさせるのか、というところではあるのだが。
でも映画全体を通して、何かしら不安をあおる音楽が共通して用いられ、何とも言えない後味の映画である。というわけで、久々に評価4にしてみた。

【5段階評価】4

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2010年1月 4日 (月)

(44) 雨月物語

【監督】溝口健二
【出演】森雅之、京マチ子、田中絹代
【制作】1953年、日本

1953年の日本映画。モノクロである。もちろん古い映画であるから、目を惹くような映像、というわけにはいかないが、ストーリーはわかりやすい。戦のどさくさで兵士たちに物品を奪われたり女をさらわれたりする戦国時代の村人の暮らしが描写されている。

主人公の源十郎(森雅之)は瀬戸物の職人で、金儲けに執着し、妻の宮木(田中絹代)と幼い息子を故郷に置いて戦のどさくさの中、商品を売りに行く。そこに、やんごとなき身分の女(普通なら、絶世の美女、とか書くんだろうけども、ちょっと・・・)、若狭(京マチ子)が訪れ、瀬戸物を注文すると、屋敷に持ってくるよう言いつける。屋敷を訪れた源十郎は若狭の歓待を受けると、その誘惑に負け、ちぎりを交わしてしまう。しかし若狭は、織田信長の軍に殺された死霊だった。
死相が出ていると、とある僧侶に見破られ、体に死霊払いの呪文を施し、若狭の屋敷に戻ると、若狭は呪文の効果で源十郎に近づくことができない。若狭は自分が死霊であることを白状する。源十郎が気づくとそこは、荒れ果てた屋敷の跡だった。
ほうほうの体で家に戻ると、そこには酒と鍋を用意して待っている宮木がいた。自分が間違っていたと悔い、わびを言う源十郎。気にしないでという宮木。しかし翌朝、源十郎が目を覚ますと、村の長から、宮木は追いはぎと化した兵士に刺し殺されたと知らされる。
また、弟(義理の弟らしい)の等兵衛も侍にあこがれ、妻から離れて戦に向かい、一応の出世を果たすが、夫とはぐれた妻もまた、男どもに襲われ、売春宿で体を売る暮らしに落ちぶれていた。

人間の欲が不幸を招く、という教訓を描いている。そういう意味では、面白いというよりはちょっと説教臭いのかもしれない。

【5段階評価】3

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2010年1月 3日 (日)

(43) ハイダウェイ

【監督】ブレット・レナード
【出演】ジェフ・ゴールドブラム
【制作】1996年、アメリカ

ジェフ・ゴールドブラム主演ということで観てみた。サスペンスかと思っていたら、オカルト映画だった。

死の淵をさまよい、ある医者に奇跡的な蘇生処置を施されてよみがえったハッチ・ハリソン(ジェフ・ゴールドブラム)。しかし、その代償に、他者の視界が交錯するようになり、しかもその他者が、悪魔崇拝の殺人鬼。
後半、その殺人鬼が、実はハッチに蘇生処置をした医者の息子であり、その息子も、かつてその医者に蘇生されたことが明らかになる。
その後は主人公と殺人鬼の対決で、最後は天使と悪魔の対決みたいなよくわからない特撮になって終了。

でもまあまあ楽しめた。

【5段階評価】3

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2010年1月 2日 (土)

(42) ハード・キャンディ

【監督】デビッド・スレイド
【出演】エレン・ペイジ、パトリック・ウィルソン
【制作】2005年、アメリカ

ジェフ(パトリック・ウィルソン)という32歳の男を、ロリコン趣味の殺人者と確信した、14歳の少女ヘイリー(エレン・ペイジ)が、彼の家に上がり込み、真実を引き出そうとする。

薬を使ってジェフの気を失わせると彼を縛り上げ、股間に氷を当てたのち、去勢を施そうとする。この段階では、観客は、ジェフが本当に失踪した少女を殺した犯人なのか、はたまたヘイリーが狂気に満ちた暴走をしているのか、判然としない。
結局、ジェフは、少女を殺してはいないものの、殺すところを見ていたことを白状し、最後に自殺する。それを見届けたヘイリーが現場を後にするところで映画は終わる。

ストーリーにはいろいろとすっきりしない点が多い。なぜ、あれだけ生に執着したジェフが、最後、あっさりと自殺を選ぶのか。なぜヘイリーは、男を自ら殺さず、自殺に追い込むのか。そして、結局、ジェフは死んだのか。ヘイリーと失踪した少女ドナとの関係は何なのか。ジェフは本当にドナの死にかかわったのか。そのあたりをきちんと描いていないので、なんだかよく分からない映画になってしまっている。
また、いくら何でも、14歳の少女が、大の大人を縛り上げたり格闘したり、はたまた話術で男を自殺に追い込んだりと、そううまく行くのか、というのが疑わしいし、隣人が尋ねてきたところも、結局ワンシーンで終わりで、屋上での銃声が聞こえた様子もないし、腑に落ちない。
とは言うものの、映像は洗練されている。低予算な映画で、登場人物はほぼ2人のみだが、スピーディな展開と切れのあるカメラワークで、飽きることなく観ることのできる映画ではあった。
・・・それにしても、最近、評価4の映画を観てないな。

【5段階評価】3

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2010年1月 1日 (金)

(41) ハチミツとクローバー

【監督】高田雅博
【出演】櫻井翔、蒼井優、伊勢谷友介、加瀬亮、関めぐみ
【制作】2006年、日本

青春純愛映画。漫画が原作で、どうやら漫画を見ている人しか楽しめない映画であるらしい。

タイトルは知っていたので観てみたが、櫻井翔、蒼井優という、エロさを感じさせない配役で、原作の魅力は再現できているらしいのだが、思わず涙が出るようなシーンはなく、何だろうなぁ、という感じで終わってしまった。

あと、ところどころにモザイクのかかったクロネコが登場するのだが、これも意味不明。
原作を知っていれば分かるのかもしれないが、この手の含意を観る側任せにしたり、分かる人にしか分からない(映画の中で謎解きが閉じてない)不親切な演出は嫌いだ。

【5段階評価】2

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