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2010年1月17日 (日)

(57) 恋空

【監督】今井夏木
【出演】新垣結衣、三浦春馬
【制作】2007年、日本

高校生から大学生になる過程の女の子の恋愛を描いた映画。主役の美嘉を新垣結衣が演じる。

出会いのきっかけは、美嘉が落とした携帯である。それをヒロ(三浦春馬)が見つけ、図書室の本棚に置いておく。そして名前と顔を明かさないまま、美嘉の携帯に電話をかけ続け、ついに学校のプールで出会い、つきあい始める。つきあって早々に、美嘉はヒロに連れられて学校を抜け出し、ヒロの部屋で処女喪失。その後、ヒロの元カノ・咲(臼田あさ美)のたくらみで、美嘉は男どもに強姦され、学校では中傷の落書きをされたりする。その落書きを消し、「こんなことをする奴は女でもぶっ殺す! 」とすごむヒロ。美嘉を図書室に連れて行き、そのまま盛り上がって性交。そして妊娠。その事実を美嘉がヒロに告げると、ヒロは意外にも懐妊を喜び、生んで二人で育てようと言う。喜ぶ二人であったが、美嘉に対する咲の暴力のために、流産。そしてこの頃から、ヒロが美嘉に冷たくなり、別れようと言い出す。結局、関係を修復できないまま、別れることに。ヒロが落ち込み、関係がこじれたのは、流産がきっかけか、と思えたが、実は違った。
ヒロは、若くしてガンにかかっていた。自分の余命があとわずかであり、美嘉を幸せにしてやれないと知ったヒロは、黙って美嘉のもとを去ろうとしていたのだった。ヒロの友人から告げられ、そのことを知った美嘉は、ヒロと別れた後に新しくつきあうことになった優(小出恵介)のもとを去り、ヒロに尽くす道を選ぶ。数ヶ月の幸せの日々。しかしヒロは看病の甲斐もなくこの世を去る。絶望の淵に立たされる美嘉だったが、死んだら空になりたいと言っていたヒロの言葉を胸に、生き続けることを決意する。

序盤、美嘉が、顔と名前を明かさないヒロと、電話だけでやりとりをしながら関係を深めていくシーンがあるが、こんなふうになるかなあ、という感じである。「キモいんで絶対電話してこないで」と言ってしまいそう。そしてヒロの部屋での処女喪失。ことが済んでまどろむ二人。ベッドから起きあがる美嘉は、制服のシャツを着ている。どういうかっこうでセックスしたんだよ。強姦のシーンでは、スカートはおろか服もしっかり着たまま。男どもが服を着せてあげてから逃げたんでしょうか。清純派女優、新垣結衣だから仕方ないとは思うが、あまりにも映像に迫真性がない。その割に、学校の図書室でセックスして妊娠という設定。映像的にはきれいに仕立てられているが、実際にはハァハァピコピコですからね。ちょっと失笑を禁じ得ない。
アイドルを起用した青春恋愛映画らしく、キスシーンは横から映さないし、抱き合ってもキスはしないし、みたいな、純な、それでいて強姦やら妊娠やらは登場する、何とも不思議な映画。ハードな内容を含んだ純愛物語、というところか。
ただ、ミスチルの主題歌、「旅立ちの唄」は、間違いなくいい。

【5段階評価】3

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