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2009年12月13日 (日)

M-1 2009

今年もやってきたM-1の季節。

過去、サンドウィッチマンやナイツ、オードリーの活躍を予見していた自分としては、今年も優勝、いや最終決戦に残る3組は当ててみたいところ。

まず決勝進出の各組を見てみよう。

■ナイツ

ナイツは一昨年から去年が旬だった。一昨年の敗者復活で見せた、

「スカトロスマップ」「ぜってぇビストロだよいいかげんにしろ田舎帰れこの野郎」

「亀井静香と結婚しまして」「またおっさんじゃねぇか、工藤静香だよ。一大スキャンダルだよ。」

という鋭いツッコミには、実は単なるダジャレの連発である塙のボケを盛り上げる勢いがあった。

ただ、そろそろ、このスタイルは限界かな。見飽きてしまった。
また、トップバッターというのもハンディだ。
いっそ、昔やっていたプロ野球ネタなんかのほうが受けるのではないかという気がする。

もう一つ気になるのは、塙自身の性格なので仕方ないのだろうが、漫才後の講評での審査員に対する鼻につく受け答え。審査される側でありながらあまりにも偉そうで、審査員の心証を損ねる可能性がある。
去年は「何も考えずにボケてるわけじゃないんで」とか語っちゃって、案の定、最終決戦では一票も入らなかった。

■南海キャンディーズ

今年、漫才をしているところを見たことがないので何とも言えないが、個人的には、2005年のダダスベリの最低得点が、正当な評価だろうという気がする。
確かに、山ちゃんのツッコミの言葉選びには独特のセンスがある。ただ、あのセンスが光るのはアドリブのときだ。よくそのツッコミの発想が出たな、というところに笑いがある。

アドリブが魅力である点は、しずちゃんのボケについても同様だ。
何をしでかすか分からない怪しい魅力が彼女の笑いの源泉だが、これも、あらかじめ用意された漫才のネタとして見せられると、制御不能なしずちゃんと、それに振り回される山ちゃんという構図が、最高の形では表現されないのである。

しずちゃんは、今年も女性司会者をいじるのだろうか。
あれをやったら冷えた笑いが起きておしまいだろう。

■東京ダイナマイト

彼らについても、今年、漫才をしているところを見たことがないので何とも言えない。
だが、2004年のタクシーネタは好きだったし、M-1ではやっていないが、ボケとエクササイズネタも秀逸。松田が健康器具の上で激しいアクションをしたのち「効果は未知数! 」とハイテンションでボケ、「未知数なのかよ」とハチミツ次郎がニコニコしながら冷静につっこむスタイルは、他にない魅力。ダークホースではあるが、優勝の可能性はあると思う。

課題は、松田のボケが羽目を外しすぎて、会場がついて行けなくなること。
ライブでやるようなぶっとんだネタに走ると、審査員も基本的にオーソドックスな笑いを評価するだろうし、点がつかないだろう。

■ハリセンボン

安定感はある。キャラ芸のようでいて、しゃべりもしっかりしているので、安心して見られる。
ただ、あまり大爆笑した記憶はない。2007年の「ドーンタッチミー」はけっこう好きだったけど。
笑いの基本が、はるかが春菜の身体的特徴をいじって、「角野卓造じゃねぇよ」的に突っ込むというパターンなので、この繰り返しだとちょっと飽きてくる。
また、やはり、女性であるのはハンディだ。男同士の「もしかしてホントに怒ってる? 」というのの一歩手前のようなおかしさに比べると、女性のはやっぱりフィクションの言葉遊びのように見えてしまう。
上沼恵美子が審査員として言っていた、女性がやると下品になってしまう、というのは、本人ならではの述懐だなと思う。

■笑い飯

彼らの旬も、2003年の奈良県立歴史民俗博物館なんだよな。
当時は、哲夫の子供じみたボケと大人げないツッコミ、西田の何を考えているのか分からないが何か面白いことを言ってやるぞという怪しい「たくらみ顔」が大きな魅力だったのだが、最近は特に西田の返しに怪しさがなくなってしまって、普通の漫才師になってしまった感がある。2005年が最大のチャンスだったが、最終決戦であえてマリリン・モンローネタを持ってきた結果、ブラマヨに優勝をさらわれた。

ただ、彼らにとって、今年は有利な気がする。

まず、全体的に小粒である。強烈な優勝候補がいない。
次に、笑い飯はレッドカーペット、エンタ、オンエアバトルといったポピュラーなネタ見せ番組での露出が少ないので、観客にとっては新鮮に映る可能性がある。

もう一つ、最近のM-1では、観ている側に、単に面白い漫才師を選ぶだけではなく、感動的なドラマが欲しいという潜在的な期待がある。その典型が、敗者復活からの優勝を成し遂げたサンドウィッチマンだ。
サンドウィッチマンがすごかったのは、どうみてもその筋の風貌をしたおっさんが、「このアンケート、なにで知りましたか」「お前だよ! 今お前から聞いたわ、お前って書いとけお前って! 」とまじめにツッコむという構図の新鮮さで、会場を一気に味方に付けたところだった。

その点、今年の大きなトピックは、これまで初回を除いて全てのM-1決勝に出場していながら、一度も優勝できなかったコンビが、念願の優勝にかけるというドラマの存在である。
番組として、この部分を大いに取り上げれば、会場が「優勝させてやりたい」と思う可能性がある。今年は例年に比べるとネタ見せの順番もいい。

出鼻に「優勝候補でーす」と言って会場を冷やしてしまったあの失態と、一時期やっていた、相手の動きに自分の動きを足して繰り返す、マリリン・モンローやロボットのネタを封印し、ひたむきに、2003年当時のやんちゃで怪しい笑い飯流Wボケ漫才ができれば、感動の優勝の可能性がある。

■ハライチ

なんでハライチが決勝進出?

1分ネタですら持たせるのがギリギリなのに、よく4分の尺で上がって来られたな。どんなネタをやったんだ。
去年のザ・パンチ同様、全く期待していないし、頼むから決勝に残らないでほしい。

■モンスターエンジン

潜在的な魅力はあると思うのだが、正直、それほど好きなタイプではない。神々のコントも微妙だし、レッドカーペットのゴッドハンド洋一も、もういいよっていう。
去年のM-1の漫才ネタはまあまあよかったとは思うが、彼らよりは、オジン・オズボーンの方が好きだ。

■パンクブーブー

ボケの質がけっこう高く、ツッコミの声質も聞いてて心地いい。全盛期のタイムマシーン3号を彷彿とさせる。

決勝進出8組の中では一番安心して楽しめそうなコンビだ。普通に考えれば優勝候補なのだが、ぱっとしない感がある。なんというか、小粒なのだ。

また、いわゆるネタ見せ番組での露出が多く、漫才ネタを目にする機会が多いので、観客が「ああこのネタ見た」となってしまうと爆笑が来ない恐れがある。

「お前、ローソンの店員やって」
「ローソンの制服じゃねーよ、おしゃれジャケット! 」

で会場が沸けば、チャンスあり。

■敗者復活組

一押しはハイキングウォーキング。個人的には磁石とか好きだが、あまりにも華がない。

○ハイキングウォーキング
顔芸、キモ芸に目が行きがちだが、シャベリの実力はある。

「かしこ、かしこまりましたかしこ! 」「かしこかしこうるせぇよ! 」
「そうなっちゃいます? 」「そうなっちゃうよ」

は、会場でも十分ウケると思う。

相方を無視して一方的にボケるスタイルは、2003年のアンタッチャブルの、

「おれ絶対受験無理だよー、だって受けてねぇも~ん! 」
「じゃあねぇよ! 受けてるバージョンでお送りしましょってなもんですよ! 」

の勢いに近いものを感じる。

○磁石
見た目は大人しいが、ボケの質が高い。

○タイムマシーン3号
ちょっと旬を過ぎたかな。

○我が家
得意ネタで行けばけっこう笑えるかも。ただ、M-1は基本的に下ネタなしだからな。

■最終決戦

というわけで、最終決戦の予想を次のようにしておこう。

・笑い飯
・東京ダイナマイト
・ハイキングウォーキング

(次点)
・パンクブーブー

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