2024年4月23日 (火)

(2651) ロビンとマリアン

【監督】リチャード・レスター
【出演】ショーン・コネリー、オードリー・ヘップバーン、ニコル・ウィリアムソン、リチャード・ハリス
【制作】1976年、アメリカ

王の部下の身分から解放された男と修道女となった女の運命を描いた作品。

圧政を敷くリチャード獅子心王(リチャード・ハリス)に歯向かったかどで、相棒のリトル・ジョン(ニコル・ウィリアムソン)とともに死刑を待つ身となったロビン(ショーン・コネリー)だったが、自らの死期を悟った王は、旧友でもあったロビンを赦し、崩御する。王への従属から解放されたロビンとジョンは、古巣のシャーウッドの森に戻り、かつての仲間ウィル(デンホルム・エリオット)、タック(ロニー・バーカー)と再会。ロビンがかつて愛したマリアンが尼僧になったと聞き、ロビンは修道院に向かい、マリアンとの再会を喜ぶ。リチャード獅子心王の跡を継いだジョン王(イアン・ホルム)の指令により、ノッティンガム代官(ロバート・ショー)がマリアンを捕らえに来るが、ロビンはマリアンを連れて森に逃げ込む。マリアンは、戦いに身を投じて便りをよこさなかったロビンにそっけない態度をとっていたが、ロビンが連れ去られた他の修道女を命がけで救出し、彼のもとに悪性に苦しむ農民が集まってくる様を見て、彼が代官や王と戦うことを認める。
ノッティンガム軍がシャーウッドの森に進軍。彼らは森には入らず、平原に出てきたロビン軍を討つ作戦に出る。ロビンはノッティンガム代官に、一騎打ちによる決着を申し込む。長い戦いの末、ロビンは勝利するが、自身も重傷を負い、マリアンはロビンを修道院に連れていく。マリアンは薬を口にし、ロビンにも飲ませる。その薬は毒薬だった。ロビンはマリアンとともに逝く運命を受け入れ、「矢が落ちたところに俺たちを一緒に埋めてくれ」とジョンに頼み、矢を放つ。放たれた矢は空に消えていくのだった。

今どきこういう映画は作らないよなあ、と思える、退屈な昔話のような作品だった(退屈な昔話なんですけど)。オードリー・ヘップバーンが「暗くなるまで待って」以来9年ぶりの映画出演というのがせめてものトピックか。

【5段階評価】2

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2024年4月22日 (月)

(2650) ニライの丘~A Song of Gondola~

【監督】大城直也
【出演】神谷健太、津波真一、垣花きらら、松田ゆうな、仲本興次、ジョニー宜野湾
【制作】2010年、日本

空手を習わせてくれない父親に反発する中学生の心の成長を描いた作品。

中学生の桑江良(神谷健太)は空手を習いたいと父親の良造(津波真一)に頼むが、良造は幼い娘の風子(ふうこ)(垣花きらら)には優しいが良に冷たく、絶対に習わせてもらえない。良は友だちの凪(松田ゆうな)に借金して月謝を払い、空手を習い始めるが、父に見つかり、殴られる。良は父親に反発。祖父の良助(仲本興次)の家に泊まる。
留守番をしていた風子のもとに、良造の知り合いの男(藤木勇人)が現れ、風子に一方的に話しかける。男は突然、良は良造の本当の子ではないという話をする。その話は良の耳に入る。良は家出状態となり、迎えに来た良造に、自分の子じゃないから金がもったいなくて空手を習わせないんだろう、と叫ぶ。良造は良にうまく接することができないことを悩んでおり、良に何も言い返すことができなかった。良造は風子と観覧車に乗り、寝ている風子に対して、困った男の話をする。困った男には、好きになった女性(桃原(とうばる)遥)がいたが、自分を振り向かせることができず、イケメンの先輩を通じて自分を振り向かせようとするが、結果は、女性がその先輩と恋仲となって妊娠。先輩はアメリカに行ってしまい、空手の師匠になり、困った男はその女性のお腹の子の父親になろうとしたのだ、と。困った男とは明らかに良造のことだった。良造はイケメンの先輩、照屋(ジョニー宜野湾)に電話し、良に会ってもらう。照屋は良に気さくに話しかけ、家に帰りなさい、と優しく告げて立ち去る。良が家に帰ると、父親は背中を向けたまま、「良、一緒に食べよう」「良、もう寝なさい、休んでいいよ」と優しく話す。良は鳴き声で「ごめんなさい」と言うのだった。

はじめはスラップスティック風で間延びしたシーンが続き、全然面白くないのだが、良が良造の実の子じゃないと分かったあたりから物語がぎゅっと引き締まる。ぶっきらぼうな沖縄方言が作品の個性を引き立てて印象的だった。
ただ、残念なのはラストシーン。息子の良が「ごめんなさい」と謝って終わるのだが、二人の関係がぎくしゃくしたのは、良造も相当悪い。良造が良に向き合うなら、良造自身も謝るべきだった。息子だけが反省を表明したのは一方的。「ごめんなさい」は無条件降伏のようなもの。父親が戦勝国のような対応なのは、後味が悪かった。心で反省しても表明しないのは、反省していないのと見た目は同じなのである。

【5段階評価】3

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2024年4月21日 (日)

(2649) 美しい星

【監督】吉田大八
【出演】リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中島朋子、佐々木蔵之介
【制作】2017年、日本

自分が地球以外の惑星人だと悟った家族の運命を描いた作品。原作者は三島由紀夫。

お天気キャスターの大杉重一郎(リリー・フランキー)はある夜、車を運転中、強烈な光を浴び、気が付くと田舎の田んぼに車ごと突っ込んでいた。彼は自分が火星人だと悟り、番組内で地球温暖化の危機を視聴者に訴え始める。重一郎の息子の一雄(亀梨和也)は自分が水星人だと考えるようになり、娘の暁子(橋本愛)は自分が金星人だと悟る。一雄は国会議員の鷹森紀一郎(春田純一)の秘書の黒木(佐々木蔵之介)に導かれるように鷹森の秘書となる。鷹森は黒木の傀儡となって地球温暖化は長期的な気候変動の波に過ぎないと主張する。重一郎は鷹森に生放送中に食って掛かり、謝罪騒ぎとなる。謝罪コメントの収録中、重一郎はまたしても地球温暖化の危機を訴えはじめ、それをスタジオ内で見ていた黒木と論争になる。重一郎は自説が正しいことを証明するために空飛ぶ円盤を呼ぶと言って屋上に上がるが、血を吐いて倒れる。
地球人としての重一郎は末期がんだった。暁子はそのことを重一郎に伝える。重一郎の妻の伊余子(中島朋子)は、重一郎の願いを叶えるため、一雄と暁子とともに、重一郎を山奥に連れていく。重一郎はそこに現れた空飛ぶ円盤に乗り込む。空飛ぶ円盤は火星を目指していた。重一郎が窓から外を見ると、そこには地球人としての重一郎と、家族三人が空を見上げているのだった。

有名どころの俳優が出ており、重一郎がカメラの前で両腕を突き上げて奇妙なポーズを繰り返す姿には思わず笑ったりはしたのだが、意味不明な映画は好きではない。よってこの作品も好きにはなれなかった。結局、彼らが他の惑星人だと考えたのは妄想に過ぎなかったのか、事実だったのかは明かされない。金星人だと自称した竹宮(若葉竜也)は本当に金星人だったのか、それとも暁子に薬を盛って妊娠させた悪人なのかもわからないまま。こういうところはスッキリさせてほしかった。なお、原作では妻の伊余子は木星人を自覚するが、本作では「美しい水」のマルチ商法にひっかかる平凡な地球人という設定になっている。

【5段階評価】2

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2024年4月20日 (土)

(2648) 香港発活劇エクスプレス 大福星

【監督】サモ・ハン・キンポー
【出演】サモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェン、シベール・フー、ユン・ピョウ、西脇美智子
【制作】1985年、香港

警察の捜査に協力する盗人5人組の活躍を描いた作品。「五福星」の続編。

香港の刑事ジャッキー(ジャッキー・チェン)とリッキー(ユン・ピョウ)は、日本で犯罪組織を追っていたが、リッキーが犯罪組織にさらわれてしまう。香港警察は、服役中のデブゴン(サモ・ハン・キンポー)を捜査に協力させることにする。デブゴンは、仲間のハンサム(チャールス・チン)、念力(リチャード・ン)、ヒゲ(フォン・ツイファン)、ウスノロ(エリック・ツァン)を集め、美人の刑事ウー(シベール・フー)と日本に渡る。彼らは香港で銀行強盗を働いた6人組という偽情報をもとに、日本の犯罪組織「かかし組」に接近。彼らのあじとを突き止め、合流したジャッキーとともにリッキーを救い出し、犯罪組織の一斉逮捕に成功するのだった。

主な舞台が日本という、当時としては珍しい作品で、富士急ハイランドで奮闘するシーンが描かれている。お化け屋敷での戦闘に現実味はないが、アクションには見ごたえがあった。
デブゴンたちの一人が下着姿のウーの部屋に入り込み、強盗役に扮した仲間が、ウーと抱き合ったまま縛られて喜ぶという行為を順番に繰り返したり、ベッドのシーツの下に5人が隠れて寝転がったウーの感触を楽しんだり、といったシーンが1980年頃の古き悪しき(!)時代を偲ばせていた。美人ボディビルダーとして当時有名だった西脇美智子が、悪者側の壺振り兼用心棒役として登場し、切れのある動きと肉体美を披露している。

【5段階評価】3

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2024年4月19日 (金)

(2647) ボロボロな人

【監督】だいたひかる
【出演】水野透、阿部智則、黒田アーサー
【制作】2007年、日本

企画に困ったテレビスタッフが、息子の家庭内暴力を題材にする姿を描いた作品。

テレビスタッフの吉田茂(水野透)は、やらせ取材が上司(黒田アーサー)にばれ、視聴率20%超えの企画を考えないと首にすると言われる。困った茂は、息子の守(阿部智則)が自分に家庭内暴力を働く姿を隠し撮りすることにする。怪我をしながら息子に暴力をふるわれる映像に上司は満足し、茂は第2弾を期待される。テレビ局を出ると、外にはBMWに乗った守が待っていた。実は家庭内暴力の映像は狂言で、茂が怪我をしているのは嘘だった。茂は守に感謝の言葉を述べ、第2弾への協力を頼むと言って肩を叩くと、守は茂の腹を力任せに殴り「任せとけって、くずやろう」と言い、茂を乗せて車を走らせるのだった。

30分という短い作品。やらせ取材をして首になりそうな男が、身を削る迫真映像を撮ったと見せかけて、それもやらせでした、という落ちを見せながら、息子は父親に協力的な素直な子だったと見せかけて、実は本当に父親を馬鹿にしている息子でした、という再どんでん返しが用意されていた。どうしてもPOISON GIRL BANDの阿部という姿がちらついた。ハンディカメラの映像の素人くささを、それを逆手に取った設定ではあるが、それでもやっぱり素人くさい作品だった。

【5段階評価】2

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2024年4月18日 (木)

(2646) ペギー・スーの結婚

【監督】フランシス・フォード・コッポラ
【出演】キャスリーン・ターナー、ニコラス・ケイジ、バリー・ミラー、ケビン・J・オコナー、バーバラ・ハリス
【制作】1986年、アメリカ

高校時代に戻った女性が、自らの結婚を見つめ直す過程を描いた作品。

冴えないテレビタレントのチャーリー(ニコラス・ケイジ)を夫に持つペギー・スー(キャスリーン・ターナー)は、25年ぶりの同級生パーティに出席。ペギーは高校時代から付き合っていたチャーリーと結婚したが、彼の浮気などが原因で離婚間近。パーティにも夫を同伴せず、娘(ヘレン・ハント)と出席していた。ペギーはパーティで懐かしい友人と再会し、喜ぶが、チャーリーの話題になると顔を曇らせる。パーティの主役となるキングとクイーンが選ばれることになり、キングは、高校時代は本の虫だったがビジネスで成功したリチャード・ノービック(バリー・ミラー)が、そしてクイーンには若々しいドレスで出席したペギーが選ばれる。驚いたペギーはステージ上で卒倒。目が覚めると、そこは25年前の高校時代になっていた。ペギーは混乱しつつも、若い母親(バーバラ・ハリス)や妹のナンシー(ソフィア・コッポラ)との再会に喜び、ボーイフレンドのチャーリーとの付き合いを考え直す。ペギーは、秀才のリチャードに将来ヒットする商品のアイディアを伝えたり、文才のあるマイケル・フィッツシモンズ(ケビン・J・オコナー)に接近したりして、将来進む道を探る。チャーリーは、ペギーが他の男と一緒にいることにショックを受けつつも、ペギーに愛を語り続ける。ペギーは、チャーリーと二度も結婚するなどありえないと考えていたが、リチャードやマイケルとの結婚の道も選べない。ペギーは次第に、元の時代に残してきた子供たちに再会したいと強く考えるようになる。祖父母に会ったペギーは、自分が未来から来たことを告白。祖父(レオン・エイムズ)は時間旅行者がいるという秘密の会にペギーを招き、彼女を元の世界に戻す儀式を行う。停電が起き、ペギーは消失。しかしそれは、チャーリーがペギーをその場から連れ去っただけだった。ペギーはチャーリーの愛を本物と感じ、彼を強く抱きしめる。彼女は元の世界に戻る。
ペギーは、卒倒した後、危篤状態になっており、夢の世界で高校に戻っていたのだった。目を覚ますと、目の前にいたのは壮年のチャーリーだった。チャーリーは浮気相手と別れたことを告げ、ペギーとやり直したい意志を表明。ペギーはチャーリーを受け入れるのだった。

高校時代にタイムスリップするファンタジー作品なんだ、と思い、これはきっといろいろあった末にやっぱり元の夫と結ばれるんだろうと予想して観ていた。チャーリーと結ばれるという意味では半分当たりで、ファンタジーではなく夢の世界のできごとだったという意味では半分外れだった。高校時代と言いながら、ペギーが他のクラスメートよりおばさんくさい見た目であることが気になっていたのだが、夢なら説明がつく(単にメイクの限界だったのかもしれないが)。ちなみに、男の俳優(ニコラス・ケイジ、ジム・キャリーなど)は、女優(キャスリーン・ターナー、キャサリン・ヒックス、など)よりおしなべて10歳ほど若かった。

【5段階評価】3

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2024年4月17日 (水)

(2645) 影踏み

【監督】篠原哲雄
【出演】山崎まさよし、尾野真千子、北村匠海、中村ゆり、滝藤賢一、鶴見慎吾、大竹しのぶ、中尾明慶、竹原ピストル
【制作】2019年、日本

母と弟を失った双子の兄の周囲で起こる殺人事件や過去の無理心中の真相を描いた作品。横山秀夫の小説が原作。

深夜に住居に侵入して窃盗を働くノビ師の真壁修一(山崎まさよし)は、資産家の稲村家に忍び込む。すると、宅内に灯油をまいて火をつけようとしている稲村葉子(中村ゆり)に気づき、それを阻止。そこに刑事の吉川聡介(竹原ピストル)が立ち入り、修一は逮捕される。出所後、聡介が溺死体で発見される。修一は事件を追い、葉子に接近する。修一を「修兄(しゅうにい)」と慕う若い男(北村匠海)が、事件に深入りしようとする修一を諫めるが、修一は事件を追い続ける。
修一は双子で、啓二(北村匠海)という弟がいたが、啓二が窃盗で捕まり、中学教師だった母親(大竹しのぶ)は、絶望して家に火を放ち、啓二と無理心中していた。修一の幼馴染で恋人だった安西久子(尾野真千子)は、修一の罪を知りながら彼を思い続ける。久子は文具店を営む久能次朗(滝藤賢一)とお見合いし、求婚されていたが、それを断る。ところが男はプロポーズを続け、ついには久子の帰宅を狙って部屋に侵入し、久子に暴行を働く。久子はそれが次朗ではないと気づいていた。その男は次朗の双子の兄、新一郎(滝藤賢一、二役)だった。
聡介を殺したのは、修一の窃盗品を買い取っていた闇業者の大室誠(中尾明慶)だった。葉子の営むスナックで葉子に優しくされた大室は、葉子を振り向かせるため、葉子の周囲の男に片っ端から暴行していた。聡介も葉子の店に行ったことから、大室の魔の手にかかってしまったのだ。修一も大室に襲撃されるが、刑事の馬淵(鶴見慎吾)が現れ、大室は逮捕される。
次朗は粗暴な性格の新一郎に恋路や文具店経営など、人生を振り回されたことを恨み、衝動的に新一郎を殺害。修一は文具店に侵入し、次朗の罪を咎める。そこに突然、いつもの若い男が現れる。若い男は啓二の幻影だった。啓二との会話を終えた修一は、絶望する次朗に、生き続けるよう諭す。修一は啓二の幻影とたもとを分かち、久子と生きていくことを決めるのだった。

推理ものかと思ったが、聡介殺しの真犯人は取ってつけたような動機の犯人。二組の双子の運命を描いたヒューマンドラマだった。終盤、修一は、自転車の後ろに乗る啓二から、自分は母親に殺されたのではない、母親は途中で心中を思いとどまり自分を逃がそうとしたが、自分が母親を置いて逃げる選択をせず、母親と運命をともにしたのだと告白される。実在の人物のようにふるまっていた若い男が、啓二が幻影だったという、映画でときどきあるトリック(思えば序盤で、修一と啓二が図書館で言い争っているのを見て利用者が逃げ出すシーンがあるが、これは実は修一が独り言で「うるせえよ!」と言っているのを周囲が気味悪がっていたという伏線になっていた)とともに、無理心中の真相が明かされるという、悲劇の中にも救済のあるどんでん返しが用意されていた。このあたりの物語の重厚さは、さすが横山秀夫原作というところ。とは言え、修一と啓二の双子の運命はともかく、久能新一郎と次朗の双子の話まであるのは、ややこしすぎた。映画に登場する双子は一組でお願いしたい。

【5段階評価】3

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2024年4月16日 (火)

(2644) とんがり頭のごん太 -2つの名前を生きた福島被災犬の物語-

【監督】西澤昭男
【出演】石川由依(声)、斉藤暁(声)、ブリドカットセーラ恵美(声)、神尾佑(声)
【制作】2022年、日本

東北大震災で被災した一家と、はぐれた飼い犬との再会を描いたアニメ作品。

2011年3月11日、浪江町で食堂を営む富田家は東北大震災に見舞われ、店主の清(斉藤暁)や息子の正樹(神尾佑)夫婦らは飼い犬のごん太を置いて避難せざるを得なくなる。関西出身の大学生、吉野由紀(石川由依)は、被災したペットを保護するボランティアに参加し、福島の街を徘徊していたごん太を保護する。
由紀はごん太にピースと名付け、保護した他の犬とともに世話をする。ごん太は悪性リンパ腫を患っており、ごん太を飼い主に引き合わせたい由紀は、マスコミに掛け合ってごん太を記事に取り上げてもらう。掲示板でごん太を見つけた清は正樹に報告。正樹が家族とともにごん太に再会する。やがて清とも再会したごん太は、余命1か月と言われながらも1年近く生き続けるが、2012年2月8日、由紀らに看取られて息を引き取る。雑誌記者の中井(岩田光央)の計らいで、ごん太を偲ぶ会が開かれ、清は感謝の言葉を、由紀はペットの保護活動を続ける言葉を語るのだった。

実話に基づく作品のように見えて、最後に「この物語はフィクションです」と出る。エデュテイメント作品であり、ボランティアにまつわるダークな部分などは描かれず、一人クレーマーのような婦人が登場するが、善人ばかりが登場する。泣ける話ではあったが、ちょっと話が長かった。

【5段階評価】3

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2024年4月15日 (月)

(2643) ブルージャスミン

【監督】ウディ・アレン
【出演】ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、アレック・ボールドウィン、ボビー・カナベイル
【制作】2013年、アメリカ

虚飾に満ちた生活を送る女性の運命を描いた作品。

おしゃべりで情緒不安定な女性、ジャネット・フランシス、自称ジャスミン(ケイト・ブランシェット)が、妹のジンジャー(サリー・ホーキンス)の家を訪ねてくる。ジャスミンは夫のハル(アレック・ボールドウィン)と豪勢な暮らしをしていたが、ハルは実は詐欺師で、それが発覚して刑務所行となり、獄中で自殺。無一文となったジャスミンは、生活を立て直すまでジンジャーの家に居候になることにしたのだ。ジンジャーは元夫のオーギー(アンドリュー・ダイス・クレイ)と離婚しており、二人の子供がいた。オーギーはかつて、宝くじで20万ドルを当てており、事業を起こす相談をハル夫妻にしたところ、資金をハルに託すようジャスミンに勧められた結果、20万ドルを失った経験があり、ジャスミンを激しく恨んでいた。
ジャスミンは酒と精神安定剤に頼る暮らしをしながらも、インテリア・コーディネーターになるべくパソコンの勉強から始める。収入のため歯科の受付係を始めるが、歯科医(マイケル・スタールバーグ)に言い寄られて襲われそうになり、仕事をやめざるを得なくなる。ジンジャーの恋人のチリ(ボビー・カナベイル)は粗野な男でジャスミンとは馬が合わず、ジンジャーの家に長居するのも難しかった。新たな出会いを求め、友人の誘いでパーティに参加したジャスミンは、国務省に勤めるドワイト(ピーター・サースガード)と出会い、とっさに自分がインテリア・コーディネーターで夫と死別し、子供はいないと嘘をつく。ドワイトと急接近し、婚約の運びとなったジャスミンは、ドワイトと二人で婚約指輪を買いに宝石店に入ろうとしたところ、オーギーに呼び止められる。オーギーは、ジャスミンとハルの詐欺に遭った恨みをぶつけ、息子が楽器店で働いていた、と告げて立ち去る。ドワイトはジャスミンの嘘に怒り、二人の婚約は破談となる。ジャスミンがジンジャーの家に戻ると、ジンジャーはチリと仲良くしていた。ジャスミンは、チリのようなつまらない男と一緒になっているから今の生活から抜け出せないのだと妹をなじると、家を出ていく。あてもなく公園のベンチに座ったジャスミンは、いつものように大きな独り言を言い続けるのだった。

バッドエンドのブラックコメディ。ジンジャーが、一度はアル(ルイ・C・K)という男と恋仲になってチリと疎遠になるも、アルに妻がいることが発覚して関係が切れ、チリとよりを戻すというハッピーエンドを迎えるのに対し、ジャスミンは何もうまくいかず、希望の光がないまま映画が終わる。俳優の演技力に見ごたえのある作品だが、メッセージ性は特にない娯楽作品だった。自分を飾って見栄を張り、嘘をつくのはやめましょうということか。

【5段階評価】3

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2024年4月14日 (日)

(2642) SING/シング: ネクストステージ

【監督】ガース・ジェニングス
【出演】マシュー・マコノヒー(声)、リース・ウィザースプーン(声)、ボビー・カナベイル(声)、ボノ(声)
【制作】2021年、アメリカ

地方の劇場で活躍する動物たちが、より大きな舞台を求めて奮闘する3DCGアニメ作品。「SING/シング」の続編。

地元の劇場で大評判のステージを披露しているバスター・ムーン(マシュー・マコノヒー/内村光良)ら一団は、ショービズ都市レッドショア・シティでの興行を目指す。伝説の大物歌手クレイ・キャロウェイ(ボノ/稲葉浩志)を仲間に引き入れ、見事なステージを披露するのだった。

やはり音楽の力はすごい。3DCGによる、音楽に負けないダイナミックな映像が、感動を盛り上げる。観ていて思わず声が出るほどの素晴らしい作品だった。ゴリラのジョニー(タロン・エガートン/大橋卓弥)が苦労してダンスを身に付けたり、ステージのボス、ジミー・クリスタル(ボビー・カナベイル/大塚明夫)のわがまま娘ポーシャ(ホールジー/アイナ・ジ・エンド)が主役を明け渡して脇役を生き生きと演じたり、15年間歌ってこなかったクレイがヤマアラシのアッシュ(スカーレット・ヨハンソン/長澤まさみ)のパフォーマンスを目にして歌に加わったり、感動的な話が目白押し。胸が熱くならざるを得なかった。いつもはアニメだろうが何だろうがオリジナル音声で鑑賞するのだが、本作はやはり、MISIAや稲葉浩志のように、音楽活動でしかお目にかかれない人物の声優ぶりが聞けるとあって、日本語吹き替えを楽しんだ。稲葉浩志はライオンの役だが、話し声は甘めのハイトーンだった。

【5段階評価】5

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