2019年6月18日 (火)

(1902) 48時間

【監督】ウォルター・ヒル
【出演】ニック・ノルティ、エディ・マーフィ、ジェームズ・レマー、ソニー・ランダム
【制作】1982年、アメリカ

熱血白人刑事と服役中の黒人が協力して凶悪犯を追い詰めるバディ・ムービー。仲間を殺された白人刑事は、犯人の鍵を握る黒人青年を仮釈放させる。果たして青年は刑事に協力するだろうか。

屋外労働をしている服役囚のところに、トラックに乗った原住民のビリー(ソニー・ランダム)が現れ、水をほしいと看守に頼む。服役囚の一人、ギャンズ(ジェームズ・レマー)が喧嘩を売り、二人は取っ組み合いになるが、二人はぐるだった。二人は拳銃で看守2名を射殺し、逃走する。
二人は犯罪仲間のルーサー(デビッド・パトリック・ケリー)を脅し、ルーサーのガールフレンドを拉致して金を持ってくることを約束させる。
他人の名義で車をレンタルした犯人を捜査するため、サンフランシスコ刑事のジャック(ニック・ノルティ)は同僚の刑事2名とホテルに向かう。同僚の刑事はジャックをフロントに待機させ、部屋に向かう。部屋にいたギャンズとビリーは、刑事を撃ち殺して逃走。ジャックはギャンズに体当たりして持っていた拳銃を跳ね飛ばすが、そこにビリーが銃を持って現れる。生き残った刑事の一人がロビーに現れ、4人はにらみ合いの状態になる。ギャンズが、ジャックの銃を渡せば刑事は撃たないと言ったため、ジャックはギャンズに銃を投げ渡すが、ギャンズは刑事を撃ち殺して逃走してしまう。
警察署に戻ったジャックは、ギャンズらのことを知る服役中のレジー・ハモンド(エディ・マーフィ)に会い、彼を48時間だけ仮釈放させる。ジャックはレジーを罵倒しながら強引に協力させるが、レジーは人種差別的な発言にもめげず、ジャックの捜査に協力。ビリーの女がいる部屋に向かうが、空振りに終わる。ジャックはレジーに怒りをぶつけ、殴り合いの喧嘩になるが、やがて二人に奇妙な友情が芽生える。レジーは、ギャンズの狙っている金は、かつて自分が盗んだ50万ドルであることを明かす。翌朝、50万ドルが隠されたポルシェを、ルーサーが引き取りに現れる。張り込みをしていたジャックとレジーはルーサーを追跡。ルーサーはお金の入ったアタッシュケースを持ち、地下鉄駅に向かう。そこにギャンズとビリーが現れる。ジャックは金を持って逃げたルーサーをレジーに任せ、ギャンズとビリーを追うが、逃してしまう。レジーも逃げてしまったのではないか、と心配したジャックだったが、レジーから連絡が入る。レジーと合流したジャックが、ルーサーを見張っていた。ルーサーはギャンズが盗んだバスに乗り込み、金をギャンズに渡してガールフレンドの解放を求めるが、あっさりとギャンズに撃ち殺されてしまう。ジャックとレジーはバスを車で追うが、逃げられてしまう。
上司から役立たずのチンピラと組んでいることを激しく責められたジャックだったが、レジーは頭の回転が速く根性もある、とレジーをかばう。手がかりを失った二人だったが、いちるの望みを託してビリーの女の家に向かう。二人は、ビリーの女を発見し、彼女とともに二手に分かれて部屋に侵入。ビリーを発見したレジーは、震える手で銃をビリーに向けるが、ビリーは持っていたナイフを手にレジーに近寄る。レジーは銃を撃ち、ビリーは倒れる。ギャンズはアタッシュケースを手に部屋を飛び出すと、物陰に隠れて、追ってきたレジーを人質に取る。そこにジャックが現れる。ギャンズは拳銃をレジーの頭に押しつけ、俺はお前の銃と金を持っている、と勝ち誇ったように叫ぶが、ギャンズは問答無用にギャンズに銃をぶっ放す。驚いたギャンズは我を忘れてジャックに襲いかかろうとするが、ジャックは今度は容赦なくギャンズを撃ち殺す。ジャックは、レジーがずっと望んでいた女性とともに過ごす願いをかなえてやり、50万ドルも彼に託すのだった。

刑事と犯罪者という、やや珍しいバディ・ムービー。エディ・マーフィの映画デビュー作。
序盤のホテルでの犯人2名と刑事2名が四すくみになり、ジャックがギャンズに銃を投げ渡すシーンは、どうにも意味が分からないのが残念。

【5段階評価】3

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2019年6月17日 (月)

(1901) 美女と野獣

【監督】ビル・コンドン
【出演】エマ・ワトソン、ダン・スティーブンス、ケビン・クライン、ユアン・マクレガー、イアン・マッケラン
【制作】2017年、アメリカ

ディズニーアニメ、「美女と野獣」の実写化作品。父親の身代わりとなって野獣に捉えられた美しい少女。野獣は少女と愛を育み、もとの姿に戻れるだろうか。

贅沢の限りを尽くしていた王子(ダン・スティーブンス)は、みすぼらしい姿の魔女を馬鹿にしたため、魔法の力で醜い野獣の姿に変えられてしまい、家臣達も家具にされてしまう。魔女が持っていたバラの花びらが全て落ちるまでに、本当の愛に目覚めなければ、彼らは元の姿には戻れなくなってしまう。
村娘のベル(エマ・ワトソン)は本が好きな美しい少女。戦争から戻ってきた荒くれ者のガストン(ルーク・エバンス)は彼女を我が物にしようとするが、ベルは相手にしない。ある日、馬車を走らせていたベルの父親のモーリス(ケビン・クライン)は、雪道でオオカミに襲われ、野獣の住む廃城に迷い込んでしまう。ベルと約束していたバラを持ち帰ろうと、城に咲いていたバラを折ろうとしたため、モーリスは野獣に捕らえられてしまう。
ベルは父親を乗せずに戻ってきた馬にまたがり、城を目指し、野獣と対面。父に別れを告げたいと言って父の捕らわれていた牢を開けさせると、捕らわれていた父の代わりに牢屋に入る。そこに燭台のルミエール(ユアン・マクレガー)と置き時計のコグスワース(イアン・マッケラン)が現れ、ベルを助け出す。二人は家具にされてしまった王子の家臣で、王子や自分たちがもとの姿に戻れるよう、王子とベルの間を取り持とうとする。不器用な王子ははじめはベルにきつく当たるが、次第にベルは王子の優しさを知るようになる。王子の家臣たちは、王子がベルに恋していることを知り、ダンスに誘って愛を告白するように背中を押す。
城を出たモーリスは、村に戻って娘を助けてほしいと村人に頼む。ガストンはベルほしさにモーリスと城に向かうがたどり着けず、狼のいる森にモーリスを残して立ち去ってしまう。彼を救ったのは村の物乞いの女性、アガット(ハティ・モラハン)だった。モーリスが村に戻っていることを知ったガストンは、モーリスとアガットは気が触れているといって病院に送り込もうとする。
その頃、王子はベルとのダンスを終え、愛を告白しようとしていた。ところが、ベルが父親の身を案じていることを知った王子は、魔法の鏡で父親の姿をベルに見せる。そこには村人から乱暴されている父親の姿があった。王子はベルに城を出ることを許し、父親の元に向かわせる。
ベルは父親を乗せた馬車を止め、魔法の鏡で野獣が本当にいることを村人に見せる。ガストンは、村人をそそのかし、野獣退治に向かってしまう。ベルは父親を助けると、再び城に向かう。
ベルが帰ってくることに望みを託していた王子は、大勢の村人が自分を退治しにやってきたのを見て肩を落とす。ガストンは城に入り込み、野獣の姿の王子を探し出し、銃を放つ。そこに帰ってきたベルが現れる。王子は元気を取り戻し、ガストンを退けるが、ずるいガストンは諦めたと見せかけて再び王子に銃を放つ。王子は銃弾を受けて倒れてしまうが、ガストンは足場が崩れ、転落死してしまう。
ベルは動かなくなった王子によりそい、涙を流す。それを見ていたのは、物乞いのアガットだった。彼女の正体は、呪いをかけた魔女だった。王子がベルと本当の愛を実らせたことを知った魔女は、バラの花を復活させる。すると、野獣の姿をしていた王子は、もとの美しい姿に戻る。王子とベルは愛の口づけを交わす。家臣達も次々と元の姿に戻り、村人達と再会を喜び合う。城では舞踏会が開かれ、村人や城の住人たちは楽しそうにダンスをするのだった。

エマ・ワトソンの美しさが魅力。少女といいつつ、実際には公開当時27歳ではあるが。
ストーリーはアニメとほぼ同じだが、やっぱり野獣とベルの恋が本当に実るのか、なんとなくドキドキしてしまう。CGの燭台や時計、コートかけやワードローブも楽しいが、やはり日本語訳のミュージカルの詞は不自然。「こどもたちがえじきになってしーまうー」とかもうね。歌じゃなくてほぼセリフだから。

【5段階評価】4

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2019年6月10日 (月)

(1900) 忍びの国

【監督】中村義洋
【出演】大野智、鈴木亮平、石原さとみ、知念侑李、伊勢谷友介
【制作】2017年、日本

和田竜の歴史小説を実写映画化した作品。伊賀に攻め込む圧倒的な数の織田の軍勢に、忍者が立ち向かう。

伊賀の忍者、無門(大野智)は伊賀一の腕が立つ忍者。お国(石原さとみ)という美しい娘を妻にするため、金に執着し、報酬目当てで動く忍者だった。「川」という二本線の間に立った二人が一対一で闘う勝負で、無門に弟(満島真之介)をあっさりと殺されてしまった下山平兵衛(鈴木亮平)は、非情な父親(でんでん)と無門を恨む。
伊賀の十二家評定衆は平兵衛を遣わせ、伊勢にいる織田の軍勢に忠誠を誓うふりをして裏切り、そのため平兵衛は織田家に捕らわれる。織田家の織田信雄(知念侑李)は大弓使いの日置大膳(伊勢谷友介)らと伊賀に攻め入る。無門はお国を連れて京都に逃げようとするが、お国が無門の卑怯さを責めたため、無門は手に入れた高価な茶入れを仲間の忍者に示して相手の首を取った者に褒美を取らすと宣言すると、きびすを返して伊賀軍に加勢。織田信雄を追い詰める、割って入った大膳の両手に大けがを負わせるが、信雄の放った大弓の矢で吹き飛ばされる。
織田信雄は城に戻るが、無門は仲間を連れて城に忍び込んでいた。そこに平兵衛が現れ、二人は「川」で対決し、激しい斬り合いの末、無門が勝利する。無門は信雄を殺さず、城を後にする。
伊賀の十二家評定衆の策略によって平兵衛が犠牲になったことを知った無門は、伊賀の陣地に戻ると、評定衆の一人を殺害。十二家評定衆の首領、百地三太夫(立川談春)が無門を殺した者に褒美を出すと言ったため、周囲の忍者が一斉に無門を狙う。そこに、お国が茶入れを高く手に掲げて現れ、無門を殺したら茶入れを割ると叫ぶ。忍者達は容赦なくお国に吹き矢を吹き付ける。無門は必死でお国に飛びつき、背中に吹き矢を受けながらもお国をかばおうとするが、吹き矢の何本かがお国に突き刺さってしまう。お国は吹き矢の毒で死亡。無門は自ら茶入れを叩き割ると、お国の亡骸を抱えて陣地を後にする。やがて伊賀には織田の大軍勢が攻め込み、伊賀は滅びる。無門は少年を弟子として育てながら、今も戦いの中に身を置くのだった。

嵐の大野智が主演で、激しいアクションシーンに挑むことが話題の作品だったわけだが、始めは三枚目キャラでコミカルなアクションを見せていた主人公が、後半に行くにつれてどんどんシリアスになり、最後は悲劇的な終わり方。観る者はどう感動すればいいか分からない、という中途半端さを感じさせる作品だった。忍者のアクションシーンも、CGだの合成などが遣われすぎていて、生身のアクションの感動が薄い。クライマックスの無門と平兵衛の一騎打ちのシーンも、撮影は大変だっただろうことは分かるが、カット割りが多過ぎるのと、これまでに撮影技術を駆使しまくっていることが分かっているので、「このシーンも編集つなぎまくりで作ったんだろうな」と思えてしまい、今ひとつ没入できないのだった。

【5段階評価】2

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2019年6月 9日 (日)

(1899) ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-

【監督】伊藤智彦
【出演】松岡禎丞(声)、戸松遥(声)、伊藤かな恵(声)、神田沙也加(声)、鹿賀丈史(声)
【制作】2017年、日本

川原礫のライトノベルをアニメ化した作品。ARゲームのプレーヤーの記憶を奪おうと企む研究者に立ち向かう少年の活躍を描く。

VRゲーム、ソードアート・オンラインの世界に閉じ込められ、そこから生還したキリト(松岡禎丞)は、ゲームから遠ざかるようになっていた。世の中にはAR技術が浸透し、オーグマーという装置が人気となる。キリトとともにソードアート・オンラインの世界で闘ったアスナ(戸松遥)は、オーディナル・スケールというARゲームでも活躍。ところがアスナは、闘いの中で仲間をかばって戦闘不能になり、ソードアート・オンラインでの記憶が薄れてしまう。キリトは、AR世界の中に白い服の少女(神田沙也加)を見つけていた。その少女は、オーグマーの開発者、重村教授(鹿賀丈史)の娘の分身だった。重村教授は、ソードアート・オンラインで娘のユナを亡くしており、ソードアート・オンラインのプレーヤーの記憶を集めてA.I.のディープ・ラーニング用のデータとして活用することで、娘を再現しようとしていた。キリトは重村教授に協力しているプレーヤーのエイジ(井上芳雄)を倒すと、仲間とともにボスキャラに挑み、勝利。重村教授の野望は潰える。
キリトとアスナは、夜空の星を見るという約束をかなえ、満天の星空のしたで口づけをかわすのだった。

テレビアニメの続編という形なので、世界設定や登場人物の把握ができない序盤はあまり面白くないのだが、人々の記憶を奪ってA.I.に学習させるという展開からは話が分かりやすくなった。この手のアニメだと大概、ヒロインは主人公に対してツンデレだったり、普段は喧嘩ばっかりしていたりするのだが、本作は珍しく、主人公の少年に三枚目の要素がなく、少女とキスしたり抱きしめ合ったりするシーンがあった。実在の企業名やロゴが登場するのも特徴的。これをNHKが放送するというのも面白かった。

【5段階評価】3

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2019年6月 8日 (土)

(1898) ちはやふる -結び-

【監督】小泉徳宏
【出演】広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、松岡茉優、上白石萌音、國村隼
【制作】2018年、日本

かるた部の高校生の青春を描く「ちはやふる」シリーズ第3弾。最上級生になった千早たち。しかし太一は部活をやめてしまう。瑞沢高校かるた部の運命は。そして太一の恋、そしてライバル新との対決の行方は。

瑞沢高校かるた部の綾瀬千早(広瀬すず)は、クイーン戦への出場権を失い、その試合を観戦。若宮詩暢(松岡茉優)がクイーン戦を制する。名人戦では、東大生の周防久志(賀来賢人)が圧勝。千早の幼なじみで今は違う高校に通う綿谷新(新田真剣佑)は、試合会場で千早に好きだと告げ、千早や驚きのあまり言葉を失い、硬直する。
高校3年生になった千早は、かるた部を盛り上げようとする。ところが、新と同様に千早の幼なじみで、千早のためにかるた部に入った真島太一(野村周平)は、新入部員の花野菫(優希美青)から、千早が新に告白され、千早が返事をしようとしているという話を聞き、東大理三の受験を目指していることもあって、かるた部の活動をやめてしまう。太一は、受験生向けの抗議をしている周防と出会う。周防は、かるたを続けるか悩んでいる太一の背中を押し、太一はかるた大会会場に向かう。太一抜きで大会決勝に進んだ水沢高校かるた部は、決勝で新のいる藤岡高校と当たる。そこに太一が現れ、団体戦に参加。太一の運命を引き寄せる力によって、水沢高校は逆転勝利を収める。
会場を後にする新を千早が引き留める。その場にいた太一は、千早が新に好きだと告白することを覚悟するが、千早が告げたのは、クイーンを目指すという決意だった。新もまた、太一との再戦を誓う。千早は、瑞沢高校かるた部の顧問として新しい道を突き進むのだった。

ちはやふる -上の句-」、「ちはやふる -下の句-」を観ている人にとっては、これまでの登場人物の活躍が楽しい。太一が一度抜けて戻ってくる、というあたりはお約束の展開ではあるのだが、生意気な新人、恋の葛藤、視力を失いつつある名人など、いくつかのエピソードを盛り込みながら話が進み、飽きさせない。
決勝戦で水沢高校の出場選手に太一を入れたのは誰なんだよ、という大いなる謎は残る訳だが。

【5段階評価】4

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2019年6月 5日 (水)

(1897) 母と暮せば

【監督】山田洋次
【出演】吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一
【制作】2015年、日本

長崎の原爆で死亡した息子の魂が母親のもとに戻ってくる。息子と息子の許嫁を愛する母親の深い愛情を描いた作品。

1945年8月9日。米軍の原爆攻撃により、長崎医科大学の学生だった福原浩二(二宮和也)は命を落とす。3年後の夏、母親の伸子(吉永小百合)は原爆落下の日の黙祷を捧げる。傍らには浩二の許嫁だった町子(黒木華)がいた。彼女が操を立てていることに、伸子は心を痛めていた。
帰宅した伸子は浩二に食事を供え、遺体が見つからないまま逝った息子の死を嘆いていると、家の中に浩二の姿が現れる。浩二は死んでいることを自覚しており、母親と楽しそうに話をする。浩二ははじめ、町子がずっと自分の嫁として伸子の世話をすることを望んでいたが、伸子がそれを諫め、浩二も納得する。浩二が忘れられずにいた町子だったが、学校の教師をしている同僚の黒田(浅野忠信)という男と婚約する。町子は黒田を伸子に会わせ、伸子に詫びるが、伸子は浩二も喜んでいる、と町子に優しく話す。伸子が力なく布団で寝ていると、枕元に浩二が現れ、伸子を天に連れて行く。伸子の葬儀が営まれる中、浩二は伸子を連れて教会を去って行くのだった。

父親の死亡届を受け取る小学校の少女(本田望結)や、死ぬ間際に酒を欲した大学教授(橋爪功)などの挿話を混ぜながら、物語は静かに展開。感情の起伏を抑制した作品。ただまあ、まばゆい光の中に二人が消えていく、なんていうのはいかにもステレオタイプで、終盤に大きな感動が押し寄せる、というものではなかった。

【5段階評価】3

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2019年6月 4日 (火)

(1896) 夜は短し歩けよ乙女

【監督】湯浅政明
【出演】花澤香菜(声)、星野源(声)、神谷浩史(声)、秋山竜次(声)
【制作】2017年、日本

森見登美彦の小説が原作のアニメ作品。京都の長い一夜を過ごす少女と、彼女に恋心を抱く先輩との恋の行方を描く。

黒髪の乙女(花澤香菜)に恋心を抱く先輩(星野源)は、ナカメ(なるべく彼女の目にとまる)作戦を実行し、彼女に接近するチャンスをうかがう。実は酒豪の乙女は、知り合いを増やしながら飲み歩き、李白(麦人)と飲み比べをして勝利する。
乙女は、子供の頃に読んでいた「ラ・タ・タ・タム」という絵本を手に入れたくなり、古本市に向かう。それを知った先輩は、李白の主催する怪しい大食い競争に参加し、絵本を手に入れる。彼は秋の学園祭で模擬店を出し、ラ・タ・タ・タムを乙女に渡そうとするが、店舗の設備をゲリラ演劇の一団に奪われてしまう。その演劇は、かつて名の知らぬ女性と運命的な出会いをしたパンツ総番長(秋山竜次)が、その女性を探すために行っているものだった。乙女もその演劇に飛び入り参加するが、彼女が最終幕でパンツ総番長とキスをするという話を聞いた先輩は、芝居に乱入。パンツ総番長を舞台からたたき落とし、乙女とキスをしようとしたところ、舞台の床が抜けて奈落に転落。パンツ総番長の相手は、女装した学園祭事務局長(神谷浩史)だった。ショックを受ける総番長。しかし総番長を支えてきた女性スタッフが彼に愛を告白。二人は結ばれる。
冬になり、風邪を引いた先輩は部屋で寝込んでいた。風邪を引いた人々を見舞っていた乙女は、先輩の家に向かう。先輩は「ラ・タ・タ・タム」を彼女にあげ、彼女を古本屋に誘う。乙女は顔を赤らめ、OKする。喫茶店で待つ先輩のもとに乙女が向かう。二人のデートが始まるのだった。

自分がかつて住んでいた京都が舞台だったので、出町柳の自転車置場や進々堂など、画面に現れる町並みが懐かしかった。
文学作品らしいしゃれたセリフが小気味よい。偽電気ブランの大酒飲み対決で、乙女が酒を飲むたび幸せな気持ちに浸る場面も、どことなく文学的な表現で映像化されていた。
文学でも恋愛でも何でも議論の対象にし、自ら煩悶し、異性に恋い焦がれ、夜を明かした学生時代が懐かしくなる作品だった。

【5段階評価】3

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2019年6月 3日 (月)

(1895) ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK

【監督】ロン・ハワード
【出演】ザ・ビートルズ、シガニー・ウィーバー、ウーピー・ゴールドバーグ、浅井慎平
【制作】2016年、イギリス

ビートルズの活躍と苦悩を描いたドキュメンタリー。

ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター。4人がイギリスでブレイクし、アメリカに渡る。エド・サリバンショーで人気に火が付いた彼らは、アメリカのシングルチャートでも1位をとり、正解的なトップスターとなる。一方で、彼らに熱狂するあまり、音楽を聞こうともしないファンや、囚人護送車で移動をするような異様な状況に、メンバーはこれでいいのかという思いを抱くようになる。
ジョン・レノンが、自分たちはキリストを超えたと言ったかのようなできごともあり、ビートルズは人気の一方でバッシングの標的にもなる。
ツアー活動を控え、レコーディングに専念する時期を経て、アップルの屋上を彼らは最後のライブの場所とするのだった。

ビートルズがスターダムを上り詰める過程を写実的に伝えている。ドキュメンタリーは、語りのシーンや説明のシーンが長かったりしてだるい印象があるが、本作は、有名な楽曲が次々と流れ、しっかりと聴かせるパートもあるし、軽妙洒脱な彼らのインタビューシーンや、シガニー・ウィーバーやウーピー・ゴールドバーグのような映画スターのインタビューを交えたりして、飽きさせない作りになっている。子供の頃のシガニー・ウィーバーがにビートルズのライブで興奮している様子がたまたま映像に残っているシーンがあるのは貴重。ポール・マッカートニーとリンゴ・スターのインタビューもあり、ビートルズファンは必見の作品。

【5段階評価】3

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2019年5月31日 (金)

(1894) 女子ーズ

【監督】福田雄一
【出演】桐谷美玲、高畑充希、有村架純、山本美月、藤井美菜、佐藤二朗
【制作】2014年、日本

怪人と闘う女子戦隊の活躍を描いたコメディ。

名字に色の名前が付いているという理由から、赤木直子(桐谷美玲)、青田美佳(藤井美菜)、黄川田ゆり(高畑充希)、緑山かのこ(有村架純)、紺野すみれ(山本美月)の五人が女子戦隊、女子ーズに選ばれる。彼女たちは、ボスのチャールズ(佐藤二朗)の指令で、地球に現れる怪獣と力を合わせて闘う。ところが彼女たちにはモチベーションがなく、次第に、呼び出されても闘いの場に現れない者が出始める。レッドも、本業の大事なプレゼンを優先し、闘いをサボったことで、仲間の信頼を失う。チャールズに呼び出されたレッドは、彼女がいない間、ほかの四人が一生懸命闘っていたことを知らされ、心を入れ替える。チャールズから次の指令が来たとき、彼女は2回目の仕事のプレゼンの直前だったが、怪人との闘いの場に向かう。やってきたのはレッドだけだった。レッドは、怪獣に待ってもらって仲間を説得して回り、ようやく5人そろって怪獣を倒す。
レッドは戦隊の仕事に邁進することにするが、それでもやはり、現場には自分しか来ず、嘆く日々は続くのだった。

乾いたツッコミを入れあう女子ーズのシュールなギャグ漫画のようなセリフ回しと、佐藤二朗らしい独特のアドリブ一人ボケトークが特徴。同じ福田雄一監督の「斉木楠雄のΨ難」でも佐藤二朗のこの芸風が見られるが、個人的にはあまり面白いと思わない。そんなわけで、終始ゆるすぎて、かなりつまらない作品だった。出演者の女性が全員主役級という豪華さに感激し、作品の内容には目をつぶるべき作品。

【5段階評価】1

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2019年5月29日 (水)

(1893) 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

【監督】武内宣之
【出演】菅田将暉(声)、広瀬すず(声)、宮野真守(声)、松たか子(声)
【制作】2017年、日本

もしもの世界を作り上げる力を得た少年が少女と過ごす一夏の経験を描いたファンタジー。

中学生の典道(菅田将暉)は、仲間と登校中、海辺に立つなずな(広瀬すず)を見かける。教室でなずなが気になる典道に、友人の祐介(宮野真守)はなずなはかわいい、告白したいと典道に告げる。その日、二人がプール掃除に向かうと、プールには水着姿のなずながいた。二人が50m競走をしようとしたとき、なずなが「私が勝ったら何でも言うことをきいて」と言って競争に加わる。なずなが一位になり、ターンのときに足をぶつけた典道は祐介に負ける。なずなは典道がまだ泳いでいるすきに、祐介に、今日の花火大会に二人で行こう、と話しかける。祐介は有頂天になる。
祐介と典道が教室に戻ると、仲間達が、打ち上げ花火は横から見たら平べったいか丸いか、の言い争いをしていた。祐介はなずなと二人で花火大会に行くのをやめて仲間と花火が横から見たらどう見えるか、確かめに行く約束をし、帰宅後、典道の家に遊びに来る。足を怪我していた典道を医者の父親のいる医院に向かわせ、祐介は仲間との待ち合わせ場所に向かう。なずなは祐介を迎えに来ていたが、典道から祐介は来ない、と聞かされ、医院を出て行く。典道はなずなを追いかける。なずなの母親(松たか子)は再婚しようとしており、なずなは転校することになっていた。なずなは家出をしようとしていたのだった。なずなは典道に、もし典道がプールでの競争に勝ったら、典道を花火大会に誘っていた、と告げる。そこになずなの母親がやってきて、なずなを家まで引きずり戻してしまう。典道が追いかけようか迷っているところに祐介達がやってくる。典道は、なずなを救ってやらなかった祐介に殴りかかると、拾った不思議なガラス玉を、道の掲示板に投げつける。すると、時間が巻き戻り、プールでの競争の場面に戻る。今度は典道が競争に勝ち、なずなは典道を花火大会に誘う。典道が家に帰ると、やはり祐介がやってくる。典道はジュースを買ってくると言って部屋を出ると、迎えに来たなずなを自転車の後ろに乗せて走り去る。なずなは典道と駆け落ちをすると言い、駅のホームに向かう。ところがそこに、なずなの母親が婚約者(三木眞一郎)と現れ、なずなをまたも家に連れ帰そうとする。典道は婚約者につかみかかるが敢えなく殴り飛ばされてしまう。
典道は、再びガラス玉を投げて、二人が電車に乗り込む将来を思い描く。すると、再び場面は駅のホームになる。今度は典道は婚約者のパンチの腕をかわし、なずなの手を引っ張って電車に乗り込む。なずなは、このまま二人で東京に移り住み、アイドルでもしようかなと言って、二人しかいない電車の中で松田聖子の歌を歌い始める。その様子を、踏切待ちをしていた祐介達に見られてしまい、さらに車でなずなを探していたなずなの母親にも見つかってしまう。二人は次の駅で降りるが、なずなの母親と祐介達に追いかけられる。灯台の上に逃げ込む二人だったが、祐介が典道を捕まえようと飛びかかり、二人は灯台から落下。典道は再び、なずなと二人だけになることを強く望む。二人は再び電車の中におり、今度は母親にも祐介達にも見つからず、次の駅に到着する。そこは、景色がガラスで覆われたような不思議な世界。打ち上がる花火は、丸でも平べったくもなく、不思議な形をしている。典道は、なずなとずっと二人でいられるこの世界にいたいと望む。なずなは典道に泳ごうと誘い、海に行く。海に落ちたなずなを見て、典道も海に飛び込む。二人の頭上には大きな花火が打ち上がる。典道となずなは口づけを交わす。なずなは、次に会うのはどんな世界かな、と言いながら、姿を消す。
学校では、担任教師の春子先生(花澤香菜)が点呼を取っていた。春子先生は典道の名を呼ぶが、典道の姿は教室にはないのだった。

中学生どうしの淡い恋を描いたファンタジー。CGと実写とアニメを融合したような映像で、現実と非現実の交わった世界をうまく表現していた。お話としても、結局別れてしまうとか、死んでしまうとかいった話ではなく、もしかすると二人はいつまでも一緒にいられる夢のような世界を作り出せたのかも、と思わせ、甘酸っぱい感情が胸に広がる作品になっていた。声優が、旬の広瀬すずと菅田将暉というのがよかったのかどうかはよくわからないが、知らずに観た自分としては、とても自然で入り込めたので、適役だったのだろう。

【5段階評価】4

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