2021年8月29日 (日)

(2356) シャークネード6 ラスト・チェーンソー

【監督】アンソニー・C・フェランテ
【出演】アイアン・ジーリング、タラ・リード、カサンドラ・スケルボ、ジュダ・フリードランダー、ビビカ・A・フォックス
【制作】2018年、アメリカ

鮫を伴う巨大竜巻と、時空を超えて戦う男の活躍を描いた作品。「シャークネード5 ワールド・タイフーン」の続編。

本作では、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のように過去の世界に戻った主人公フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)が、死んだはずの妻のエイプリル(タラ・リード)や、仲間のノバ(カサンドラ・スケルボ)、ブライアン(ジュダ・フリードランダー)らと再会。時代ごとに発生するシャークネードを倒しながら、現代の世界に戻っていく。フィンは仲間のスカイ(ビビカ・A・フォックス)とともに未来の世界に飛ばされ、サイボーグとなって時代を支配しているエイプリルと戦い、現代に戻る。そこには家族とともに海辺の家を経営する平和な生活が待っていたのだった。

バカバカしい設定の中で登場人物が真面目に鮫と戦う姿がユーモラスだった1作目に比べ、本作は、暴走が止まらなくなった制作者側の悪乗りに視聴者が付き合わされるという、見苦しい作品。クライマックスでは乱れた時空の中でフィンがサイボーグのエイプリルと戦うシュールな映像になるが、ほぼついて行けないので「そろそろ終わらないかな」という、駄作で感じる感情に支配された。
ただ不思議なことに、シリーズ全体としては、話のネタに一度は観ておいてよかったなと思えるのだった。

【5段階評価】2

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2021年8月17日 (火)

(2355) シャークネード5 ワールド・タイフーン

【監督】アンソニー・C・フェランテ
【出演】アイアン・ジーリング、タラ・リード、ビリー・バラット、カサンドラ・スケルボ
【制作】2017年、アメリカ

世界中で発生する鮫を伴う巨大竜巻に立ち向かう人々を描いたパニック作品。「シャークネード ザ・フォース・アウェイクンズ」の続編。

フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)とノバ(カサンドラ・スケルボ)は、鮫を伴う巨大竜巻、シャークネードに立ち向かう手がかりを得るため、ストーンヘンジで鮫のひれの形をした秘石を手に入れるが、それはシャークネードを呼び起こす力を持っていた。シャークネードは空間を超越し、世界各地で発生。フィンの息子ギル(ビリー・パラット)がシャークネードに巻き込まれ、責任を感じてシャークネードに立ち向かったノバは東京で命を落とす。フィンと妻のエイプリル(タラ・リード)はエジプトでシャークネードを停止させる装置を起動させるが、さらに巨大な嵐と津波が発生。サイボーグであるエイプリルは渾身の力で嵐を止めようとするが、ついに爆死してしまう。途方に暮れるフィンのもとに、一人の男(ドルフ・ラングレン)が現れる。彼は成長したギルだった。ギルはシャークネードをタイムマシンにすることに成功していたのだ。家族を救うため、ギルとフィンは過去へと旅立つのだった。

前作から名作映画のパロディ色が強くなってきたが、本作では「レイダース 失われた聖櫃」や「007」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が露骨にパロディ化されている。これも前作からそうだったが、鮫の恐怖はもはや添え物で、巨大で訳の分からない自然現象に立ち向かうSF作品になっていて、鮫が竜巻で巻き上げられるというある程度理解可能な科学的状況から、何が起きているのか全く分からない内容になってしまった。

【5段階評価】2

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2021年8月16日 (月)

(2354) シャークネード ザ・フォース・アウェイクンズ

【監督】アンソニー・C・フェランテ
【出演】アイアン・ジーリング、タラ・リード、マシエラ・ルーシャ、デビッド・ハッセルホフ
【制作】2016年、アメリカ

アメリカ内陸部を襲う巨大トルネードと鮫との戦いを描いたテレビ映画。「シャークネード エクストリーム・ミッション」の続編。

シャークネードを無力化するシステムを開発したアストロX社の社長、アストン・レナルズ(トミー・デビッドソン)は、ラスベガスに鮫をテーマにしたホテルを建設。しかし、ラスベガスで巨大竜巻が発生。ホテルの鮫が巻き上げられ、シャークネードになる。シャークネードは砂を巻き上げたサンドネード、岩を巻き上げたボルダネード、油田の油を巻き上げたオイルネード、それに引火したファイアネード、発電所を巻き込んだライトニングネード、原子力発電所を巻き込んだニュークリアネードと姿を変え、大暴れする。フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)は家族を救うため、姪のジェム(マシエラ・ルーシャ)や息子のマット(コディ・リンリー)らと奮闘する。
東海岸のシャークネードで死んだと思われていたフィンの妻、エイプリル(タラ・リード)は、父親のウィルフォード(ゲイリー・ビジー)によってサイボーグとして再生されていた。エイプリルはフィンらと合流し、息子のギル(クリストファー・ショーン、ニコラス・ショーン)を救出。ナイアガラの滝で量子箱を起動させてシャークネードを無力化する。安堵した一同のもとにエッフェル塔が飛んでくる。そこにはパリに渡っていたノバの影があるのだった。

西海岸、東海岸と来て、今回は中央アメリカ。オープニングの「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」から「オズの魔法使」や「アイアンマン」、「ターミネーター」も入っていたようだが気づかなかった)、悪乗り感もあった。原発が破壊されてニュークリアネードになるという展開は、日本だと不謹慎だなんだと言われて謝罪沙汰になりそうだが、この辺りのエンタメへの寛容さはアメリカらしい。

【5段階評価】3

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2021年8月15日 (日)

(2353) シャークネード エクストリーム・ミッション

【監督】アンソニー・C・フェランテ
【出演】アイアン・ジーリング、タラ・リード、キャシー・スケルボ、ライアン・ニューマン、フランキー・ムニッズ
【制作】2015年、アメリカ

アメリカ東海岸一帯を襲う巨大トルネードと鮫との戦いを描いたテレビ映画。「シャークネード カテゴリー2」の続編。

ワシントンD.C.に巨大シャークネード(鮫を巻き上げたトルネード)が発生。シャークネードは東海岸全体に広がっており、フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)は、ユニバーサルスタジオを訪れている家族を守るため、ワシントンからユニバーサルスタジオのあるオーランドに向かう。途中、ロスの「シャークネード」でともに戦ったノバ(キャシー・スケルボ)と合流。シャークネードを無力化できる巨大な火柱を発生させるため、フィンはNASAに勤めていた父親ギルバート(デビッド・ハッセルホフ)に協力を仰ぐ。フィンはギルバート、妻のエイプリル(タラ・リード)とともにスペースシャトルに乗り込み、宇宙からの熱光線でシャークネードを消滅させる。ギルバートは宇宙服の燃料切れで地球に戻れなくなるが、エイプリルとフィンは宇宙に飛んできた巨大鮫の腹に入った状態で大気圏に突入し、地上に生還。鮫の中でエイプリルは身ごもっていた息子を産む。再会を喜ぶ家族だったが、空から落ちてきたスペースシャトルの破片がエイプリルに激突する直前で作品は終わる。

空から降ってくる鮫が宇宙に現れるというおバカ映像だが、流れは比較的無理がなく、意外と楽しめた。作品にはアメリカで活躍する芸能人などのカメオ出演が多く、アメリカ人はより楽しいのだろう。本作は自動録画で取りこぼしてしまったため、初めてAmazon Primeの有料版で視聴した。

【5段階評価】3

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2021年8月12日 (木)

(2352) シャークネード カテゴリー2

【監督】アンソニー・C・フェランテ
【出演】アイアン・ジーリング、タラ・リード、ビビカ・A・フォックス、ジャド・ハーシュ
【制作】2013年、アメリカ

ニューヨークの街を襲う巨大トルネードと鮫との戦いを描いたテレビ映画。「シャークネード」の続編。

ロスを襲った巨大トルネードと戦ったフィン・シェパード(アイアン・ジーリング)は、別れた妻エイプリル(タラ・リード)とともにニューヨークに向かう。ニューヨークにも巨大トルネードが発生し、フィンは妹のエレン(カリ・ウーラー)とその家族を救うため、ニューヨークを奔走。鮫を大量に巻き上げたトルネードを消し去るため、エンパイアステートビルのフロンを爆発させ、ニューヨークを救う。

前作に続いてのB級作品で、自由の女神の頭部が転がり続けて登場人物を襲ったり、飛んでくる鮫をバットで打ち返したりというような、物理学的にかなり疑わしいシーンもあるのだが、基本的にはシリアスに作られているので、よくある悪乗りが過ぎるおバカ作品とは一線を画しているのが、人気の秘密なのかもしれない。タクシードライバー役のジャド・ハーシュは、「インデペンデンス・デイ」で主人公の父親役を演じている。

【5段階評価】2

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2021年8月11日 (水)

(2351) シャークネード

【監督】アンソニー・C・フェランテ
【出演】アイアン・ジーリング、キャシー・スケルボ、ジェイソン・シモンズ、タラ・リード
【制作】2013年、アメリカ

トルネードで海から巻き上げられた鮫と戦う人々を描いたテレビ映画。

巨大化したトルネードがロサンゼルスの街を襲う。海沿いのバーを経営するフィン・シェパード(アイアン・ジーリング)は、友人のバズ・ホーガン(ジェイソン・シモンズ)、従業員のノバ・クラーク(キャシー・スケルボ)、常連客のジョージ(ジョン・ハード)とともにハイウェイで内陸部へ避難。しかし、高波とともに現れた鮫にジョージが襲われてしまう。フィンは別れた妻エイプリル(タラ・リード)と娘のクラウディア(オーブリー・ピープルズ)と合流。息子のマット(チャック・ヒッティンガー)のいる航空学校に向かう。ロサンゼルスには巨大なトルネードが3本発生。トルネードの巻き上げた鮫に襲われ、バズが死亡。マットはノバを乗せてヘリを出し、トルネードの中心部に爆弾を落としてトルネードを消していくが、3本目のトルネードを消すのに失敗し、ノバがヘリから落下。鮫に飲まれてしまう。フィンは、不時着したヘリからマットを助け出すが、飛んできた巨大鮫に飲み込まれる。家族は呆然とするが、フィンはチェーンソーで鮫の腹を破って脱出。中から鮫に飲まれたノバを救い出す。フィンたちは変わり果てたロスの街を見上げるのだった。

CGと細かいカット割りでそれらしく作った、いかにもB級の作品だが、ストーリーは明快。凝っているが何が起こっているのか、何が言いたいのかよく分からない作品に比べれば、十分に楽しかった。何も心に残らない作品だが、シリーズ化されているので、それなりにファンはいるんだろう。

【5段階評価】2

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2021年8月 9日 (月)

(2350) 断崖

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【出演】ケーリー・グラント、ジョーン・フォンテイン、ナイジェル・ブルース
【制作】1941年、アメリカ

夫の行動に怯える妻の葛藤を描いたサスペンス作品。

富豪の娘、リナ・マクレイドロウ(ジョーン・フォンテイン)は、魅力的だが金にだらしない男ジョニー・エイスガース(ケーリー・グラント)に惹かれ、結婚する。ジョニーは定職についておらず、リナはジョニーが自分の資産を当てにしていることを心配する。リナは父親(セドリック・ハードウィック)からアンティークの椅子をプレゼントされるが、ジョニーは椅子を無断で売却し、その金でギャンブルの借金を清算。リナはショックを受けるが、ジョニーが競馬に勝ち、椅子を買い戻したことで機嫌を直す。しかしジョニーは、雇われた会社の金を使い込んで首になっており、それをリナに黙っていた。業を煮やしたリナは別れの手紙を書くが、悩んだ末に破り捨てる。
ジョニーは裕福な友人ビーキー(ナイジェル・ブルース)と共同で不動産事業を始めるが、ビーキーは出張先のパリで飲酒が原因で事故死する。警察がリナのもとに現れ、事情を聴取。リナは、ジョニーがビーキーを殺したのではないかと怯える。ジョニーは、推理小説作家のイソベル(オリオール・リー)から、証拠の残らない毒薬などについて詳しく情報収集しており、リナはますます不安になる。リナは、ジョニーが保険会社から受け取った手紙を盗み読む。そこには、リナの生命保険を換金したいというジョニーの問い合わせに対し、リナの死亡時以外は支払われないという保険会社の回答が書かれていた。リナは自分が殺害されるのではないかと疑心暗鬼になり、ジョニーとの別居を決意する。ジョニーはリナを送ると車を出すが、リナはジョニーが自分を崖から突き落とそうとしているという疑念に耐えきれず、走行中の車のドアが開いた瞬間、ジョニーが手を伸ばした来たことで悲鳴を上げ、ジョニーが止めた車を降りて走り出す。ジョニーはそれをとどめ、リナに、なぜ自分を避けるんだ、自分は車のドアが開いたからそれを閉めようとしただけなのに、と叫ぶ。リナは、ジョニーが苦しんでおり、毒薬のことを聞いていたのも、自殺を考えていたためだったと気づく。リナは自分の誤解を謝罪。二人は車を反転させ、家へと帰るのだった。

夫の疑わしい行動に妻が怯え、追い詰められていく様子が描かれているのだが、「サイコ」や「レベッカ」などの往年のヒッチコック作品に比べると、カタルシスは感じづらい。疑われてきたジョニーの行為の真相がドーンと明らかになればよかったのだが、特に怪しいことはしていませんでした、というだけなので、拍子抜けだった。ジョニーが何をしようとしていたのかを丁寧に描写した方がよかっただろう。

【5段階評価】2

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2021年7月24日 (土)

(2348) 市民ケーン

【監督】オーソン・ウェルズ
【出演】オーソン・ウェルズ、ドロシー・カミンゴア、ジョゼフ・コットン、エベレット・ストーン
【制作】1941年、アメリカ

アメリカの新聞王の生涯を描いた作品。

新聞王、チャールズ・ケーン(オーソン・ウェルズ)が、「ばらのつぼみ」と言い残して生涯を閉じる。ニュース製作会社のロールストン(フィリップ・バン・ツァント)は、記者達に、ケーンにゆかりのある人に取材して「ばらのつぼみ」の言葉の意味を探るよう命じる。
ケーンは、両親のもとでそり遊びをしていた無邪気な少年時代、宿屋を営む母親(アグネス・ムーアヘッド)の判断で、銀行家サッチャー(ジョージ・クールリス)に預けられる。彼は25歳で莫大な資産を受け継ぎ、落ち目の新聞社を立ち直らせる。大統領の姪エミリー・ノートン(ルース・ウォリック)を妻に迎え、知事選に挑むが、妻との関係は冷え始めており、その頃知り合った歌手の卵スーザン・アレクサンダー(ドロシー・カミンゴア)との不倫疑惑を報じられ、知事選に失敗。ケーンはエミリーとは別れ、スーザンと結婚する。ケーンはスーザンのためにオペラ劇場を建設し、彼女を歌手として出演させるが、ケーンの新聞社の記者リーランド(ジョゼフ・コットン)は、彼女の歌を酷評する記事を書く。それを見たケーンは、その記事を採用した上でリーランドを首にする。スーザンは歌手を続けられないと嘆き、ケーンもそれを了承。ケーンは大豪邸ザナドゥ城を建て、大量の美術品を持ち込むが、スーザンはむなしさを覚え、ケーンが引き留めるのも聞かず、彼の元を去ってしまう。ケーンはスーザンの部屋をめちゃくちゃに壊す。
結局、「ばらのつぼみ」の謎は明かされなかった。ケーンの大量の遺品のうち、価値のないものは焼却処分されていく。その中に、ケーンの少年時代のそりがあった。そこには「ばらのつぼみ」のロゴが描かれているのだった。

不朽の名作と名高い作品だが、正直、あまり盛り上がりはなく、退屈な部類の作品だった。長回しや極端なクローズアップ、ローアングルの撮影などが当時は評価されたようだが、今となってはインパクトはなかった。とは言え、映画ファンを自認するなら一度は観ておかざるを得ないだろう。

【5段階評価】2

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2021年7月23日 (金)

(2347) ノア 約束の舟

【監督】ダーレン・アロノフスキー
【出演】ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エマ・ワトソン、アンソニー・ホプキンス、レイ・ウィンストン
【制作】2014年、アメリカ

ノアの方舟の伝説を映画化したファンタジー作品。

アダムの子孫ノア(ラッセル・クロウ)は神の啓示を受け、洪水から動物たちを救い、未来に継承させるため、方舟の建設を始める。ノアの父(マートン・チョーカシュ)を殺した王トバル・カイン(レイ・ウィンストン)は、方舟を乗っ取ろうと大群で攻め込むが、岩の姿をした見守りの天使たちがそれを追い払う。舟の中で、ノアは子ども達に、未来に生き残るべきは動物たちであり、人間は滅ぶのだと説くが、旅の途中で助けた少女イラ(エマ・ワトソン)は、ノアの長男セム(ダグラス・ブース)の子を授かる。それを知ったノアは、女児が誕生したら直ちに殺すと宣言する。果たして、イラが産んだのは双子の姉妹だった。ノアは二人の赤子を殺そうと剣を突き立てようとするが、思いとどまる。ノアは神の啓示に背いた自分を責めるが、イラは、神はノアに選択を与え、ノアが慈悲を選んだのだと説く。ノアは心を入れ替え、息子たちに「産めよ。増やせよ。地を満たせ」と語りかける。空には大きな虹が輝くのだった。

ジェニファー・コネリーやアンソニー・ホプキンスなどの名優が登場し、壮大な特撮を織り交ぜた大作のはずなのだが、チープ感がつきまとう作品だった。中盤、方舟に乗り込もうと押し寄せる人々を、ノアが問答無用に惨殺するシーンがあるのだが、たとえばここでノアが「赦してくれ」と泣き叫びながら人々を振り払っていれば、ノアの苦悩や葛藤を表現できたはず。本作では単純なアクションシーンになっていて深みがない。幼少時に腹部を負傷し、子どもを産めない体になっていたイラが、ノアの祖父メトシェラ(アンソニー・ホプキンス)の力で子どもを産める体になるシーンは唐突で、必然性や脈絡が感じられなかった。家族のもとを離れて旅立つハム(ローガン・ラーマン)についても、新しい出会いの予感などを描くこともできるのに、何も救いもないままほったらかして終わる。唯一、剣を突き立てようとしていたノアが赤子に口づけをするシーンだけは感動的だった。

【5段階評価】3

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2021年7月22日 (木)

(2346) ザ・ファブル

【監督】江口カン
【出演】岡田准一、木村文乃、山本美月、柳楽優弥、安田顕、福士蒼汰、向井理、佐藤浩市
【制作】2019年、日本

南勝久の漫画が原作。殺しを禁じられた殺し屋の活躍を描いたアクション作品。

伝説の殺し屋、ファブル(岡田准一)は、ボス(佐藤浩市)から佐藤明という偽名を与えられ、妹役の佐藤洋子(木村文乃)とともに一年間、身を潜めるよう命じられる。明と洋子は大阪のヤクザ、真黒組の海老原(安田顕)の世話になる。明はそこでイラスト工房で働く女性、清水岬(山本美月)と知り合う。
海老原の弟分、小島(柳楽優弥)が出所し、岬に目を付け、脅してアダルトビデオ出演させようとするが、海老原の勢力を転覆させようとする真黒組の砂川(向井理)は、手下を使って小島と岬を拉致する。海老原から小島を助けてほしいと頼まれた明は、岬が誘拐されたことを知り、救助に向かう。ファブルを倒そうともくろむ血気盛んなフード(福士蒼汰)はファブルに挑むが、ファブルは致命傷を与えずにフードを倒し、誰一人殺すことなく小島と岬を救出する。海老原は、自分の命令を聞かなかった小島を自らの手で葬り、砂川と手打ちにする。明は普通の人として暮らす努力を続ける決意を新たにするのだった。

凄腕スーパーマンの活躍という、漫画のような話(原作漫画ですけど)だが、パルクールの要素を取り入れたようなアクションが見所で、上半身のたくましい岡田准一の演技が光っていた。肩肘の張らない娯楽作品として楽しめたので評価は4。独特な芸風の佐藤二朗も出ているが、癖は薄めでよかった。

【5段階評価】4

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