2020年8月13日 (木)

(2143) 山猫は眠らない4 復活の銃弾

【監督】クラウディオ・ファエ
【出演】チャド・マイケル・コリンズ、ビリー・ゼイン、アナベル・ライト、リヒャルト・サメル
【制作】2011年、アメリカ

優秀な狙撃手の父を持つ国連軍の兵士が、殺された仲間の復讐のために奮闘するアクション作品。「山猫は眠らない3 決別の照準」の続編。

国連軍に所属していた米兵ブランドン・ベケット(チャド・マイケル・コリンズ)は命令無視の容疑で軍法会議にかけられようとしていた。彼は自らに起こったできごとを回想する。彼は国連軍としてコンゴに派遣され、上司のイェーガー大佐(リヒャルト・サメル)から避難を拒否している農場経営者のブラントを連れてくる指令を受ける。10人ほどの舞台で現地に向かうが、狙撃手に待ち伏せされ、部隊はほぼ全滅してブラントも死亡。逃げる途中で穴に落ちたブランドンは九死に一生を得、ハンターのマーティン・チャンドラー(パトリック・リスター)に救助される。ブランドンとマーティンは農場に戻り、一人で残っていたブラントの娘、ケリー(ケイラ・プリベット)を連れて何とか国境を越える。
基地に戻ったブランドンは、父親トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)の戦友、リチャード・ミラー(ビリー・ゼイン)と出会う。ブランドンは、仲間が殺された事件をまともに調べようとしないイェーガーに業を煮やし、自らの復讐心をたぎらせるが、リチャードは狙撃手に復讐するなら敵を知る必要があると告げ、彼に狙撃手になることを勧める。しかしブランドンは待ち伏せて的を狙う狙撃手は卑怯だと言って拒絶する。ブランドンは単身で仲間を殺した人物を探し出すため、基地を抜け出し、マーティンに再会。子どもをさらって兵士にしようとする反乱軍のアジトに向かい、子ども達を救出する。そこにリチャードが現れ、ブランドンに協力する。リチャードは仲間を殺した狙撃手は、自分の育てた狙撃兵、マシエロ(ジャスティン・ストーリーダム)だと見抜く。ブランドンはマシエロをおびき出すため、基地に連絡をし、合流地点を告げる。ブランドンと恋仲になったエレン・アブラモウィッツ中尉(アナベル・ライト)が仲間とともに現場に現れるが、エレンとブランドンは大勢の兵士に囲まれてしまう。リチャードの援護もあり、何とか兵士達を退け、エレンを逃がしたブランドンだったが、リチャードはマシエロに撃たれてしまい、ブランドンとマシエロの一騎打ちとなる。夜まで耐えたブランドンは、石油タンクを爆破して暗視スコープを覗くマシエロの目をくらませると、背後に回り、マシエロの息の根を止める。
ブランドンの供述は終わり、ブランドンはイェーガーの屋敷に侵入。黒幕はイェーガーだった。彼は、ブラントを仲介人にして国連軍の武器を反乱軍やコンゴ軍に横流ししていたが、ブラントが邪魔になり、マシエロに命じて殺害させたのだった。イェーガーは逮捕され、ブランドンにはリチャードから新たな任務が告げられるのだった。

3作目までのトーマス・ベケットから、その息子のブランドン・ベケットに主役の座が移った本作。だいたいこうしたシリーズは後ろの作品になるほど派手なだけで大味になったりマンネリ化したりするものだが、本シリーズは毎回できがいい。本作も、最後にぶち切れたイェーガーが銃を振りかざしてブランドンに向かっていって無残な死を迎えたりするような結末にはせず、よくあるパターンだが自供を録音されて堕ちるという抑制の効いた終わり方になっていて、好感が持てる。また、世界各地を舞台にしている点も見所で、1作目の南米のジャングル、2作目は東欧の市街地、3作目はアジアで4作目はアフリカ。景観を見せるだけではなく、各地の政情も織り交ぜ、ただのアクション作品というだけではない品がある。「午後のロードショー」は嫌いな番組だったが、少し見直した。ただ、エピローグを迎える辺りで番宣を画面下部にどんと出すのは相変わらずだった。字が邪魔というより、もうこの後には何も起きないのか、と気づいてしまうのが興ざめなんだが、テレビ東京の映画を愛する関係者の方、やめてくれないもんかねぇ。

【5段階評価】4

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2020年8月12日 (水)

(2142) 山猫は眠らない3 決別の照準

【監督】P・J・ピース
【出演】トム・ベレンジャー、バイロン・マン、ジョン・ドーマン、ジーネッタ・アーネット
【制作】2004年、アメリカ

米軍の狙撃兵が、命の恩人である戦友の暗殺に挑む。「山猫は眠らない2 狙撃手の掟」の続編。

米軍のベテラン狙撃兵、トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)は、ベトナム戦争で亡くなった戦友、ポール・フィネガン(ジョン・ドーマン)の息子の結婚式に招かれる。未亡人のシドニー(ジーネッタ・アーネット)とは互いを意識しつつも、距離を縮められずにいた。そんなトーマスに、NSAのエイブリー副長官(デニス・アーント)から、ベトナムでテロに加担しているフィネガン暗殺の極秘指令が下る。フィネガンは生きていたのだ。ベケットは悩みつつも承諾し、ベトナムに渡る。現地の連絡員は、表向きはベトナムの警察官として働いているクアン(バイロン・マン)。二人は協力してフィネガンの暗殺を計画。ベケットは建物の屋上から狙撃を実行するが、弾は外れてしまう。すると何者かがベケットを銃撃。ベケットは何とか返り討ちにするが、現地警察に逮捕されてしまう。投獄されたベケットはフィネガンと再会する。彼は悪の道に染まっていた。ベケットは移送されることになるが、警察署が爆破され、ベケットは脱出する。ベケットはクアンを呼び出し、フィネガンが潜伏していると思われる地下壕に向かう。フィネガンは10代の若者を大勢率いた地下帝国を築いていた。足を滑らせたクアンがフィネガンの手下に捕まってしまう。クアンは若者に銃を突きつけられ、フィネガンはクアンを盾にして銃を向けるベケットから身を隠す。フィネガンは、ベトナム戦争時代、エイブリー、そして次期大統領候補のジョン・ゲイリー上院議員とともにドラッグと人間狩りに溺れ、9人を殺害し、同行していたAPカメラマンを口封じのために殺したことを告白。エイブリーとゲイリーは、フィネガンとベケットを二人とも亡き者にしようと画策していたのだ。ベケットは、クアンに銃を向けている若者の手の甲を撃つ。若者の手は反動でクアンから逸れ、背後にいるフィネガンの脳天に向けて引き金を撃ってしまう。フィネガンは即死。若者達は、自分たちを支配するコブラを倒したマングースだとベケットを崇める。ベケットは無事にその場を去り、米軍ヘリに救出されるのだった。

本作も、現地民は現地語でやりとりし、リアリティを追求しながら、ちょっとしたどんでん返しを交えたストーリーに、派手すぎず地味すぎずの展開が心地よい。クライマックスでのフィネガンの仕留め方や、緊迫した場面でのフィネガンの独白はいかにも映画的ではあるが、実際、映画なんだから仕方がない。「山猫は眠らない」。評価4をつけるには至っていないが、結構面白いシリーズだ。

【5段階評価】3

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2020年8月11日 (火)

(2141) 山猫は眠らない2 狙撃手の掟

【監督】クレイグ・R・バクスレー
【出演】トム・ベレンジャー、ボキーム・ウッドバイン、エリカ・マロジャーン、タマス・プスカ
【制作】2002年、アメリカ

退役したベテラン狙撃手の極秘任務を描いたアクション作品。「山猫は眠らない」の続編。

退役した元米軍狙撃兵のトーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)は、バルカン半島でイスラム教徒を殺害して民族浄化を企むバルストリア将軍の暗殺を依頼される。ベケットは元の階級に戻してもらうことを条件に任務を引き受ける。彼は腕のいい観測手を求め、選ばれたのは死刑囚の元狙撃手、ジェイク・コール(ボキーム・ウッドバイン)だった。二人は現地に飛び、協力者のソフィア(エリカ・マロジャーン)からターゲットの写真と武器を入手。二人は無事に任務を終え、追っ手から逃げるが、なぜかコールはベケットの指示を無視して敵軍に捕らわれてしまう。ベケットはソフィアのもとに戻り、コールの救出に向かう。拷問を受けていたコールは別の施設に移送されることになるが、ソフィアは二人の兄弟とベケットとともに護送車を襲い、コールを救出。コールはなぜか、パベル(タマス・プスカ)という囚人を連れてくる。ベケットは驚くが、実は重要な極秘任務を負っているのはコールの方で、ベケットの暗殺任務はその前座だった。コールはわざと軍に捕らえられ、パベルを連れて亡命させようとしていたのだった。ベケットはコールと協力してパベルを救出するため、ヘリコプターとの合流地点に向かう。そこには敵軍はスナイパーが待ち伏せしており、コールはパベルを守ろうとして胸を撃たれてしまう。ベケットはスナイパーを返り討ちにし、コールとパベルとともにヘリに乗り込むが、コールは「自由だ」と言い残して息を引き取るのだった。

前作のジャングル戦に対して、本作は市街戦が中心。爆破シーンなど派手な演出があるが、敵の弾の当たらないスーパーヒーローが雑魚をじゃんじゃんやっつけるという痛快おバカアクションではなく、ストーリーのひねりもあって、なかなか面白かった。現地人は現地語でやりとりするなど、リアリティを追求している点もよかった。
一方、クライマックスでコールが撃たれる必然性の薄さと、ベケットが結局どういう作戦で敵スナイパーを倒したのかがよくわからなかった点は残念。

【5段階評価】3

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2020年8月10日 (月)

(2140) 山猫は眠らない

【監督】ルイス・ロッサ
【出演】トム・ベレンジャー、ビリー・ゼイン、フレデリック・ミラグリオッタ、ケン・ラドリー
【制作】1993年、アメリカ

米軍のベテラン狙撃兵と若いエリート兵士の極秘任務を描いたアクション映画。

ジャングルを知り尽くした米軍のベテラン狙撃兵、トーマス・ベケット特務曹長は、戦地で相棒のパピッチ伍長(エイデン・ヤング)を失う。ベケットは新たな仲間として、エリート兵士のリチャード・ミラーと組むことになる。彼らはパナマのアルバレス将軍(フレデリック・ミラグリオッタ)の暗殺の密命を受け、ジャングルを抜けて将軍の隠れ家の大農場を目指す。パピッチを奪ったスナイパーを退け、大農場にたどり着いた二人は、二手に分かれてチャンスをうかがうが、ミラーが敵の一人に気づかれ、ベケットはやむなくその敵を倒しに向かう。ミラーはアルバレス将軍を支援する麻薬王オチョアの暗殺に成功。敵の部隊が逆襲するが、ミラーとベケットはなんとかジャングルに逃げ込む。ベケットは将軍の暗殺に戻るとミラーに告げるが、ミラーは恐怖からベケットに逆らい、彼を殺そうとする。弾の尽きたミラーは膝を突く。失意で空笑いをするミラーにベケットが歩み寄るが、そこを敵に囲まれる。ベケットはミラーを逃がして応戦するが、敵に囲まれ、捕虜となってしまう。
その夜、アルバレス将軍に取り入っているシルハーノ(ケン・ラドリー)は、ベケットの右手の人差し指にワイヤーを巻いてねじ上げ、拷問する。ミラーは農場に忍び込み、将軍をナイフで刺殺すると、残った一発の銃弾でシルハーノを仕留め、ベケットとともに農場を脱出し、ヘリに救出されるのだった。

雑魚キャラとの派手な銃撃戦や爆破シーンで盛り上げるような大味な作品ではなく、狙撃が中心なので、戦闘シーンの緊張感はそれなりのもの。銃弾が空気を切り裂く独特の映像が随所に入っていた。午後のロードショーが「山猫は眠らない」シリーズ8作目の公開に会わせて過去7作を一挙放送するので、ビンジウォッチングしてみるつもり。一部の作品はアメリカでは劇場未公開だったりするみたいだが。
ビリー・ゼインは、「タイタニック」の悪役キャル・ホックリーで有名。

【5段階評価】3

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2020年8月 9日 (日)

(2139) 潮騒

【監督】西島克己
【出演】山口百恵、三浦友和、初井言栄、中村竹弥、中川三穂子、中島久之、石坂浩二(声)
【制作】1975年、日本

三島由紀夫の小説の映画化作品。鳥羽の漁師町の若い男女の恋を描いた作品。

三重の歌島の金持ち、宮田照吉(中村竹弥)の家に美しい四女、初江(山口百恵)がやってくる。貧しい漁師の青年、久保新治(三浦友和)は、初江の水運びを偶然手伝ったことがきっかけで親しくなり、時化で漁がない日に島の人に内緒で監的哨跡で会う。それを偶然見つけた千代子(中川三穂子)は、新治を初江に取られた嫉妬心から、初江の入り婿になることを狙っている川本安夫(中島久之)に告げ口。新治と初江の噂は島中に伝わり、怒った照吉は初江の外出を禁じ、二人は会えなくなってしまう。照吉は安夫と新治を、所有する遠洋漁業船に乗せる。新治の母、とみ(初井言栄)は、新治を初江から遠ざけるための照吉の悪巧みだと考えて憤慨し、照吉の家に乗り込んで、照吉はおろか初江にまで暴言を浴びせる。
一方の新治は船で立派に活躍し、悪天候の中、切れたロープを結び直すために荒海に飛び込み、見事に船の危機を救う。照吉は、男は家柄や財産ではなく気力だ、と言って、初江の夫に新治を選ぶ。島の人達は新治と初江を祝福し、二人は漁船で海にこぎ出すのだった。

純愛作品ではあるが、監的哨跡で裸になる有名シーンはしっかり映像化されている。伝説のアイドル山口百恵が、こういう演技をしていたのか、と思うと感慨深いものがある。今回はNHK BS プレミアムでの放送だったが、二人が乳繰り合っていたと子ども達が騒ぐシーンで「お@こ」が連発され、ご丁寧に字幕にもそのまま書かれているのにはちょっと驚いた。特に「不適切な表現がありますが、製作者の意図を尊重し、オリジナルのまま放送します」的な断り書きもなかった。一周回って認める方向になっているんだろうか。
山口百恵の初々しさと三浦友和の肉体美に星4つといったところ。吉永小百合の「潮騒」よりよかった。

【5段階評価】4

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2020年8月 8日 (土)

(2138) フライト・ゲーム

【監督】ジャウム・コレット=セラ
【出演】リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ドッカリー、ネイト・パーカー、スクート・マクネイリー
【制作】2014年、アメリカ、フランス

航空機で起きる連続殺人に巻き込まれる航空保安官の活躍を描いたアクションサスペンス作品。

航空保安官のビル・マークス(リーアム・ニーソン)は乗客として国際線の飛行機に乗り込むが、彼の業務用の携帯端末に、20分以内に1億5,000万ドルを指定口座に振り込まないと乗客を殺すというメッセージが入る。ビルは隣に座っていた女性、ジェン(ジュリアン・ムーア)に協力を要請し、携帯を操作している人物を探そうとする。もう一人の保安官ジャック・ハモンド(アンソン・マウント)が怪しげな動きでトイレに入ろうとしたため、ビルがトイレに押し入ると、ジャックはビルに銃を向けてくる。ビルはジャックと格闘の末、首を折って彼を殺害する。ジャックの荷物から覚醒剤が見つかる。続いてパイロットが毒殺される。ビルは、ビジネス客の一人、ザック・ホワイト(ネイト・パーカー)が、メールの送信端末にウィルスを送り込むことでメールを受信したときにマナーモードが解除され音を鳴らすことができるという話を聞き、彼にその作業を依頼。音が鳴った携帯を持っていた男を問い詰めるが、男は自分の持ち物ではないと主張すると、突如苦しみだし、パイロットと同じように泡を吹いて死んでしまう。
機内に流れるニュースでは、ビルが元警官だったが精神的な疾患で退職しており、ハイジャックをしているということが報道され、乗客に不安が広がる。ジャックの覚醒剤のパックには爆弾が仕込まれていた。ビルは、飛行機の高度を8,000フィートまで下げ、飛行機の後部で爆発を起こして被害を最小限に抑える手段に出る。ビルは、乗客の一人が機内を撮影した動画から、ビルが怪しいとにらんで拘束したトム・ボーウェン(スクート・マクネイリー)が、機内を移動する際、三人目の被害者の胸元にビルにメッセージを送った携帯を偲ばせていることを発見。と同時に、トムが乗客の一人に銃を突きつけて正体を現す。彼は、過去のハイジャック事故で父親を亡くしており、アメリカの航空保安の甘さを世の中に知らしめるため、この事件を起こしていた。ザック・ホワイトは共犯者だったが、トムが自らの死を覚悟していたのに対して、ザックはそうではなかったため、トムは生き残るために時限爆弾を解除しようとしたザックを銃で撃つ。ビルは急降下を始めた航空機の混乱の中でトムを射殺。副操縦士はバック段によって後部が吹き飛んだ機体を何とか着陸させ、事件は無事に解決するのだった。

推理ドラマの様相を示しつつ、犯人は誰でもあり得るという、アクション主体の内容。主人公が絶望的な状況に追い込まれながらも、乗客は基本的に協力的だったり、飛行機のシーンもCG感が見え見えで、主人公に気づかれないようにメールを打ったからくり、片腕を主人公に拘束された状態のトムがどうやって他の乗客の内ポケットに携帯を忍ばせたかの説明に納得感がなく、盛り上がりとしては今ひとつだった。同じジャウム・コレット=セラ監督、リーアム・ニーソン主演のコンビの「トレイン・ミッション」も、魅力的で壮大な謎を提示しておきながら、謎解きが大味で今ひとつだったのだが、本作はそれよりはましではあったものの、概して似た印象の作品だった。

【5段階評価】3

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2020年8月 7日 (金)

(2137) トリプルX

【監督】ロブ・コーエン
【出演】ビン・ディーゼル、サミュエル・L・ジャクソン、アーシア・アルジェント、マートン・チョーカシュ
【制作】2002年、アメリカ

世界を生物兵器で混乱に陥れようとする悪党と戦う男の活躍を描いたアクション作品。

Xスポーツの達人、ザンダー・ケイジ(ビン・ディーゼル)は、運動能力を買われてアメリカNSA(国家安全保障局)のギボンズ(サミュエル・L・ジャクソン)に雇われ、スパイとしてプラハに拠点を構えるヨーギのもとに送り込まれる。ヨーギはロシアの科学者に生物兵器を製造させ、世界を混乱に陥れようとしていた。ヨーギと行動を共にする美女イレーナ(アーシア・アルジェント)はロシアの潜入捜査員で、ザンダーに協力。ザンダーは正体がばれ、殺されそうになったところにNSAの部隊が突入。ザンダーはヨーギを倒すと、生物兵器を積んだ小型ソーラー潜水艦に飛び移って兵器を無力化。正式にNSAのエージェントとなるのだった。

いかにもアクション映画という、現実味も脈絡もない派手さだけを追及した娯楽作品。雪山での疾走やクラシックスポーツカーと平気のギミックの組み合わせなど、007シリーズを彷彿とさせる部分があるが、なだれのシーンはいかにもCGだし、潜水艦にパラセーリングで飛び移るシーンも、ほかにいくらでもやりようがあるだろうというバカバカしさ。同じロブ・コーエン監督作品でも「ワイルド・ストーム」はけっこう面白かったが、本作は有名どころが出演している割に、バカバカしさの方がアクションシーンの面白さを上回っていた。

【5段階評価】3

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2020年8月 6日 (木)

(2136) 情婦

【監督】ビリー・ワイルダー
【出演】チャールズ・ロートン、マレーネ・ディートリッヒ、タイロン・パワー、ジョン・ウィリアムス
【制作】1958年、アメリカ

アガサ・クリスティの小説が原作の法廷サスペンス。

退院したばかりの老弁護士、ウィルフレッド・ロバーツ(チャールズ・ロートン)のもとに、レナード・ボール(タイロン・パワー)の弁護の依頼が来る。彼は偶然の出会いから親しくなった未亡人フレンチを殺害した容疑をかけられており、逮捕される。フレンチ夫人は彼に遺産を残すよう遺書を書き換えていた。レナードは無実を主張し、妻が自分のアリバイを証明してくれるとウィルフレッドに説明。ウィルフレッドは彼の弁護を決める。そこにウィルフレッドの妻クリスティーネ(マレーネ・ディートリッヒ)が現れ、彼女はドイツでレナードと結婚したが、それは生活のためで自分には別に夫がおり、レナードを愛してはいない、とウィルフレッドに説明。しかしアリバイは証言するつもりだ、と言って事務所を去る。ウィルフレッドはクリスティーネの意図を図りかねるが、彼女を証言台に上げないことを決意する。
ところが検察側はクリスティーネを証言台に立てる。すると彼女は、レナードは袖に血が付いた状態で帰宅し、女を殺したと言ってアリバイ偽装を自分に依頼したのだ、と証言する。ウィルフレッドは、これまで嘘を重ねてきた人間に質問しても意味がない、と言い捨てるが、レナードは厳しい状況に置かれる。事務所に戻ったウィルフレッドに、謎の女から電話が入り、レナードに有利な証拠があると言ってウィルフレッドを駅に呼び出す。女は名乗らず、クリスティーネが書いたという手紙をウィルフレッドに売りつける。それはクリスティーネがマックスという男に宛てた手紙で、マックスと一緒になるためにレナードを陥れるために偽証するつもりであることが書かれていた。ウィルフレッドはそれを証言台のクリスティーネに突きつける。クリスティーネはウィルフレッドを口汚く罵るが、手紙は自分が書いたことを白状する。レナードは無罪となる。ウィルフレッドはすっきりしないものを感じる。
裁判は終わり、クリスティーネは法廷の外で傍聴人らに嘘つき女呼ばわりされて混乱が起きたため、係員により法廷内に連れ戻される。法廷に残っていたウィルフレッドは、クリスティーネに偽証罪の罪の重さを説明しようとするが、クリスティーネは意に介さない。彼女は本当にレナードを愛しており、彼のために偽証をしたのだった。しかもレナードはフレンチ夫人殺しの真犯人だった。クリスティーネが妻のままレナードのアリバイを証明しようとしても証拠とならないため、彼女は別の夫がいてレナードの妻ではないという立場に立ち、あえてレナードが犯人だという証言をする。そして自らが謎の女に変装してウィルフレッドに自分の書いた手紙を渡し、自分の証言の偽装を暴かせてレナードの無実を勝ち取るという作戦をとっていたのだった。驚愕するウィルフレッドのもとにレナードが現れ、クリスティーネはレナードに抱きつく。しかしレナードには別の若い恋人がいた。クリスティーネは裏切られたのだ。クリスティーネは絶望し、法廷に残っていたナイフでレナードを刺す。レナードは倒れ、クリスティーネは連れ去られる。ウィルフレッドは、クリスティーネを弁護することを決意するのだった。

古い映画なので見るのを若干ためらったが、法廷ものは好きなので観ることにした。素晴らしい法廷サスペンスの一級品だった。古さなど全く関係がない。冒頭のウィルフレッドと看護師プリムソル(エルザ・ランチェスター)との小気味よいやりとりに始まり、テンポよく話が進展。無駄のない人物描写のあと、法廷のやりとりもウィルフレッドが長々としゃべらず、核心を突いた質問を決めて座る姿が気持ちいい。一方で体が悪く医者に止められているのに葉巻や酒をやめないので観客は彼の病状が悪化しないかとヒヤヒヤしながら法廷を見守ることになる。画面に釘付けだ。そしてクライマックスの見事などんでん返し。序盤のクリスティーネの謎の行動。謎の女がどうやってクリスティーネの手紙を持っていたのかのからくり。レナードが妻はいい女優なんだと自慢するシーン。全ての伏線が回収されて謎がスパッと解け、アガサ・クリスティの作品で感じられるカタルシスを存分に味わえる。そして最後にこれまでウィルフレッドに酒もたばこも重労働も駄目と厳しく接していたプリムソルがウィルフレッドの弁護士活動を応援する側に回り、ウィルフレッドが中味をすり替えたココアのボトルを持って「先生ブランデーをお忘れですよ」と話しかけるシーンも、ウィットに富んでいた。
ただ、モノクルの光を反射させて相手の顔に当てて嘘をついていないか確かめるシーンは、結局「見抜けてないんじゃん」という落ちなので、もう少しいい方法がなかったのかな、というのと、ドイツで結婚していたという文書をどうやって作ったのか、本当なのか嘘なのか、嘘だとしたらどうやって偽造したのかはよく分からなかった。とは言え、「好きな古い映画は」と言われたら真っ先に挙げるのでは、と思えるほどの名作だった。

【5段階評価】5

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2020年8月 5日 (水)

(2135) 伊豆の踊子

【監督】西川克己
【出演】山口百恵、三浦友和、中山仁、一の宮あつ子、佐藤友美、石川さゆり、浦辺粂子
【制作】1974年、日本

川端康成の小説の映画化作品。書生と踊り子の叶わぬ恋を描いている。

書生の川島(三浦友和)は下田に向かう道中、旅芸人と遭遇。その中にいる若い踊り子、かおる(山口百恵)を見初める。川島は旅芸人と道中をともにし、無邪気なかおるに好意を持つようになる。かおるも川島に憧れの感情を抱くようになり、下田で川島に活動に連れて行ってもらう約束をするが、一座を仕切るのぶ(一の宮あつ子)は身分の違う二人がともになることはできないと考え、お座敷の仕事を入れてしまう。かおるは活動に行けなくなり、川島は翌日に東京に発つことを告げる。翌日、見送りに来たかおるは船上の川島に手を振り、それに気づいた川島は涙を浮かべながらかおるに「おーい」と叫び続けるのだった。

のちに夫婦となる三浦友和と山口百恵の初共演作品。当時15歳の山口百恵の初々しさと、22歳で超美男子の三浦友和をただただ愛でるのが、正しい鑑賞方法だろう。90分弱と比較的短めなので、原作の内容を知りたい人にもお勧め。

【5段階評価】3

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2020年8月 4日 (火)

(2134) 暁に祈れ

【監督】ジャン=ステファーヌ・ソベール
【出演】ビリー・ムーア、ポンチャノック・マーブグラン、パンヤ・イムアンパイ、ビリー・ムーア
【制作】2017年、アメリカ、イギリス、フランス、中国

麻薬漬けになって刑務所入りしたボクサーが復活する過程を描いた実話に基づく作品。

イギリス人のボクサー、ビリー・ムーア(ジョー・コール)はタイで成り上がろうとするが試合ではぱっとせず、麻薬に浸った生活を送り、警察に逮捕されてしまう。タイ語も分からないまま、彼はタイの刑務所に送り込まれる。刑務所の大部屋では新人のリンチやレイプがはびこり、所内では自殺や殺人が起きたり、看守は鎮静剤を求めると当然のように賄賂を要求するなど地獄のような環境。ビリーは看守の一人に、麻薬と引き換えにイスラム教徒を殴るよう命令され、堕落していく。しかしビリーは所内にボクシングのトレーニング施設があることを知り、購買係をしているレディボーイ(トランスジェンダーの男性)のフェイム(ポンチャノック・マーブグラン)からたばこを融通してもらい、コーチに賄賂として渡してボクシングを始める。紆余曲折がありながらも腕を上げ、プリーチャー所長(ビタヤ・パンスリンガム)から対外試合の選手に指名される。ところが麻薬と酒と体への負担からビリーの体はぼろぼろになっており、ビリーはトイレで血を吐く。これ以上攻撃を受けたら命はないと医者に宣告されるが、囚人のボス、ゲン(パンヤ・イムアンパイ)から借金返済のため試合に出るよう脅され、ビリーは試合に臨む。
対戦は一進一退だったが、ビリーの肘打ちが相手にヒットし、ノックアウト勝ち。勝者となるビリーだったが、その場で血を吐いて倒れ、病院に担ぎ込まれる。目が覚めたビリーは、看護師に付き添われてトイレに行くが、トイレを出ると看護師はいない。足に鎖は付けられていたが病院のパジャマで見えないため、ビリーはそのまま病院を抜け出てしまう。街をさまようビリーは廃線のレールの上にたたずみ、病院に戻る。脱走の道ではなく、刑期を終える道を選んだのだった。ビリーは2010年に出所し、麻薬を立つ努力を続けるのだった。

オープニングは、試合直前のボクシング選手が入念なマッサージを受けるシーン。いかにも映画らしい映像。続く試合のシーンは、どうやって撮影しているのかと思うぐらい、選手の目線と俯瞰の目線が入れ替わり、選手の生々しい息づかいが耳元で聞こえるような迫力。この選手が、麻薬を吸っているところを警察に踏み込まれ、刑務所に送り込まれる。男の名前も国籍も説明がない。刑務所で名を聞かれて答えるシーンで、ようやく主人公の名前が分かる。映画には説明のためのシーンが避けがたくあり、そこが事件が起きる前の推理小説にも似た退屈さがあるのだが、本作にそれはない。ナレーションもなく、状況だけを描くという手法が、作品に圧倒的なリアリティを与えている。説明不足で話が進むのもまた、退屈さの原因になりがちだが、本作は映像のリアリティがそれを補ってあまりある。その後も、実際の刑務所を使い、元囚人を囚人役に当てて刑務所の状況を描写しているらしく、過酷な刑務所の状況をリアリティたっぷりに描いている。
恥ずかしながら本作が日本で公開されていることを知らなかったが、この名作を放映したSTAR CHANNEL 1に感謝したい。
ちなみにラストシーンで面会に現れるビリー・ムーアの父親は、ビリー・ムーア本人が演じていた。

【5段階評価】5

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