2022年8月11日 (木)

(2392) 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編

【監督】外崎春雄
【出演】花江夏樹(声)、鬼頭明里(声)、日野聡(声)、下野紘(声)、松岡禎丞(声)、平川大輔(声)
【制作】2020年、日本

吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)の漫画「鬼滅の刃」の劇場版。汽車の中で鬼と戦う若者達を描いた作品。

鬼を倒す役目を担う鬼殺隊の竈門炭治郎(花江夏樹)、吾妻善逸(下野紘)、嘴平伊之助(松岡禎丞)は、無限列車という汽車に乗り込む。そこで、鬼殺隊の中でも別格の強さを誇る柱の一人、煉獄杏寿郎(日野聡)と合流する。汽車には、魘夢(えんむ)(平川大輔)という鬼が乗り込んでおり、炭治郎らを眠らせ、人格を破壊しようとする。炭治郎は強い意志の力で夢の中で自害し、自らを目覚めさせる。杏寿郎と善逸、禰󠄀豆子(鬼頭明里)が列車の乗客を守り、炭治郎と伊之助が魘夢に挑み、魘夢を倒す。そこに、鬼の中でもひときわ強い存在の一人、上弦の参・猗窩座(あかざ)(石田彰)が現れ、杏寿郎を鬼の世界に誘う。杏寿郎はそれをきっぱりと断り、猗窩座と対決。杏寿郎は猗窩座も驚くほどの力で猗窩座を追い詰めるが、猗窩座にみぞおちを貫かれ、猗窩座に逃げられる。杏寿郎は今際の際に、炭治郎に言葉をかけると、息を引き取るのだった。

コロナ禍の日本で大ヒットした作品。感動するとの前評判を聞いていたので、期待していたが、正直、それほどでもなかった。夢の形で登場人物の生い立ちが描かれる辺りは巧みだが、猗窩座の登場が唐突で、杏寿郎と一騎打ちをする展開に、物語の流れの中での必然性を感じられなかった。

【5段階評価】3

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2022年7月19日 (火)

(2391) 駅 STATION

【監督】降旗康男
【出演】高倉健、倍賞千恵子、いしだあゆみ、烏丸せつこ、宇崎竜童、根津甚八、大滝秀治
【制作】1981年、日本

北海道の警察官の人生を描いた人間ドラマ。北海道を舞台にした高倉健主演映画の代表作の一つ。

射撃のオリンピック選手である警察官、三上英次(高倉健)は、妻の直子(いしだあゆみ)と離婚。赤いミニスカートの女性を狙う連続殺人犯を警察が追う中、三上はオリンピックに集中するよう上から指示され、思い悩んでいた。そんな中、検問中に先輩警官の相馬(大滝秀治)が犯人に打ち殺されてしまう。警察は容疑者の妹、すず子(烏丸せつこ)に事情聴取。すず子は白を切るが、すず子の恋人、雪夫(宇崎竜童)は三上に接近し、すず子は兄のことを知っていると告げ、すず子を連れて兄との面会場面に警察を連れていく。三上らは、すず子に会いに来た兄、吉松五郎(根津甚八)を逮捕する。
三上は、地元の増毛で、一人手で小料理屋を営む桐子(倍賞千恵子)と知り合う。二人はすぐに意気投合し、紅白歌合戦で八代亜紀の舟唄を聞きながら、年末年始を共に過ごす。しかし桐子には男がいた。その男こそ、先輩の相馬を殺した連続殺人犯、森岡(室田日出男)だった。三上は桐子の家を訪ね、森岡を発見。三上に銃を向けようとする森岡に三上が反撃。森岡は命を落とす。三上と桐子は分かれる道を選ぶのだった。

一人の警察官を通じて、男女の様々な関係を描く。高倉健らしい、無口で生真面目な男が主人公だが、群像劇のように複数の人物の人生が描かれている。強烈なメッセージ性というより、自分に似た境遇を見つけた人がそれに共感できるかどうか、という作品だった。

【5段階評価】3

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2022年7月10日 (日)

(2390) ドリフト

【監督】ツイ・ハーク
【出演】ニコラス・ツェー、ウー・バイ、キャンディ・ロー、アンソニー・ウォン
【制作】2000年、香港

バーテンダーのタイラー(ニコラス・ツェー)は、店に来た勝気な女性、ウォン(キャシー・チュイ)と一夜をともにする。出会って9か月後、偶然再会した彼女が妊娠していることを知ったタイラーは、自分が妊娠させたと思い込み、彼女に渡す養育費を稼ぐため、アンクル・ジー(アンソニー・ウォン)の経営する護衛会社に入る。彼は資産家ホン氏のパーティの警護にあたることになる。一方、南米の暗殺組織エンゼルに所属していたジャック(ウー・バイ)は、足を洗い、身重の妻ジョー(キャンディ・ロー)と暮らすため、香港に戻る。ジョーの父親は、タイラーが警護するホン氏。ジョーはホン氏のパーティにジャックと出席。ジャックはパーティ会場で、給仕に扮したヒットマンを見つけ、警備のタイラーに知らせる。タイラーはホン氏暗殺を未然に防ぎ、それが縁でジャック夫婦と知り合いになる。
エンゼルのボス、パブロは、ジャックを呼び寄せ、再び仲間となるよう命じるが、ジャックはそれに逆らい、駐車場でパブロを暗殺。トランクに詰められた大金を奪うと、それを九龍駅のコインロッカーに預けて、そのキーをジョーに渡し、ジョーの安全を確保するため、ホン氏の邸宅に送り込む。
エンゼルと組んでいたアンクル・ジーは、ジャックを取り逃したタイラーを疑うが、彼の言葉を信じ、真相を追うことを認める。エンゼルは、ジャックの家を張る。そこに真相を知ろうとしたタイラーが現れ、エンゼルの一味がタイラーを殺害しようとしたため、様子をうかがっていたジャックはそれを妨害。タイラーとジャックはそれぞれ、エンゼルと必死の攻防を繰り返し、何とかエンゼルの攻撃を退ける。
タクシーに乗ってその現場を見ていたジョーは、そのまま九龍駅に向かう。彼女を見つけたタイラーは、タクシーを強奪してそれを追い、駅のロッカーから金を取り出すジョーを発見。そこにエンゼル一味とジャックがやってくる。タイラーは、破水してしまったジョーを守りながら敵から逃れ、建物の一室でジョーの出産を手助けする。ジャックはエンゼルの一味を一人一人仕留め、子を産み終えたジョーと合流し、抱き合う。事件から解放されたタイラーは、病院で、出産を終えたウォンと再会するのだった。

ラブコメのようなオープニングから、ガンアクションへと展開するのだが、物語がけっこうわかりづらい。最初のシーンも、タイラーが警官なのか、ウォンが警官なのか、どっちもおとり捜査官なのか、よくわからないし、実際はウォンが警官なのだが、そのことは物語と全く関係ないので、どうでもいいのだった。その後のエンゼルとジャックの攻防戦も、カット割りが不連続で、何がどうなっているのかつながりがよくわからない。立体駐車場や高層アパートで危険なパルクールアクションが行われていて、それ自体は見ごたえがあるのだが、誰が攻撃して誰が防御しているのか、誰がどの車に乗っているのか、といったあたりが「一回見ればわかるでしょ」的な不親切なつくりになっているので、観客は「これは味方を攻撃しちゃってるんだよな」とか、半分想像しながら観なくちゃいけない。パブロの暗殺も、誰が死んだのか、本当に撃ったのか血糊をぶつけただけの狂言なのか、よくわからないとか、何かと描写が説明不足だった。

【5段階評価】3

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2022年7月 3日 (日)

(2389) 蟬しぐれ

【監督】黒土三男
【出演】市川染五郎、木村佳乃、石田卓也、佐津川愛美、緒形拳、原田美枝子、ふかわりょう、今田耕司
【制作】2005年、日本

藤沢周平の小説が原作の時代劇。時代の波に翻弄される幼なじみの男女の運命を描いた作品。

下級武士、牧助左衛門(緒形拳)の息子、文四郎(石田卓也)は、武芸に秀でた若者。幼なじみのふく(佐津川愛美)は文四郎に淡い恋心を抱いていた。ある日、助左衛門が突然、捕らえられてしまう。お家騒動で敗れた側に仕えていたというのが理由で、助左衛門には何もやましいことはなかったが、助左衛門は文四郎に武芸に励めと言い残し、処刑されてしまう。文四郎は助左衛門の遺体を乗せた荷車を一人で引き、家へ引き返す。悲しみに打ちひしがれた文四郎を支えたのが、ふくだった。しかしふくは、江戸の殿様の側室入りが決まる。ふくは文四郎の家を訪ねるが、文四郎は不在。ふくは文四郎に会えないまま、江戸に発つ。
青年となった文四郎(市川染五郎)は武芸の腕を上げ、家老の里村左内(加藤武)のはからいで、咎人の息子という立場から役目を持つ立場に回復する。文四郎は幼なじみの小和田逸平(ふかわりょう)や島崎与之助(今田耕司)と再会。文四郎は与之助から、ふくが殿の子をはらんだが跡目争いに巻き込まれて流産させられたという話を聞く。再び身ごもったふくは、今は密かに地元に戻り、子を産んだという。文四郎は、里村左内から、身分回復という便宜を図ったことを種に、ふくの子をさらってこいと脅される。それは明らかに左内の罠だった。文四郎に恩義を着せたのは、捨て駒として利用するための伏線だった。文四郎は逸平らに相談し、ふくの子をさらってふくともども逃走するという計画を立てる。文四郎はふくの住む屋敷を訪ね、美しくなったふく(木村佳乃)と再会。文四郎はふくと家臣に自分の作戦を告げる。そこに左内の手の者が現れ、文四郎らを捕らえようとする。文四郎は大勢の敵を相手に逸平と奮闘。ライバルだった剣豪、犬飼兵馬(緒方幹太)をも倒し、ふくを逃がすことに成功する。
時が経ち、文四郎はふくからの手紙で呼ばれ、彼女と再会。ふくは出家することを告げ、江戸に発つ日、文四郎の家に行って文四郎の嫁にしてほしいと頼みに言ったが、文四郎の母親(原田美枝子)に断られたことを告白。自分の子が文四郎の子である道はなかったのか、と問い、文四郎は、それができなかったのが生涯の悔いだと返す。しかし二人は結ばれることなく、別の道を進むのだった。

チャンバラ主体の派手な時代劇ではなく、人間ドラマに焦点が当てられている。幼なじみが結ばれないという運命を描き、切ない作品だが、幼なじみというのは、実際は狭い人間関係の中で身近にいる存在というだけであって、そこで芽生えた恋心が最終的に結ばれるべきものであるかというと、そうではないのが普通では、と思えるので、本作の文四郎とふみが、本当にお互いに相手が運命の人だったのだということを観客に伝えるには、蛇の毒を吸ったとか、荷車を押したぐらいではない、運命的な描写が必要だと思った。
また、石田卓也演じる少年時代の文四郎が、少年というよりそこそこ成長した青年なので、それが大人になって市川染五郎になりましたというのが最初は理解できず、別人かと思ってしまった。ふくも、佐津川愛美が演じるのは素朴な田舎娘で、それが江戸に行って木村佳乃の演じる見目麗しい女性に成長しているのだが、こちらはしっかりと「今から大人になったふくが登場します」という振りがしっかりあったので分かりやすかったし、江戸で身分が代わり、男も知ってすっかり垢抜け、今だ独り身で幼なじみとつるんでいる文四郎とは住む世界の違う、高嶺の花の存在になったたという演出はありだった。
もう一つ残念だったのは、ライバル剣豪、犬飼兵馬のくだりの必要性のなさ。そもそも兵馬との関係性や、兵馬の人間性の描写が少なく、文四郎の生涯のライバルという感じもなければ、極悪非道の憎き相手という感じもない。なので、何でふくの屋敷で一対一で戦い、そんでもって一太刀で倒せちゃうの、というのが疑問だし、感動が沸かない。例えば、兵馬と文四郎がふくを取り合う仲だったとかの確執があるならまだしも、そういった形でメインストーリーに絡むこともないので、単にとってつけただけのシーンになってしまっていた。

【5段階評価】3

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2022年7月 2日 (土)

(2388) ノーゲーム・ノーライフ ゼロ

【監督】いしづかあつこ
【出演】松岡禎丞(声)、茅野愛衣(声)、日笠陽子(声)、田村ゆかり(声)、釘宮理恵(声)
【制作】2017年、日本

榎宮祐(かみやゆう)のライトノベルが原作のアニメ作品。種族間の争いを終結させるために奮闘する青年と、ロボット少女の運命を描く。

唯一神となることを狙い、エルフやドワーフなどの種族が争いを続ける世界。そこに生きる人類の一人、リク(松岡禎丞)は、機械生命体であるエクスマキナの少女、シュヴィ(茅野愛衣)に遭遇。シュヴィはリクの心を知りたいと言い、ともに暮らすようになる。仲間を死なせたくないと強く願うリクは、集落をコローネ(日笠陽子)に任せると、シュヴィとともに誰を死なせることなく争いを終結させる旅に出る。リクはシュヴィにプロポーズし、二人は夫婦となる。リクは各種族に多種族の情報を流し、彼らの強大な力を星の一点に集結させ、それを奪い取る形で自らが唯一神となるという作戦を実行に移す。しかし、死の灰により体がボロボロになったリクに変わり、作戦に必要な装置の設置に向かったシュヴィは、天翼種のジブリール(田村ゆかり)に発見されてしまう。シュヴィはジブリールの圧倒的な攻撃力により、防戦むなしく倒されるが、その直前、かつて自らが所属していたエクスマキナのサーバに連結し、その意思を残す。
シュヴィの消滅を知ったリクは、遺志を継いで作戦を決行。しかし、唯一神となろうとした瞬間、体が消滅に向かってしまう。そこに、リクがいつも夢で戦っていたゲームの神、テト(釘宮理恵)が現れ、唯一神となる。こうして世界は、争いのない平和な世界となるのだった。

現在の「ノーゲーム・ノーライフ」の過去を語る形の作品で、原作のファンはより楽しめる作品だろう。初見の者には、各種族の特徴や世界観の描写が不十分で分かりづらい部分がある。とは言え、概略は理解できる仕上がりで、映像も美しかった。

【5段階評価】3

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2022年6月12日 (日)

(2387) ホワイトナイツ 白夜

【監督】テイラー・ハックフォード
【出演】ミハイル・バリシニコフ、グレゴリー・ハインズ、イエジー・スコリモフスキ、イザベラ・ロッセリーニ、ヘレン・ミレン
【制作】1985年、アメリカ

ソ連に身柄を拘束されたダンサーの運命を描いた作品。ライオネル・リッチーの主題歌「セイ・ユー、セイ・ミー」がアカデミー歌曲賞を受賞した。

ニコライ・ロドチェンコ(ミハイル・バリシニコフ)は、世界的に有名なダンサー。彼の乗っていた東京行きの飛行機に機器障害が発生し、ロシアの空港に不時着することになる。するとニコライは慌て出し、自分のパスポートをトイレに破り捨てる。飛行機は着陸に成功するが、着陸時の衝撃でニコライは頭を負傷する。
KGBのチャイコ大佐(イエジー・スコリモフスキ)は、部下の調査によって彼が、ロシアからアメリカに亡命したニコライであることを知る。チャイコは彼をダンサーとしてロシアにとどめるため、ロシアに亡命した元アメリカ人のタップダンサー、レイモンド(グレゴリー・ハインズ)に、ニコライにダンスの練習をさせるよう命じる。レイモンドはいやいやながらも、妻のダーリャ(イザベラ・ロッセリーニ)とともに彼との共同生活を始める。
ダンスを始めたニコライのもとに、元恋人のガリナ(ヘレン・ミレン)が現れる。彼女は、自分に黙って一人で亡命したニコライを責め、ロシアの劇場で踊ることを勧めるが、彼女の訪問はチャイコの差し金だった。しかしニコライはアメリカに戻ることを望み、監視の目をくぐってアメリカに戻ることを企てる。ガリナもニコライの本心を知り、それに協力することにする。ダンスを通じてニコライとの友情を深めたレイモンドは、新たな命を身ごもったダーリャとともにアメリカに亡命することを決める。隠しマイクによる監視を欺くため、口論を録音したテープをカセットデッキで流しながら、三人は手作りのロープを使って窓からの脱出を図る。ところが、口論の様子を怪しんだチャイコが部下とともに三人の家にやってくる。レイモンドは三人で逃げることをあきらめ、ニコライとダーリャだけを先に行かせると、自分は家に残ってチャイコを足止めさせ、二人の亡命を成功させる。
チャイコはレイモンドを車に乗せて山林の中に連れていく。射殺されることを恐れるレイモンドだったが、そこで行われたのは人質交換だった。アメリカ側に捕らえられていたロシアの要人と引き換えに、レイモンドはアメリカ側に引き渡される。そこには再会を喜ぶダーリャと、それを見守るニコライがいた。レイモンドはニコライに感謝の意を示すのだった。

オープニングは戯曲的なダンスシーン。これはなんだろう、と思って観ていると、実は劇場でのダンス公演だったことがわかる。その後、飛行機に乗っていたニコライは、ロシアに不時着するとなると突然パスポートを破り捨てる。これもなぜなんだろう、と思って観ていると、実は彼はロシアからアメリカに亡命していたことがわかる。レイモンドも、酔ってくだをまくシーンで、タップダンスしか取り柄のない若いころ、いつのまにか戦争の駒にされていたことに気づき、亡命したことが明らかになる。観客の興味を引き寄せながら物語を紡ぐ展開は巧みだった。欲を言えば、チャイコがなぜダンスに入れ込み、ニコライのロシア残留にこだわるのか、その人物像が描かれているとよかった。ダンスシーンは本格的で、ニコライ、いやミハイル・バリシニコフの超人的な身体能力は見ごたえがある。劇中に何度も登場する、いかついカセットデッキは「HITACHI」製だった。

【5段階評価】3

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2022年6月 6日 (月)

(2386) 禁断の惑星

【監督】フレッド・M・ウィルコックス
【出演】レスリー・ニールセン、ウォルター・ピジョン、アン・フランシス、ウォーレン・スティーブンス
【制作】1956年、アメリカ

地球外惑星にたどり着いた宇宙船の乗組員の運命を描いたSF作品。

超高速移動が可能となった2200年代。消息不明となった人類の救出のため、ジョン・J・アダムス船長(レスリー・ニールセン)率いる宇宙船が、惑星アルテア4に向かう。アルテア4に接近すると、モービアス言語学博士(ウォルター・ピジョン)から通信が入る。アダムスは生存者の存在に喜ぶが、博士はこちらに問題はないから引き返せと言う。アダムスはそれには従わずアルテア4に着陸。すると、ロビーと名乗るロボットが車に乗って現れ、アダムスらを博士のもとに招待する。そこには屋敷を建てて何不自由なく暮らす博士と、娘のアルタ(アン・フランシス)がいた。モービアス博士は、自分と一緒にいた乗組員は惑星に住む悪魔に殺されたと説明。博士は妻とともに惑星に残ることを主張したが、乗組員は地球に戻ることを決定。しかし、地球に戻ろうとする人々が惑星の悪魔に殺され、惑星を愛していた自分や妻は襲われなかったのだと言う。惑星には、かつてクレルという種族が高い文明を築いており、モービアス博士は、意識を実体化する装置などを紹介する。アルタは初めて父親以外の男性に出会い、やがてアダムスを愛するようになる。
そんな中、アダムスらの宇宙船に何者かが侵入して通信装置を破壊されるという事件が起き、やがて船員の一人が殺害される。アダムスらは防御を固めるが、ついに透明の巨大な怪物が現れ、宇宙船への襲撃を企てる。アダムスらはバリアと光線銃で怪物を退けたものの、複数人の乗組員が犠牲となる。怪物の正体は、モービアス博士の潜在意識が生み出したものだった。モービアス博士は、自分自身や娘が地球に連れていかれることを嫌い、無意識のうちに怪物を実体化させていたのだ。しかし怪物は博士の意識を超えて暴走を始め、博士やアダムス、アルタに襲い掛かろうとする。博士は身を挺して怪物の前に立ちはだかり、怪物は姿を消すが、博士は虫の息になる。博士は自爆装置を起動させ、アダムスはアルタを連れてアルテア4から飛び立つ。アダムスとアルタは、光に包まれて消える惑星を宇宙船から見届けるのだった。

自律歩行するロボット、電子音の背景音楽、円盤型の宇宙船など、典型的で古典的なSF作品。文明が発達し、科学技術が意識を実体化させる領域にまで達したことで、人の潜在的な否定的意識がそれを打ち消す怪物となって暴走を始めるという悲劇を描いていた。SFと言えば人類と自我を持った機械との戦いが定番だが、科学技術の力を借りながらも、本作はロボットはわき役で、人の意識に焦点を当てた作品になっている。

【5段階評価】3

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2022年5月16日 (月)

(2385) グッドモーニング, ベトナム

【監督】バリー・レビンソン
【出演】ロビン・ウィリアムズ、フォレスト・ウィテカー、トゥング・タン・トラン、チンタラ・スカパタナ
【制作】1987年、アメリカ

ベトナム戦争下のベトナムに赴任したラジオDJの経験を描いた作品。

ベトナム戦争下のアメリカ軍に、ラジオDJとしてエイドリアン・クロンナウアー(ロビン・ウィリアムズ)が着任する。彼の型破りなDJはすぐに大人気となる。彼は町で見かけた美しい少女(チンタラ・スカパタナ)を一目で気に入り、彼女が通う英語学校の教師に無理やり就く。少女の弟トゥアン(トゥング・タン・トラン)は、姉に接近しようとするエイドリアンの間に割って入るが、エイドリアンはトゥアンと仲良くなり、やがてエイドリアンは、少女トリンの一族と一緒に映画を見に行く間柄になる。
ある日、エイドリアンがいつもの店で飲み物を飲んでいると、トゥアンが現れ、姉が会いたがっているとエイドリアンを誘い出す。直後、店はテロにより爆発。二人が死亡する大事故となるが、アメリカ軍は検閲により、事件の放送を禁止。自ら事件を目の当たりにしたエイドリアンは、ディカーソン上級曹長(J・T・ウォルシュ)の制止を無視して、非公式に爆破事件が起き、非公式に死者が出た、と放送でしゃべり出す。ディカーソンは放送機器の電源を落とさせ、彼を停職させる。エイドリアンはすっかりやる気を失うが、彼をDJに戻してほしいというリスナーの声が殺到。偶然、戦地に送り込まれる兵士たちに囲まれたエイドリアンは、自分が彼らに喜ばれていることを知り、DJに復帰する。ディカーソンは、ベトコンが支配する危険な地域に、その情報を隠してエイドリアンを向かわせる。エイドリアンとエディ・ガーリック上等兵(フォレスト・ウィテカー)の乗るジープは、ベトコンの攻撃で横転。何とかベトコンの追撃を振り切った二人は、山の中をさまよう。エイドリアンが英語の授業にやってこないことを心配したトゥアンは、彼が危険地帯に向かったことを知り、一人で車を走らせ、彼を救い出す。
戻ってきたエイドリアンに、ディカーソンは名誉除隊を言い渡す。トゥアンの正体は、爆弾テロもいとわないベトコンの一派だったのだ。いつもはエイドリアンをかばってくれるテイラー少将(ノーブル・ウィリンガム)も、このときばかりは彼を守ることができなかったが、エイドリアンを危険地に向かわせるという過剰で非道な対応をしたディカーソンに、彼はグアム左遷を言い渡す。
エイドリアンはトリンから、トゥアンの居場所を強引に聞き出すと、トゥアンに「友達だと信じていたのに、敵だと言われた」と叫ぶが、トゥアンは「敵って何さ。同胞を殺しに来てる。敵はあんたらのほうだ」と言い返し、立ち去る。エイドリアンは苦々しく思いながらも、その場を去るしかなかった。
ベトナムを離れる最後の日。エイドリアンは、仲良くなった英語教室の生徒たちと楽しくソフトボールに興じる。彼らに別れを告げていると、トリンが現れる。彼女は涙を浮かべながら、彼とは住む世界が違うことと、親切にしてくれたことへの感謝を口にする。エイドリアンはトリンと握手をして別れ、空港に向かう。エイドリアンの後任DJとなったガーリックは、彼から託された録音メッセージを放送に乗せるのだった。

ベトナムの混乱の中に、強引さと金の力で介入しようとするアメリカと、トリンに近づこうと金をばらまくエイドリアンの様子が重なる。トリンは結局最後まで、エイドリアンに感謝の言葉は述べつつも、彼を心から愛することはなく、距離は縮まらなかった。これもまた、ベトナム戦争の結果を象徴する。激しい戦闘シーンはないが、戦争の虚しさを感じさせる戦争映画。公開当時22歳のチンタラ・スカパタナの清楚で魅力的な演技も見どころ。

【5段階評価】4

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2022年5月10日 (火)

(2384) 驚き! 海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!

【監督】田所勇樹
【出演】水瀬いのり(声)、さかなクン、龍田直樹(声)
【制作】2021年、日本

海を舞台にした生物ドキュメンタリー。「恐竜超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」に続く第3弾。

世界中の海を舞台に、生き物の大集結や捕食、子育てや求愛などの状況が、次々と登場。魚類はもちろん、カニやタコ、イカなどや、ペンギンなどの鳥類や、シャチや鯨などの哺乳類に至るまで、数多くの生物の映像が観られる。

個人的には、アマミホシゾラフグというフグが作る、海底のミステリーサークルのような産卵巣が印象的。ぱっと見は人工物にしか見えないが、蜘蛛の巣然り、巻き貝の模様然り、自然界は時として、このような美しい幾何学的な造形を出現させる。

【5段階評価】3

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2022年5月 9日 (月)

(2383) シュレック2

【監督】アンドリュー・アダムソン
【出演】マイク・マイヤーズ(声)、キャメロン・ディアス(声)、エディ・マーフィ(声)、アントニオ・バンデラス(声)
【制作】2004年、アメリカ

緑色のモンスターが愛する妻のために奮闘する3DCGアニメ。「シュレック」の続編。

緑色のモンスター、シュレック(マイク・マイヤーズ)は、フィオナ姫(キャメロン・ディアス)と結婚。仲睦まじく暮らしていた。二人はフィオナ姫の両親に挨拶に行くことになるが、父親のハロルド国王(ジョン・クリーズ)はシュレックの姿に驚き、もともと挨拶に気乗りしていなかったシュレックと険悪な関係に。ハロルド国王は殺し屋のネコ(アントニオ・バンデラス)にシュレック暗殺を依頼するが、シュレックは難なくネコを手懐けると、相棒のドンキー(エディ・マーフィ)を連れてフェアリー・ゴッドマザー(ジェニファー・ソーンダース)の魔法工場に潜入し、美しくなる薬を盗み出す。薬を飲んだドンキーは白馬に、シュレックはたくましい男性の姿になり、フィオナ姫のかつての美しい人間の姿に変わる。
フェアリー・ゴッドマザーは、自分の息子、チャーミング王子(ルパート・エベレット)をフィオナ姫の婿にするため、人間の姿になったシュレックを城の一室に閉じ込め、チャーミング王子にシュレックの振りをさせて二人を結ばせようとする。テレビでシュレックが捕らえられている様子を観たシュレックの仲間たちは、城からシュレックを救出。舞踏会でフィオナ姫の口づけを奪おうとするチャーミング王子のもとに駆けつけ、フェアリー・ゴッドマザーを倒す。フィオナ姫はシュレックとともに緑のもとの姿に戻る道を選び、仲間と喜び合うのだった。

シュレック」と「シュレック3」を先に観ており、ようやく本作を鑑賞。分かりやすいストーリー展開で、1作目に比べると悪趣味なパロディも控えめで(気づかなかっただけかもしれないが)、素直に楽しめた。相変わらずのアメリカ映画のゲップやオナラネタの多さも再確認できた。

【5段階評価】3

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