(677) ザ・マジックアワー

【監督】三谷幸喜
【出演】佐藤浩市、妻夫木聡、西田敏行
【制作】2008年、日本

架空の町、守加護(すかご)で繰り広げられる、三谷幸喜監督らしいドタバタコメディ。国内で脂の乗った俳優(唐沢寿明、鈴木京香、谷原章介、中井貴一など)がちょい役で出ているので豪華な感じがある。

レストランの支配人、備後(妻夫木聡)は、地元のギャングのボス、天塩(西田敏行)の情婦、高千穂マリ(深津絵里)に手を出した現場を天塩の手下に押さえられる。
伝説の殺し屋、デラ冨樫を5日以内に見つけないと命はないと言われ、落ち目の俳優、村田大樹(佐藤浩市)に殺し屋のふりをさせることにする。
備後からは映画の撮影だと聞かされた村田は、それを信じて殺し屋になりきる。それゆえの大胆不敵な行動に、天塩や側近の黒川(寺島進)もだまされ、天塩は村田を自分の組織に引き入れてしまう。
そんな天塩の組織に査察が入ることとなり、天塩は裏帳簿を知る経理係の暗殺を村田に命じる。備後は何とかそれを未然に防ぐが、ついに天塩に狂言だと感づかれてしまう。
村田は映画仲間を呼びつけ、映画の特撮技術を使って備後を救おうとする。そこに本物のデラ富樫が登場し、本人を騙る村田を消そうとするが、村田達が仕込んだ特撮トリックが炸裂。デラ富樫は腰を抜かして逃げてしまう。天塩の優しさに触れたマリは、真実の愛を見いだし、天塩とともに生きていくことを決意する。

村田が危ない男をベタに演じようとしてペーパーナイフをべろべろなめるなど、思わず吹き出してしまうシーンは楽しかった。村田が天塩に海に沈められようと脚をセメントで固められたりして、ようやく「これ、どうやら映画じゃねぇなぁ」と気付いたところでは、「今頃かよっ! 」とツッコンでしまったりして。
ただ、終盤のあたりは話の収拾がつかなくなって、とにかく終わらせました、みたいになってしまっている気はした。

【5段階評価】3

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(676) X-MEN2

【監督】ブライアン・シンガー
【出演】ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン
【制作】2003年、アメリカ

アメコミ原作映画、「X-メン」の続編。

超能力をもった突然変異種が存在する世界。大統領執務室に、とあるミュータントが入り込む事件が起き、ミュータントへの敵視が強まる。
かつて戦いをくりひろげたミュータント、エグゼビア(パトリック・スチュワート)とマグニートー(イアン・マッケラン)が手を組み、ミュータントを抹殺しようとする作戦に対抗する。

体に埋め込まれたアダマンチウム製のかぎ爪と高い治癒能力を有するウルバリン(ヒュー・ジャックマン)をはじめ、多くの特殊能力がCG映像でこれでもか、と展開する。あまりにすごくて何でもありなので、こいつら絶対死なないんじゃないの、と思っていると、最後の最後、決壊しようとするダムから脱出するため、ジーン(ファムケ・ヤンセン)が犠牲となる。
しかし、なんで死ななければならなかったのか、理解不能で、それぞれの特殊能力を使ええば脱出できたような、そもそも水をかぶったぐらいじゃ誰も死なないような、何となく、展開をドラマティックにするために、無理矢理、人気キャラを殺したような印象があった。
かつての敵が仲間となって、強大な敵に立ち向かうというドラゴンボール的な展開だが、変身能力を持つミスティーク(レベッカ・ローミン=ステイモス)のような、強力な敵が味方に付くというカタルシスはたまらない。
ウルバリンのライバルとして登場するユリコ(ケリー・ヒュー)をはじめ、美男美女ばかりが登場するのも、何とも映画的でわかりやすい。

【5段階評価】3

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(675) DOCUMENTARY of AKB48 to be continued

【監督】寒竹ゆり
【出演】AKB48
【制作】2010年、日本

秋元康プロデュースのアイドル、AKB48のドキュメンタリー。

主に主要メンバーのインタビューで構成されているので、ヒット曲を楽しめるという感じではない。しかし、彼女たちの生の声や、けっこう激しいレッスンシーンなどが描かれていて、楽しそうにテレビに出ている彼女たちも、当然のことながら、いろいろなことを考え、苦しんでいるのだな、ということが分かる。

もっとも、映画なのかなこれは、という気はしなくもない。

【5段階評価】3

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(674) 失楽園

【監督】森田芳光
【出演】役所広司、黒木瞳、寺尾聰、柴俊夫、星野知子
【制作】1997年、日本

中年男女の不倫の行く末を描いた作品。日経新聞に連載された渡辺淳一の小説が原作。

亡くなった方のことを言うのは多少気が引けるものの、森田芳光監督の作品については、「家族ゲーム」や「模倣犯」など、あまりよい印象を持っていなかったのだが、この作品はぐいぐいと引き込まれた。
テーマは不倫で、決して美的には描かれていない。自らを、そして周囲を不幸に陥れ、最後も悲劇である。ただ、こういう感情を抑えられない、というのも、なんとなく理解できる。だからこそ、誰かを不幸にせずにはおかない不倫は、しちゃいけないのだな、と思う。
主人公の久木祥一郎(役所広司)と松原凛子(黒木瞳)は、最後、局所がつながった状態のまま、毒入りワインをあおって同時に亡くなる。映画の最後は、二人の安らかな死に顔である。しかしおそらく、本当に毒で死んだら、こんな眠るような死に顔にはならない。目を血走らせた苦悶の表情を浮かべ、顔に斑紋でもできたような状態で絶命しているにちがいない。
不倫を美化していないとはいったが最後だけはきれいに収めていた。

【5段階評価】4

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(673) 梟の城

【監督】篠田正浩
【出演】中井貴一、鶴田真由、上川隆也
【制作】1999年、日本

司馬遼太郎原作歴史小説の映画化作品。

けっこうどっしりとした作風を予想していたが、どうもテレビ番組のような印象だった。
序盤で、伊賀忍者の村が織田信長によって全滅させられるというシーンがあるのだが、村人の首がはねられて画面をくるくる飛ぶところなんか、フラッシュ動画かよ、とでもいうような、笑いをとろうとしているのだろうか、というような映像。その後も、屋根伝いに飛んだり、空中で回転して着地したり、なんていうシーンが、いかにもそれとわかるCGで、動きに現実味がない。

同じ大物作家の重厚な歴史小説の映画化で、「壬生義子伝」でも、なんとなくチープな印象を受けたのだが、偶然なのか、どちらも主演が中井貴一さん。別に嫌いな俳優さんではないのだけども、妙な共通点が気になってしまった。

【5段階評価】3

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(672) ザ・インターネット

【監督】アーウィン・ウィンクラー
【出演】サンドラ・ブロック、ジェレミー・ノーザム、デニス・ミラー
【制作】1995年、アメリカ

陰謀に巻き込まれたコンピュータ・エンジニアの女性の戦いを描いた作品。

在宅勤務でコンピュータ・ソフトのデバッグをしているアンジェラ・ベネットは、知人から政府の機密情報にアクセスできるフロッピーディスク(FD)を入手。知人は謎の飛行機事故で死亡する。
予定していた海外旅行に出たアンジェラは、現地でジャック(ジェレミー・ノーザム)という若い男に出会い、親しくなるが、彼はアンジェラの持つFDを狙っていた。夜の海で彼女を殺害しようとするジャックだったが、アンジェラはワインボトルで頭を殴ってジャックを昏倒させ、そのすきにモーター付きゴムボートで脱出する。
滞在先のホテルに戻ると、すでにチェックアウトしていると言われる。パスポートをなくしたアンジェラは、大使館でビザを再発行しようとするが、自分の戸籍情報が違う名前に変更されており、戻った自宅は、中がからっぽで売りに出されていた。何者かがコンピュータに保管されている彼女の個人情報を書き換えているのだ。犯罪履歴まで付与され、警察に追われることになる。
彼女は、数少ない知人である精神科医のアラン(デニス・ミラー)に助けを求める。彼女がかつて通院し、不倫の関係に落ちた相手だ。しかし彼は途中で体調を崩し、入院先で何者かに投与すべき薬をすり替えられ、命を落とす。
ジャックはコンピュータ会社の社長とともに、セキュリティに穴のある「ゲートキーパー」という名のセキュリティシステムを政府に導入させ、政府の情報を自由に改ざんすることを狙っていた。FDはその証拠となるものだった。アンジェラはコンピュータの見本市会場に入り込むと、FBIにそのファイルをメールで送信し、彼らの野望を阻止。アンジェラはジャックに追われ、建物の屋上に逃げ込む。最後はジャックを消火器で殴りつけ、ジャックは転落死する。

モデムでネットに接続するなど、技術的には多少古めかしいが、全ての情報がコンピュータで管理された社会の危なさに触れた点は、現在にも通用するテーマである。本人になりすまして別人が会社で働くとか、ちょっと無理のある展開もあるものの、自分を証明する手段をたたれた絶望的な状態から這い上がっていくさまは、面白く描かれていた。

【5段階評価】3

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(671) インシテミル 7日間のデス・ゲーム

【監督】中田秀夫
【出演】藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、北大路欣也
【制作】2010年、日本

米澤穂信原作小説の映画化作品。邦画としては豪華な若手俳優が集められた作品と言える。

時給は11万2,000円という破格の値段に釣られた10人が、実験と称して閉ざされた施設内に入り、7日間の共同生活を送ることになる。だが、ほどなく中で殺人が起き、一人、また一人と命が奪われていく。
最初に命を落としたのは、西野宗広(石井正則)だった。何者かに銃で撃たれていた。残された9人の中に殺人犯がいると知り、みんなが疑心暗鬼となる中、大迫雄大(阿部力)は探偵役となって岩井荘助(武田真治)を犯人と決めつけ、彼を監獄に送る。次の犠牲者は渕佐和子(片平なぎさ)だった。関水美夜(石原さとみ)がネイルガンで頭を打ち抜いたのだ。
その後、棺のある部屋にいた大迫が、降下してきた天井に押しつぶされて死亡。大迫の恋人、橘若菜(平山あや)は、天井を操作するリモコンを手にしていた真木雪人(大野拓朗)を犯人だと思い込み、脳天に斧を打ち付けて殺害すると、その斧を自分の首筋に突きつけ、自殺する。
須和名祥子(綾瀬はるか)にコンビニで声を掛けられたことがきっかけで、このゲームに参加することになった結城理久彦(藤原竜也)は、渕を殺したのが美夜だと見抜くが、美夜は難病の息子の手術代を手にするために何が何でも生き残ろうとし、理久彦にネイルガンを向ける。しかし、夜は部屋を出てはいけないというルールを破ってしまったため、廊下を監視している「ガード」ロボットに銃殺されてしまう。このとき理久彦は、最初の犠牲者、西野を殺害したのも、このガードロボットであると悟る。
残されたのは、理久彦と、理性的な行動をしていた年配者、安東吉也(北大路欣也)、そして祥子となった。3人は各自の部屋に用意された凶器を手放し、ともに生き残ろうとするが、何者かがその凶器を奪い取る。
翌朝、凶器がないことに気付いた理久彦が、監獄から続く血痕をたどると、棺の部屋に胸から血を流して棺の中に横たわっている安東を発見する。驚く理久彦に背後から襲いかかったのは、安東の持っていたアイスピックを手にした岩井だった。いつの間にか監獄の扉が開き、脱出したのだった。天井を操作して大迫を殺したのは、自分を犯人だと決めつけたことを恨んだ岩井だった。彼は、逃走中の連続殺人犯だったのだ。
脚をアイスピックで刺されながらも、何とか岩井から逃走する理久彦だったが、岩井に捕まってしまう。そのとき、岩井に銃を向けたのが祥子だった。毅然とした態度で岩井に対峙する祥子だったが、岩井に銃を奪われてしまう。そして岩井が銃を撃とうとしたとき、銃が暴発し、岩井は命を落とす。
生存者が2名となった時点でゲームが終了、というルールにのっとり、理久彦は勝者として、多額の金を受け取る。もう一人の生存者は祥子だったが、なぜか金を受け取らない。不思議がる理久彦に、祥子は告げた。私はこのゲームを主催する組織の人間であることを。このゲームは全世界に有料でネット配信されており、彼女はゲームの盛り上げ役としてゲームに入り込んでいたのだ。岩井を脱出させたのも彼女だった。
施設を出て歩き出す理久彦を追ってきたのが安東だった。彼は死んだふりをして棺に横たわっていたのだ。結末のやるせなさに嫌気のさした理久彦は、大金の入ったバッグを放り投げるのだった。

推理ものとしては、そこそこ納得のいくストーリーではあったが、この「暗鬼館」の存在と、中でのルールがあまりにも非現実的すぎて、「ライアーゲーム」のような設定の漫画っぽさが鼻についてしまった。登場人物が、結局は作者にとって都合のいい記号的存在になってしまっており、パズルとしてはよくできているが、感情移入はなかなかできなかった。

【5段階評価】3

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(670) 猿ロック THE MOVIE

【監督】前田哲
【出演】市原隼人、比嘉愛未、高岡蒼甫、小西真奈美
【制作】2010年、日本

芹沢直樹原作漫画の映画化作品。

カギ屋のサルこと猿丸耶太郞(市原隼人)が、彼を頼ってきた清楚な女性、マユミ(比嘉愛未)に言われるがまま、警察の裏金作りの証拠となるUSBメモリの入ったトランクを盗む片棒を担ぐことになり、犯罪組織に負われる。
マユミを純粋に信じていたサルだったが、彼女は犯罪組織の一味だった。それでもサルは彼女を信じることをやめず、車ごと海に沈められたマユミを決死の覚悟で救い出す。
彼女は彼のもとを去るが、途上国の子ども達に文字を教えるという夢に向かって進み出す。それを知って、サルは泣いて喜ぶのだった。

市原隼人の演技力は、「虹の女神 Rainbow Song」ではいかんなく発揮されていると感じたが、本作は、あまりにもテレビドラマ的なコメディ色が強く、映画としては物足りなさがまさった。評価2にしそうになったが、一応飽きずに見られたので、評価は3。

【5段階評価】3

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(669) 007 ロシアより愛を込めて

【監督】テレンス・ヤング
【出演】ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ
【制作】1963年、イギリス

007シリーズ第2作。昔は「007 危機一発」だったらしい。

スペクターという犯罪組織が、ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)を消すため、組織の美女、タチアナ(ダニエラ・ビアンキ)を差し向ける。ボンドは罠だとは知りつつも、暗号解読器、レクターの入手のため、タチアナに接近する。
二人はレクターを入手し、夫婦を装ってオリエント急行に乗り込む。そこに、スペクターの殺し屋、グラント(ロバート・ショウ)が乗り込んでくるが、グラントは、秘密兵器のボンドのカバンを不用意に開けたために催涙ガスを浴びてしまい、ボンドに倒される。
ホテルに着いた二人を待ち受けていたのは、タチアナを送り込んだ女性士官、クレッブ(ロッテ・レーニャ)だった。彼女は靴の先に仕込んだナイフでボンドを倒そうとするが、ボンドに惹かれていたタチアナはクレッブを裏切り、彼女の落とした銃を奪って彼女を倒す。

昔のアクション映画であり、主人公はなかなか殺されないし、敵の殺害方法はいまいち緩慢だし、で、ちょっと退屈な感じだった。それをいちばん感じたのは、スペクター一味がヘリコプターでボンドを狙うシーンで、ヘリが上空からボンドに接近するが、特に何もせずにそのまま遠ざかるだけで、結局、最後はボンドが秘密兵器の銃を組み立ててヘリを撃ち落としてしまうという、何がしたいの? という攻撃の仕方だったりして、ちょっとなあという感じだった。
ただ、秘密兵器に敵がまんまと引っかかるシーンは、単純に痛快だったりはする。

【5段階評価】3

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(668) 007 カジノ・ロワイヤル

【監督】マーティン・キャンベル
【出演】ダニエル・クレイグ、エバ・グリーン、マッツ・ミケルセン
【制作】2006年、イギリス・チェコ・ドイツ・アメリカ

007シリーズ21作目。とは言っても、これまでの作品とは打って変わって、ユーモラスな描写を押さえたハードボイルドかつシリアスな作風となっている。また、007が殺しのライセンスを得るという誕生の過程を描いており、この辺りは、シリアスな作風で主人公の生誕秘話を描いた「バットマン ビギンズ」とも共通している。

2人の暗殺をこなしたジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、殺しのライセンスを意味する「00」(ダブルオー)の称号を手にする。無茶な行動をM(ジュディ・デンチ)に非難されながらも、彼はイギリス諜報機関MI6が追っていたル・シッフル(マッツ・ミケルセン)の情報を入手する。
ル・シッフルは、テロ組織の資金を、自らの天才的な数学センスで運用し、テロ組織に資金を流す大物だった。彼は航空会社の株価操作のため、鳴り物入りで導入された大型航空機の爆破テロを企むが、007に阻止され、1億ドルの損害を被る。
ル・シッフルは、モンテネグロで開かれる巨額の掛け金が動くポーカーで損失を挽回しようとするが、Mはその阻止のため、007を送り込む。007のお目付役として、財務省からベスパー・リンダ(エバ・グリーン)が派遣される。
007は、ル・シッフルのブラフをかけるときの癖を見抜くが、それを逆用され、ル・シッフルに大敗を喫する。このあたりは、福本伸行の漫画「天」か「アカギ」にも似たようなエピソードがあった気がする。
傲慢な彼のやり方に反発していたリンダは、さらなる資金投入に難色を示すが、ポーカーのテーブルをともにしていた一人が、実はCIA捜査官で、彼が残りの資金を007に託す。
007は最後の大勝負でル・シッフルに競り勝ち、ル・シッフルの最後の野望を打ち砕く。
焦ったル・シッフルは、リンダを誘拐し、それを追ってきた007を拉致すると、007を拷問に掛け、資金のある口座の暗証番号を聞き出そうとする。しかし、その場所にテロ組織のボスが登場し、資金運用に失敗したル・シッフルを粛正する。
リンダを愛するようになったボンドは、諜報員から足を洗うことを決意し、リンダとの甘い生活を送るが、リンダは、ポーカーで得た1億5,000万ドルを横領し、逃走する。彼女は、恋人をテロ組織に人質に取られていたのだった。
資金の受け渡し現場に乗り込んだ007は、テロリスト達を葬り去るが、リンダは007に対する裏切りを償うため、水中に沈みゆく鉄檻の中に自らを閉じ込め、命を絶つ。彼女を脅迫していた黒幕を突き止めた007は、復讐を遂げる。

序盤の爆弾魔のパルクールを採り入れた逃走シーンは圧巻。それを追うボンドの、決して英国紳士的な洗練されたアクションではない荒削りな行動が目を惹く。その後も、女性相手にきざなジョークを飛ばすような洒脱なシーンはなく、シリアスに物語が展開する。
終盤の、先を固く結んだ綱引きに用いるような太い縄で睾丸を打ち付けるという拷問も印象的。
ただ、クライマックスで、リンダを救おうとボンドの乗り込んだ建物が水中に沈んでいくシーンは、派手な映像を追求するあまり、必然性のよく分からない建物崩壊となってしまった感があり、ちょっと残念な気がした。

【5段階評価】4

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