(764) 名探偵コナン 沈黙の15分

【監督】静野孔文
【出演】高山みなみ(声)、山崎和佳奈(声)
【制作】2011年、日本

劇場版「名探偵コナン」シリーズ第15作。

都知事を狙った爆破テロ、ダム湖に沈んだ村の小学校の同窓生5人が関わるひき逃げ、そして子供の転落事故。これらの真犯人と動機をコナン(高山みなみ)が解き明かす。
クライマックスは犯人の仕掛けた爆弾でダムが破壊され、下流の村を飲み込もうとする濁流を食い止めるため、コナンがわざと雪崩を起こす場面。雪崩により村の被害は食い止められるが、コナンは雪崩によって生き埋めになってしまう。命が助かる救出時間の15分まで1分を切るという絶望的な状況の中、毛利蘭(山崎和佳奈)が工藤新一にかけた携帯の振動により、コナンは意識を取り戻し、ベルトからサッカーボールを発射。居場所を知らせることに成功する。

推理は比較的まともで、細かい突っ込みは置いといて、そこそこ感動もあり、けっこう面白かった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(763) ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

【監督】ダニエル・アルフレッドソン
【出演】ミカエル・ニクビスト、ノオミ・ラパス
【制作】2009年、スウェーデン・デンマーク・ドイツ

「ミレニアム」シリーズ第3作。リスベットの復讐劇を描いた作品。

自分を殺そうとした父親(ゲオルギー・ステイコフ)と同じ病院に担ぎ込まれたリスベット(ノオミ・ラパス)は、頭部からの弾丸摘出手術を終え、医師の適切な処置により、快方に向かっていた。
彼女は父親が死んでいないことを悔しがっていたが、父親は彼の関わっていた組織の老人に撃ち殺される。その老人は、リスベットも殺そうとするが、たまたま病室にいたブルムクビスト(ミカエル・ニクビスト)の妹で弁護士のアニカ(アニカ・ハリン)が扉をふさいで入れなくしたため、諦めた老人は自分の喉を撃って自殺する。
退院したリスベットはそのまま父親の殺人未遂容疑で収監される。彼女の精神鑑定を担当するのは、かつて12歳だったリスベットを偽の精神鑑定により精神病院に封じ込めていたテレポリアン(アンデシュ・アルボム・ローゼンタール)だった。彼はまたしても偽の鑑定書を作り、彼女の供述は全て妄想であるという筋書きを用意し、裁判に臨もうとしていた。
ブルムクビストは彼女の無実を明らかにするため、雑誌社の仲間と奮闘するが、闇の組織の脅しの手は彼らにも及ぶようになる。
リスベットもまた、仲間の天才ハッカー、プレイグ(トーマス・ケーラー)にテレポリアンのパソコンへの侵入を依頼。彼はついにテレポリアンの文書偽造と少女淫行の動かぬ証拠を入手し、ブルムクビストに届ける。
裁判ではビュルマン弁護士(ピーター・アンダーソン)のレイプ映像が、リスベットの証言の信憑性を裏付ける動かぬ証拠となり、裁判は圧勝。彼女を虐げていた闇の組織は一網打尽にされ、テレポリアンも逮捕される。リスベットは釈放され、密かに購入した自宅に戻る。
彼女の腹違いの兄、ニーダーマン(ミカエル・スプレイツ)は、父親の所有していた煉瓦工場に潜んでいたが、リスベットは彼を発見。彼に捕まりそうになるが、釘打ち機をニーダーマンの足に撃ち込んで動きを封じると、ニーダーマンに強い恨みを持つグループにニーダーマンの居場所を告げ、さらに警察にも通報。ニーダーマンは殺され、ニーダーマンを殺した連中も警察に逮捕される。
ブルムクビストは自由を手に入れた彼女の家を訪れ、祝福の言葉をかけると、再会を期してその場を去るのだった。

リスベットの過去の謎が明らかになり、その復讐も遂げる大団円の内容。1作目が猟奇的殺人、2作目はバイオレンスアクション、3作目は法廷サスペンスの色合いも取り入れ、変化に富んだシリーズとなっている。
もっとも、法廷に関しては、レイプ現場の映像の証拠能力が強すぎで検察側の供述が飜されるのが丸わかりなので、展開にはらはらどきどきと言うよりは、水戸黄門の印籠の登場を安心して待つような感じだが、それまでのリスベットの言われようがひどいので、胸のすく展開は快感だった。続編をにおわせるような下品な伏線がないのもよい。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(762) ミレニアム2 火と戯れる女

【監督】ダニエル・アルフレッドソン
【出演】ミカエル・ニクビスト、ノオミ・ラパス
【制作】2009年、スウェーデン・デンマーク・ドイツ

「ミレニアム」シリーズ第2作。本作ではヒロイン、リスベットの過去に焦点が当たる。

政府要人を巻き込む少女売春組織を追っていた、雑誌ミレニアムの編集者たち。臨時の編集者と、その恋人で事件を題材にした本を執筆した女性が殺される。
使われた銃は、リスベット(ノオミ・ラパス)をレイプしたビュルマン弁護士(ピーター・アンダーソン)のもので、リスベットの指紋がついていた。リスベットは、ビュルマンが自分の後見を解くという約束を守っているか確認するため、一度、ビュルマンの家に潜入しており、彼を脅すために彼の拳銃にふれていたのだった。
リスベットは無実の罪に問われることになるが、彼女の無実を信じるブルムクビスト(ミカエル・ニクビスト)は、事件の解明に挑む。
リスベットとブルムクビストは別々に行動を開始。二人はやがて事件の背後にザラ」という人物がいることを突き止める。
ザラは、かつてリスベットがガソリンをかけて火を放ったことのある彼女の実父、アレクサンデル・ザラチェンコ(ゲオルギー・ステイコフ)だった。彼はリスベットの母親を虐待し、その結果、母親は精神を患い、病院で生涯を閉じていた。父親に復讐を果たすため、彼の居宅に忍び込むリスベットだったが、用心棒的存在のニーダーマン(ミカエル・スプレイツ)に捕らえられてしまう。彼は先天的に痛覚のない特殊な格闘家だった。
ザラチェンコはニーダーマンを使ってリスベットを生き埋めにするが、銃弾を3発受けたにもかかわらず、彼女は土の中から這い出し、翌日、物音に気付いたザラチェンコに斧で渾身の一撃を食らわせる。ニーダーマンがそれに気付くが、彼女を救うためにブルムクビストが車で駆けつけたため、ニーダーマンは逃走。瀕死のザラチェンコとリスベットは病院に搬送される。

リスベットが父親に強い恨みを持つようになり、精神病院に入れられた過去の謎について語られ、本シリーズの核心に至る序章的な作品である。そのため、話としては少々中途半端ではあるが、映像の迫力は前作同様すばらしい。第3作が楽しみになるできばえであった。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(761) ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

【監督】ニールス・アルデン・オプレブ
【出演】ミカエル・ニクビスト、ノオミ・ラパス
【制作】2009年、スウェーデン・デンマーク・ドイツ

ゴシップを扱う雑誌社の記者と、優秀な調査能力と不幸な過去を持つ若い女が挑む連続殺人の謎を描いたサスペンス・スリラー。

雑誌「ミレニアム」の記者、ブルムクビスト(ミカエル・ニクビスト)は、名誉毀損の濡れ衣により、有罪となる。収監までの半年間、富豪のヘンリック(スベン・バーティル・タウベ)の依頼により、40年前に失踪した女性の行方を調査する。その女性とは、ヘンリックの弟、ゴットフリード(チャード・フランク)の娘、当時16歳のハリエット。ゴットフリードは失踪の1年前に水死していた。
一方、ブルムクビストの素行調査を依頼されていたリスベット(ノオミ・ラパス)は、彼のパソコンに侵入し、彼の追っている事件を知る。
リスベットは精神病院の退院後、後見人のビュルマン弁護士(ピーター・アンダーソン)からひどい陵辱を受けるが、現場を隠し撮りし、優位に立つ。
リスベットとブルムクビストの二人は協力して調査を進め、事件の裏に女性の猟奇的連続殺人があることを突き止める。
真犯人は、ハリエットの父親と兄だった。
リスベットは、過去の事件現場付近への宿泊時の領収書を調べ、ゴットフリードとその息子のマルティン(ペーテル・ハベル)が事件に関わっていることを確信。急いでブルムクビストのところへ戻る。しかし、真犯人を知らないブルムクビストはマルティンに捕らえられ、彼に殺されそうになる。そこに間一髪でリスベットが現れ、ブルムクビストを救う。マルティンは車で逃走するが、運転を誤り、車は横転。マルティンは動けなくなり、リスベットに助けを求める。エンジンから火が出て車は爆発寸前だったが、リスベットはそれを冷たく見下ろすだけだった。彼女の脳裏に、父親に油をかけて火を放った少女時代の記憶がよみがえる。炎上する車とマルティンの絶叫を背に、彼女はブルムクビストのもとに戻る。
ハリエット(エバ・フレーリング)は生きていた。いとこのアニタの手引きでオーストラリアに逃げていたのだった。ブルムクビストは彼女をヘンリックに引き合わせる。ハリエットは事件について語り始める。
ハリエットの父親はナチスドイツの信奉者で、ユダヤ人女性の殺害に抵抗を持たなかった。兄もまた、父親の手ほどきを受け、命乞いする女性に情けをかけず殺すことを悦びとする異常者だった。二人はハリエットにも暴行を繰り返すようになっていた。ある日、彼女は、逃げ出した自分を追ってきた酔った父親を湖に沈めて殺害。それを目撃した兄から逃れるため、行方をくらました。そのため、ヘンリックにも連絡をしていなかったのだった。

事件を追いながら手がかりが出て捜査が進展し、次第に調査の網が絞られていく。リアルな事件の描写も迫真性に富み、強く話に引き込まれる。謎の解明も、この手の作品にありがちな意味深長な終わり方ではなく、殺人の動機から失踪の理由に至るまで、本人の述懐により、迷いなく理解することができ、分かりやすい。
ビュルマン弁護士の脇が甘すぎるのがちょっとな、とは思ったが、一級のサスペンスである。

【5段階評価】4

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(760) クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦

【監督】増井壮一
【出演】矢島晶子(声)、愛河里花子(声)、玄田哲章(声)
【制作】2011年、日本

劇場版クレヨンしんちゃん第19作。

しんのすけ(矢島晶子)は、スカシペスタン共和国のスパイである7歳の少女、レモン(愛河里花子)とともに、ヘーデルナ王国に侵入し、メガヘルデルIIという物質を奪い取る。
スカシペスタン共和国では、ナーラオ女王(井上喜久子)とヨースル女王(川浪葉子)が、おならの力で軍事大国にのし上がろうとする計画を立てていた。メガヘルデルIIは、人に膨大なおならをさせる物質だったのだ。
レモンは計画に反対し、しんのすけとともにメガヘルデルIIを奪い返すと、それをほとんど食べ尽くすと、残りを二人の女王の口に押し込む。女王二人の野望は霧散ならぬ屁散するのだった。

子供向けの罪のないばかげた話だが、しんのすけが、レモンちゃんにだまされたと知りつつも、彼女を助けに戻るところは、ちょっとした感動があった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(759) トゥルーマンショー

【監督】ピーター・ウィアー
【出演】ジム・キャリー、エド・ハリス、ナターシャ・マケルホーン、ローラ・リニー
【制作】1998年、アメリカ

日常生活をそのままテレビ番組にされている男の冒険を描いた作品。

保険会社に勤めるトゥルーマン(ジム・キャリー)は、巨大なドーム型セットの中で多数の俳優・エキストラに囲まれて暮らしていた。彼の行動は5,000あまりの隠しカメラで24時間ライブ放映されているが、本人だけはそのことを知らされていなかった。
彼は幼い頃、海で遭難し、父親を失っていたが、浮浪者の役で登場した彼にトゥルーマンが気付いてしまう。その後も不可解なことに気づき始めた彼は、番組制作者の裏をかいて家を抜け出し、海に出る。制作者の嵐攻撃にもめげず、彼はついに、海の果ての壁面にたどり着く。
制作者の責任者、クリストフ(エド・ハリス)は、中の方が安全だぞ、と忠告するが、彼はドームの外へ偉大な一歩を踏み出す。視聴者も彼の決断に喝采をあげるのだった。

トゥルーマンの妻(ローラ・リニー)や友人などがさりげなく商品の宣伝をしていたりするのが楽しいが、基本的に設定に無理がありすぎて、ちょっと感情移入の難しい作品だった。だって、人間である以上、鼻くそもほじくればうんこもする。妻との性生活や自慰もあるだろうし、テレビ放映、しかもライブなど、はなからありえない。まあ、あまり深く考えてはいけない作品であるが、それゆえ奥の深さは感じられなかった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(758) ジャングル大帝

【監督】竹内啓雄
【出演】津嘉山正種(声)、富田耕生(声)、柊美冬(声)
【制作】1997年、日本

手塚治虫原作漫画の劇場版。

ジャングルの王、レオ(津嘉山正種)に、待望の子が誕生。オスのルネ(柊美冬)とメスのルキオ(椎名へきる)はすくすく育つ。
一方、強欲な探検家のハム・エッグ(立川談志)が、人類にとって貴重なエネルギーとしての可能性を秘めた月光石を求め、レオの住むジャングルにやってくる。彼らは木を切り倒し、動物を容赦なく殺し始めたため、同行していたヒゲオヤジ(富田耕生)はラムネ(松本保典)とともに別行動に出る。
ヒゲオヤジは動物たちが死斑病に苦しんでいるのを知り、その治療に当たる。妻のライヤ(倍賞千恵子)に死なれ、娘のルキオの発病にもなすすべのなかったレオは、治療してくれたヒゲオヤジを信頼し、彼らが月光石のありかに向かうことに協力する。
ハム・エッグはその後をつけ、月光石を奪おうとする。ラムネが凶弾に倒れるが、レオはハム・エッグに襲いかかり、ハム・エッグは絶命する。
猛吹雪の中、ヒゲオヤジとレオは下山する体力を失ってしまうが、レオは自らの命を投げ出し、自分の肉と毛皮で下山するようヒゲオヤジに伝える。
無事、山を下りたヒゲオヤジはルネと再会し、父親の勇敢な最期を語って聞かせるのだった。

原作では、ルネが洪水に流され、サーカス団に売られるという流れになっているが、テレビ放映では、天災をイメージさせるということで、人間の世界に興味を持ったルネが自ら冒険に出るような流れに変更されている。
ルネがオルゴールを気に入る話やサーカスでの活躍などが、大筋と関係のないエピソードになっており、展開の細切れ感が全体的な印象をこぢんまりとさせてしまっており、残念な気がした。

【5段階評価】2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(757) キリング・ミー・ソフトリー

【監督】チェン・カイコー
【出演】ヘザー・グラハム、ジョセフ・ファインズ、ナターシャ・マケルホーン
【制作】2002年、アメリカ・イギリス

有名登山家との激しい恋に落ちた女性が、その奥に潜む犯罪に巻き込まれるサスペンス。過激な性描写が盛り込まれている。

通勤途中の横断歩道で登山家のアダム(ジョセフ・ファインズ)と電撃的な出会いをしたアリス(ヘザー・グラハム)は、恋人と別れ、彼と結婚する。しかし、彼女のもとに、アダムはレイプ魔だという匿名の手紙が届く。不安になった彼女はアダムの過去を調べるうち、彼が過去につきあった女性を、独占欲の強さの余り、殺害しているのではないか、という疑いを持つ。彼女はアダムから逃げ出し、警察に駆け込むが、何の証拠もない、と取り合ってもらえない。
アリスはアダムの姉、デボラ(ナターシャ・マケルホーン)に相談に行く。デボラはアリスの身を案じ、アダムの犯罪の証拠をつかむため、女性が埋められていると思われる場所に来るまで向かう。アダムもそれに気づき、後を追う。
アリスはデボラと地面を掘り、ついに人骨を見つける。それは、アリスがデボラにもらったのと同じネックレスをしていた。女性を殺害したのはデボラだったのだ。独占欲が強いのはアダムよりデボラの方で、デボラは若い頃のアダムとの近親相姦の味が忘れられず、アダムに近づく女性を殺していたのだった。アリスに襲いかかるデボラ。そこにアダムが現れ、アリスを救う。アリスは信号弾をデボラの腹に撃ち、アダムを救う。
アリスはアダムと別れ、別々の人生を歩むのだった。

サスペンスとしてはなかなかだったが、終盤でなんとなく、これは姉が真犯人かな、と読めてしまうのと、それが判明するのが同じデザインのネックレスというのがパンチが弱く、あまりぞっとする感じがない。また、だとしたら姉がアリスに襲いかかるのが遅すぎで、少々不満の残るクライマックスだった。
出会った直後の激しいセックス・シーンは、ヘザー・グラハムの豊満な胸をジョセフ・ファインズが激しく揉みしだくハードな映像。ここまでする必要があるのかはよく分からないが、観ておいて損はない貴重なシーンである。放映したIMAGICA BSに拍手。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(756) 大阪外道

【監督】石原貴洋
【出演】木村涼介、河本政則、大宮将司
【制作】2011年、日本

第22回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオフシアター・コンペティション部門でグランプリに輝いた作品。

母親が入院中でとび職の父親(水野祐介)と二人暮らしの中一の少年、マサシ(木村涼介)は、小学生達のボス的存在の不良だったが、高校生のカツアゲには屈していた。町では高校生はチンピラに、そしてチンピラはやくざにやられるという強弱関係があった。
ある日、マサシの父親が作業現場の事故で入院してしまい、親戚からも面倒を見ることを拒否されたため、何人かの子供達を世話しているという男の家に世話になる。男は杉村(大宮将司)といい、店からみかじめ料を取って人から金を脅し取る極悪人で、外道と呼ばれてヤクザからも一目置かれていたが、子供には優しかった。
一方、地元ヤクザの息子、飛髙(河本政則)は、非道と呼ばれ、からんでくるチンピラをプラスドライバーで刺し殺す傍若無人ぶり。ヤクザはヒットマンを送り込むが、返り討ちに遭い、怒った彼は父親を含め、事務所のヤクザを皆殺しにしてしまう。
飛髙の息子のテツオ(河本龍明)はひどい虐待を受け続けており、杉村の家に逃げ込んでいたが、見つかってしまう。息子を連れ戻す飛髙を杉村とマサシが追いかけるが、彼は杉浦も殺してしまう。そこに通りかかったマサシの父は、息子を守ろうと飛髙に飛びかかるが、とてもかなわなず、その場から逃げ去る。しかし、彼は車で戻ってきて飛髙をはね飛ばすと、マサシを連れ帰る。
マサシは近所の高校生にカツアゲされるが、今度は彼らに殴りかかるのだった。

さすがに映像はビデオ撮影っぽいし、歩き方はぎこちないし、最初の子供の会話から学芸会のようなので、「おいおい大丈夫か」という感じではあるのだが、途中で出てくるチンピラなんかは、本職ですか、と聞いてしまいそうなほどリアルで、話にはぐいぐいと引き込まれた。
暴力は輪廻するというような救いようのない話ではあるが、面白かったか、と聞かれれば素直に面白かったと言える作品だった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

(755) ノルウェイの森

【監督】トラン・アン・ユン
【出演】松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子
【制作】2010年、日本

村上春樹原作小説の映画化作品。若い男女の恋愛をシリアスに描いている。

ワタナベ(松山ケンイチ)は17歳の時、友人にキズキ(高良健吾)を自殺で亡くす。東京の大学に進んだ彼は、キズキの恋人だった直子(菊地凛子)と再会。直子の20歳の誕生日に初めて愛し合う。処女だった彼女に思わず、なんでキズキと寝なかったの、と聞いたことで彼女はふさぎ込んでしまい、精神を病んで京都の山奥の療養施設に入る。
大学で一人、食事をしているワタナベに、緑(水原希子)が興味を持ち、接近してくる。二人は口づけを交わすが、深入りはしなかった。
ワタナベは直子を愛し、彼女のいる施設にも通い、好意を寄せてくる緑とは距離を置いていたが、直子の病状は回復せず、とうとう彼女は自殺してしまう。
直子と施設で同部屋だった女性、レイコ(霧島れいか)が彼の部屋を訪れ、レイコの願いで二人は体を重ねる。レイコを見送ったワタナベは、緑に電話するのだった。

小説自体が、霧に包まれた森林のような、朝露に濡れそぼった草原のような湿った印象のある物語で、本作はそうした質感を、自然の美しい景観により、うまく表現していると感じた。
菊地凛子は、「バベル」でも常軌を逸したような女性を演じていたが、本作の直子役にも、鬼気迫る迫力があった。
ただ、何となくテーマが重すぎて、観た後に「ああ、面白かった」というような快感はなかった。

【5段階評価】3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«(754) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ